腋臭症

腋臭症とは

わきがとも呼ばれます。
ワキの下にはアポクリン汗腺、エクリン汗腺という2つの汗腺と皮脂腺という分泌腺があります。
特に皮膚のアポクリン汗腺から分泌される汗が、強い臭いを発する疾患として治療の対象となっています。

腋臭症の症状

  •  ワキに汗染みができやすい
  •  ワキの臭いが気になって制汗剤が手放せない
  •  家族や親せきにワキガの人がいる(遺伝)
  •  衣類の上着のわき部分が黄色いシミになる
  •  腋毛から白い粉が吹くまたは付着する

腋窩部(わきの下)からの臭い、特に運動時など多めの汗をかく時、エクリン腺からの汗の臭い(酸っぱい、汗臭い)とは明らかに違う特有の臭いがします。
特有の臭いとは、個々の体質によって異なりますが、ネギ類の臭い、めんつゆの臭い、ゴボウの臭い、酢の臭い、納豆の臭い、古い雑巾の臭いに喩えられることがあります。
また、臭いの元となるアポクリン腺分泌物は、衣類のわき部分に黄色いシミを作り、汗が大量に出る多汗傾向を伴うことがあります。
まれに女性で腋臭症の場合は、乳輪や性器付近からも腋臭の臭いが認められる場合もあります(すそわきが とも呼ばれます)

診断

ワキの臭いが他人にもわかる場合、腋臭症と診断されます。 診断は、わきにガーゼをはさんで頂きそのガーゼの臭いと問診によって行います。 腋臭症は厚生労働省に病気として認められていますので、ドクターの診断で腋臭症と判断されると保険による治療が可能となります。 症状が軽い場合には保険の適応が不可の場合もありますので、まずはドクターにお気軽にご相談ください。

切開法(反転剪除法)※保険適用

一般的に行われている数少ない保険適応の手術療法のひとつで、アポクリン腺の数を通常以下にしましょうという処置です。入院の必要はなく、処置が終わったらお帰りになれる日帰り治療です。
腋(わき)の皮膚の皺に合わせて3センチから4センチほどの切開を1本ないし2本入れます。指で皮膚を裏返し、毛穴に開口しているアポクリン腺をハサミで切り取っていく方法です。直接目で見ながら除去していきますので、確実にアポクリン腺の数を減らすことができます。

メリット手術後のお手入れが必要ない、再発しなければ一生ケアがいらない
デメリット手術部位が感染することがある、手術後の安静期間がある、傷がやや残る

処置後は2~3週間ほどワキをあまり動かさず、ワキを安静にしていただきます。
当院では、再生医療(PRP療法)を利用することで回復を早め、傷口をさらに目立たなくする治療も可能です。

治療(手術)時間片側1時間弱、両側で1時間半程度
術後の通院5 回(ガーゼ交換⇒抜糸⇒2週間目検診⇒1か月検診⇒3か月検診)
術後の腫れ・痛み2~3週間
当日の治療可能(初診予約時に、当日処置希望とお伝えください)
入院の必要性なし
麻酔局所麻酔
シャワー・シャンプー術後4日目より可能

皮下組織吸引法 ※保険適用外

わきの下に数ミリの小さな穴を開き、そこに「カニューレ」と呼ばれる細い管を差し込み汗腺類を掻き取りながら吸引する方法です。
傷口が小さく済むことから、術後の傷を気にされる方がよく選ばれる方法です。

メリット傷口が小さく術後の回復が早い
デメリット汗腺が残る、術後の再発率が高い(40%というデータも)
治療(手術)時間片側40分程度、両側で1時間程度
術後の通院5 回
術後の腫れ・痛み2~3週間
当日の治療可能(初診予約時に、当日処置希望とお伝えください)
入院の必要性なし
麻酔局所麻酔
シャワー・シャンプー術後4日目より可能

ボトックス注射 ※保険適応外

A型ボツリヌス毒素製剤(商品名ボトックス)を注入することにより、汗の分泌を促進させる神経伝達物質アセチルコリンを抑制させ、発汗自体をおさえます。1回の注入で4ヵ月から6ヵ月間効果が持続します。

メリット比較的すぐに試すことができる、3~6ヶ月はその他のケアが扶養、傷や炎症の心配なし
デメリット効果が切れたらまた治療が必要(長くて半年の効果)
治療時間片側10分、両側15分程度
術後の通院(必要であれば)3~6か月ごと
術後の腫れ・痛み2~3日
当日の治療可能
入院の必要性なし
麻酔希望により麻酔クリーム使用(別途費用)
シャワー・シャンプー当日より可能

治療の流れと方法

  • カウンセリングへのお申し込み

    1

    受付までお電話(0120-946-087)いただくかあるいは「初診予約受付」から予約を行ってください。(フォームからメール相談も可能です)

  • 初診~カウンセリング

    2

    問診票を記入していただきます。腋臭の診察をご希望の方はワキにガーゼを挟んでいただき、15分~20分ほどお待ちいただきます。その後専門の医師がカウンセリングを行います。ご不安なことなどお気軽にお尋ねください。カウンセリングの結果、手術をご希望の方は、ここで手術日をご予約ください。(当日の施術も可能です)

  • 手術当日

    3

    同意書にサインをいただき、治療を行います。ワキに負担のかからない、前開きで脱ぎ着のしやすい服装でお越しください。手術は60分~90分で終了します。術後はガーゼでワキを圧迫します。入院は不要ですが、術後最低3日間は極力肩を動かすことを控え、安静にしてください。
    → わきが手術に関するよくある質問

  • 手術3日後

    4

    包帯交換を含め、術後の経過をチェックします。万が一化膿していたり、痛みや腫れが酷いなど、気になることがあればこの日を待たずにいつでもご連絡ください。

  • 手術7日後

    5

    傷の治り具合をみながら抜糸を行います。
    傷口が開いてしまった、治りが遅い等があれば多少前後する可能性も有りますのでご留意ください。

  • 手術1ヶ月

    6

    経過についてチェックします。来院間隔は医師が患者様の状態を見て個別に判断いたしますので必ず3回来院しなくてはならない、という事ではありません。上記はあくまで目安とお考えください。

抜糸について (わきが、タトゥー、傷跡切開、傷跡除去)

縫ったところに張力がかかる場合や、血流が悪くなる(血腫)など明らかに通常より治りがおそいと考えられる状態の手術創の抜糸はまず一週間目に半抜糸を行います。半抜糸とは縫合した糸を間引きして抜糸していくものです。これは、傷の離開を防ぎ正常で早い回復を妨げる要因を極力排除するためです。術後2週間目、半抜糸後1週間目を目安に、創部(手術のキズ)の回復状態を確認し全抜糸を行います。

処置内容比較

切開法
(反転剪除法)
皮下組織吸引法ボトックス注射パースピレックス
処置の種類手術手術注射塗り薬
保険診療適応あり適応なし症状により適応適応なし
効果直接汗腺を目で見て処理するため確実再発率が高い発汗を抑制できる発汗を抑制できる
効果の持続期間再発がなければ持続する再発がなければ持続する4~6ヵ月1回の塗布で3~5日
処置時間両ワキ1時間半程度両ワキ1時間程度両ワキ15分程度数分
術後の回復数日は安静が必要数日は安静が必要制限なし制限なし
運動軽い運動は1週間後から。ゴルフやテニスなど腕を使う運動は状態により約1か月後から。軽い運動は1週間後から。ゴルフやテニスなど腕を使う運動は状態により約1か月後から制限なし制限なし
入浴ガーゼ固定の間は下半身のシャワーのみ。抜糸後(1週間後)より入浴可能。ガーゼ固定の間は下半身のシャワーのみ。抜糸後(1週間後)より入浴可能。制限なし制限なし

パースピレックス(医薬品)

パースピレックス(Perspirex)は、特許処方により長時間、効果が持続する長時間持続型の新しいタイプの制汗剤(医薬品)です。

メリット塗るだけで効果が得られる、すぐに試せる
デメリット脇のピリピリ感、皮膚が弱いと荒れる、継続的に使用しなくてはいけない

汗を抑制したい体の部位(わき、手、足の付け根など)へ塗布すると、汗腺内水分と反応し汗腺深部に角栓を作ります。この角栓が蓋となり、物理的に発汗を抑えます。1回の使用で3~5日間、汗を気にせず過ごすことができます。市販の制汗剤では抑えきれなかった掌汗や足裏の汗にも効果が期待できます。
香料不使用。衣服への色移りや白い筋が残ることはありません。

身体部位タイプ
わきロールタイプ
手足ローションタイプ

※ パースピレックスは医療機関専売品(医薬品)の制汗剤であり、処方には医師の診療が必要です。

わきが治療料金

初診料¥850(税込) ※自己負担3割の場合
再診料¥230(税込) ※自己負担3割の場合
健康保険証来院時に必ず健康保険証をご持参ください。
混合診療保険外診療との混合診療は行っておりません。(保険診療も全額自己負担となります)

※手術費のほかに、術前検査代および手術中・後に必要な薬剤代がかかります。
※表示金額は全て税抜価格となります。

反転剪徐法
保険適用(3割相当額)片側¥17,190
両側¥34,380
自費診療片側¥193,400
両側¥322,000
ボトックス注射
保険適用(3割相当額)片側¥27,000~
自費診療片側¥50,000~
皮下組織吸引法
自費診療両側¥388,000

Q&A

Q臭いはなくなりますか?
気にならないくらいにまで軽減します。
手術によりアポクリン腺の数が減少します。完全になくなるわけではありませんが、手術によってアポクリン腺の数が8~9割なくなりますので、同程度の臭いの軽減も期待できます。
Q治療は痛いのでしょうか?
局所麻酔を使いますので、手術中はほとんど痛みはありません。麻酔の痛みは麻酔クリームなどで軽減させることができます。
Q治療後の痛みはどれくらいの期間続きますか?
個人差がありますが通常2週間ぐらいで楽になります。それほど痛くないという方もいらっしゃいますし、痛みを感じるという方もいらっしゃいますが、痛み止めの薬でおさまる程度です。その後、処置部の引きつり感、つっぱり感が3~6か月程度あります。
Q手術をした場合、翌日は仕事に行けますか?
お仕事の内容によります。脇を圧迫して安静にすることができる限りにおいては可能です。腕を激しく使うお仕事の方は2週間ほどお休みされることを推奨します。まずはドクターにご相談ください。
Q手術の傷跡は残りますか?
残りますが、傷が目立たないよう皮膚のシワに沿って切開し傷跡が目立たないように仕上げます。体質的に傷が目立ちやすい方は傷跡が気になる場合があります。当院では再生医療を応用したPRP療法により、より早くきれいに傷の治療をすることも可能です。
Q脇毛は生えなくなりますか?
まばらに生える程度になります。アポクリン腺は毛根の近くに位置します。アポクリン腺を除去するときに一緒に除去されてしまう毛根が多いので毛が薄くなります。
Q保険は使えますか?
症状の程度によって保険が適用されます。詳しくはドクターにご相談ください。
Q手術ができない場合はありますか?
年齢的には第二次成長期前のお子さんの手術は推奨していません。また、現在罹患されている病気によっては手術ができない場合があります。詳しくはドクターにご相談ください。

腋臭症の原因

私たちの体には汗の腺が2種類あります。1つは皮膚に直接開口しているエクリン腺と呼ばれる汗の腺で主に体温を調節しており、体全体に分布しています。主に塩分を含んでいるのでしょっぱい汗はこのエクリン腺から出た汗です。もう一つは毛穴に開口しているアポクリン腺と呼ばれる汗の腺です。タンパク質を含んでおり、耳、鼻、ワキ、陰部など限られたところに分布しています。摩擦の軽減や鼻、耳などでは異物を排除する働きがあると言われています。いずれの汗も無臭です。ではなぜ汗をかいた後臭いが気になるのでしょうか。

汗の腺で臭いの発生に関与しているのはアポクリン腺です。汗自体は臭いがないのにどうして臭うのでしょうか。汗をかいた直後気にならない臭いがしばらくすると臭ってくる。この臭いには皮膚を守っている常在菌が大きな働きをしています。アポクリン腺の汗には常在菌の栄養分であるタンパクが含まれています。これを常在菌が吸収、分解してできたものが臭いを発生します。この臭いはアンモニア成分を含んでおり、あの独特な鼻を突くような刺激臭を発生します。ワキはエクリン腺とアポクリン腺両方分布しているので、汗をかいた後に臭いがしてきます。

体温を調節しているエクリン腺は人種によってほぼ数が一定しています。ところがアポクリン腺はすべての人にありますが体の限られた部位にしかなく、その数は多い人、少ない人と個人差があります。アポクリン腺は耳にも分布していますので、耳垢が湿っているタイプの方は、耳垢が乾燥している方よりもアポクリン腺の数が多いと言えます。もちろん、アポクリン腺の数が多い人のほうが常在菌の栄養分であるタンパク質を含んだ汗がいっぱい出ますので臭いやすいということになります。

  • 前の記事
  • トップ
  • 次の記事