あたしと姉と触手と陵辱・前編【18禁】HEADLINE
「……ん、ふ」
といって、お姉ちゃんが起きる。薬で寝ていたのだ。お母さんは鬱を患っていて、睡眠薬を処方されてい
る。それを盛った。
「えへへ、お姉ちゃん、おはよう?」
あたしがそう言うと、お姉ちゃんは、ねぼけまなこにありがちな、ぽけ、とした、虚ろな視線をあたしに向ける。かわいい。すごくかわいいので、あたしは手を伸ばして服の上からおっぱいを触る。相変わらず、でっけー。ずるい。欲しい。すると、お姉ちゃんは多分よく状況が掴めてないのだろうけど、それにもかかわらずの精一杯な社交心を発揮して、にへら、とした笑みを浮かべる。条件反射的な反応だ。電車に妊婦さんが入ってきたら座席から腰を浮かせるときみたいな。けど、お姉ちゃんはすぐに気を取り直して目をぱちぱちとしばたいたあと、あたしのことをまじまじと見つめる。
「……クランちゃん、どうして……」
それから首を下に向けて、自分の体の状況をちらりと確認した後で顔を上げる。少しの疑問と少しの怒りで目が細まっている。何をされつつあるのか、少しだけ気がついたのだ。けどそんな顔をしててもお姉ちゃんはやっぱりかわいい。今度は少しだけ問いつめるような口調で言う。
「これ……、どういうこと?」
あたしは、にへら、と笑う。
「どういうことだと思う?」
言いながら、お姉ちゃんの唇って柔らかそうだな、と考えている。キス、してみようかな。
でも。ダメ。心の中で首を振る。惜しまれながらもお姉ちゃんの唇を奪う誘惑とはおさらば。お姉ちゃんのぷっくらとした桃色の下唇を親指の先でそっと撫でるだけにとどめる。くすぐったかったのか、お姉ちゃんは疑問や怒りとはまた違ったやりかたで目を細める。それを見て、胸の奥が急にどきっとする。
どうしよう……、えろい……。
このまま、なし崩し的にお姉ちゃんと一方的にいちゃいちゃしたくなっちゃったけど、ぐっと我慢する。我慢するのだ。えらいぞ、あたし。それに、今日の趣旨ではお姉ちゃんはただの観客なのだ。
「……意味が、分からないんだけど」
我に返ったお姉ちゃんの、今度は明確に怒りがこもった、声。
「そのうち分かるから少し静かにしててね? はい、あーん」
怒っていてもやっぱり無邪気なお姉ちゃんは、あたしのあーんに釣られてぱっくり口を開ける。この先は、多分怒られたり懇願されたりすることが分かってるので先手を打ってことばを奪う。あたしはさっきから右手に持っていた布切れをその口に押し込んだあと、布が落ちないように、ガーゼ包帯を顔にくるくると巻き付けて猿轡を仕上げる。お姉ちゃんは罠にかかった野ウサギみたいに体をよじるけど、その程度の抵抗は意味ないくらいにちゃんと縛り付けてるから、あたしには、「よちよち、いい子にしてるんでちゅよ?」こう言って、頭を二、三度撫でてあげる余裕すらある。
ところでお姉ちゃん、今、口に入ってるのが自分のパンティだってこと、気がついてるのかな?
薬で意識を失ってる間に、足から抜き取っておいたのだ。かわりといっては何だけど、スカートの下にはパンティよりも、もっと気持ちいいものを張り付けておいてあげた。
お姉ちゃんの恋人は、触手だ。
ちょっとした中型犬くらいのサイズの触手。ねばねばでべとべとなスライム状の本体から、一メートルほどの長さの五本の触手が突きだしている。
一年ほど前、マ界から出てきたばっかりの夢魔のおねいさんに良くしてあげたことがあって、そのヒトは礼儀を心得ていたものだから、あたしとお姉ちゃんに一つづつ触手をプレゼントしてくれたのだ。
けれども、ペットをきちんと躾るタイプのあたしと違って主従関係にだらしのないところがあるお姉ちゃんは、触手を調教せず、職種と友達感覚で接してる間にいつの間にか恋人同士の関係にまで発展してしまった。恋人とはいえさすがに外でいちゃいちゃするわけにはいかないらしく、最近はもっぱら自室でDVDデートを楽しんでいる。
けどさ、それって、釣り合わなくない?
お姉ちゃんは、かわいいのに、妹のわたしから見てもすごく美人さんなのに、社交心が欠けてるから外の人とは付き合いが薄い。だから触手なんかと爛れた関係を発展させたわけだけど、はっきり言って、そんなのは頭がおかしい人間のすることだ。お姉ちゃんは素材がいいから少しおしゃれして、笑顔の練習して、最新の話題をいくつか仕入れれば男なんてイチコロで落とせるはずなのに、それをしない。頭がいいから一度コツをつかんだらあとはいくらでも応用を利かせられるはずなのに、臆病だから、男の人が怖いのだ。だからって、触手なんかに逃げてちゃ駄目だよ。
そのことを何度も指摘した。
聞く耳持たないので、あたしはとうとう堪忍袋の尾が切れた。だから実力行使で分からせることにした。
これは、そのための最初のステップだ。まずは、触手離れ。
そんなわけで、あたしはお姉ちゃんに睡眠薬を盛り、あたしの部屋まで引きずった。身長が139.2センチのあたしより15センチ以上も大きいお姉ちゃんの体を動かすのは結構大変だったけどやり遂げた。愛の力でなんとかなった。
ベッドに上げるのは難しかったから床で服を脱がせ(ごめんね)、肉付きのいい、けれども決して太っているわけではない体に縄をかけて自由を奪う。白くてすらりと延びた両足をMの字に固定してベッドの足に縛り付けた。そのあとで、見た目が寒々しかったから服は着せてあげた。猿ぐつわもはめたし、だから今のお姉ちゃんは、動くことも、叫ぶことも出来ない。
ただ目の前で繰り広げられる情景を見ることができるだけ。
というわけで、まずは触手に対して幻滅させるところからはじめよう。
あたしは一端部屋から出て、お姉ちゃんの自室に入り、よりにもよってベッドの上でゲル化している触手を平手で三発くらい叩いてしゃんとさせる。延びた触手の一本をひっつかんで廊下を無理矢理引きずり、お姉ちゃんが待つあたしの部屋へ。ドアを開けると、お姉ちゃんは縄から抜ける努力をしている最中で、体を前後左右に揺すっている。無駄なのに。ただでさえ大きな胸が、縄で締め付けられて普段よりもボリュームを増している。それが、お姉ちゃんの体の動きにあわせてゆさゆさと弾み、揺れる。悩ましい。両足の付け根の奥が、きゅん、と熱くなって、疼く。
そのことがバレないよう、あたしはできるだけ冷たい声で、お姉ちゃんに宣言する。
「今からここで、お姉ちゃんの触手、犯すから」
お姉ちゃんの瞳が大きく見開かれる。
あたしは、足下でぷるぷると震える触手をつま先で二度ほど蹴り付けてから、お姉ちゃんの前で膝を突く。
「理解してね、このままじゃお姉ちゃん、触手なんかにいいようにされちゃう。乗り越えなきゃ。それを手伝ってあげる。つらいかもだけど、一緒にがんばろ? けど、見てるだけじゃつまんないだろうから」
あたしはベッドの上に置いておいた3つのリモコンを手に取る。お姉ちゃんは、不安そうな視線をリモコンに向ける。
「おねえちゃんはここで、気持ちよくなってて?」
言葉とともに、スイッチを入れる。強度は最弱。お姉ちゃんのおっきな胸の先端と、M字に開かれた両足の間でぷっくらとむき出しになったかわいらしいクリトリスの上に張り付けたローターのモーターが静かに振動する。静音設計なのだ。
お姉ちゃんの喉の奥から、きゅ、というような声が漏れる。猿ぐつわを噛む唇が、小さく震える。高校生のくせに、産毛も生えてないつるつるの裂け目はほんのりと桃色に充血し、早くも透明な液体があふれ始めている。お姉ちゃんのそこはまるで、欲しいよ、気持ちいいのをもっと欲しいよ、っていうみたいに、ひくひくと蠢いてる。処女そのものだったお姉ちゃんを、触手がこんなに淫乱にしたんだ。絶対に、許せない。あたしは縦に盛り上がった割れ目に沿って指を這わせ、濡れた指先をお姉ちゃんの唇に刷り込む。お姉ちゃんは、いやいやするみたいに首を振るけどあたしはそんなこと気にしない。顔を、顔に、近づける。おびえたような、お姉ちゃんの目。視線を逸らす。あたしは意を決して……、お姉ちゃんの唇を、舐める。柔らかい。それに、暖かい。
けど……。
急に罪悪感にかられて、体を離す。どうかしてる。自分でも分かってる。絶対軽蔑された。目を合わせられない。心の奥が、軋む。床のフローリングの木材の合わせ目を見ながら言う。
「おもらししたかったら、していいよ。一応タオル敷いてあるから」
捨て鉢になってそう言って。振り返り、改めて触手に向き直る。
……いまからこいつをめちゃくちゃにしてやる。
ぐっちゅ、ぐっちゅ、と、いやらしい音をたてている。
簡単だ。
根本の部分、本体を押さえつけるあたしの足は、そこから分泌される粘液でどろどろに汚されている。膝上までの黒い靴下が、濡れて、なまめかしく光沢を放つ。ぐちゅぐちゅになった靴下に手を這わせ、自分の足を撫でると、背徳的な気分が背中を駆け上がる。あたしはその気分を振りほどく。あたしが気持ちよくなる必要はないのだ。
一本の触手をつかんで、先端の丸まった部分を親指でじくじくとしごき上げる。堪え性のない触手は、たちまちのうちに先端部から濃厚な白濁液を吐き出す。それが、顔にかかる。これまで散々お姉ちゃんに甘やかされてきた証拠だ。触手のくせに、この程度の刺激を我慢することもできないなんてこと。自分の触手をこんな風にだらしなくさせるなんてこと、あたしなら絶対にありえない。しつけなおしてやる。頬に飛んだ粘性のある液体を手の甲で拭い、制服のスカートで拭う。本体部分を蹴り付けるが、それすらも快感に感じるのか、びくびくと痙攣して先端から淫猥な飛沫をまき散らす。
「ふ、んん、ふぅ、ふぁあっ!」
背後では、お姉ちゃんが身をよじりながら甘い声を出している。最弱設定のローターが与える振動が、徐々に、感覚の奥へと侵入しているのだ。その刺激に我慢できたとしてもそんなものは一時的。波は次から次にやってくるから頭の中は次第にエッチなことしか考えられなくなる。
触手以外のものが与えてくれる快楽が存在するということを、お姉ちゃんは知らないと、駄目だ。
あたしの足の下。触手は反抗的にもあたしに挑戦するつもりらしい。ぶるぶると震えて暴れ始めるが、本体から延びる五本の触手のうち四本を膝の裏に挟んだまま正座の形で押さえつけたあと、先ほどから責め立てる一本を口でくわえ、先端部分を舌先で転がす。舌を這わすと、男性器にも似た触手のカリ首が異様に立っているのが分かる。男の人のものを見たことはないけれど、けど、こんなにそそり立ったカリ首は女の子の柔らかい体にとって凶器でしかないということは理解できる。この凶悪な肉の棒が、お姉ちゃんの膣の中を行ったり来たりしていたんだ。そのことを考えると、黒い怒りがふつふつとこみ上げてくる。服を脱がすとき、万が一を考えてさっき体を調べたけど、お姉ちゃんはやっぱり処女ではなかったし、それに……、お父さんとお母さんが家を空けた夜には、お姉ちゃんの部屋からは決まって切なげなあえぎ声が聞こえてきた。
触手は、口の中でびゅくん、と跳ねて、今にも先端から汚れ液を噴出させそうになる。あたしは前歯を使ってで触手の先端の亀頭に相当する平坦な部分を噛み、両手で触手の茎を掴んで液の流れを止める。ぬるぬるした感触が、指先でゆっくりと潰れる。上等にも痛みを感じるのか、膝の裏に挟んだ四本の触手がばたばたと暴れる。あたしはほくそ笑みながら、お父さんが自分では隠してるつもりになっているDVDコレクションの中の一本で驚くほど綺麗なお姉さんが実演していた通りに、喉の根本と舌、前歯と唇の全部を連動させて、絞り上げるように触手を刺激する。じゅぷ、じゅぷ、といういやらしい音が漏れ、あたしはいつの間にか、触手を握っていた右手を自分の……太股に延ばしている。
頬が上気しているのが自分でも分かる。部屋の中に淫猥な熱気が立ちこめる。子犬の鳴き声みたいに甘いお姉ちゃんのイキ声と、口にくわえた触手の水音、それに、いつの間にか自分をまさぐるあたしの右手が敏感な粘膜の表面を擦り上げる音が、亜空間じみた空気を醸造している。
……知らない間に、あたしはその空気に呑まれ、桃色の雰囲気に一体化している……。
あたしは触手を口でしごきながらも、いつの間にか自分の下半身を探っている指を動かすのを止めることができない。こんなこと、イケないことだと分かってるのに……。普段なら、絶対こんなこと、しないのに……、おしっこの穴の上、触られることにすら慣れていないあたしの小さな突起物が精一杯頑張って、ぷっくりと膨れている。指先がそこを触り、撫で、優しく潰し、振動をくわえる度に、気を飛ばしそうなくらいの快感が頭に向かって突き抜ける。膝の裏に挟んだ触手の程良いうねりが、いやがおうにも官能を引き立てる。そのうちの一本を掴んでほんのわずかに引きずり出し、ひくひくと快楽を求める股間に側面を押しつける。冷たいような、柔らかいような感覚が、じんわりと広がる。
その間にも、左手で握り潰す触手には内側から圧力が高まっている。そして、こみ上げてくる粘液を押さえつけられなくなる瞬間がやってくる。自らの女の子の部分をまさぐることに夢中になっていたあたしは、寸前で触手の膨張に気がついて、あわてて口から引き抜こうとしたけれども結局間に合うことはなく、怒張した鈴口から弾けた白濁液があたしの口内を苦く汚す。濃厚な臭気にむせて、涙があふれる。喉の奥にへばりついて、気が遠くなりかける。信じられない。口を汚されたショックをどうにかして追い払うために、握った両拳で触手の本体を殴りつける。
……あたしに隙ができるその瞬間を、待っていたんだと思う。
というのも触手は、渾身の力を振り絞ってあたしの膝の下から自らを引き抜き、あたしの両足を絡み取ったのだ。あたしは反射的に手を伸ばして足に絡まりついた触手を剥がし取ろうとしたけれど、触手は逆に、器用に両腕に巻き付いてあたしの四肢の自由を奪う。
あたしは頭に来て、触手の本体に蹴りを入れようとするけれど、固定された両足はぴくりとも動かない。触手のくせに。あたしにこんな真似をするなんて、絶対に許せない。腹が立ったので体を左右に揺すっていると、さっきまであたしがくわえていた触手がゆっくりと、あたしの体の上を這っていることに気がつく。その進行方向には……。
指をあてがうため、横にずらされた綿の下着の下、ぴったりと閉じた処女の割れ目から一生懸命存在を主張する充血した肉芽があって……。
……油断しすぎたのかもしれない。
あれ?
と、思っている間にも。
触手はあたしの肌の上を、まるで獲物に近づく蛇のようにゆっくりと這い進む。まるで、じらすように。けど、じらすって一体、何を?
そんなことは分かっている。けれど、認めたくない。認めるのが怖い。
……触手を捕らえているはずのあたしが、逆に捕らえられてしまったのかもしれない、なんていうことを。
試しに両腕と両足を動かそうとするけれど、がっちりと押さえ込まれていて、ぴくりとも動かない。
気が付けば、追いつめられ、せっぱ詰まった切実な気分に襲われている。
そして触手は、あたしのそんな恐怖を感じ取ったかのように、ひくひくと存在を主張する未熟な性器まで15センチの距離で一気に跳躍する。
それを目にしても、あたしにできるのは、腰を上下左右に動かすことだけで。
「あ、ふ、あんっ!」
まずは触手が丸ごとぱっくりとくわえ、試しとばかりにクネクネとこね回すクリットから伝わる快感、巧みな動きで一気にてっぺんまで上り詰めた官能のその気持ちの良さに思わず意識をごっそりと奪われそうになったのはつかの間で。
触手は、あたしを嘲るように、充血した突起を前菜程度にもてあそんだ後、これまで異物など受け入れたこともない女の子の聖域に、躊躇することもなく飛び込んだ……!
「……っきゃ、っいやああああああっ!」
とてつもない激痛が体を走る。
神経に五寸釘を打ち込まれたような、体の芯を剃刀で一気に切り裂かれるような、そんな、ありえないくらいの痛みがあたしの意識を現実の世界の一番表面に向き合わせる。
「やっ、だぁ、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い!」
処女の膜が、躊躇なく破り捨てられた、そのことの意味を考える暇もなく。
脳天を突き上げる痛みがあたしを苦痛の渦の中に放り込む
本当に、痛い。なにも分からなくなる。痛いということだけが本当になる。全部になる。唇を噛んで、泣き声を上げ、目を堅くつむり、首を左右に振る。お腹に力を込めて、手をぐーぱーさせ、足の裏をぎゅっと縮こませる。
けど、そんなことはまったく意味がない。
触手は、いつか本当に大切な人ができたときのために、生まれたままのつやつやな無傷でとっておくと密かに心に決めていたあたしの幼い秘め箱を、何の準備をする間もなく、それこそ子供が障子紙でも破るようにあっけなく、無惨に、無造作に貫き通す。あたしの薄い処女膜を、ぐちゃぐちゃに、破り捨てる。
絶望的な喪失感に悔しさが混じる。絶対に、許さない。何があっても、このカタはつけてやる。そんな気丈な決意はけれどもまたたくまに四散して、じわじわと忍び寄る現実的な恐怖にとって変わる。
手足を動かすこともできない束縛された状況で、触手はあたしの体の奥からゆっくりと太い身を引き出していく。異物の感触に擦りあげられる膣膜が、むき出しになったその初々しい神経で、触手の荒々しい動きの一つ一つを関知する。そして、一気に……奥の奥まで突き入れられる。潰れるような生音を立てて、あたしの器官が醜くひしゃげ、形を無様に崩す。引き抜かれては突かれ、その度にやってくる苦痛と気持ちの悪い挿入感が、あたしの体は二度と元には戻らないことをその都度残酷に告げる。
けど……、これで、あたしもお姉ちゃんと同じ……。
そんな考えが、ちらり、と、残像のように思考をかすめた気もした。
体は、相変わらずぴくりとも動かすことが出来ない。
一方的に蹂躙されることへの恐怖で、奥歯がかちかちと音を立ててかみ合わされる。
あたしの中心に開いた肉穴の奥深くまで突き入れられた触手の先端、ついさっきまで、あたしの口の中で身悶えた無力な粘膜質の弾力にしか過ぎなかったその凶器が、ずるずると引き出さていく。カリ首が肉襞に引っかかるおぞましい感触をひとつひとつ意識する。
小刻みなピストン振動がようやく収まる。そのまま膣口近くまで引き出された触手を、安堵の思いで見つめる。きっと、これで終わるんだ。もう少しで、抜いてもらえる。呼吸は浅くなり、視界は涙で滲んでいる。もどかしくなって、腰を引こうと力を入れる。そうすれば、触手が自ら抜くのを待たずに、痛みで悲鳴を上げる膣をこの凶器から解放できると思ったから。触手は、悟っているに違いない。そろそろあたしの体は限界だ、っていうことを。初めてのものを受け入れて、あたしは息も絶え絶えになっている、ということを。これで、ようやく終わらせてもらえる。だって、これ以上続けられたら、あたしはきっと、死んでしまうに違いない……。
……けれども、そんなのは全部、あたしの思い違いで。
太股の付け根までがっしりと固定されたあたしの腰は、力を入れたところで結局ぴくりとも動かすことが出来ず。
破瓜の血が、ぬらぬらと表面を赤く汚すその触手は。
あと1センチで抜けるというその場所でぴたりと後退を止める。
……本当は、頭のどこかで、分かっている。まだ、終わるはずはないのだ。あたしの都合なんて、考慮してくれるはずがないのだ……。
まだ、続く。
まだまだ、続く。
そのことが突如、現実としてあたしを圧倒する。逃れられない絶対的な未来にとらわれて、あたしは一瞬、絶望のあまり、意識を飛ばしかける。
……あとわずか数ミリで抜ける、と思われた触手の先端が、再び少しづつ、奥に向かって押し戻される。
「いやあぁぁぁ……、やめてえぇぇぇ……」
触手はあたしの懇願になど決して耳を貸すわけもなく、最初にそこを貫いたたのと同じ容赦のなさで、あたしの中を勢いよく掘り進み……、子宮口までの距離を一瞬にしてゼロに縮めた。
最初にあたしを襲った激痛……は、今度はなぜだか感じない。けれども、その代わり、気も狂いそうな異物感がからだの中で膨れあがり、あたしの肉体感覚をばらばらに解体する。それが……、すごく怖い。
「やだよお、謝るからぁ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいぃ……、ゆるしてえぇ……」
腕ほども太い触手がズルズルと貪欲にあたしの膣口へともぐり込む。そういう風には決して出来ていないはずのあたしの秘め壺は、力づくで目一杯まで開かされる。
出て、入って、出て、入って。ズーンッ、ズーンッ、ズンッ、ズンッ、と奥深くまで突き入れられて、ずるずるずるずると引き抜かれる。同じ動きが何度も何度も繰り返されるにつれ、次第にこなれてきた柔肉は、ずぶずぶ、ぬちゃぬちゃ、といやらしい音を立てて往復する触手の刺激に組み伏せられ、なされるがまま。触手は、太くて、柔らかくて、ぐねぐねと動き回りながらあたしの中で暴れ回る。内臓が外まで引きづり出されるような強烈な不快感が、嵐の夜の荒波のようにあたしの理性を翻弄し、蹂躙する。あたしは、自分の体に起きたそんな一部始終を泣きじゃくりながら見下ろすしかできない。
いつの間にか、両手を拘束する触手が解けている。自由になれたことにうれしさを感じたのもつかの間、その新しい二本の触手のうちの一本が、あたしのお尻の入り口のまわりをまさぐっていることに気がついて呆然とする。
試しとばかり、柔らかい肉穴の入り口をツツく触手に向かってわたしは思わず叫んでいる。
「お尻、お尻の穴はぜったいにだめえっ!」
けれども触手は、あたしの悲痛な叫び声をむしろ合図とするかのように、少しづつ、後ろの汚穴から直腸に侵入を開始する。
「ひぐっ……やだ、やだぁ……そんなところに……入ったら……ウンチ、でちゃうぅ……」
お姉ちゃんの前なのに……、お姉ちゃんが見てるのに、あたしは無力な雌犬のように、挿れられ、突かれ、淫らに腰を振ることしかできない。好きにされて、弄ばれ、快楽の玩具に変えられて……。涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を上げる。うっすらと滲む視界の中で、どうやってか、片手だけ自由になったお姉ちゃんが、静かに泣きながら自分を慰めている姿が目に入る。
「やだよお……、お姉ちゃん……、そんなことしないで……」
はっとしたように、お姉ちゃんが顔を上げ、あたしと目を合わせるけど、けれどもそれは一瞬のことで、お姉ちゃんはすぐに視線を横にそらしてしまう。それを見て、何よりも……、悲しいキモチが胸に溢れる。
あたしはとうとう堪えられなくなり、ひぐ、ひぐ、と、嗚咽を上げながら……。
「……おねえちゃん……、助けてぇ……」
お姉ちゃんに、助けを求める。
けれども、そんな懇願が無意味なことは、何よりもあたし自身が分かってる。お姉ちゃんをそこに縛り付けたのは他ならぬあたしなのだ。触手があたしの処女を奪う一部始終をお姉ちゃんに見せつけるお膳立てをしたのは、他ならぬあたしなのだ。そのことが、とてもつらい。
あたしは泣きながら、股間に突き刺さった触手に自由になった両手をかけて、引っ張る。その動きに連動して、ぐにゅぐにゅ、と、感覚すること自体がありえない部分で触手が蠢いているのを感じる。
「ダメぇ……、子、宮の中にぃ……入っちゃってるよぉ……モノが入ったらダメなところ、ぐりぐり、ってかき回されて……赤ちゃん……産めないからだになっちゃうよぉ……」
けれども……。
コワいのに。イヤなのに。汚らわしくて、おぞましいのに。
どうして。
……どうしてこんなに気持ちがいいんだろう……。
次の瞬間、びゅく、びゅく、びゅく、と音を立てて、ドロドロした液体が子宮の奥に際限なく送り込まれる。
その間にも、直腸への侵入を成功させた異物感がおなかの中をかき回す。破かれた処女膜の痛みはいつのまにか失われ、その代わり、頭がおかしくなりそうな快感の渦があたしの中で暴れ回りはじめる。
戸惑い、必死で否定しようと試みても、その感覚は、嘘なんかじゃなく、本当で……。
きゅんっ、と、膣口にうっとりするような波動を感じる。
ふわっ、と、意識が浮き上がる。
その感覚は、すぐ消えてしまうけど、間をおかずにやってくる。
すぐさま消えてしまうから、その前に捕まえないと、消えていってしまうから……、気が付けばあたしは、一生懸命腰を小刻みに動かしている。
ともすればどこかに逃げだそうとする、ふわふわとしたキモチ良さを追いかけて、一生懸命意識を集中し、適切なタイミングで下腹に力を入れて……。
流れる水の中の一粒の砂糖みたいに、ほんのかすかだった甘さを夢中で追い求めているうちに、じわり、じわり、と、小さな快楽を弾けさせる方法を発見する。
ぱちん、ぱちん、と存在を主張し始めた快感は、出現する感覚を次第に狭めはじめ、気が付けば、無視するほどが出来ないくらいに圧倒的なものとなってあたしの意識を埋め尽くしはじめ……
「ダメぇ……キモチ……いぃ……」
何かの冗談、ほんの試しのつもりだった。けれどもあたしは確かにそういう意味のことばを口にして……。
けれどもそれは、ただの一度でも口にしてはならない言葉だった。
………………
…………
……
「あん、あんっ、あんっ、あんっ! 、やんっ、あう、あぅ、ぁ、ん、あぅ、あっ、あぅ、あっ、 あんっ、あんっ、あんっ……!」
子宮口をリズミカルに打ち付ける触手に合わせて迸るはしたない声を止めることはできない。半開きになった唇からしたたり落ちた唾液が糸を引いているのを頭の片隅で認識する。
両腕と両足にねっとりとからみつく肉厚な感触があたしの指を一本一本シゴキ上げる。鋭敏で繊細な神経の一本一本に直接打ち込まれてくるような逃れようのないキモチ良さがあたしの意識をガタガタに犯す。触手は形を変えて、五倍もの大きさに膨れ上がっている。トリモチのような本体に、あたしの足を、腕を、ずっぽりと埋め込ませ、そこに生じた無数の突起物を高速で動かして休む暇もなく神経の全てを刺激し続ける。
性器なんだ……。あたしの指って本当は、一本一本が性器だったんだ……。
波打つ快感にもまれながら、あたしはふと、そんなことに思い当たる。
だって、こらえきれないくらいにキモチがいい。汗みずくになりながら、あたしは押し寄せる快感の波の一つ一つを貪欲にむさぼる。
ふくらはぎ、ふともも、上腕、二の腕……。これって全部、性器だったんだ……。
快楽の海の中で溺れながら、ぼんやりとそんなことを考え続ける。
すると、手足をなめ回される気持ちよさにかまけていたあたしの舌が休みがちになっていることを咎めるように、奥の奥まで突き入れられた男性器型触手があたしのお尻と子宮の中で、小さく回転運動を始める。
手足を舐められるのとはまた違った危険な気持ちよさが、びーん、と、直接背筋を一直線に貫く。
お尻を振って、あたしが分泌する愛液と触手の放つ樹液がとめどなく溢れる秘部から触手をなんとか引き抜こうとしてもそんなのは所詮無駄な努力で、外側と、そして内側から、がっちりと抱え込まれたあたしに逃げ場はない。
あたしの小さな胸の先端で勃起し切ったピンク乳首に絡みつく糸状の触手が、敏感になりすぎたその突起を力一杯押しつぶし、あたしの意識は強制的に現実へと浮上させられる。つんとしたこの痛みにせかされたあたしは、仕方なく奉仕を再開する。
「ひっく……、くちゅ、ちゅ、ちゅぱ」
あたしは泣きながら、お姉ちゃんの股間に顔を埋めて……、お姉ちゃんの……、ひくひく物欲しげに蠢く、肉厚で、柔らかい蜜穴に舌を突き入れて……、ざらざらした舌の表面や、器用な先端部を一生懸命に動かして、お姉ちゃんを気持ちよくさせる。
張り付いていたバイブレーターは、とっくに剥がされてどこかに転がっている。
「ふぁ、はぅう……」
猿ぐつわがはめられたお姉ちゃんの口から、小さなよがり声が漏れる。同時に、お姉ちゃんの体温を帯びた液体が、じゅん、って奥からあふれ出してくる。おねえちゃん、あたしの舌遣いに悦んでくれてる……。そのことに想い至り、胸の心臓のあたりが、きゅん、となる。
あたしの頭には、さっきまで自分の秘所をいじくっていたお姉ちゃんの右手がそっと置かれてる。えらいね、がんばったね、って言うように、やさしくあたしの頭を撫でてくれている。
「くちゅ、ちゅぱ、ひっく、ちゅ、くちゅ、おねえちゃん、おねえちゃん……」
おねえちゃん、キモチいいんだ……。そのことを想うと、あたしは気が狂いそうなくらい切ないキモチになれて……。
けど……。
こんな時にあたしはふと、我に返る。返ってしまう。
「でも……、ちゅ、ちゅぱ、ダメだよぅ、くちゃ、くちゅ、んちゅ、こんなの、ダメだよぅ……」
あたしをそっと撫でてくれるお姉ちゃんの優しさが、触手に強姦されて気持ちよくなってしまうあたし自身の浅ましさに触れて、あたしの目からはぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。
先端に細長い糸が生えた触手が涙の一粒一粒をすくい取る。糸状触手が頬を撫でるその繊細な感触は、こぼれ落ちる涙さえ快感に変えてしまう。
ダメ押しをするかのように、膣と直腸にうずくまっていた触手が、ズン、ズン、と緩やかなピストン運動を開始する。
お姉ちゃんに対する暖かいキモチが陵辱されたみたいに追いやられ、代わりに快楽以外のナニモノでもない残酷な気持ちよさがあたしの中を占める。
それと同時に。
あたしの頬を撫でていた糸状の触手と同じものが、おヘソや、あたしの小さな胸の先端で痛々しいほどに屹立するピンク色の乳首や、前後運動する極太触手の上でぴくぴくと怯えるクリトリス、ぷっくらと膨れた唇や、それに恥ずかしがり屋で繊細な腋の下に、そっとあてがわれたのを感じる。
あたしは、それらが本格的に動き出す前の、試すような感触を感じてゾッとする。
「あっ、だっ、ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、絶対……それだけはダメ、お願いします、お願いだから、やめてください、絶対に、何でも絶対に言うこと聞くからぁ……」
その感触に我に返ったあたしは、体中の気持ちよさを全部忘れて早口でまくし立てる。
両腕と両足の神経をこそげ落とすみたいにしごく緩やかな快感や、恥ずかしい二つの穴の中を行き来する極太な存在感にはある程度慣れてしまったけど……、けど、今触れられているその場所を全部一度に責められてしまったなら……。
……きっと。
気持ちよすぎて……。
……死……。
「いやぁあああああああっ!」
その瞬間、花火のように、快感が、弾けた。
ぎりぎり、と、歯を食いしばる。ぎゅっと目を閉じて、お姉ちゃんの柔らかいおなかに押しつけるようにして頭をぐりぐりと左右に振る。津波のように押し寄せてくる爆発的な刺激があたしの体の上で暴れ回る。
あたしの尿道からは、しゃーしゃーと無様な音を立ててオシッコが勢いよく放出される。あたしの顔は、お姉ちゃんの愛液と、汗、唾液と涙と鼻水とが入り交じってぐちゃぐちゃになる。
両腕と両足を固定され……、身動き一つ取ることができずに……、二つの穴を、好きなように突かれた状態で、あまつさえ、神経が集まるを無防備に、容赦なく、残忍なやり方で蹂躙されて……。
その瞬間、あたしはとうとう意識をトばした。
………………
…………
……
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、という音で目を覚ます。
我に返り、顔を下げ、下半身を見ると、意識を失っていた間にも、触手はあたしの膣を犯し続けていたらしい。ついさっきまでは処女だったはずのあたしの大切な女の子の印は最奥部まで貫かれ、これまで空気にすら触れたことの柔肉が快楽に喘ぎながら形を歪め、そこから触手が引き抜かれるごとに内襞がメクレあがり濃厚な愛液を滴らせ……。
その一部始終をあたしは、冷静なキモチで眺めている。
さっきまでは処女だったはずのあたしの女の子のしるし……。
強要される快感を粛々と受け入れながら、そのことを、そのことだけを、じっと、考える。
あたしの頭にそっと、手が置かれる。
おねえちゃんだ。
あたしは大好きなお姉ちゃんが少しでも気持ちよくなれるよう、顔を埋めて無心で舌を使う。
どこを責めれば気持ちよくなってくれるかは、大体把握した。口ではそうと言わないけど、柔らかい肉の奥が、きゅん、と締まったとき、お姉ちゃんは、その、感じてくれているんだと思う。
お姉ちゃんが感じるその部分にナメクジみたいに舌を這わせ、粘膜をこそげ取り、舌先で、ちょん、ちょん、と、ツツく。
お姉ちゃんは、息を詰めて、あふれ出る快感をこらえようとするけど体の方はもうちょっと正直だ。
えっちな液がどくどくと溢れて、あたしの口の中をたちどころにいっぱいにする。
ちょっとイジワルな気持ちになったあたしは、お姉ちゃんに聞こえるように、わざと大げさな音を立てて、それを全部、飲み込む。
そんなことをされるのが恥ずかしいのか、お姉ちゃんのからだは、ぴくっ、と縮こまる。
ふふ、かわいいんだ。
あたしは、おねえちゃんが大好きだ。
昔からずっと。
おねえちゃんと、こうしたい、って想っていた。
躰と躰で。
こうやって、繋がり合いたいって、ずっと想っていた。
けど、本当は、そんなことイケないことなんだ……。
姉妹のあたしたちが、こういう風に愛し合うのは本当はイケないことなんだ……。
お姉ちゃんのそこと口で触れ合いながら、あたしは、そんなことを考えている。
お姉ちゃんの中からは、じゅん、じゅん、って、えっちなお汁があふれ出してくる。
あたしはそれで、のどを潤して。
ありがとう、キモチいよ、って、頭をなでなでしてくれるお姉ちゃんの手のひらの感触を、気持ちよく受け止めて。
このままずっと、お姉ちゃんに甘えていたい、って、そんな絵空事の風景すら信じられそうになって。
あたしを突き上げる触手の運動がほんのわずかに速度を増す。
……ぐちゅ、ずく、ぐちゅ、とイヤらしく音を立てて。
ついさっきまでは処女だったはずのあたしの女の子のしるしが突かれ、押しつぶされ、かき回されている。
痛みは、ちっとも感じない。
気持ちよさしか、感じない。
そのことが、そもそもオカシいんだということにすら気づけずに。あたしは愚かにも、マガイモノの快楽に身を落としていたのだ。
……あたしも本当は分かっている。
……こんな、天国みたいな快楽は、一から百まで非現実的な、空想世界と同じことなんだ、っていうことを。
だから。
「ごめんね、お姉ちゃん」
と。
一言だけ、口にして。
最後に、名残を惜しむように、お姉ちゃんの花びらに、そっと、一つだけ口づけをした。
それから。
あたしは、全身の力を込めて、触手から両足を引き抜いた。
………………
…………
……
ようやく目が覚めた。だからあたしは、自分の中に潜ませていたあたしの触手に命じた。
「ニュル助。解毒剤、もっと強く」
触手のメカニズムは簡単だ。
挿す。貫く。女の子の中で往復して、一方的に汚汁を吐き出す。
自分の体がそういう風に汚されて、抵抗しない女の子が存在しないはずがない。培ってきた貞操観念と、何よりも生理的嫌悪感が邪魔をする。その抵抗を崩すために。触手は、媚薬成分が含まれる分泌液を女の子に粘膜吸収させるのだ。
だから。
処女を破られた直後にも関わらず、乱暴に突き挿さっていたのが腕ほども太い触手であったにも関わらずあたしは。……犯され慣れた雌犬みたく、淫らによがって涎を垂らしながら恍惚に浸ることができた。
……他でもない誰よりも大切なお姉ちゃんの前で、陵辱され、蹂躙され、まさぐられ、責められて、頭の足りない快楽人形みたいに嬌声を漏らし、貪るように触手を味わい、涙を流して悦んで、抵抗も見せずに触手に合わせて腰を振るという痴態を演じた。
それどころか、おねえちゃんのふわふわした肉に舌を埋め、おねえちゃんの甘い蜜壺の上で、ぴん、と存在を主張していた突起に舌を這わせ、おねえちゃんに優しく頭を撫でられて、ペットが感じるみたいな安らぎとくつろぎに身を任せて……。
他でもない。大好きなお姉ちゃんの前で、あたしは……。
なんて、恥ずかしいんだろう。
叫びだしたい気分をぐっとこらえる。取り乱す寸前の理性を、自尊心でぐっと押さえ込む。
抑えた端から泡立つ気持ちがぶくぶくとあふれ出す。
……なんて、恥ずかしいことをしてしまったんだろう、あたしは。
お姉ちゃんと一緒に気持ちよくなりたい、だなんて。
このままお姉ちゃんと繋がっていたい、だなんて。
まるで、あたしたち、姉妹じゃなくて、恋人同士みたいだ……なんて。
……そんな、甘い妄想を、真実、真剣、真正に、心の底から信じ込みそうになっていただなんて。
ついさっきまでの、ほかでもないこのあたしは。
そんな、戯れ言を。
まるで永遠の真理であるかのごとく、平然と受け入れそうになってしまっていて。
……死にたい。
つーか、殺したい。自分を。
つーか、殺す。殺す。殺す。
つーか。
……つーか。
つーか、さあ。
オママゴトはこれでお仕舞いにしよう。
あたしが快楽に揉まれて気をやったとき、あたしの体内のニュル助は、あたしに媚薬の解毒剤を分泌したんだと思う。そのおかげで目が覚めた。
下を見ると、あたしの股間を、腕みたいに太い触手がせわしなく行ったり来たりしている。出たり入ったり、出たり入ったりの繰り返し。あくまで生理的な反応として、あたしの奥からは透明な汁があふれ出しては触手の摩擦に巻き込まれるなりシャンプーみたいに白く泡立つ。
とろみを持った、この液体は潤滑油だ。愛液を分泌させてなめらかにしないと、あたしのそこ、……ついさっきまで、処女だったあたしの女の子のしるしは、たちどころに擦り切れてしまうだろう。
……だから、この液体が流れ出るのは、あくまで生理的な反応だ。
そのことを確認する。
それが、なんら特別な意味を持たない、単なる肉体の正常な反応であることを、確認する。
確認するなり、触手がもたらす、ちろりとした快感が、そこから背筋を這い上って頭に到達する。不快だ。だから、命じる。
「ニュル助、もっと解毒剤。強く」
破瓜を迎えたばかりのあたしが、気持ちよくなることなどありえない。
だからあたしは……、体の中に仕込んだあたしの触手、ニュル助に命令して、お姉ちゃんの触手が粘膜を通してあたしに吸収させた催淫成分を打ち消すための解毒剤を分泌させる。
そうすると、ようやく……、幾重もの、柔らかい快感の層を突き破り、びりりとした痛みがあたしの感覚の中核に到達する。
「……………………ッ!」
その痛みに、ひるむ。おなかに力をこめ、目をぎゅっ、と閉じて、唇を、噛みしめる。
この痛みは……、このままお姉ちゃんと一緒に気持ちよくなっていたい、なんて都合のいい幻想に身をゆだねかけたあたしの愚かさに対する罰だ。触手に突かれ、分泌液で淫乱にさせられていることにも気づけず、ひぃひぃとみっともない喘ぎ声を上げていた弱い自分に対する罰だ。
「もっと、もっと、もっと。全部追い出して。コイツがあたしの中に送り込んだ媚薬を全部、追い出して」
皮膚の下で、ニュル助が、いいのか? というように、ぴくぴくと信号を送ってくる。触手なりに知能は高い。あたしとニュル助は、モールス信号のように会話をすることができる。
「黙れ。お前はあたしの言うこと聞いてればいいんだ」
半分は、強がりだ。けど、それくらい言わないと、あたしの覚悟が定まらない。
あたしの指示を受け入れて、あたしの触手、ニュル助が、あたしの体の中に流れていた麻酔代わりの媚薬をすべて、解毒する。
その瞬間。
紛れもない、本物の痛みが、あたしの、全身を、貫く。意識が痺れる。あまりの痛みに気が遠くなりかける。内側を、切り裂くような痛み。柔らかい肉の層を一つ一つ丹念に引きちぎられ、むき出しになったその傷口に、酸を押しつけられるような痛み。
ショックであたしの手足の筋肉が硬直し、体中の穴が締まる。急に締め付けられたせいか、あたしの中で、触手がどくどくと分泌液を放出する。おしっこの穴から勢いよく飛び出た薄黄色の液体がびちゃびちゃと音を立てて床で跳ね、痛みで丸まったあたしの体をなま暖かく汚す。
「ひ、ぎ、い……っ、ひっ、いぎぃ、いっ、ぎぃっ、ひっ、ぎ、ひぎ、ひぎ、ひぎぃ、ひぎぃっ、ぴぎィッッッ!」
あたしは、歯を食いしばってその苦痛をこらえる。無意識のうちに自らの体を抱き、わき腹に強く爪を立てる。痛みでこわばるあたしの体の中がそんなに気持ちいいのか、触手はあたしの膣と直腸を犯す太い棍棒を往復させる速度をより一層、速める。性欲処理の道具となったあたしの体は今にも壊れる寸前で、止血剤をかねていた媚薬が消失したせいか、白く泡立つ分泌液には、本来そうあるべきだったように、再びようやく赤い血が混じり始めている。
許容範囲を超えた痛みを矢継ぎ早にたたき込まれたイキモノとしての正常な仕組みに従って、白濁した意識がそろそろ途切れ途切れになりはじめる。
苦痛が求める限界につき合いきれずに脳が現実を投げ出そうとする寸前、あたしの体の穴という穴はぎりぎりと締まり、その絞り上げるバキュームのような圧迫を受けて触手はようやく動くのをやめ……、これまで、あたしの体の中に、外に、たれ流してきた量と同じくらい大量の汚濁を、その粘膜質の突起のあらゆるすべての先端から、あたしの子宮に、膣に、お尻に、口に、頬に、瞼に、耳に、鼻に、髪に、腋に、乳房に、肋に、お腹に、へそに、恥骨に、太股に、肩に、腕に、握った手の中に、あたしの全部にところかまわず、噴水のようにぶちまける。
あたしの全身は、どろどろの液体で、汚され切ってしまう。
そして、触手はようやく動きを止め……。
……待ちわびた隙が、発生する。
先ほど引き抜いた右手で、股間の前と後ろに埋まった太い触手を力一杯握りしめ、引き抜く。触手はそのことに気が付いて、あたしのお腹の中、これがはじまるまではそんなところに神経が存在するなんてこれまで気づきもしなかった部分で精一杯の反抗を始める。
先ほど放出された汚液に含まれていた媚薬が再びあたしを侵し始めたのか、この世に存在するすべての気持ちよさが凝縮されたみたいな快楽が、爆発したみたいにあたしの体の中で踊る。けど、そんな快感はマガイモノだ。あたしは一生懸命歯を食いしばり、本当なら赤ちゃんが、ウンチが、出てくるように作られた二つの穴から、一ミリづつ、少しづつ、時間をかけて、触手を引き抜いていく。
「うぅぅぅううぅううぅぅぅうぅうぅう……」
脂汗が背中ににじむ。排泄感が、いつまでも続いて終わらない。十日間も続いた便秘がようやく出そうになって、けどそこが満員電車で、絶対出しちゃイケないから頑張って、頑張って、我慢しなくちゃいけなくて、けど次の停車駅は三十分も先であるような、そんな、どうしようもない絶望感があたしの下半身でとぐろを巻いている。挿さった触手を抜きたくて、すぐさま抜かなきゃイケなくて、けれども奥深くまで潜り込み、抵抗するためにあたしの体を内側から舐め上げる触手の、最大級の気持ち悪さと最大級の気持ちよさが混沌となってあたしの感覚入力をリアルタイムで更新し続ける。
肉の襞が全部めくれて、破廉恥な部分が露わになって、隠しておきたかったものが無理矢理暴き立てられて……。
これが、恥辱、っていうのかもしれない。
「ふっ……、う、う、あ、ぐぅうぅうっ……」
がちがち、と音を立てて、歯が鳴る。
体の奥深く、たとえそれが大好きな男の子であっても決して触らせたり覗かせたりしてはいけないはずの女の子の一番大切な部分、お母さんや学校の先生だったらいい子は絶対にそんなことをしてはいけないと口を酸っぱくして言うような、かわいくて、恥ずかしがり屋で、無邪気、好奇心旺盛で、ほんのちょっぴりいたずらな女の子のやわらかい膣穴が、ズボズボ責められ、引っぱり出され、剥き出しにされ、形が変わるくらいの力一杯で踏みにじられ、子宮の奥まで突きに突かれ、何度も何度もドロドロの汚い汁をぶちまけられて、ひいひいと悦びに喘いでいるさまを目の前でまじまじと見せつけられて……。よりにもよって、その一部始終に溺れ、あろうことかペニス状触手を少しでも気持ちいい場所に誘導するために、頭を真っ白にして涎を垂らしながら自ら腰を使い……。
そんな破廉恥な自分、つい今までの、それも他でもない自分自身の姿を苦い後悔とともに思い出す。
これが恥辱というものならば、こうして苦しみながら触手を引き抜くこの行為はあたしにこそ相応しい罰だ。
あたしは、自分の罪を贖うかのように、自分の中の一番底に太く突き刺さった快楽の杭を、少しづつ、少しづつ、引き抜いてゆく。
ほとんど永遠にも近い時間をかけて、ゆっくり、ゆっくり、引き抜いてゆく。
気が遠くなるほどに遅々とした動作。
内臓のひだひだの一つ一つにからみついた触手を引っ張ると、体の中身が引きずり出され、でんぐりがえりそうになる錯覚。
あきらめたくなる。
くじけそうになる。
絶対無理だ、って思いそうになる。
けど……。
……お姉ちゃんが、あたしを、じっと、見て、いることに、あたし、は、気が付いてしまって……いる。
触手を握る両手に力を込め直す、
汗だくになりながら、膣の内側にしっかりとにへばりついた最後の五センチを、ずるり、と引き抜く。
よく冷えたシャンパンの栓を抜いたみたいに、白くて臭い触手の液があたしの股間からあふれ出し、あたしの両足の間の床の上にぬるぬるとした大きな液だまりをつくる。太い肉棒を引き抜かれ、弛緩しきった大陰唇が、呼吸困難な金魚みたいに大きく口を開けている。激しく突かれ続けたせいで力が入らず腰砕けになってしまった下半身。ぺたん、と力なく重力に屈し、床の上にナメクジみたいにへばりついたまま、膣中に放たれた触手の精液をゆっくりと垂れ流し続けている。
あたしに引き抜かれた触手は、直ちに再侵入を試みると思いきや、様子見をするように、あるいは単に液を出し切って疲れたのか、小さくゲル状にまとまってもじもじと動いている。
広がったお尻の穴に無意識に手を伸ばす。開ききったまま閉じる様子のない菊座が急に不安になり、穴全体を手で覆って、五本の指を使って、きゅっ、と締める。表面は元通りに縮まるけれど、拡張されすぎた奥は広いままだ。このままウンチの穴を締めることができなくなって、オムツをはいたまま過ごさなければならないかもしれない、って考えると、急に不安になる。中がどうなっているか確かめるために、お尻の穴に指を三本差しこむと、それが刺激になったらしく、腸の奥の方の筋肉がやっとのことで動き出したから、泣きたくなるくらいホッとする。
でも、そんなことより……、生まれて初めての往復運動で蹂躙され、想像を絶する高速ピストンの餌食となった生殖器官はお尻以上に締まりが悪い。普段からウンチを絞り出しているお尻の穴と違い、力を入れる方法に慣れないあたしの前の肉穴は、まるで新しい傷口のようにぱっくりと口を開けたまま、元通りに戻る気配すらみせようとしない。
このままじゃ、パンティをはいても隠しきれない……。
背筋を、ぞくり、とした、冷たい絶望が駆け抜ける。
水着を着たら、ピンク色の肉ヒダがごっそりとはみ出してしまう……。
そのことに思い至り、どうしようもないパニックが頭の中を走り抜ける。
海水浴場やプールで、知らぬ間に水着のわきからこぼれ出している女の子のお肉に気が付かない自分を想像して、泣きたくなる。小さな布切れでは肥大した大陰唇を包み切ることはできず、平泳ぎのガニ股や、ばた足の動きによってビキニラインのクロッチからは性器の大部分がひとりでにハミ出して……。
それを見た女の子たちが浮かべるに違いない、気持ちの悪いモノを目にした軽蔑の表情。
それを見た男の子たちが浮かべるに違いない、加虐的な好奇心に満ちた表情。
その一方で、当のあたしは、自分の下半身の痴態に気がつくことができず、背泳ぎをしたり、潜水をする人の前に悪気もなく立ちふさがったり、プールサイドで伸びをしてむき出しの柔肉を知らず知らずのうちに見せつけたり、して……。
ガマンできなくなった男の人たちに、集団でレイプされて……。
けれど、水着から大切なお肉を平気ではみ出すようなはしたない女の子に同情してくれる人なんてどこにもいなくて、周りの人たちは何事もないかのように普通通りに水泳を続けていて……。
そんな光景を瞬間的に想像して、何ともいえないような気持ちに、なる。
体の奥に、力を入れる。ぶぽっ、という、何とも言えない下品な音がして、泡とともに、膣から空気が漏れる。触手の放った精液が、ぶくりと泡立つ。ぶびっ、ぐぽっ、ぶぶっ。と、鳴り止まないオナラみたいに恥ずかしい音が、次から次へと漏れてくる。足にはようやく力が戻る。あたしは床に手を置いて立ち膝になる。つう、という感触とともに、あたしの膣の最奥から、臭い白濁液が太股を伝わって床に垂れる。
……膣出しされて。何度も、何度も、膣出しされて。
忘れ去りたい記憶が、あたしの意識をどうしようもない恥ずかしさで苛む。
あたしは。犯され、よがりまくる、浅ましい姿を全部お姉ちゃんに目撃されてるんだ……。
その事実が、何よりも、痛い。
大好きなお姉ちゃんに。
よだれを垂らしながら、泣き叫びながら、触手にあわせて体をくねらせ、自分自身で気持ちのいい場所を探り当て、お尻にまで侵入を許し……。
意を決して、顔を上げる。
お姉ちゃんの顔を見るのが、怖い。
けれども、そこにいて、猿ぐつわで言葉を奪われたまま、それでもじっとあたしを見てくれているお姉ちゃんは、やっぱりあたしのお姉ちゃんで……。
目が合うと、あんなことがあったばかりにも関わらず、その、あたしが、お姉ちゃんのその部分を舌を使って虐め抜いた直後であるにも関わらず、お姉ちゃんはいつもみたいにあたしに微笑みかけてくれて……。
胸に走るのは、びりり、とした痛み。心が、破れそうになる。処女膜みたいにあっけなく、破けそうになる。
あたしは、膝を使って這うようにお姉ちゃんに近づく。
猿ぐつわの結び目に指をかけて、ほどく。猿ぐつわに使った布切れは、お姉ちゃんの甘い汗で湿ってしまっていて、結び目は固く、簡単にはゆるまない。
数分かかってしまったけど、最終的に、お姉ちゃんの口は自由になる。
なじられるのは、覚悟していた。
これまでお姉ちゃんに怒鳴られたことは、一度もない。
けど、このときばかりは罵倒されることを覚悟していた。
けれども結局、そんな覚悟をしていること自体、あたしがお姉ちゃんを理解していないという紛れもない証拠で。
猿ぐつわをはずされたお姉ちゃんは、ゆっくり息を吸い込んだあとに、一言。
「がんばったね」
と、優しく声をかけてくれた。
あたしは、不覚にも泣きそうになる。
けど、今のあたしに涙を流す資格など、ない。
悪いのは、全部あたしなのに。
歯を食いしばって泣くまいと努力しても、涙が頬にこぼれる。
その涙をお姉ちゃんに見せまいと下を向いたままあたしはお姉ちゃんの手足にかけた縄を解く。
お姉ちゃんの、陶磁器人形のように白いからだ。上物のシルクのようにすべやかで、触ると指にぴたりと吸い付く張りのある肌。均整の整った手足と、決して形の崩れることのない、大きくてたわわな胸の膨らみ。
ぁい……ています。
あい、しています。
あたしは。あなたのことを、愛、しています。
けれども、あたしたちは姉妹だから。
同じ血が流れている上に、女の子同士であるという障害は。
何よりも重く、どんな壁よりも高い。
だからあたしは、たとえ命と引き替えにであろうとも、そんな言葉を口にすることは出来ないのに。
そのはずなのに。
「クラン、愛してるよ」
と。
そんな言葉を、この人は。
お姉ちゃんは。
あたしに向かって、てらうこともなく、口にして。
……なんて、ズルいんだろう。
他でもない、あなたがそれを口にするなんて。
……分かってる。
お姉ちゃんの言葉は、恋人であるあたし、にではなく。
家族である、妹であるあたしに向けたものであるということくらい。
そんなことくらい。
分かり切っているほど分かっている。
……はず、なのに。
その言葉の裏の意味に、どこかで期待しているあたし自身が、確かに、いた。
→私と姉と触手と陵辱・後編
といって、お姉ちゃんが起きる。薬で寝ていたのだ。お母さんは鬱を患っていて、睡眠薬を処方されてい
る。それを盛った。
「えへへ、お姉ちゃん、おはよう?」
あたしがそう言うと、お姉ちゃんは、ねぼけまなこにありがちな、ぽけ、とした、虚ろな視線をあたしに向ける。かわいい。すごくかわいいので、あたしは手を伸ばして服の上からおっぱいを触る。相変わらず、でっけー。ずるい。欲しい。すると、お姉ちゃんは多分よく状況が掴めてないのだろうけど、それにもかかわらずの精一杯な社交心を発揮して、にへら、とした笑みを浮かべる。条件反射的な反応だ。電車に妊婦さんが入ってきたら座席から腰を浮かせるときみたいな。けど、お姉ちゃんはすぐに気を取り直して目をぱちぱちとしばたいたあと、あたしのことをまじまじと見つめる。
「……クランちゃん、どうして……」
それから首を下に向けて、自分の体の状況をちらりと確認した後で顔を上げる。少しの疑問と少しの怒りで目が細まっている。何をされつつあるのか、少しだけ気がついたのだ。けどそんな顔をしててもお姉ちゃんはやっぱりかわいい。今度は少しだけ問いつめるような口調で言う。
「これ……、どういうこと?」
あたしは、にへら、と笑う。
「どういうことだと思う?」
言いながら、お姉ちゃんの唇って柔らかそうだな、と考えている。キス、してみようかな。
でも。ダメ。心の中で首を振る。惜しまれながらもお姉ちゃんの唇を奪う誘惑とはおさらば。お姉ちゃんのぷっくらとした桃色の下唇を親指の先でそっと撫でるだけにとどめる。くすぐったかったのか、お姉ちゃんは疑問や怒りとはまた違ったやりかたで目を細める。それを見て、胸の奥が急にどきっとする。
どうしよう……、えろい……。
このまま、なし崩し的にお姉ちゃんと一方的にいちゃいちゃしたくなっちゃったけど、ぐっと我慢する。我慢するのだ。えらいぞ、あたし。それに、今日の趣旨ではお姉ちゃんはただの観客なのだ。
「……意味が、分からないんだけど」
我に返ったお姉ちゃんの、今度は明確に怒りがこもった、声。
「そのうち分かるから少し静かにしててね? はい、あーん」
怒っていてもやっぱり無邪気なお姉ちゃんは、あたしのあーんに釣られてぱっくり口を開ける。この先は、多分怒られたり懇願されたりすることが分かってるので先手を打ってことばを奪う。あたしはさっきから右手に持っていた布切れをその口に押し込んだあと、布が落ちないように、ガーゼ包帯を顔にくるくると巻き付けて猿轡を仕上げる。お姉ちゃんは罠にかかった野ウサギみたいに体をよじるけど、その程度の抵抗は意味ないくらいにちゃんと縛り付けてるから、あたしには、「よちよち、いい子にしてるんでちゅよ?」こう言って、頭を二、三度撫でてあげる余裕すらある。
ところでお姉ちゃん、今、口に入ってるのが自分のパンティだってこと、気がついてるのかな?
薬で意識を失ってる間に、足から抜き取っておいたのだ。かわりといっては何だけど、スカートの下にはパンティよりも、もっと気持ちいいものを張り付けておいてあげた。
お姉ちゃんの恋人は、触手だ。
ちょっとした中型犬くらいのサイズの触手。ねばねばでべとべとなスライム状の本体から、一メートルほどの長さの五本の触手が突きだしている。
一年ほど前、マ界から出てきたばっかりの夢魔のおねいさんに良くしてあげたことがあって、そのヒトは礼儀を心得ていたものだから、あたしとお姉ちゃんに一つづつ触手をプレゼントしてくれたのだ。
けれども、ペットをきちんと躾るタイプのあたしと違って主従関係にだらしのないところがあるお姉ちゃんは、触手を調教せず、職種と友達感覚で接してる間にいつの間にか恋人同士の関係にまで発展してしまった。恋人とはいえさすがに外でいちゃいちゃするわけにはいかないらしく、最近はもっぱら自室でDVDデートを楽しんでいる。
けどさ、それって、釣り合わなくない?
お姉ちゃんは、かわいいのに、妹のわたしから見てもすごく美人さんなのに、社交心が欠けてるから外の人とは付き合いが薄い。だから触手なんかと爛れた関係を発展させたわけだけど、はっきり言って、そんなのは頭がおかしい人間のすることだ。お姉ちゃんは素材がいいから少しおしゃれして、笑顔の練習して、最新の話題をいくつか仕入れれば男なんてイチコロで落とせるはずなのに、それをしない。頭がいいから一度コツをつかんだらあとはいくらでも応用を利かせられるはずなのに、臆病だから、男の人が怖いのだ。だからって、触手なんかに逃げてちゃ駄目だよ。
そのことを何度も指摘した。
聞く耳持たないので、あたしはとうとう堪忍袋の尾が切れた。だから実力行使で分からせることにした。
これは、そのための最初のステップだ。まずは、触手離れ。
そんなわけで、あたしはお姉ちゃんに睡眠薬を盛り、あたしの部屋まで引きずった。身長が139.2センチのあたしより15センチ以上も大きいお姉ちゃんの体を動かすのは結構大変だったけどやり遂げた。愛の力でなんとかなった。
ベッドに上げるのは難しかったから床で服を脱がせ(ごめんね)、肉付きのいい、けれども決して太っているわけではない体に縄をかけて自由を奪う。白くてすらりと延びた両足をMの字に固定してベッドの足に縛り付けた。そのあとで、見た目が寒々しかったから服は着せてあげた。猿ぐつわもはめたし、だから今のお姉ちゃんは、動くことも、叫ぶことも出来ない。
ただ目の前で繰り広げられる情景を見ることができるだけ。
というわけで、まずは触手に対して幻滅させるところからはじめよう。
あたしは一端部屋から出て、お姉ちゃんの自室に入り、よりにもよってベッドの上でゲル化している触手を平手で三発くらい叩いてしゃんとさせる。延びた触手の一本をひっつかんで廊下を無理矢理引きずり、お姉ちゃんが待つあたしの部屋へ。ドアを開けると、お姉ちゃんは縄から抜ける努力をしている最中で、体を前後左右に揺すっている。無駄なのに。ただでさえ大きな胸が、縄で締め付けられて普段よりもボリュームを増している。それが、お姉ちゃんの体の動きにあわせてゆさゆさと弾み、揺れる。悩ましい。両足の付け根の奥が、きゅん、と熱くなって、疼く。
そのことがバレないよう、あたしはできるだけ冷たい声で、お姉ちゃんに宣言する。
「今からここで、お姉ちゃんの触手、犯すから」
お姉ちゃんの瞳が大きく見開かれる。
あたしは、足下でぷるぷると震える触手をつま先で二度ほど蹴り付けてから、お姉ちゃんの前で膝を突く。
「理解してね、このままじゃお姉ちゃん、触手なんかにいいようにされちゃう。乗り越えなきゃ。それを手伝ってあげる。つらいかもだけど、一緒にがんばろ? けど、見てるだけじゃつまんないだろうから」
あたしはベッドの上に置いておいた3つのリモコンを手に取る。お姉ちゃんは、不安そうな視線をリモコンに向ける。
「おねえちゃんはここで、気持ちよくなってて?」
言葉とともに、スイッチを入れる。強度は最弱。お姉ちゃんのおっきな胸の先端と、M字に開かれた両足の間でぷっくらとむき出しになったかわいらしいクリトリスの上に張り付けたローターのモーターが静かに振動する。静音設計なのだ。
お姉ちゃんの喉の奥から、きゅ、というような声が漏れる。猿ぐつわを噛む唇が、小さく震える。高校生のくせに、産毛も生えてないつるつるの裂け目はほんのりと桃色に充血し、早くも透明な液体があふれ始めている。お姉ちゃんのそこはまるで、欲しいよ、気持ちいいのをもっと欲しいよ、っていうみたいに、ひくひくと蠢いてる。処女そのものだったお姉ちゃんを、触手がこんなに淫乱にしたんだ。絶対に、許せない。あたしは縦に盛り上がった割れ目に沿って指を這わせ、濡れた指先をお姉ちゃんの唇に刷り込む。お姉ちゃんは、いやいやするみたいに首を振るけどあたしはそんなこと気にしない。顔を、顔に、近づける。おびえたような、お姉ちゃんの目。視線を逸らす。あたしは意を決して……、お姉ちゃんの唇を、舐める。柔らかい。それに、暖かい。
けど……。
急に罪悪感にかられて、体を離す。どうかしてる。自分でも分かってる。絶対軽蔑された。目を合わせられない。心の奥が、軋む。床のフローリングの木材の合わせ目を見ながら言う。
「おもらししたかったら、していいよ。一応タオル敷いてあるから」
捨て鉢になってそう言って。振り返り、改めて触手に向き直る。
……いまからこいつをめちゃくちゃにしてやる。
ぐっちゅ、ぐっちゅ、と、いやらしい音をたてている。
簡単だ。
根本の部分、本体を押さえつけるあたしの足は、そこから分泌される粘液でどろどろに汚されている。膝上までの黒い靴下が、濡れて、なまめかしく光沢を放つ。ぐちゅぐちゅになった靴下に手を這わせ、自分の足を撫でると、背徳的な気分が背中を駆け上がる。あたしはその気分を振りほどく。あたしが気持ちよくなる必要はないのだ。
一本の触手をつかんで、先端の丸まった部分を親指でじくじくとしごき上げる。堪え性のない触手は、たちまちのうちに先端部から濃厚な白濁液を吐き出す。それが、顔にかかる。これまで散々お姉ちゃんに甘やかされてきた証拠だ。触手のくせに、この程度の刺激を我慢することもできないなんてこと。自分の触手をこんな風にだらしなくさせるなんてこと、あたしなら絶対にありえない。しつけなおしてやる。頬に飛んだ粘性のある液体を手の甲で拭い、制服のスカートで拭う。本体部分を蹴り付けるが、それすらも快感に感じるのか、びくびくと痙攣して先端から淫猥な飛沫をまき散らす。
「ふ、んん、ふぅ、ふぁあっ!」
背後では、お姉ちゃんが身をよじりながら甘い声を出している。最弱設定のローターが与える振動が、徐々に、感覚の奥へと侵入しているのだ。その刺激に我慢できたとしてもそんなものは一時的。波は次から次にやってくるから頭の中は次第にエッチなことしか考えられなくなる。
触手以外のものが与えてくれる快楽が存在するということを、お姉ちゃんは知らないと、駄目だ。
あたしの足の下。触手は反抗的にもあたしに挑戦するつもりらしい。ぶるぶると震えて暴れ始めるが、本体から延びる五本の触手のうち四本を膝の裏に挟んだまま正座の形で押さえつけたあと、先ほどから責め立てる一本を口でくわえ、先端部分を舌先で転がす。舌を這わすと、男性器にも似た触手のカリ首が異様に立っているのが分かる。男の人のものを見たことはないけれど、けど、こんなにそそり立ったカリ首は女の子の柔らかい体にとって凶器でしかないということは理解できる。この凶悪な肉の棒が、お姉ちゃんの膣の中を行ったり来たりしていたんだ。そのことを考えると、黒い怒りがふつふつとこみ上げてくる。服を脱がすとき、万が一を考えてさっき体を調べたけど、お姉ちゃんはやっぱり処女ではなかったし、それに……、お父さんとお母さんが家を空けた夜には、お姉ちゃんの部屋からは決まって切なげなあえぎ声が聞こえてきた。
触手は、口の中でびゅくん、と跳ねて、今にも先端から汚れ液を噴出させそうになる。あたしは前歯を使ってで触手の先端の亀頭に相当する平坦な部分を噛み、両手で触手の茎を掴んで液の流れを止める。ぬるぬるした感触が、指先でゆっくりと潰れる。上等にも痛みを感じるのか、膝の裏に挟んだ四本の触手がばたばたと暴れる。あたしはほくそ笑みながら、お父さんが自分では隠してるつもりになっているDVDコレクションの中の一本で驚くほど綺麗なお姉さんが実演していた通りに、喉の根本と舌、前歯と唇の全部を連動させて、絞り上げるように触手を刺激する。じゅぷ、じゅぷ、といういやらしい音が漏れ、あたしはいつの間にか、触手を握っていた右手を自分の……太股に延ばしている。
頬が上気しているのが自分でも分かる。部屋の中に淫猥な熱気が立ちこめる。子犬の鳴き声みたいに甘いお姉ちゃんのイキ声と、口にくわえた触手の水音、それに、いつの間にか自分をまさぐるあたしの右手が敏感な粘膜の表面を擦り上げる音が、亜空間じみた空気を醸造している。
……知らない間に、あたしはその空気に呑まれ、桃色の雰囲気に一体化している……。
あたしは触手を口でしごきながらも、いつの間にか自分の下半身を探っている指を動かすのを止めることができない。こんなこと、イケないことだと分かってるのに……。普段なら、絶対こんなこと、しないのに……、おしっこの穴の上、触られることにすら慣れていないあたしの小さな突起物が精一杯頑張って、ぷっくりと膨れている。指先がそこを触り、撫で、優しく潰し、振動をくわえる度に、気を飛ばしそうなくらいの快感が頭に向かって突き抜ける。膝の裏に挟んだ触手の程良いうねりが、いやがおうにも官能を引き立てる。そのうちの一本を掴んでほんのわずかに引きずり出し、ひくひくと快楽を求める股間に側面を押しつける。冷たいような、柔らかいような感覚が、じんわりと広がる。
その間にも、左手で握り潰す触手には内側から圧力が高まっている。そして、こみ上げてくる粘液を押さえつけられなくなる瞬間がやってくる。自らの女の子の部分をまさぐることに夢中になっていたあたしは、寸前で触手の膨張に気がついて、あわてて口から引き抜こうとしたけれども結局間に合うことはなく、怒張した鈴口から弾けた白濁液があたしの口内を苦く汚す。濃厚な臭気にむせて、涙があふれる。喉の奥にへばりついて、気が遠くなりかける。信じられない。口を汚されたショックをどうにかして追い払うために、握った両拳で触手の本体を殴りつける。
……あたしに隙ができるその瞬間を、待っていたんだと思う。
というのも触手は、渾身の力を振り絞ってあたしの膝の下から自らを引き抜き、あたしの両足を絡み取ったのだ。あたしは反射的に手を伸ばして足に絡まりついた触手を剥がし取ろうとしたけれど、触手は逆に、器用に両腕に巻き付いてあたしの四肢の自由を奪う。
あたしは頭に来て、触手の本体に蹴りを入れようとするけれど、固定された両足はぴくりとも動かない。触手のくせに。あたしにこんな真似をするなんて、絶対に許せない。腹が立ったので体を左右に揺すっていると、さっきまであたしがくわえていた触手がゆっくりと、あたしの体の上を這っていることに気がつく。その進行方向には……。
指をあてがうため、横にずらされた綿の下着の下、ぴったりと閉じた処女の割れ目から一生懸命存在を主張する充血した肉芽があって……。
……油断しすぎたのかもしれない。
あれ?
と、思っている間にも。
触手はあたしの肌の上を、まるで獲物に近づく蛇のようにゆっくりと這い進む。まるで、じらすように。けど、じらすって一体、何を?
そんなことは分かっている。けれど、認めたくない。認めるのが怖い。
……触手を捕らえているはずのあたしが、逆に捕らえられてしまったのかもしれない、なんていうことを。
試しに両腕と両足を動かそうとするけれど、がっちりと押さえ込まれていて、ぴくりとも動かない。
気が付けば、追いつめられ、せっぱ詰まった切実な気分に襲われている。
そして触手は、あたしのそんな恐怖を感じ取ったかのように、ひくひくと存在を主張する未熟な性器まで15センチの距離で一気に跳躍する。
それを目にしても、あたしにできるのは、腰を上下左右に動かすことだけで。
「あ、ふ、あんっ!」
まずは触手が丸ごとぱっくりとくわえ、試しとばかりにクネクネとこね回すクリットから伝わる快感、巧みな動きで一気にてっぺんまで上り詰めた官能のその気持ちの良さに思わず意識をごっそりと奪われそうになったのはつかの間で。
触手は、あたしを嘲るように、充血した突起を前菜程度にもてあそんだ後、これまで異物など受け入れたこともない女の子の聖域に、躊躇することもなく飛び込んだ……!
「……っきゃ、っいやああああああっ!」
とてつもない激痛が体を走る。
神経に五寸釘を打ち込まれたような、体の芯を剃刀で一気に切り裂かれるような、そんな、ありえないくらいの痛みがあたしの意識を現実の世界の一番表面に向き合わせる。
「やっ、だぁ、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い!」
処女の膜が、躊躇なく破り捨てられた、そのことの意味を考える暇もなく。
脳天を突き上げる痛みがあたしを苦痛の渦の中に放り込む
本当に、痛い。なにも分からなくなる。痛いということだけが本当になる。全部になる。唇を噛んで、泣き声を上げ、目を堅くつむり、首を左右に振る。お腹に力を込めて、手をぐーぱーさせ、足の裏をぎゅっと縮こませる。
けど、そんなことはまったく意味がない。
触手は、いつか本当に大切な人ができたときのために、生まれたままのつやつやな無傷でとっておくと密かに心に決めていたあたしの幼い秘め箱を、何の準備をする間もなく、それこそ子供が障子紙でも破るようにあっけなく、無惨に、無造作に貫き通す。あたしの薄い処女膜を、ぐちゃぐちゃに、破り捨てる。
絶望的な喪失感に悔しさが混じる。絶対に、許さない。何があっても、このカタはつけてやる。そんな気丈な決意はけれどもまたたくまに四散して、じわじわと忍び寄る現実的な恐怖にとって変わる。
手足を動かすこともできない束縛された状況で、触手はあたしの体の奥からゆっくりと太い身を引き出していく。異物の感触に擦りあげられる膣膜が、むき出しになったその初々しい神経で、触手の荒々しい動きの一つ一つを関知する。そして、一気に……奥の奥まで突き入れられる。潰れるような生音を立てて、あたしの器官が醜くひしゃげ、形を無様に崩す。引き抜かれては突かれ、その度にやってくる苦痛と気持ちの悪い挿入感が、あたしの体は二度と元には戻らないことをその都度残酷に告げる。
けど……、これで、あたしもお姉ちゃんと同じ……。
そんな考えが、ちらり、と、残像のように思考をかすめた気もした。
体は、相変わらずぴくりとも動かすことが出来ない。
一方的に蹂躙されることへの恐怖で、奥歯がかちかちと音を立ててかみ合わされる。
あたしの中心に開いた肉穴の奥深くまで突き入れられた触手の先端、ついさっきまで、あたしの口の中で身悶えた無力な粘膜質の弾力にしか過ぎなかったその凶器が、ずるずると引き出さていく。カリ首が肉襞に引っかかるおぞましい感触をひとつひとつ意識する。
小刻みなピストン振動がようやく収まる。そのまま膣口近くまで引き出された触手を、安堵の思いで見つめる。きっと、これで終わるんだ。もう少しで、抜いてもらえる。呼吸は浅くなり、視界は涙で滲んでいる。もどかしくなって、腰を引こうと力を入れる。そうすれば、触手が自ら抜くのを待たずに、痛みで悲鳴を上げる膣をこの凶器から解放できると思ったから。触手は、悟っているに違いない。そろそろあたしの体は限界だ、っていうことを。初めてのものを受け入れて、あたしは息も絶え絶えになっている、ということを。これで、ようやく終わらせてもらえる。だって、これ以上続けられたら、あたしはきっと、死んでしまうに違いない……。
……けれども、そんなのは全部、あたしの思い違いで。
太股の付け根までがっしりと固定されたあたしの腰は、力を入れたところで結局ぴくりとも動かすことが出来ず。
破瓜の血が、ぬらぬらと表面を赤く汚すその触手は。
あと1センチで抜けるというその場所でぴたりと後退を止める。
……本当は、頭のどこかで、分かっている。まだ、終わるはずはないのだ。あたしの都合なんて、考慮してくれるはずがないのだ……。
まだ、続く。
まだまだ、続く。
そのことが突如、現実としてあたしを圧倒する。逃れられない絶対的な未来にとらわれて、あたしは一瞬、絶望のあまり、意識を飛ばしかける。
……あとわずか数ミリで抜ける、と思われた触手の先端が、再び少しづつ、奥に向かって押し戻される。
「いやあぁぁぁ……、やめてえぇぇぇ……」
触手はあたしの懇願になど決して耳を貸すわけもなく、最初にそこを貫いたたのと同じ容赦のなさで、あたしの中を勢いよく掘り進み……、子宮口までの距離を一瞬にしてゼロに縮めた。
最初にあたしを襲った激痛……は、今度はなぜだか感じない。けれども、その代わり、気も狂いそうな異物感がからだの中で膨れあがり、あたしの肉体感覚をばらばらに解体する。それが……、すごく怖い。
「やだよお、謝るからぁ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいぃ……、ゆるしてえぇ……」
腕ほども太い触手がズルズルと貪欲にあたしの膣口へともぐり込む。そういう風には決して出来ていないはずのあたしの秘め壺は、力づくで目一杯まで開かされる。
出て、入って、出て、入って。ズーンッ、ズーンッ、ズンッ、ズンッ、と奥深くまで突き入れられて、ずるずるずるずると引き抜かれる。同じ動きが何度も何度も繰り返されるにつれ、次第にこなれてきた柔肉は、ずぶずぶ、ぬちゃぬちゃ、といやらしい音を立てて往復する触手の刺激に組み伏せられ、なされるがまま。触手は、太くて、柔らかくて、ぐねぐねと動き回りながらあたしの中で暴れ回る。内臓が外まで引きづり出されるような強烈な不快感が、嵐の夜の荒波のようにあたしの理性を翻弄し、蹂躙する。あたしは、自分の体に起きたそんな一部始終を泣きじゃくりながら見下ろすしかできない。
いつの間にか、両手を拘束する触手が解けている。自由になれたことにうれしさを感じたのもつかの間、その新しい二本の触手のうちの一本が、あたしのお尻の入り口のまわりをまさぐっていることに気がついて呆然とする。
試しとばかり、柔らかい肉穴の入り口をツツく触手に向かってわたしは思わず叫んでいる。
「お尻、お尻の穴はぜったいにだめえっ!」
けれども触手は、あたしの悲痛な叫び声をむしろ合図とするかのように、少しづつ、後ろの汚穴から直腸に侵入を開始する。
「ひぐっ……やだ、やだぁ……そんなところに……入ったら……ウンチ、でちゃうぅ……」
お姉ちゃんの前なのに……、お姉ちゃんが見てるのに、あたしは無力な雌犬のように、挿れられ、突かれ、淫らに腰を振ることしかできない。好きにされて、弄ばれ、快楽の玩具に変えられて……。涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を上げる。うっすらと滲む視界の中で、どうやってか、片手だけ自由になったお姉ちゃんが、静かに泣きながら自分を慰めている姿が目に入る。
「やだよお……、お姉ちゃん……、そんなことしないで……」
はっとしたように、お姉ちゃんが顔を上げ、あたしと目を合わせるけど、けれどもそれは一瞬のことで、お姉ちゃんはすぐに視線を横にそらしてしまう。それを見て、何よりも……、悲しいキモチが胸に溢れる。
あたしはとうとう堪えられなくなり、ひぐ、ひぐ、と、嗚咽を上げながら……。
「……おねえちゃん……、助けてぇ……」
お姉ちゃんに、助けを求める。
けれども、そんな懇願が無意味なことは、何よりもあたし自身が分かってる。お姉ちゃんをそこに縛り付けたのは他ならぬあたしなのだ。触手があたしの処女を奪う一部始終をお姉ちゃんに見せつけるお膳立てをしたのは、他ならぬあたしなのだ。そのことが、とてもつらい。
あたしは泣きながら、股間に突き刺さった触手に自由になった両手をかけて、引っ張る。その動きに連動して、ぐにゅぐにゅ、と、感覚すること自体がありえない部分で触手が蠢いているのを感じる。
「ダメぇ……、子、宮の中にぃ……入っちゃってるよぉ……モノが入ったらダメなところ、ぐりぐり、ってかき回されて……赤ちゃん……産めないからだになっちゃうよぉ……」
けれども……。
コワいのに。イヤなのに。汚らわしくて、おぞましいのに。
どうして。
……どうしてこんなに気持ちがいいんだろう……。
次の瞬間、びゅく、びゅく、びゅく、と音を立てて、ドロドロした液体が子宮の奥に際限なく送り込まれる。
その間にも、直腸への侵入を成功させた異物感がおなかの中をかき回す。破かれた処女膜の痛みはいつのまにか失われ、その代わり、頭がおかしくなりそうな快感の渦があたしの中で暴れ回りはじめる。
戸惑い、必死で否定しようと試みても、その感覚は、嘘なんかじゃなく、本当で……。
きゅんっ、と、膣口にうっとりするような波動を感じる。
ふわっ、と、意識が浮き上がる。
その感覚は、すぐ消えてしまうけど、間をおかずにやってくる。
すぐさま消えてしまうから、その前に捕まえないと、消えていってしまうから……、気が付けばあたしは、一生懸命腰を小刻みに動かしている。
ともすればどこかに逃げだそうとする、ふわふわとしたキモチ良さを追いかけて、一生懸命意識を集中し、適切なタイミングで下腹に力を入れて……。
流れる水の中の一粒の砂糖みたいに、ほんのかすかだった甘さを夢中で追い求めているうちに、じわり、じわり、と、小さな快楽を弾けさせる方法を発見する。
ぱちん、ぱちん、と存在を主張し始めた快感は、出現する感覚を次第に狭めはじめ、気が付けば、無視するほどが出来ないくらいに圧倒的なものとなってあたしの意識を埋め尽くしはじめ……
「ダメぇ……キモチ……いぃ……」
何かの冗談、ほんの試しのつもりだった。けれどもあたしは確かにそういう意味のことばを口にして……。
けれどもそれは、ただの一度でも口にしてはならない言葉だった。
………………
…………
……
「あん、あんっ、あんっ、あんっ! 、やんっ、あう、あぅ、ぁ、ん、あぅ、あっ、あぅ、あっ、 あんっ、あんっ、あんっ……!」
子宮口をリズミカルに打ち付ける触手に合わせて迸るはしたない声を止めることはできない。半開きになった唇からしたたり落ちた唾液が糸を引いているのを頭の片隅で認識する。
両腕と両足にねっとりとからみつく肉厚な感触があたしの指を一本一本シゴキ上げる。鋭敏で繊細な神経の一本一本に直接打ち込まれてくるような逃れようのないキモチ良さがあたしの意識をガタガタに犯す。触手は形を変えて、五倍もの大きさに膨れ上がっている。トリモチのような本体に、あたしの足を、腕を、ずっぽりと埋め込ませ、そこに生じた無数の突起物を高速で動かして休む暇もなく神経の全てを刺激し続ける。
性器なんだ……。あたしの指って本当は、一本一本が性器だったんだ……。
波打つ快感にもまれながら、あたしはふと、そんなことに思い当たる。
だって、こらえきれないくらいにキモチがいい。汗みずくになりながら、あたしは押し寄せる快感の波の一つ一つを貪欲にむさぼる。
ふくらはぎ、ふともも、上腕、二の腕……。これって全部、性器だったんだ……。
快楽の海の中で溺れながら、ぼんやりとそんなことを考え続ける。
すると、手足をなめ回される気持ちよさにかまけていたあたしの舌が休みがちになっていることを咎めるように、奥の奥まで突き入れられた男性器型触手があたしのお尻と子宮の中で、小さく回転運動を始める。
手足を舐められるのとはまた違った危険な気持ちよさが、びーん、と、直接背筋を一直線に貫く。
お尻を振って、あたしが分泌する愛液と触手の放つ樹液がとめどなく溢れる秘部から触手をなんとか引き抜こうとしてもそんなのは所詮無駄な努力で、外側と、そして内側から、がっちりと抱え込まれたあたしに逃げ場はない。
あたしの小さな胸の先端で勃起し切ったピンク乳首に絡みつく糸状の触手が、敏感になりすぎたその突起を力一杯押しつぶし、あたしの意識は強制的に現実へと浮上させられる。つんとしたこの痛みにせかされたあたしは、仕方なく奉仕を再開する。
「ひっく……、くちゅ、ちゅ、ちゅぱ」
あたしは泣きながら、お姉ちゃんの股間に顔を埋めて……、お姉ちゃんの……、ひくひく物欲しげに蠢く、肉厚で、柔らかい蜜穴に舌を突き入れて……、ざらざらした舌の表面や、器用な先端部を一生懸命に動かして、お姉ちゃんを気持ちよくさせる。
張り付いていたバイブレーターは、とっくに剥がされてどこかに転がっている。
「ふぁ、はぅう……」
猿ぐつわがはめられたお姉ちゃんの口から、小さなよがり声が漏れる。同時に、お姉ちゃんの体温を帯びた液体が、じゅん、って奥からあふれ出してくる。おねえちゃん、あたしの舌遣いに悦んでくれてる……。そのことに想い至り、胸の心臓のあたりが、きゅん、となる。
あたしの頭には、さっきまで自分の秘所をいじくっていたお姉ちゃんの右手がそっと置かれてる。えらいね、がんばったね、って言うように、やさしくあたしの頭を撫でてくれている。
「くちゅ、ちゅぱ、ひっく、ちゅ、くちゅ、おねえちゃん、おねえちゃん……」
おねえちゃん、キモチいいんだ……。そのことを想うと、あたしは気が狂いそうなくらい切ないキモチになれて……。
けど……。
こんな時にあたしはふと、我に返る。返ってしまう。
「でも……、ちゅ、ちゅぱ、ダメだよぅ、くちゃ、くちゅ、んちゅ、こんなの、ダメだよぅ……」
あたしをそっと撫でてくれるお姉ちゃんの優しさが、触手に強姦されて気持ちよくなってしまうあたし自身の浅ましさに触れて、あたしの目からはぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。
先端に細長い糸が生えた触手が涙の一粒一粒をすくい取る。糸状触手が頬を撫でるその繊細な感触は、こぼれ落ちる涙さえ快感に変えてしまう。
ダメ押しをするかのように、膣と直腸にうずくまっていた触手が、ズン、ズン、と緩やかなピストン運動を開始する。
お姉ちゃんに対する暖かいキモチが陵辱されたみたいに追いやられ、代わりに快楽以外のナニモノでもない残酷な気持ちよさがあたしの中を占める。
それと同時に。
あたしの頬を撫でていた糸状の触手と同じものが、おヘソや、あたしの小さな胸の先端で痛々しいほどに屹立するピンク色の乳首や、前後運動する極太触手の上でぴくぴくと怯えるクリトリス、ぷっくらと膨れた唇や、それに恥ずかしがり屋で繊細な腋の下に、そっとあてがわれたのを感じる。
あたしは、それらが本格的に動き出す前の、試すような感触を感じてゾッとする。
「あっ、だっ、ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、絶対……それだけはダメ、お願いします、お願いだから、やめてください、絶対に、何でも絶対に言うこと聞くからぁ……」
その感触に我に返ったあたしは、体中の気持ちよさを全部忘れて早口でまくし立てる。
両腕と両足の神経をこそげ落とすみたいにしごく緩やかな快感や、恥ずかしい二つの穴の中を行き来する極太な存在感にはある程度慣れてしまったけど……、けど、今触れられているその場所を全部一度に責められてしまったなら……。
……きっと。
気持ちよすぎて……。
……死……。
「いやぁあああああああっ!」
その瞬間、花火のように、快感が、弾けた。
ぎりぎり、と、歯を食いしばる。ぎゅっと目を閉じて、お姉ちゃんの柔らかいおなかに押しつけるようにして頭をぐりぐりと左右に振る。津波のように押し寄せてくる爆発的な刺激があたしの体の上で暴れ回る。
あたしの尿道からは、しゃーしゃーと無様な音を立ててオシッコが勢いよく放出される。あたしの顔は、お姉ちゃんの愛液と、汗、唾液と涙と鼻水とが入り交じってぐちゃぐちゃになる。
両腕と両足を固定され……、身動き一つ取ることができずに……、二つの穴を、好きなように突かれた状態で、あまつさえ、神経が集まるを無防備に、容赦なく、残忍なやり方で蹂躙されて……。
その瞬間、あたしはとうとう意識をトばした。
………………
…………
……
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、という音で目を覚ます。
我に返り、顔を下げ、下半身を見ると、意識を失っていた間にも、触手はあたしの膣を犯し続けていたらしい。ついさっきまでは処女だったはずのあたしの大切な女の子の印は最奥部まで貫かれ、これまで空気にすら触れたことの柔肉が快楽に喘ぎながら形を歪め、そこから触手が引き抜かれるごとに内襞がメクレあがり濃厚な愛液を滴らせ……。
その一部始終をあたしは、冷静なキモチで眺めている。
さっきまでは処女だったはずのあたしの女の子のしるし……。
強要される快感を粛々と受け入れながら、そのことを、そのことだけを、じっと、考える。
あたしの頭にそっと、手が置かれる。
おねえちゃんだ。
あたしは大好きなお姉ちゃんが少しでも気持ちよくなれるよう、顔を埋めて無心で舌を使う。
どこを責めれば気持ちよくなってくれるかは、大体把握した。口ではそうと言わないけど、柔らかい肉の奥が、きゅん、と締まったとき、お姉ちゃんは、その、感じてくれているんだと思う。
お姉ちゃんが感じるその部分にナメクジみたいに舌を這わせ、粘膜をこそげ取り、舌先で、ちょん、ちょん、と、ツツく。
お姉ちゃんは、息を詰めて、あふれ出る快感をこらえようとするけど体の方はもうちょっと正直だ。
えっちな液がどくどくと溢れて、あたしの口の中をたちどころにいっぱいにする。
ちょっとイジワルな気持ちになったあたしは、お姉ちゃんに聞こえるように、わざと大げさな音を立てて、それを全部、飲み込む。
そんなことをされるのが恥ずかしいのか、お姉ちゃんのからだは、ぴくっ、と縮こまる。
ふふ、かわいいんだ。
あたしは、おねえちゃんが大好きだ。
昔からずっと。
おねえちゃんと、こうしたい、って想っていた。
躰と躰で。
こうやって、繋がり合いたいって、ずっと想っていた。
けど、本当は、そんなことイケないことなんだ……。
姉妹のあたしたちが、こういう風に愛し合うのは本当はイケないことなんだ……。
お姉ちゃんのそこと口で触れ合いながら、あたしは、そんなことを考えている。
お姉ちゃんの中からは、じゅん、じゅん、って、えっちなお汁があふれ出してくる。
あたしはそれで、のどを潤して。
ありがとう、キモチいよ、って、頭をなでなでしてくれるお姉ちゃんの手のひらの感触を、気持ちよく受け止めて。
このままずっと、お姉ちゃんに甘えていたい、って、そんな絵空事の風景すら信じられそうになって。
あたしを突き上げる触手の運動がほんのわずかに速度を増す。
……ぐちゅ、ずく、ぐちゅ、とイヤらしく音を立てて。
ついさっきまでは処女だったはずのあたしの女の子のしるしが突かれ、押しつぶされ、かき回されている。
痛みは、ちっとも感じない。
気持ちよさしか、感じない。
そのことが、そもそもオカシいんだということにすら気づけずに。あたしは愚かにも、マガイモノの快楽に身を落としていたのだ。
……あたしも本当は分かっている。
……こんな、天国みたいな快楽は、一から百まで非現実的な、空想世界と同じことなんだ、っていうことを。
だから。
「ごめんね、お姉ちゃん」
と。
一言だけ、口にして。
最後に、名残を惜しむように、お姉ちゃんの花びらに、そっと、一つだけ口づけをした。
それから。
あたしは、全身の力を込めて、触手から両足を引き抜いた。
………………
…………
……
ようやく目が覚めた。だからあたしは、自分の中に潜ませていたあたしの触手に命じた。
「ニュル助。解毒剤、もっと強く」
触手のメカニズムは簡単だ。
挿す。貫く。女の子の中で往復して、一方的に汚汁を吐き出す。
自分の体がそういう風に汚されて、抵抗しない女の子が存在しないはずがない。培ってきた貞操観念と、何よりも生理的嫌悪感が邪魔をする。その抵抗を崩すために。触手は、媚薬成分が含まれる分泌液を女の子に粘膜吸収させるのだ。
だから。
処女を破られた直後にも関わらず、乱暴に突き挿さっていたのが腕ほども太い触手であったにも関わらずあたしは。……犯され慣れた雌犬みたく、淫らによがって涎を垂らしながら恍惚に浸ることができた。
……他でもない誰よりも大切なお姉ちゃんの前で、陵辱され、蹂躙され、まさぐられ、責められて、頭の足りない快楽人形みたいに嬌声を漏らし、貪るように触手を味わい、涙を流して悦んで、抵抗も見せずに触手に合わせて腰を振るという痴態を演じた。
それどころか、おねえちゃんのふわふわした肉に舌を埋め、おねえちゃんの甘い蜜壺の上で、ぴん、と存在を主張していた突起に舌を這わせ、おねえちゃんに優しく頭を撫でられて、ペットが感じるみたいな安らぎとくつろぎに身を任せて……。
他でもない。大好きなお姉ちゃんの前で、あたしは……。
なんて、恥ずかしいんだろう。
叫びだしたい気分をぐっとこらえる。取り乱す寸前の理性を、自尊心でぐっと押さえ込む。
抑えた端から泡立つ気持ちがぶくぶくとあふれ出す。
……なんて、恥ずかしいことをしてしまったんだろう、あたしは。
お姉ちゃんと一緒に気持ちよくなりたい、だなんて。
このままお姉ちゃんと繋がっていたい、だなんて。
まるで、あたしたち、姉妹じゃなくて、恋人同士みたいだ……なんて。
……そんな、甘い妄想を、真実、真剣、真正に、心の底から信じ込みそうになっていただなんて。
ついさっきまでの、ほかでもないこのあたしは。
そんな、戯れ言を。
まるで永遠の真理であるかのごとく、平然と受け入れそうになってしまっていて。
……死にたい。
つーか、殺したい。自分を。
つーか、殺す。殺す。殺す。
つーか。
……つーか。
つーか、さあ。
オママゴトはこれでお仕舞いにしよう。
あたしが快楽に揉まれて気をやったとき、あたしの体内のニュル助は、あたしに媚薬の解毒剤を分泌したんだと思う。そのおかげで目が覚めた。
下を見ると、あたしの股間を、腕みたいに太い触手がせわしなく行ったり来たりしている。出たり入ったり、出たり入ったりの繰り返し。あくまで生理的な反応として、あたしの奥からは透明な汁があふれ出しては触手の摩擦に巻き込まれるなりシャンプーみたいに白く泡立つ。
とろみを持った、この液体は潤滑油だ。愛液を分泌させてなめらかにしないと、あたしのそこ、……ついさっきまで、処女だったあたしの女の子のしるしは、たちどころに擦り切れてしまうだろう。
……だから、この液体が流れ出るのは、あくまで生理的な反応だ。
そのことを確認する。
それが、なんら特別な意味を持たない、単なる肉体の正常な反応であることを、確認する。
確認するなり、触手がもたらす、ちろりとした快感が、そこから背筋を這い上って頭に到達する。不快だ。だから、命じる。
「ニュル助、もっと解毒剤。強く」
破瓜を迎えたばかりのあたしが、気持ちよくなることなどありえない。
だからあたしは……、体の中に仕込んだあたしの触手、ニュル助に命令して、お姉ちゃんの触手が粘膜を通してあたしに吸収させた催淫成分を打ち消すための解毒剤を分泌させる。
そうすると、ようやく……、幾重もの、柔らかい快感の層を突き破り、びりりとした痛みがあたしの感覚の中核に到達する。
「……………………ッ!」
その痛みに、ひるむ。おなかに力をこめ、目をぎゅっ、と閉じて、唇を、噛みしめる。
この痛みは……、このままお姉ちゃんと一緒に気持ちよくなっていたい、なんて都合のいい幻想に身をゆだねかけたあたしの愚かさに対する罰だ。触手に突かれ、分泌液で淫乱にさせられていることにも気づけず、ひぃひぃとみっともない喘ぎ声を上げていた弱い自分に対する罰だ。
「もっと、もっと、もっと。全部追い出して。コイツがあたしの中に送り込んだ媚薬を全部、追い出して」
皮膚の下で、ニュル助が、いいのか? というように、ぴくぴくと信号を送ってくる。触手なりに知能は高い。あたしとニュル助は、モールス信号のように会話をすることができる。
「黙れ。お前はあたしの言うこと聞いてればいいんだ」
半分は、強がりだ。けど、それくらい言わないと、あたしの覚悟が定まらない。
あたしの指示を受け入れて、あたしの触手、ニュル助が、あたしの体の中に流れていた麻酔代わりの媚薬をすべて、解毒する。
その瞬間。
紛れもない、本物の痛みが、あたしの、全身を、貫く。意識が痺れる。あまりの痛みに気が遠くなりかける。内側を、切り裂くような痛み。柔らかい肉の層を一つ一つ丹念に引きちぎられ、むき出しになったその傷口に、酸を押しつけられるような痛み。
ショックであたしの手足の筋肉が硬直し、体中の穴が締まる。急に締め付けられたせいか、あたしの中で、触手がどくどくと分泌液を放出する。おしっこの穴から勢いよく飛び出た薄黄色の液体がびちゃびちゃと音を立てて床で跳ね、痛みで丸まったあたしの体をなま暖かく汚す。
「ひ、ぎ、い……っ、ひっ、いぎぃ、いっ、ぎぃっ、ひっ、ぎ、ひぎ、ひぎ、ひぎぃ、ひぎぃっ、ぴぎィッッッ!」
あたしは、歯を食いしばってその苦痛をこらえる。無意識のうちに自らの体を抱き、わき腹に強く爪を立てる。痛みでこわばるあたしの体の中がそんなに気持ちいいのか、触手はあたしの膣と直腸を犯す太い棍棒を往復させる速度をより一層、速める。性欲処理の道具となったあたしの体は今にも壊れる寸前で、止血剤をかねていた媚薬が消失したせいか、白く泡立つ分泌液には、本来そうあるべきだったように、再びようやく赤い血が混じり始めている。
許容範囲を超えた痛みを矢継ぎ早にたたき込まれたイキモノとしての正常な仕組みに従って、白濁した意識がそろそろ途切れ途切れになりはじめる。
苦痛が求める限界につき合いきれずに脳が現実を投げ出そうとする寸前、あたしの体の穴という穴はぎりぎりと締まり、その絞り上げるバキュームのような圧迫を受けて触手はようやく動くのをやめ……、これまで、あたしの体の中に、外に、たれ流してきた量と同じくらい大量の汚濁を、その粘膜質の突起のあらゆるすべての先端から、あたしの子宮に、膣に、お尻に、口に、頬に、瞼に、耳に、鼻に、髪に、腋に、乳房に、肋に、お腹に、へそに、恥骨に、太股に、肩に、腕に、握った手の中に、あたしの全部にところかまわず、噴水のようにぶちまける。
あたしの全身は、どろどろの液体で、汚され切ってしまう。
そして、触手はようやく動きを止め……。
……待ちわびた隙が、発生する。
先ほど引き抜いた右手で、股間の前と後ろに埋まった太い触手を力一杯握りしめ、引き抜く。触手はそのことに気が付いて、あたしのお腹の中、これがはじまるまではそんなところに神経が存在するなんてこれまで気づきもしなかった部分で精一杯の反抗を始める。
先ほど放出された汚液に含まれていた媚薬が再びあたしを侵し始めたのか、この世に存在するすべての気持ちよさが凝縮されたみたいな快楽が、爆発したみたいにあたしの体の中で踊る。けど、そんな快感はマガイモノだ。あたしは一生懸命歯を食いしばり、本当なら赤ちゃんが、ウンチが、出てくるように作られた二つの穴から、一ミリづつ、少しづつ、時間をかけて、触手を引き抜いていく。
「うぅぅぅううぅううぅぅぅうぅうぅう……」
脂汗が背中ににじむ。排泄感が、いつまでも続いて終わらない。十日間も続いた便秘がようやく出そうになって、けどそこが満員電車で、絶対出しちゃイケないから頑張って、頑張って、我慢しなくちゃいけなくて、けど次の停車駅は三十分も先であるような、そんな、どうしようもない絶望感があたしの下半身でとぐろを巻いている。挿さった触手を抜きたくて、すぐさま抜かなきゃイケなくて、けれども奥深くまで潜り込み、抵抗するためにあたしの体を内側から舐め上げる触手の、最大級の気持ち悪さと最大級の気持ちよさが混沌となってあたしの感覚入力をリアルタイムで更新し続ける。
肉の襞が全部めくれて、破廉恥な部分が露わになって、隠しておきたかったものが無理矢理暴き立てられて……。
これが、恥辱、っていうのかもしれない。
「ふっ……、う、う、あ、ぐぅうぅうっ……」
がちがち、と音を立てて、歯が鳴る。
体の奥深く、たとえそれが大好きな男の子であっても決して触らせたり覗かせたりしてはいけないはずの女の子の一番大切な部分、お母さんや学校の先生だったらいい子は絶対にそんなことをしてはいけないと口を酸っぱくして言うような、かわいくて、恥ずかしがり屋で、無邪気、好奇心旺盛で、ほんのちょっぴりいたずらな女の子のやわらかい膣穴が、ズボズボ責められ、引っぱり出され、剥き出しにされ、形が変わるくらいの力一杯で踏みにじられ、子宮の奥まで突きに突かれ、何度も何度もドロドロの汚い汁をぶちまけられて、ひいひいと悦びに喘いでいるさまを目の前でまじまじと見せつけられて……。よりにもよって、その一部始終に溺れ、あろうことかペニス状触手を少しでも気持ちいい場所に誘導するために、頭を真っ白にして涎を垂らしながら自ら腰を使い……。
そんな破廉恥な自分、つい今までの、それも他でもない自分自身の姿を苦い後悔とともに思い出す。
これが恥辱というものならば、こうして苦しみながら触手を引き抜くこの行為はあたしにこそ相応しい罰だ。
あたしは、自分の罪を贖うかのように、自分の中の一番底に太く突き刺さった快楽の杭を、少しづつ、少しづつ、引き抜いてゆく。
ほとんど永遠にも近い時間をかけて、ゆっくり、ゆっくり、引き抜いてゆく。
気が遠くなるほどに遅々とした動作。
内臓のひだひだの一つ一つにからみついた触手を引っ張ると、体の中身が引きずり出され、でんぐりがえりそうになる錯覚。
あきらめたくなる。
くじけそうになる。
絶対無理だ、って思いそうになる。
けど……。
……お姉ちゃんが、あたしを、じっと、見て、いることに、あたし、は、気が付いてしまって……いる。
触手を握る両手に力を込め直す、
汗だくになりながら、膣の内側にしっかりとにへばりついた最後の五センチを、ずるり、と引き抜く。
よく冷えたシャンパンの栓を抜いたみたいに、白くて臭い触手の液があたしの股間からあふれ出し、あたしの両足の間の床の上にぬるぬるとした大きな液だまりをつくる。太い肉棒を引き抜かれ、弛緩しきった大陰唇が、呼吸困難な金魚みたいに大きく口を開けている。激しく突かれ続けたせいで力が入らず腰砕けになってしまった下半身。ぺたん、と力なく重力に屈し、床の上にナメクジみたいにへばりついたまま、膣中に放たれた触手の精液をゆっくりと垂れ流し続けている。
あたしに引き抜かれた触手は、直ちに再侵入を試みると思いきや、様子見をするように、あるいは単に液を出し切って疲れたのか、小さくゲル状にまとまってもじもじと動いている。
広がったお尻の穴に無意識に手を伸ばす。開ききったまま閉じる様子のない菊座が急に不安になり、穴全体を手で覆って、五本の指を使って、きゅっ、と締める。表面は元通りに縮まるけれど、拡張されすぎた奥は広いままだ。このままウンチの穴を締めることができなくなって、オムツをはいたまま過ごさなければならないかもしれない、って考えると、急に不安になる。中がどうなっているか確かめるために、お尻の穴に指を三本差しこむと、それが刺激になったらしく、腸の奥の方の筋肉がやっとのことで動き出したから、泣きたくなるくらいホッとする。
でも、そんなことより……、生まれて初めての往復運動で蹂躙され、想像を絶する高速ピストンの餌食となった生殖器官はお尻以上に締まりが悪い。普段からウンチを絞り出しているお尻の穴と違い、力を入れる方法に慣れないあたしの前の肉穴は、まるで新しい傷口のようにぱっくりと口を開けたまま、元通りに戻る気配すらみせようとしない。
このままじゃ、パンティをはいても隠しきれない……。
背筋を、ぞくり、とした、冷たい絶望が駆け抜ける。
水着を着たら、ピンク色の肉ヒダがごっそりとはみ出してしまう……。
そのことに思い至り、どうしようもないパニックが頭の中を走り抜ける。
海水浴場やプールで、知らぬ間に水着のわきからこぼれ出している女の子のお肉に気が付かない自分を想像して、泣きたくなる。小さな布切れでは肥大した大陰唇を包み切ることはできず、平泳ぎのガニ股や、ばた足の動きによってビキニラインのクロッチからは性器の大部分がひとりでにハミ出して……。
それを見た女の子たちが浮かべるに違いない、気持ちの悪いモノを目にした軽蔑の表情。
それを見た男の子たちが浮かべるに違いない、加虐的な好奇心に満ちた表情。
その一方で、当のあたしは、自分の下半身の痴態に気がつくことができず、背泳ぎをしたり、潜水をする人の前に悪気もなく立ちふさがったり、プールサイドで伸びをしてむき出しの柔肉を知らず知らずのうちに見せつけたり、して……。
ガマンできなくなった男の人たちに、集団でレイプされて……。
けれど、水着から大切なお肉を平気ではみ出すようなはしたない女の子に同情してくれる人なんてどこにもいなくて、周りの人たちは何事もないかのように普通通りに水泳を続けていて……。
そんな光景を瞬間的に想像して、何ともいえないような気持ちに、なる。
体の奥に、力を入れる。ぶぽっ、という、何とも言えない下品な音がして、泡とともに、膣から空気が漏れる。触手の放った精液が、ぶくりと泡立つ。ぶびっ、ぐぽっ、ぶぶっ。と、鳴り止まないオナラみたいに恥ずかしい音が、次から次へと漏れてくる。足にはようやく力が戻る。あたしは床に手を置いて立ち膝になる。つう、という感触とともに、あたしの膣の最奥から、臭い白濁液が太股を伝わって床に垂れる。
……膣出しされて。何度も、何度も、膣出しされて。
忘れ去りたい記憶が、あたしの意識をどうしようもない恥ずかしさで苛む。
あたしは。犯され、よがりまくる、浅ましい姿を全部お姉ちゃんに目撃されてるんだ……。
その事実が、何よりも、痛い。
大好きなお姉ちゃんに。
よだれを垂らしながら、泣き叫びながら、触手にあわせて体をくねらせ、自分自身で気持ちのいい場所を探り当て、お尻にまで侵入を許し……。
意を決して、顔を上げる。
お姉ちゃんの顔を見るのが、怖い。
けれども、そこにいて、猿ぐつわで言葉を奪われたまま、それでもじっとあたしを見てくれているお姉ちゃんは、やっぱりあたしのお姉ちゃんで……。
目が合うと、あんなことがあったばかりにも関わらず、その、あたしが、お姉ちゃんのその部分を舌を使って虐め抜いた直後であるにも関わらず、お姉ちゃんはいつもみたいにあたしに微笑みかけてくれて……。
胸に走るのは、びりり、とした痛み。心が、破れそうになる。処女膜みたいにあっけなく、破けそうになる。
あたしは、膝を使って這うようにお姉ちゃんに近づく。
猿ぐつわの結び目に指をかけて、ほどく。猿ぐつわに使った布切れは、お姉ちゃんの甘い汗で湿ってしまっていて、結び目は固く、簡単にはゆるまない。
数分かかってしまったけど、最終的に、お姉ちゃんの口は自由になる。
なじられるのは、覚悟していた。
これまでお姉ちゃんに怒鳴られたことは、一度もない。
けど、このときばかりは罵倒されることを覚悟していた。
けれども結局、そんな覚悟をしていること自体、あたしがお姉ちゃんを理解していないという紛れもない証拠で。
猿ぐつわをはずされたお姉ちゃんは、ゆっくり息を吸い込んだあとに、一言。
「がんばったね」
と、優しく声をかけてくれた。
あたしは、不覚にも泣きそうになる。
けど、今のあたしに涙を流す資格など、ない。
悪いのは、全部あたしなのに。
歯を食いしばって泣くまいと努力しても、涙が頬にこぼれる。
その涙をお姉ちゃんに見せまいと下を向いたままあたしはお姉ちゃんの手足にかけた縄を解く。
お姉ちゃんの、陶磁器人形のように白いからだ。上物のシルクのようにすべやかで、触ると指にぴたりと吸い付く張りのある肌。均整の整った手足と、決して形の崩れることのない、大きくてたわわな胸の膨らみ。
ぁい……ています。
あい、しています。
あたしは。あなたのことを、愛、しています。
けれども、あたしたちは姉妹だから。
同じ血が流れている上に、女の子同士であるという障害は。
何よりも重く、どんな壁よりも高い。
だからあたしは、たとえ命と引き替えにであろうとも、そんな言葉を口にすることは出来ないのに。
そのはずなのに。
「クラン、愛してるよ」
と。
そんな言葉を、この人は。
お姉ちゃんは。
あたしに向かって、てらうこともなく、口にして。
……なんて、ズルいんだろう。
他でもない、あなたがそれを口にするなんて。
……分かってる。
お姉ちゃんの言葉は、恋人であるあたし、にではなく。
家族である、妹であるあたしに向けたものであるということくらい。
そんなことくらい。
分かり切っているほど分かっている。
……はず、なのに。
その言葉の裏の意味に、どこかで期待しているあたし自身が、確かに、いた。
→私と姉と触手と陵辱・後編