医薬品情報
| 総称名 | マーデュオックス |
| 一般名 | マキサカルシトール, ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル |
| 欧文一般名 | Maxacalcitol, Betamethasone Butyrate Propionate |
| 製剤名 | マキサカルシトール/ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル配合製剤 |
| 薬効分類名 | 尋常性乾癬治療剤 |
添付文書情報
| 販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| Marduox Ointment | 中外製薬 | 2699804M1023 | 231円/g | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
禁忌
次の患者には使用しないこと
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[感染症及び動物性皮膚疾患症状を悪化させることがある。]
潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがある。また、感染のおそれがある。]
効能・効果及び用法・用量
効能効果
尋常性乾癬
用法用量
通常、1日1回、適量を患部に塗布する。
用法用量に関連する使用上の注意
1日の使用量は、10g(マキサカルシトールとして250μg)までとする。
使用上の注意
慎重投与
高カルシウム血症及びそのおそれのある患者[本剤の投与によりさらに血中カルシウム値を上昇させるおそれがある。]
腎機能が低下している患者[血中カルシウム値を上昇させるおそれがある。]
重要な基本的注意
本剤はマキサカルシトールとベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの配合剤であり、マキサカルシトールとベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル双方の副作用が発現するおそれがあるため、本剤の適切な使用を検討すること。
本剤は活性型ビタミンD3誘導体を含有しており、血中カルシウム値が上昇する可能性がある。また、マキサカルシトール外用製剤において高カルシウム血症に伴い、急性腎不全の報告があるため、本剤の使用に際しては、血中カルシウム値及び腎機能(血中クレアチニン、BUN等)の検査を定期的(開始2〜4週後に1回、その後は適宜)に行うこと。なお、正常域を超えた場合には減量又は使用を中止すること。
皮疹が広範囲にある場合や、皮疹重症度が高く、皮膚のバリア機能が低下して本剤の経皮吸収が増加する可能性のある患者では、高カルシウム血症が発現しやすく、急性腎不全に至る可能性もあるため、本剤を少量から使用開始し、観察を十分に行い、血中カルシウム値及び腎機能の検査を定期的に行うこと。
4週間を超えて本剤を投与した際の有効性及び安全性は確立していない(「臨床成績」の項参照)。本剤による治療にあたっては経過を十分に観察し、漫然と使用を継続しないこと。
皮膚萎縮、ステロイド潮紅等の局所的副作用が発現しやすいので、特に顔面、頸、陰部、間擦部位の皮疹への使用には、症状の程度を十分考慮すること。
本剤は副腎皮質ホルモンを含有しており、大量又は長期にわたる広範囲の使用[特に密封療法(ODT)]により、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれることがある。
本剤はマキサカルシトールを含有しており、密封療法(ODT)における安全性は確立していない。
併用注意
| ビタミンD及びその誘導体 アルファカルシドール カルシトリオール カルシポトリオール 等 | 高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 | 相加作用 |
| PTH製剤 テリパラチド | 高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 | 相加作用 |
| カルシウム製剤 乳酸カルシウム水和物 炭酸カルシウム 等 | 高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 | 本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。 |
副作用
副作用発現状況の概要
国内臨床試験における安全性評価対象166例中9例(5.4%)で9件の副作用が認められた。副作用の内訳は、血中コルチゾール減少4件(2.4%)、血中カルシウム増加、血中クレアチニン増加、白血球数減少、肝機能異常、毛包炎各1件(0.6%)であった。(承認時)
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
高カルシウム血症(頻度不明注2))
高カルシウム血症及び高カルシウム血症によると考えられる臨床症状(口渇、倦怠感、脱力感、食欲不振、嘔吐、腹痛、筋力低下等)があらわれることがある。異常が認められた場合には使用を中止し、血中カルシウム値、尿中カルシウム値等の生化学的検査を行い、必要に応じて輸液等の処置を行うこと。
急性腎不全(頻度不明注2))
血中カルシウム増加を伴った急性腎不全があらわれることがあるので、血中カルシウム値及び腎機能を定期的に観察し、異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。
注2)マキサカルシトール外用製剤での報告は頻度不明とした。
その他の副作用
| 1%以上 | 1%未満 | 頻度不明注3) | |
| 過敏症注4) | 皮膚の刺激感、発疹 | ||
| 皮膚 皮膚の感染症注5) | 毛包炎 | ウイルス感染症、真菌症(カンジダ症、白癬等)、細菌感染症(伝染性膿痂疹、せつ等) | |
| 皮膚 その他の皮膚症状 | そう痒、紅斑注6)、湿疹(発赤、苔癬化、腫脹、びらん等)、接触性皮膚炎、色素沈着注6)、魚鱗癬様皮膚変化注6)、ざ瘡(ざ瘡様発疹、ステロイドざ瘡等)注6)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、ステロイド潮紅等)注6)、水疱、腫脹、疼痛、皮膚剥脱、ステロイド酒さ・口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる)注6)、紫斑注6)、多毛注6)、色素脱失注6)、皮膚乾燥、びらん、浮腫、熱感 | ||
| 腎臓 | 血中クレアチニン増加 | 尿路結石、尿中蛋白陽性、BUN増加、増殖性糸球体腎炎 | |
| 代謝 | 血中カルシウム増加 | 血中リン減少、血中リン増加、Al-P増加、CK(CPK)増加、尿中ブドウ糖陽性、血中アルブミン減少、血中カリウム減少 | |
| 消化器 | 口渇、食欲不振、びらん性胃炎 | ||
| 肝臓 | 肝機能異常 | γ-GTP増加、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、血中ビリルビン増加、尿中ウロビリン陽性 | |
| 血液 | 白血球数減少 | 白血球数増加、血小板数減少 | |
| 下垂体・副腎皮質系 | 血中コルチゾール減少 | 下垂体・副腎皮質系機能の抑制注7) | |
| 筋・骨格系 | 背部痛 |
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、使用が過度にならないように注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用し、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。[妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。マキサカルシトールは動物実験(ラット)で胎盤を通じて胎児へ移行することが認められている。また、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルでは動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されている。]
授乳婦には使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には授乳を避けさせること。[マキサカルシトールは周産期及び授乳期の静脈内投与試験(ラット)において、1.1μg/kg/日投与で出生児に体重増加抑制が認められている。また、分娩後哺乳中のラットに静脈内投与したとき、乳汁中への移行を示唆する報告がある。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
過量投与
徴候・症状
高カルシウム血症の主な症状は、口渇、倦怠感、脱力感、食欲不振、嘔気、嘔吐、腹部膨満感、腹痛、頭痛、めまい、筋肉痛、筋力低下等である。
処置
直ちに使用を中止すること。血中カルシウム値、尿中カルシウム値等の生化学的検査を行い、必要に応じて輸液等の処置を行うこと。
適用上の注意
使用部位
本剤は患部にのみ使用し、正常皮膚部位には使用しないこと。
皮膚以外の部位(眼、粘膜)には使用しないこと。
使用時
本剤に触れた手で傷口等に触れないように注意すること。
使用後
本剤塗布後は手をよく洗うこと。
薬剤交付時
誤用(内服等)防止のため、薬剤の保管に十分注意させること。特に、小児の手のとどかない所に保管させること。万一、誤って内服した場合には、高カルシウム血症等の全身性の副作用があらわれることがあるので、医療機関を受診するなど、適切な処置を受けるよう指導すること(「過量投与」の項参照)。
その他の注意
光苛酷試験において、本剤は紫外線(太陽光線を含む)により分解された。
がん原性試験においてラット(F344/DuCrj)にマキサカルシトールを1日1回24カ月間経皮投与した結果、副腎において褐色細胞腫の発生頻度が増加した。一部、副腎被膜への浸潤を示す例が認められたが、副腎近隣組織への浸潤や遠隔転移を示すものはなかった。また、マウスでは1日1回18カ月間経皮投与で発がん性は認められなかった。
薬物動態
尋常性乾癬患者166例に本剤1回適量(10gまで)を1日1回4週間塗布したところ、1例に血漿中ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル(54.30pg/mL、塗布4週後)を検出したが、他は検出限界(50pg/mL)未満であった。また、血漿中マキサカルシトールは塗布2週後に25例、塗布4週後には15例に検出され(最大値43.43pg/mL、塗布2週後)、他は検出限界(10pg/mL)未満であった[1]。
臨床成績
日本人尋常性乾癬患者475例を対象に、マキサカルシトール外用製剤(1日2回塗布)及びベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル外用製剤(1日1回塗布)を対照薬として二重盲検比較試験を実施した。その結果、本剤塗布(1日1回)4週後のPSI(Psoriasis Severity Index)合計スコアにおいて、本剤と対照薬との差の最小二乗平均は下表のとおりであり、いずれも統計学的に有意であった(p<0.001、反復測定分散分析)[1]。
| 本剤(166例) | ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル外用製剤(153例) | マキサカルシトール外用製剤(156例) | |
| 4週後のPSI合計スコアの要約統計量 | 4.6±4.0 | 7.4±5.4 | 7.9±5.0 |
| 差の最小二乗平均 | − | −2.8829 (p<0.001) | −3.3694 (p<0.001) |
薬効薬理
マキサカルシトールはビタミンD受容体に結合し、表皮角化細胞に対する分化誘導作用や異常増殖抑制作用、IL-6の分泌抑制作用を示すことが報告されている[2][3][4][5][6]。また、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルは標的細胞のグルココルチコイド受容体と結合し、炎症・免疫反応に関わる標的遺伝子の転写の活性化やNF-κB等の転写調節因子の活性化を直接阻害することで、炎症性サイトカインの産生抑制作用やT細胞等の増殖抑制作用を示す[7]。
有効成分に関する理化学的知見
有効成分に関する理化学的知見
承認条件
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
包装
チューブ
10g×1本、10g×10本
長期投与医薬品に関する情報
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、平成29年5月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされています。
| 社内資料:尋常性乾癬患者を対象とした第III相臨床試験 |
| 社内資料:薬理作用試験(ケラチノサイトの増殖抑制) |
| Kondo,S.,et al., Arch.Dermatol.Res., 292 (11), 550, (2000) »PubMed |
| 社内資料:尋常性乾癬患者を対象とした臨床薬理試験(マキサカルシトール) |
| 社内資料:薬理作用試験(ケラチノサイトの分化促進) |
| Komine,M.,et al., Arch.Dermatol.Res., 291 (9), 500, (1999) »PubMed |
| Adcock,IM., Pulm.Pharmacol.Ther., 13 (3), 115, (2000) »PubMed |
作業情報
| 改訂履歴 | 2016年3月 改訂 |
| 文献請求先 | 主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。 |
| お問い合わせ先 | 主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。 |
| 業態及び業者名等 | 販売 製造販売元 |