[2013年11月13日:更新]
[2011年1月18日:公表]
クーリング・オフって何?
「クーリング・オフ」とは、契約した後、頭を冷やして(Cooling Off)冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件で契約を解除することができる特別な制度のことをいいます。
一度契約が成立するとその契約に拘束され、お互いに契約を守るのが契約の原則ですが、この原則に例外を設けたのが「クーリング・オフ」制度です。
クーリング・オフ制度は、いくつかの法律によって定められていますが、これから、特定商取引法のクーリング・オフ制度を例に挙げて説明します。
質問その1: クーリング・オフ制度が設けられたのはどうしてですか?
回答
商品を購入する方法は「店舗での買い物」のような「自分から買うものを決め、購入しに行く」というものばかりではありません。例えば、「家に業者が訪ねてきて勧誘される」「電話がかかってきて勧誘される」「道を歩いていて呼び止められ、勧誘される」など、特に商品の購入を考えていないときに突然業者側から勧誘されて契約するといった購入の形態もあります。
こういった不意打ち的な勧誘で、冷静に判断できないまま契約をしてしまいがちな販売方法に対して、クーリング・オフ制度が設けられました。具体的には「訪問販売」と「電話勧誘販売」です。なお、家庭への訪問販売だけでなく、「路上などで声をかけて営業所などへ連れていき契約を勧めるキャッチセールス」と「電話等で販売目的を告げずに営業所や喫茶店などへ呼び出して契約を勧めるアポイントメントセールス」も法律的には「訪問販売」に区分されます。
また、マルチ商法や内職商法のように仕組みが非常に複雑ですぐに契約の内容を理解することが難しい取引(「連鎖販売取引」及び「業務提供誘引販売取引」)や、継続的に提供されるサービスの中でも、内容が専門的で、その効果の達成などが不確実なことから、大げさなセールストークや長時間勧誘などの不適切な勧誘行為が行われやすい、エステティックサービス、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの6種類(「特定継続的役務提供」)についても、クーリング・オフ制度が設けられています。
さらに、業者が消費者宅等を訪問し、消費者から物品を買い取っていく「訪問購入」にも、クーリング・オフ制度が導入されました。
- クーリング・オフできる取引
- 訪問販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引
- 特定継続的役務提供
- 業務提供誘引販売取引
- 訪問購入
質問その2: 次のうち、クーリング・オフができるのはどれでしょうか?
質問
- お店でスカートを購入したが、家に帰ると同じようなスカートを持っていることに気づいたので返品したい。
- 訪問販売で太陽光発電設備の設置契約を結び、すぐに工事が始まった。契約から7日経つが、やはり冷静に考えると高額だと思うので解約したい。
- インターネット通販で本を購入したが、4日後に図書館で同じ本を見つけたので返したい。
- 電話勧誘で行政書士の資格教材を購入し、届いた教材を開封した。しかし、5日間じっくり調べてみると、業者が言うように簡単に取れる資格ではないことがわかったのでやめたい。
- サロンで脱毛エステの無料体験を受けた後、1年間で30万円のコースを申し込んだが、その日の夜、親に反対されたので、解約したい。
- 同じ大学の知人から、シャンプーなどを購入して友達を紹介すればお金がもらえると言われて会員になった。それから2週間、友人を誘ってみたが誰も会員になってくれないのでやめたい。
- 業者に、「簡単なテストに合格すれば、パソコン内職の仕事を提供するので、すぐ元が取れる」と勧誘されて、30万円のパソコンをその業者から購入した。契約から18日が経つが、何度テストを受けても合格できない。最初の説明と違うので解約したい。
- 「不用品を何でも買い取る」と電話があり、業者が家に来た。用意していた古着などには見向きもせず、「貴金属はないか」と言ってきたため、指輪など何点か見せると、その貴金属だけ2万円で買い取っていった。3日が経つが、大切なものを売ってしまって後悔している。返してほしい。
回答
- ×
自ら店舗に出向いて購入した商品はクーリング・オフはできません。ただし、店によっては、クーリング・オフ制度とは別に、独自に返品や交換に応じているところもあります。
- ×
インターネットを利用して商品を購入するのは「通信販売」の一つですが、「通信販売」にはクーリング・オフ制度はありません。ただし、返品の可否や条件について、必ず広告に表示するよう定められており、その表示がない場合、商品の引き渡しを受けた日から8日以内であれば、消費者が送料を負担して返品することができます。
- ○
他の人を加入させれば利益が得られると言って商品やサービスを契約させる、いわゆる「マルチ商法」を、特定商取引法では「連鎖販売取引」といい、法定書面を受け取った日(質問その3:クーリング・オフはいつから数えますか?参照)、もしくは商品を受け取った日の、いずれか遅い日から20日間はクーリング・オフができます。
| 特定継続的役務 | 期間 | 金額 |
|---|---|---|
| エステティックサロン | 1カ月を超えるもの | いずれも5万円を超えるもの |
| 語学教室 | 2カ月を超えるもの | |
| 家庭教師(通信指導等含む) | 2カ月を超えるもの | |
| 学習塾 | 2カ月を超えるもの | |
| パソコン教室 | 2カ月を超えるもの | |
| 結婚相手紹介サービス | 2カ月を超えるもの |
回答
クーリング・オフでは、法律で定められた事項が書かれた契約書面(法定書面という)を受け取った日を1日目として数えます(連鎖販売取引は、法定書面を受け取った日、もしくは商品を受け取った日の、いずれか遅いほうを1日目とします)。
例えば、「訪問販売でLPガスの契約を結びましたが、契約書はもらっていません。契約から10日が経っていますが、クーリング・オフはできますか?」という場合、本来は訪問販売のクーリング・オフ期間は8日間ですが、法定書面を受け取らない限りいつでもクーリング・オフが可能です。
「解約はできない」などと業者に脅されたり、「この取引にはクーリング・オフ制度はない」「商品を使用しているのでクーリング・オフはできない」などと虚偽の説明をされて、消費者がクーリング・オフを妨害された場合には、業者から改めてクーリング・オフができる旨を記載した書面を渡されてから所定の期間を超えるまでは、クーリング・オフができます。
回答
「訪問販売」や「電話勧誘販売」では、3千円未満の現金取引や使用または消費すると商品価値がほとんどなくなってしまう化粧品や健康食品などの政令指定消耗品で使用または消費したものについては、クーリング・オフができません。ただし、消耗品であっても、業者が開封、使用、消費させた場合や、契約書に消耗品を使用した場合にはクーリング・オフができない旨の記載がない場合などは、クーリング・オフができます。
- 一 動物および植物の加工品でいわゆる「健康食品」等と呼ばれているもの(医薬品を除く)
- 二 不織布、織物(幅13センチメートル以上)
- 三 コンドーム、生理用品
- 四 防虫剤、殺虫剤、防臭剤、脱臭剤(医薬品を除く)
- 五 化粧品、毛髪用剤、石けん(医薬品を除く)、浴用剤、合成洗剤、洗浄剤、つや出し剤、ワックス、靴クリーム、歯ブラシ
- 六 履物
- 七 壁紙
- 八 配置薬
「訪問購入」において、以下の物品についてはクーリング・オフができません。
- 訪問購入において適用除外となる物品
- ●自動車(二輪のものを除く)
- ●家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く)
- ●家具
- ●書籍
- ●有価証券
- ●レコードプレーヤー用レコード及び磁気的方法又は光学的方法により音、映像又はプログラムを記録した物
質問その5: クーリング・オフの手続きはどのようにするのですか?
回答
クーリング・オフの通知は必ず書面で行います。はがきなどの書面に記載例のように記入して、控えのために書面の両面をコピーに取った上で、「特定記録郵便」または「簡易書留」などの記録が残る方法で送ってください。クレジット契約をしている場合は、クレジット会社と販売会社へ同時に通知します。なお、はがきのコピーと郵便局の受領証は、5年間大切に保管してください。
<記載例>
タイトルとして「通知書」、「次の契約を解除することを通知します。」と記載します。次に、契約年月日、商品名、契約金額、販売会社(会社名、営業所名、担当者名)、クレジット会社の会社名を記載します。続いて「支払った代金○○円を返金し、商品を引き取ってください。」と記載します。最後に、発信日、自分の氏名を記載します。
※訪問購入で、物品を引き渡している場合には、「引き渡し済みの商品○○を返還してください」と記載してください。
質問その6: クーリング・オフの効果は?
回答
クーリング・オフをすると契約は解除され、支払ったお金は返金されます。解約料などを支払う必要はありません。また、商品を使っていても、サービスを受けていても、その費用を支払う必要はありません。商品を引き取ってもらう費用や工事をしたところを元に戻す費用は事業者の負担になります。
訪問購入の場合は、引き渡した商品があれば返してもらい、受け取った売却金額は事業者に返しましょう。
回答
あります。代表的なものは以下のとおりです。
- 個別クレジット契約
- 適用対象
訪問販売・電話勧誘販売・連鎖販売取引・特定継続的役務提供・業務提供誘引販売取引等の契約にともなう個別クレジット契約 - 期間
訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供の場合8日間
連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引の場合20日間 - 根拠条文
割賦販売法35条の3の10、35条の3の11
- 適用対象
- 生命・損害保険契約
- 適用対象
店舗外での、契約期間1年を超える生命保険・損害保険・傷害疾病定額保険契約(ただし、保険料を振り込んだ場合、医師の診査を既に受けた場合、通信販売は除く)(共済も含む) - 期間
8日間 - 根拠条文
保険業法309条
- 適用対象
- 宅地建物取引
- 適用対象
店舗外での、宅地建物取引業者が売り主となる宅地建物取引 - 期間
8日間 - 根拠条文
宅地建物取引業法37条の2
- 適用対象
- 預託等取引契約
- 適用対象
店舗契約を含む、指定商品の3カ月以上の預託取引 - 期間
14日間 - 根拠条文
特定商品預託法8条
- 適用対象
- 投資顧問契約
- 適用対象
店舗契約を含む、金融商品取引業者との投資顧問契約 - 期間
10日間 - 根拠条文
金融商品取引法37条の6
- 適用対象
- 冠婚葬祭互助会契約
- 適用対象
店舗契約を含む、冠婚葬祭互助会の入会契約 - 期間
8日間 - 根拠条文
業界標準約款
- 適用対象
クーリング・オフ早分かり表(特定商取引法の場合)
質問がAからFまで6個あります。質問Aから順番に「はい」もしくは「いいえ」で回答してください。質問の回答ごとに指示している次の質問に回答してください。クーリング・オフができないか(結論G)、できるか(結論H)がわかります。
- 質問A 契約をしましたか?
- 「はい」の場合は質問Bへ。
- 「いいえ」の場合は、ここで終了です。
- 質問B クーリング・オフ制度のある取引形態(訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、訪問購入)ですか?
- 「はい」の場合は質問Cへ。
- 「いいえ」の場合は、結論Gへ。
- 質問C 契約書を受け取りましたか?
- 「はい」の場合は質問Dへ。
- 「いいえ」の場合は質問Fへ。
- 質問D クーリング・オフ期間内ですか?
(訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供、訪問購入の場合は8日間、連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引の場合は20日間です。) - 「はい」の場合は質問Fへ。
- 「いいえ」の場合は質問Eへ。
- 質問E 事業者からクーリング・オフを妨害するような、うその説明や威迫・困惑行為はありましたか?
- 「はい」の場合は質問Fへ。
- 「いいえ」の場合は結論Gへ。
- 質問F クーリング・オフできない場合に該当しますか?
(質問その4: クーリング・オフ制度のある取引形態であれば、どんなときでもクーリング・オフができますか?を参照してください) - 「はい」の場合は、結論Gへ。
- 「いいえ」の場合は、結論Hへ。
- 結論G クーリング・オフできません。
※クーリング・オフできなくても、取消しや解約、他の法律で解決ができる場合がありますので、消費生活センター等に相談しましょう。 - 結論H クーリング・オフできます。