最近話題の菊芋ってどんな野菜?

 

古くて新しい野菜「菊芋」。
実際に菊芋の花を見たことがある、という人は、都市部ではあまりいないかもしれません。

 

でも、秋の気配が濃くなる10月の初めごろに郊外へ行くと、
忘れ去られたようなあぜ道や線路際の空き地に黄色が目を引く背の高い花が咲いていることがあります。
ヒマワリも終わった秋の野原に菊によく似た黄色い花を見かけたら、それは菊芋かもしれません。

 

菊芋を日本で食べるようになったのは、江戸の末期から明治の初期くらいと言われます。
開国を求める使節団が持ち込んだものが定着したというのが一般的な説です。
当初は普通の食用というよりも保存食や飼料という扱いだったようで、主な用途はお漬物でした。

 

日本で菊芋が広く食べられるようになったのは、第二次世界大戦の食糧難の時代です。
人手も肥料もない時代、荒地で放っておいてもどんどん育つ菊芋は、貴重な栄養源となりました。
東日本以北で80代以上の高齢の方たちに聞くと、かなりの確率で菊芋を知っているはずです。

 

戦争が終わり、豊かな時代が戻ってくると同時に菊芋は忘れられ、
荒地の隅にひっそりと花を咲かせるだけの雑草となりました。

 

ところが近年、この菊芋に豊富に含まれる成分が健康に役立つことがわかり、再び注目を集めています。

 

天然のインスリン「イヌリン」とは?

菊芋が注目を集める理由は、「イヌリン」という成分を非常に豊富に含んでいるから。
イヌリンは植物が光合成によって作り出す糖の一種で、糖の分子がたくさん結合した多糖類に分類されます。
普段私たちが食べる野菜では、ゴボウやニラなどに含まれている成分です。

 

このイヌリンがなぜ注目の的なのか?
それは私たちの生活に忍び寄る生活習慣病の一つ糖尿病に対して高い予防作用を持っているからです。

 

イヌリンは人間の体内では消化することができない糖で、水分を含むとゲル状になり、一緒に食べた糖分を吸収しにくくする性質を持っています。
腸内で発酵するとフラクトオリゴ糖に変わり、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整える働きもあり、食後血糖値の上昇を抑える効果があるのです。

 

血中の糖を細胞に引き渡す重要な役割を持つホルモンがインスリンですが、
食後の血糖値の上昇が穏やかになることでインスリンが充分に働けるようになり、
血液中に残留する糖を抑えることができます。
そのためインスリンを製造する膵臓に負担がかからず、常に血糖値が上がりにくい状態に変わってきます。

 

現代人は過剰な糖や脂肪の摂取によってインスリンの製造が追いつかず、
それが糖尿病の増加に拍車をかけていると考えられています。

血糖値の上昇を抑えるイヌリンは、まさに糖尿病の特効薬、天然のインスリンなのです。

 

 

糖尿病の合併症予防にも菊芋!?

 

糖尿病の予兆を見逃すな

 

糖尿病は一度かかるとなかなか治らない厄介な病気です。
しかも合併症は重く、命の危険に直面するものばかり。
長い人生、好きなものも食べられずに薬に頼って生きていくことになるかどうかは、日ごろの心がけ次第です。

 

糖尿病はまた、気付きにくい病気としても有名です。
健康診断で血糖値が少し上がったとしても、自覚できるような症状はほとんど出ません。

 

糖尿病の初期に良くあらわれる変化としては、

  • 口の中が乾く
  • 水をたくさん飲む
  • トイレが近くなる

というものがあります。

 

でもこの状況で即、病気を疑いますか?普通は疑いませんよね。
しょっぱいものを食べれば喉が渇き、自然に水を飲み、だからトイレが近くなる。
どれもこれも当たり前のことでしかないからです。

 

自分で糖尿病かどうかを知ることができるのは、尿から甘いにおいがするようになってからです。
異常に泡立つ尿を見て慌てても、その時にはもう本格的な治療からは逃れられないほど病状が進行していることが多いのです。

 

人間ドックや健康診断を受けている人は、血糖値の数値を甘く見てはいけません。
数値が上がっていたら、すぐにでも予防を始めなければ間に合わないのです。

 

こんなに怖い!糖尿病の合併症とは

さまざまな予兆や数値を無視した結果糖尿病になってしまったら?
今度は徹底的な食事制限を含む長い治療の始まりです。
なぜなら糖尿病は、尿に糖が混じるだけの病気ではないからです。

 

糖尿病の恐ろしさは、その合併症の重さにあります。
糖尿病の合併症として有名なものは3つあります。

 

糖尿病性網膜症

目玉のまわりを覆っている網膜には、非常に細い血管が蜘蛛の巣のように走っています。
高血糖によってこの血管が詰まったり細くなったして変形を起こし、
最終的に失明まで至るのが糖尿病性網膜症です。

 

糖尿病性腎症

糖尿病は尿に関わる器官、腎臓にも多大な悪影響を及ぼします。
腎臓は血液をろ過して水分を排出しますが、この役割は腎臓の毛細血管の集合体が行っています。
高血糖でこの血管が動脈硬化を起こすと、いわゆる尿たんぱくが出るようになります。

 

腎臓は有害物質の排出を行わなくなり、毒素が血液中を巡ることによって尿毒症の症状が出始めます。
日本における人工透析の理由の第一位は、この糖尿病性腎症によるものです。

 

糖尿病性神経障害

一番早くあらわれる合併症の自覚症状が、手足のしびれです。
末端の感覚が鈍くなったり、逆に異物感や鈍い痛みが出る場合もあります。
けがや火傷に気づきにくくなり、最悪な場合は手足の壊死を招きます。

 

他にもアレルギーが起こりやすくなったり感染症にかかったり、まるで病気の量販店のような状態に陥るのが糖尿病の恐ろしさ。
そうなる前に糖尿病を遠ざける菊芋が注目されるのも、納得ですね。


 

 

菊芋が糖尿病からあなたを守る!

菊芋はヘモグロビンと血糖値をどんどん下げる

これは菊芋の効果について研究を重ねておられる医学博士・岡宗男氏が実際の治療体験から報告されている事実です。
博士は約30年にわたり糖尿病の治療に従事され、ロンドン大学への留学経験も持つ糖尿病治療のエキスパート。
その博士が医師として糖尿病に向き合ってきた結果、菊芋の驚くべき効果に注目するに至ったと言います。

 

効果があるといっても、「なんとなく体調が良い」というレベルでは巷にあふれる怪しいサプリメントと何も変わりませんね。
博士は実際の治療による数値の違いに注目しています。

 

糖尿病を診断される基準値としては、現在この3つの血液検査の数値が重視されます。

  • 空腹時血糖値が126mg/dL以上で通常時でも200mg/dL以上であること
  • ブドウ糖75gを摂取して2時間経過後に200mg/dL以上であること
  • ヘモグロビンA1c(HbA1C)が常時6.5%以上であること

 

糖尿病予備軍と診断された場合、これらの数値を下げることが予防目標となるわけですが、
菊芋を摂ることで簡単にそれが可能になることがわかりました。

 

実際に、特に数値が悪くインスリンの投与が必要なレベルの人ほど、
これらの数値が下がりやすいことが、治療の結果で判明しています。
中には人工透析が必要なレベルの患者に3か月間の菊芋摂取を進めたところ、
血糖値が260mg/dLから85mg/dL、HbA1Cも6.4%まで下がったという実例も報告されています。

 

血糖値が高い状態でインスリンの投与を行えば、確かにすぐに数値は下がります。
しかし、HbA1Cの数値まで下げるのは非常に難しく、血糖値にしてもここまで劇的に下がることは通常考えられません。

 

菊芋のイヌリンがいかにすごい成果を発揮したかが、この1例からも見て取れますね。

 

重度合併症にも菊芋が効く!?

 

一旦重度の糖尿病にかかると、合併症への不安が日々重くのしかかってきます。
失明、手足の壊疽、生涯続ける人工透析治療など、いずれも生活に多大な支障をもたらすものだからです。
それでもあきらめずに菊芋を摂って症状を改善させた人たちがいます。

 

これも上記の博士の実体験ですが、糖尿病性神経障害によって足の指が壊死し、
2本の指を切断せざるを得なくなった患者がいます。
この患者に菊芋の摂取を進めたところ、3か月後には血液の数値が劇的に改善し、
指の切断からさらに範囲を広げていた壊疽がきれいに治ってしまいました。

 

当然腎臓も透析寸前まで悪化していたのですが、
結果的にこの患者は透析を免れてその後も元気に生活をしているそうです。

 

自覚症状が出やすい合併症として、夜間の足の痙攣と激痛があります。
同じようにこれらの症状に菊芋を試したところ、足の痛みがまったくないまでに改善されたという例もありました。

これらの症例はごく一部にしかすぎません。
もちろん重度の糖尿病の合併症が菊芋で完治してしまうという話でもありません。

 

でも、菊芋を摂るだけでつらい合併症が少しでも改善するなら、
これを試さないという選択肢はあり得ない
でしょう。

 

 

他にもある菊芋効果

 

メタボ卒業!血中脂肪やコレステロールも菊芋で撃退!

 

ここまでは菊芋の糖尿病への効果をご紹介しましたが、菊芋の効能はそれだけではありません。
菊芋は名前こそ「いも」ですが、実はジャガイモやサツマイモなどとは全くの別物。
キク科の植物で、ヒマワリと非常に近い仲間です。

 

根が芋状に成長するため「菊芋」の名前がついていますが、
成分には芋の主成分であるでんぷんは一切含まれていません。
ということは、炭水化物として消化吸収されないということですね。

 

菊芋の60%を占めるのが前述の「イヌリン」ですが、これは水溶性の食物繊維に分類されます。
イヌリンは水分を吸うとゲル状になり、胃の中で長くとどまって満腹中枢を刺激します。
さらにそのまま腸に下りて糖や脂肪の吸収を妨げ、余分な栄養素を取り込みにくくしてくれるのです。

 

糖と同様に生活習慣病の原因となるのが脂質ですが、ゲル状になったイヌリンは一緒に摂った食事の中の脂肪を巻き込んで一緒に排出してくれます。
食事に菊芋を加えるだけで、吸収される脂肪の量を低く抑えることができるのです。

 

トクホ製品のコピー風に言うと、「食事の脂肪吸収を抑え」「食後血糖値の上昇を抑え」「腸内バランスを整える」を同時に行うのが菊芋というわけですね。

 

ダイエットにも!腸内環境を整えてスッキリ

水溶性食物繊維と言えば、ダイエッターにはおなじみの成分ですね。
腸の活性化と腸内細菌のバランスには欠かすことができない栄養素です。

 

人間はイヌリンを分解する酵素を持っていませんから、イヌリンは胃や小腸では吸収されません。
大腸までそのまま届いたイヌリンは、そこで発酵によって一部がフラクトオリゴ糖に変化します。これは腸に住む善玉菌「ビフィズス菌」の大好物。
善玉菌を活性化させて腸内環境を良くするお手伝いをしてくれます。

 

水溶性食物繊維のもう一つの特徴が、腸管を刺激して蠕動運動を起こさせ、便秘を解消する効果です。
自身は消化されずに余分な脂肪を巻き込み、オリゴ糖に分解されなかったものはそのまま排出される。
まさに理想的な成分と言えるのです。
このトリプル効果で、菊芋はダイエット食としても非常に人気があります。

 

もちろんビタミン・ミネラルも!健康に欠かせない微量栄養素

ミネラル

地中で育つ菊芋は、ミネラル分もとても豊富。
特に塩分を排出して高血圧に効果が高いカリウムの含有量が高く、カルシウム・マグネシウム・リンのほかに、
鉄や亜鉛などの微量ミネラルもちゃんと含まれています。

 

ポリフェノールセレン

活性酸素を除去するポリフェノール「セレン」の量が多いのも菊芋の特徴の一つ。
セレンを摂れる食品は意外と少ないのですが、含有量の多い海苔やワカメに匹敵する量を含む野菜は菊芋だけです。

 

ビタミン

ビタミン類も含まれており、特にイヌリンの働きを補佐する「ビタミンB1」、
免疫力を高める「B2」はイヌリンと同時に摂ることで効果が期待される成分です。

 

これほど必須栄養素を豊富に含み、しかも消化されないイヌリンがたくさん含まれているのは、現在知られている野菜では菊芋だけ。
どうせ食べるなら体にプラスになるものを。
現代人には菊芋のような食品こそ必要とされているのです。

 

まとめ

外来種で国内ではあまりなじみがない菊芋ですが、原産地の北米はもちろん、ヨーロッパでは健康野菜としてよく食べられています。
日本でも近年の人気に後押しされて、特産品として栽培をする地域が広がっています。

 

菊芋の季節は11月から2月。
もし見かけたら、ぜひ食べてみることをお勧めします。
サクサクとした独特の歯ごたえと、癖のないほのかに甘い味はきっと気に入ることでしょう。

 

生の菊芋は保存が非常に難しいため、食べてみたいけれど手に入らないこともあります。
でも心配はご無用。
粉末状に加工したものを、簡単に手に入れることができるんです。
国産の菊芋粉末は、菊芋を手軽に毎日摂れるお勧めの健康食品です。

 

血糖値が気になる人も、ダイエットで脂肪を減らしたい人も、ぜひ一度試してみるべき。
自分の体で効果を実感すれば、必ず続けようと思うはずです。