「ノロウイルスを予防するにはどうしたらいいの?」、「ノロウイルスにかかると、どんな反応があるの?」と、お悩みではありませんか?
ノロウイルスは、感染力が強く、激しい嘔吐や下痢の反応があると言われています。小さなお子さまや、お年寄りは反応が重くなることがあるため、家庭で正しい対策をすることが大切です。
そこで、今回は、ノロウイルスの予防方法や、ノロウイルスにかかったときに気をつけたいポイントなどをご紹介します。
1.ノロウイルスの特徴
ノロウイルスは、下痢や嘔吐、発熱などの反応が現れるウイルスです。他のウイルスと比べて感染力が強いといわれていて、学校や飲食店など、集団で感染するという話をよく耳にすることがありますよね。
一年中ノロウイルスは発生していますが、毎年10月から徐々に増え、冬から春にかけて大流行すると言われています。
感染から反応が目に見えて出るまでの潜伏期間は、一般的に24~48時間と言われています。この潜伏期間には多少の個人差があるので、感染したその日に反応が出はじめることもあります。
多くの場合1~2日で反応がおさまりますが、乳幼児やお年寄りの場合は、重症化したり、治りが遅くなったりすることがあると言われています。
こうしたことから、まずはノロウイルスに感染しないように、正しく予防することが大切です。
2.ノロウイルスの感染経路
一般的に言われている、ノロウイルスの感染経路を5つご紹介します。
①感染者の便や吐物中のノロウイルスが手につく
感染者の便や吐物により飛び散ったノロウイルスに触ってしまったり、感染者が触れたドアノブなどを触ったりすることで感染することがあります。
感染者の便や吐物には数百万~数億個のノロウイルスが含まれていると言われています。例え少量でも、手や体につくと、体内に入って感染することがあるので、注意が必要です。
②乾燥して風に舞ったノロウイルスが体内に入る
カーペットについた便や吐物の処理が不十分だと、それらが乾燥したときに、ノロウイルスが風に舞って体内に入り、感染することがあります。
便や吐物が乾いてからも、ノロウイルスは感染力を持っていると言われています。すぐに正しくノロウイルスを処理することが大切です。
また、洗濯機に入れると、洗濯機の中でノロウイルスが拡散し、他の衣類にまで菌がつき、感染を広めてしまうことがあると言われています。
便や吐物の正しい処理や、洗濯の仕方は、次の章の「ノロウイルスの予防方法」で詳しくお話しています。
③ノロウイルスが手についた可能性の高いまま調理をする
ノロウイルスの感染者が、手にウイルスがついたまま料理をすると、食材や調理器具が汚染されることがあるため、それを食べて感染することがあります。
調理をする人は、ノロウイルスに感染しているかにかかわらず、調理前は手を石鹸でよく洗い、万が一嘔吐や下痢の反応が出ていたら、調理を控えた方が良いでしょう。
また、調理器具が汚染された際には、熱湯やアルコールで消毒することが重要です。
④カキなどの二枚貝を加熱せずに食べる
カキ、シジミ、アサリなどの二枚貝は、ノロウイルスを持っている可能性があるので、生のままで食べると、ノロウイルスに感染する場合があります。
二枚貝は、海水に含まれるプランクトンをエサとして生きています。しかし、海水には、下水処理場で排除しきれなかったノロウイルスが流れこむことがあると言われています。
二枚貝がエサと一緒に吸い上げたノロウイルスが、貝の体内に蓄積されていることがあります。
⑤ノロウイルスに汚染された井戸水を飲む
ノロウイルスで汚染された井戸水を飲んで感染することがあります。そのため、井戸水をお使いの方は、定期的に水質検査をするなど、メンテナンスが重要です。
ちなみに、一般的な水道水は、浄水場にてきちんとノロウイルスの除去が行われているため、水道水でノロウイルスに感染する心配はほとんどないと言われています。
3.ノロウイルスの予防方法
ノロウイルスは、かからないように予防することが大切です。ノロウイルスにならないために心がけたい予防方法をご紹介します。
3-1.手を洗う
食事の前はもちろんのこと、不特定多数の人が触る場所を触った後や、トイレを使用した際など、日頃から石鹸でよく手を洗うようにしてください。
水道や石鹸がなく、手を洗えない状況では、消毒用エタノール(アルコール消毒液)の使用がおすすめです。
これまで、アルコールの消毒液はノロウイルスには働きかけないとされてきましたが、ノロウイルスの代替ウイルスを用いたウイルス試験で、ウイルス除去に働く商品が開発されました。
価格:メーカー希望小売価格(購入は全国のドラッグストアで)
ノロパンチは、従来のアルコール消毒剤の、ノロウイルスへの働きかけが実験で証明されていない中、ノロウイルスの代替ウイルスによる実験で、ウイルスの除去に働くことが分かっています。
次亜塩素酸系の消毒剤(※)のように、金属製品をサビさせたり、人体に影響を与えたりする心配がなく、除菌されるまで30秒~1分と時間が短いのが特徴です。
※次亜塩素酸系の消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)……これまで、ノロウイルスの消毒に働く消毒剤はこれだけと言われていました。その分、消毒力があり、手指の消毒に使うと、肌に負担がかかることがあるので、手の消毒には使用しないようにしましょう。
・正しい手の洗い方
また、ノロウイルスは、他のウイルスや細菌と比べ、とても小さいので、手のシワや爪の中などに入り込んでしまうため、しっかり手を洗わないと洗い流すことができないと言われています。
ノロウイルスに感染するには、10~100個のウイルスだけでも十分だという説もあります。
意識して手指、手のひら、爪の中など、洗い残しのないように洗いましょう。
〈手洗い〉
①指輪・時計・アクセサリーなどをはずす
②流水で流れる汚れをあらかじめ落とす
③手のひらと指の表面は、両手のひらをこすり合わせるようにして洗う
④手の甲と指の背を、もう片方の手を使って洗う。
⑤指の間を、両手の指を組み合わせるようにして洗う
⑥指先を、片方の手のひらの上に垂直に当て、こするように洗う
⑦親指を、もう片方の手で握るようにして洗う
⑧手首のしわに合わせて洗う
⑨すすぎ残しのないよう、流水で時間をかけてすすぐ
⑩手は、ペーパータオルや、清潔なタオルを使ってふく
※③から⑧までは30秒、⑨のみで20秒程度の時間をかけるように意識すると良いと言われています。
〈アルコール消毒〉
①消毒液を手のひらにとり、両手の指先を手のひらと垂直にしてこする(消毒液が少なすぎると蒸発してしまう)
②両手のひらをこすり合わせ、消毒液をなじませる
③手の甲にもなじませる
④両手の指を組み合わせるようにして、消毒液を指の根元になじませる
⑤親指をもう片方の手で握るようにして、消毒液をなじませる
⑥手首のしわにそって、消毒液をなじませるようにする
⑦消毒液をしっかり乾燥させる
3-2.貝類は加熱してから食べる
二枚貝(カキ・シジミ・アサリ)は、しっかり加熱してから食べれば、少なくとも貝からの感染を防ぐことができるといわれています。
ノロウイルスは熱に弱いので、ノロウイルスに汚染されている貝でも、きちんと加熱していれば問題ないと言われています。
一般的に、加熱する際は、貝の中心部を85~90度で、90秒以上熱するのを目安にすると良いとされています。
3-3.調理台・調理器具を消毒する
汚染された可能性の高い貝を調理した際や、感染者が調理器具などに触れた場合は、他の食材を調理する前に、しっかり消毒をしてください。
調理器具や食器の消毒には、次亜塩素酸ナトリウムやノロウイルスにおすすめのアルコール消毒液(ノロパンチ)の使用、または熱湯による煮沸消毒を行ってください。
ただし、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒は、殺菌力が強く、金属性のものをサビさせるので、食器に使うのが少し不安という方は、アルコール(ノロパンチ)か、熱湯による煮沸消毒がおすすめです。
・アルコール(ノロパンチ)による消毒の方法
ノロパンチを使い、消毒したい食器や調理器具に吹きかけ、清潔なキッチンペーパーなどを使って拭きます。
ウイルスの除去時間が短いのと、場所を選ばずに消毒できるのが特徴です。
拭き取った後も、15秒程度経過してから使用しましょう。
3-4.排泄物、吐物を正しく処理する
吐物がついてしまったカーペットなどは、感染を防ぐために、消毒を行うことが大切だと言われています。
消毒には、次亜塩素酸ナトリウムや、アルコールなどの消毒液を使いましょう。
・カーペット、布団などの除菌方法
〈準備するもの〉
使い捨てのビニールorゴム手袋
マスク
使い捨てのカッパやエプロン
ビニール袋
①マスク、手袋、カッパなどを装着する
②ペーパータオルなどで吐物を取り除く
③ノロパンチか、次亜塩素酸ナトリウム(濃度0.1%)で拭く
④処理が終わったら、ビニール袋にゴミやマスク、手袋、カッパを入れ、袋の口をしばり、できるかぎりすぐに捨てる
⑤処理が完了したら、よく手を洗う
ご家庭のドアノブやトイレの配管など、金属製品に次亜塩素酸ナトリウムを使うとサビてしまうので、ノロパンチで拭くと良いでしょう。
・汚れた布製品の洗い方、除菌方法
汚れた布製品は除菌しないで洗濯機に入れると、他の衣類や洗濯機にノロウイルスが付着するため、二次感染を発生させる恐れがあると言われています。
〈準備するもの〉
塩素系漂白剤(商品例:成分表示に「次亜塩素酸ナトリウム」の記載があるもの)
マスク
使い捨ての手袋
洗いおけやバケツ
①マスクとゴム手袋を着用する
②洗濯が可能な衣類やシーツなどは、塩素系漂白剤を薄めた水に30分間つけおきする
③吐物の混じった水しぶきを浴びないように、静かにすすぐ
④洗濯機に入れて、洗濯する
※塩素系漂白剤は、衣類の色が落ちることがあるので、色落ちの気になるものへの使用は避けた方が無難です。洗濯機で洗濯します。
4.ノロウイルスになったら
ノロウイルスになった時に注意すべきポイントなどをお話しします。
ノロウイルスに感染すると、いきなり激しい下痢や吐き気に襲われ、パニックになるかもしれませんが、まずは落ち着いて対処しましょう。
4-1.保健所・病院に相談する
ノロウイルスの感染が疑われたら、最寄りの保健所か、病院に相談してください。受診すれば、今の状態に応じた処置をしたり、自宅で過ごすうえでの注意点など、アドバイスをもらえるはずです。
4-2.吐き気や下痢を我慢しない
ノロウイルスを体外に出すことが大事だといわれています。また、嘔吐や下痢の反応が激しくても、下痢止めの使用は控えた方が良いと考えられています。
4-3.水分、食べ物の摂り方に注意
脱水状態や栄養の不足を防ぐため、水分や栄養を摂る必要がありますが、その摂り方には注意しましょう。
・飲み物、食べ物を急に摂らない
・水分の取り方の目安
のどが乾いていたり、お腹が空いていたりしても、水分や食べ物を一気に摂らない方が良いと言われています。
いきなり胃の中に水分や食べ物が入ると、胃に負担がかかり、下痢や嘔吐を誘発してしまうことがあります。
大人は、時間をかけて少量ずつ水分や食事を摂るよう心がける程度で良いですが、乳幼児は、自分で水分が適切に摂取できない上、大人より脱水状態になりやすいので、大人が注意して飲ませることが大切です。
飲み過ぎを防ぐために、哺乳瓶などは使わず、スポイトやスプーンなどを使うと良いと言われています。
・正しい食事の摂り方
嘔吐が治まっても、はじめのうちは少量食べるだけで嘔吐することがあります。
量も大切ですが、食べる内容も大切で、やはり胃に負担をかけないおかゆなどの流動食から食べ始めると良いと言われています。
油っぽいものや、冷たいもの、辛いもの、果物(クエン酸を含む、グレープフルーツ、レモン、いちごなど)は、弱った胃への負担となり、嘔吐を引き起こすことがあります。
5.まとめ
現在のところノロウイルスに対するワクチンが無いので、手洗いなどをして、しっかり予防することが重要です。
ノロウイルスが流行する季節は、ノロウイルスについての正しい知識を持って、予防に努めましょう。
この記事は2016年12月2日時点での情報になります。
また、記事の内容には個人差がございますのでご了承ください。