男性ならば一度はヒゲを抜いたことがあると思います。
特に思春期でヒゲが生え始めるころ、口周りに一本だけ太い毛があると変に目立ってしまい気になって抜いたことがあるでしょう。
女性でもホルモンバランスが崩れると毛が濃くなることがあり抜いた経験があると思います。
剃った時と比べて、抜いたときは毛根すべてを除去する形になるので基本的には皮膚内に毛が残らず黒ずみのような点が残ることもありません。
そのため綺麗さっぱり毛を除去したいときは抜いてしまった方がいいのではと思うでしょう。
ワタクシもそう考え、毛抜きでヒゲを抜いていました。
ところで、ヒゲを抜くのってダメなことなのでしょうか。
今回は毛を抜く時や抜けるメカニズム、さらにはメリット・デメリットをお話ししていきます。
そしてその行為が青ヒゲの原因になるのかを見ていきたいと思います。
毛を抜くメカニズム
毛を抜くと毛根から全て抜けているイメージですがその際毛穴では何が起こっているのでしょうか。
毛を抜く時は毛抜きを使用すると思います。
ちなみにこの「毛抜き」は特定の名前がなく、強いて言えば英語でツイーザーと呼びます。
これで抜きたい毛を挟んで引っ張ります。
すると毛は毛乳頭から離れて「毛根鞘」と一緒に抜けてくることがほとんどです。
毛根の周り付着している透明のものですね。
ちなみに毛包の下の方には毛母細胞があり、これが細胞分裂を繰り返して角質化(簡単に言うと硬くなること)して、さらにメラニン色素の働きによって黒色になり「毛」が生成されます。
簡単に言えば抜いたときに毛の周りについてる透明のものの下の方に、毛の元になる細胞があると言うことです。
毛抜きで毛根、毛球(黒い毛の丸い部分)まで抜けたとしても毛乳頭は皮膚内に残る場合があります。
いくら毛を抜いてもこれがある限りは何度でもヒゲは生成されます。
毛乳頭で生成の指令
ここで少し毛乳頭の役割を。
毛が抜けると毛乳頭はそれを生成するように命令を出します。
これは毛穴から菌が侵入して炎症を起こすのを防いだり、過剰な皮脂が入ることを防止するためです。
黒い塊は毛球
毛を抜くと透明な毛根鞘の下に黒くて柔らかい塊が確認できます。
これは毛球で、この部分に先ほど挙げた毛母細胞が含まれています。
繰り返しになりますが毛を抜いてもそれは毛乳頭と毛球が分離しただけで、毛乳頭は毛穴の深部にしっかりと残っており、またすぐに次の毛を作るべく指令を出します。
毛を抜いて出血するのは毛包が痛むから
ほとんどの場合、毛を抜いても出血することはありませんがまれに血が出てしまうことがあります。
それは毛包が傷ついた場合です。
毛包は毛根鞘と密着しており、通常は毛を引っ張って抜くとうまく毛根鞘が毛包から剥がれていきます。
しかし場合によっては毛根鞘の密着が強く、剥がれる際に毛包の細胞までも一緒に引きちぎってしまうケースがあります。
毛包周辺には毛細血管が多数ありますので、血管が破れて少量の出血が起こるのですね。
毛乳頭は取れることはない
毛乳頭は毛穴の一番底にあります。
毛乳頭には毛細血管から栄養素が運ばれてきて、それを基に毛母細胞を作り元気な毛を生成します。
で、この毛乳頭は毛抜きで取れることはありません。
なので毛抜きによって損傷することはほぼないと考えていいでしょう。
仮に損傷したとしても周辺細胞の細胞分裂で再生の可能性があります。
また毛乳頭の周りにある男性ホルモン受容体が生きていれば強力なホルモンであるアンドロゲンを受け付け、破壊された毛乳頭を再生してまた毛が生えてくることも考えられます。
もしもそれがあるなら筋肉トレーニングで起こる超回復のように、一度破壊された毛根はより強いものになり以前よりも太くて頑丈な髭を生成するのではないでしょうか。
毛乳頭の命令でヒゲが生成
ヒゲを抜いても毛乳頭が残っているとまた新たに毛が生えます(毛乳頭も一緒に抜く方法・コツは知りません)。
個人差はあると思いますが私は5日ほどで毛穴の奥に黒ずみが見えるようになります。
目で確認できるのがそれくらいなので実際に毛穴の奥で生成されているのはもっと早いでしょう。
毛乳頭から生成される過程は同じでも、これが毛穴付近まで伸びてくると通常とは状況が変わります。
毛が抜けたことで毛穴が閉じることも
毛を抜くと毛穴が広がるとよく言いますが、一方で閉じることもあります。
通常であれば毛穴に沿って出口を目指して毛幹になります。
しかし脱毛して毛穴が閉じ、その状態で毛がつくられると行き場を失いつつ成長するため皮膚内に埋もれて黒ずみのようになってしまいます。(埋もれ毛)
時間が経てば毛の途中部分だけ露出して抜いたり脱毛剤を使用したら取れることもありますが、完全に皮膚で覆われてしまうと毛抜きなどでほじくりだすかクリニックに行くしかありません。
メリットはない
簡単に毛を抜いたときの流れを見てみました。
この中で述べているようにヒゲを抜いてメリットになることは残念ながら何もありません(と言いつつ私はよく抜いています)。
最後に埋もれ毛をご紹介しましたがこの他にも毛包炎や色素沈着などのリスクもあります。
強いてメリットを言えば、ヒゲを抜くことで一時的に青ヒゲに見えなくなることでしょうか。
しかし、お分かりの通りその後上記のような症状になってしまっては余計に青ヒゲが目立ってしまいます。
しかもすぐには治らず最低1週間はかかるでしょう。
まとめておくとヒゲを抜くことのメリットは
- 毛根部分もなくなるので一時的に青ヒゲがましになる
デメリットは
- 痛い
- 肌を傷つける
- 毛穴が広がる可能性がある
- さらに濃くなることもある
- 埋もれ毛や毛包炎などのリスクがある
と言ったところです。
今回はヒゲを抜くと青ヒゲの原因になるかどうかがメインですが、これについても「YES」と答えて良さそうです。
毛細血管や毛乳頭が強くなることでより太くて頑丈な毛になるなら、毛根部分の色もよりはっきりと見えるようになり青ヒゲをひどくしてしまいます。
一見青ヒゲ対策として良い策のように思えますが実はリスクだらけな毛抜きです。
若いうちは代謝が良いのでバンバン抜いても肌のトラブルを抱えることはないかもしれませんが年齢を重ねるごとに耐久力、再生力は落ちてきます。
毛抜きについてはある日突然お肌がボロボロになることも十分ありえますので、なるべく控えましょう。
とはいっても抜きたいですよね
控えましょうと言っておきながら、かく言う私も青ヒゲに悩んでおり、一時的であれ手っ取り早く解決できるのでお出かけの前日はヒゲを抜くことがあります。
ヒゲを抜くこと自体リスクが伴います。しかし、なるべくそれを小さくする方法もありますのでご紹介します。
- 抜く箇所を35度前後の蒸しタオル5~10分ほどで温める
- 手と毛抜きをよく消毒しておく
- 根元から抜く
- 毛が生えている方向に沿って抜く
- 毛抜きを持つ反対の手で皮膚を軽く押さえる
- 必ず1本ずつ抜く
- 全て抜き終わったら清潔な水かアイスシートで5分ほど冷やす
- エタノール入り化粧水で3分ほどパックする
- 油分を含んだローションや乳液は使わない
- 抜いた部分をなるべく触らない
1.35度前後で温める
皮膚の表面温度が35度前後だと痛みが感じにくくなります。逆に冷たかったり寒い状態ではその部分の感覚神経が鋭敏になっていますので痛みを感じやすくなります。
冬に裸足でどこかに足をぶつけたときに非常に痛い思いをしたことがあると思いますがあの感じです。
蒸しタオルは簡単に用意できるものではありませんので以下の方法がおすすめです。
- 小さ目のタオルを少し濡らし電子レンジで30~40秒温める
- マスクをする
ヒトの吐息は三十数度あるのでこれを利用して口周りをあたたる方法もあります(主に上唇、顎の部分対象になりますが)。家族に見られたくない方はマスクをして5~10分皮膚を温めましょう。
2.よく消毒する
手には約150種類の雑菌が存在しています。手を洗わない状態で顔に触れるとこれが付着し毛を抜く、抜かないに関係なく肌トラブルの原因になります。石鹸を良く泡立てて時間をかけてじっくりと洗いましょう。
念には念をいれて手洗い後にアルコールで消毒するとより良いです。毛抜きもしっかりと消毒しておきましょう。
3.根元から抜く
毛は根元から抜きましょう。毛先を掴んでしまうと毛がちぎれてしまうことがあります。
ちょうど毛穴の部分でちぎれてしまうと埋もれ毛などの原因にもなります。
4.毛の方向に沿って
毛が向いている方向に逆らって抜くと毛穴が大きく広がってしまいますし抜きにくいです。一度やってみるとわかると思います。
また痛みも大きくきくなるので毛が生えている方向に沿って抜くようにします。
5.反対の手を添える
抜く毛のターゲットが決まったらその周囲を毛抜きを持った反対の手で押さえます。押さえずに抜くと肌が引っ張られてしまい毛がうまく抜けなかったり、抜けたときに肌が戻ろうとする弾力とその衝撃で皮膚表面が剥けてしまうことがあります。
さらには急に抜けてしまうことから毛穴内部にも負担が大きくなるため、逆の手を添えて抜く際はゆっくりと引きましょう。こちらの方が痛みも感じにくいです。
6.1本ずつ
複数一気に抜こうとすると毛と毛の間の皮膚まで同時に引っ張ってしまい、最悪これも一緒に剥がれてしまうことがあります。非常に痛いですし瘡蓋になり治るまで1週間以上かかります。
本数が多いので面倒になって一気に抜きたい気持ちはわかりますが1本1本丁寧に行いましょう。本来は抜くことすらリスクがあることなのですから。
7.抜き終わったら冷やす
毛抜き処理が終わりましたらすぐに5分ほど冷やします。冷たい刺激を与えることで交感神経が作用し立毛筋が緊張・収縮します。抜いたことで広がった毛穴を引き締め、雑菌が入るのを防ぎます。結果としてニキビなどのトラブルの予防になります。
毛を抜いたはいいけど今度は毛穴が目立ってしまったでは意味がありません。
冷水でも冷たいタオルでも良いですが、肌とそれの温度差が25~30度ほどあると良いです。(ちなみにH25年の東京都の水道水の温度は8月で平均27.7℃、2月で平均6.9℃ →トピック第3回 水道水の水温|東京都水道局 )
8.化粧水で3分ほどパック
エタノール(アルコール)を含んだ化粧水で3分ほどパックしましょう。
エタノールで毛穴と皮膚表面を除菌しながら他の成分で肌を整えます。
9.ローション、乳液は避ける
脱毛後に油分が毛穴に入ると、たとえそれが美容成分であってもニキビや炎症の原因になります。
化粧水の成分を肌に閉じ込めるためにローション、乳液を使うことがありますが脱毛後は厳禁です。2日も経てばお肌は正常になるので乳液を使うのはこれ以降にしましょう。
10.必要以上に触らない
ヒゲがなくなってツルツルになると嬉しくなってつい触ってしまいますが必要以上に触れるのは厳禁です。
理由は伝えした通りで手の雑菌が付着するのを防止するためです。特に脱毛後は敏感な肌になっているためトラブルが起きやすいです。
毛抜きの効果は一時的で尚且つリスクがあるとはいえ、若い方は代謝も良いので多少リスクを負っても抜くと言う確実な方法をとるのでしょう。かと言ってお肌がボロボロになっても良いとは思っていないはずです。
少しでも肌に負担にならないような方法で毛抜きを行ってください。
毛抜きと青ヒゲの原因まとめ
ヒゲを抜いても毛穴の深部には毛乳頭と言うヒゲを生成する命令を出す個所があり、これが残ります。
したがってこれがある限り何度抜いても生えてきます。
時に毛球と同時に毛包まで傷つけてしまうこともあり、これと密着している毛細血管が切れることで出血が起こります。
毛乳細胞があるからにはそれが破損しても細胞分裂により、またアンドロゲンの作用により再生される可能性もあります。
脱毛で閉じてしまった毛穴から毛が生えてくると毛先は行き場を失い皮膚にめり込むことがありこれを埋もれ毛と言います。
埋もれ毛やニキビ、炎症を引き起こす可能性がある毛抜きにはメリットはなくデメリットばかりです。
しかし、それでもヒゲを抜きたい時は正しい手順でなるべく肌に負担をかけない方法で行い、脱毛後のケアもしっかりとして満足いく青ヒゲ対策にしましょう。