蕎麦ダイエットとは
日本料理を代表する蕎麦。暑い夏には冷たいざる蕎麦、冬は温かいかけ蕎麦、と様々な食べ方で楽しむことができます。
その蕎麦を用いたダイエットが、女性の間でひそかな人気となっています。
蕎麦ダイエットとは、1日の食事のうち1回の主食を蕎麦に置き換えるダイエット方法です。手軽なうえに食欲を我慢する必要がありません。
でも、蕎麦はご飯やうどんと同じ炭水化物なはず。糖質を多く含む炭水化物を食べても、ダイエット効果があるのはなぜでしょうか。
蕎麦のカロリー
まず、一般的な蕎麦1人前(1束100g)のカロリーは次の通りです。
- 乾麺の蕎麦(100g)・・・340kcal前後
- 茹でた蕎麦(260g)・・・290kcal前後
茹でることで多少栄養素が流れ出るため、カロリーは減少します。麺つゆは80kcal程度で、蕎麦1食は約370kcalになります。ちなみに他の炭水化物のカロリーは次の通りです。
| カロリー(kcal) | |
| 食パン1枚(63g) | 166 |
| うどん1玉(245g) | 250 |
| ご飯1膳(140g) | 235 |
| パスタ1束(252g) | 378 |
| ラーメン1玉(228g) | 340 |
| そば1束(260g) | 290 |
上記の表は麺のみのカロリーです。実際はスープやソースなどを合わせるため、カロリーはアップします。また、ご飯の場合はおかずが必要になります。
ですから、ラーメンやパスタ、ご飯に比べると蕎麦は低カロリーである事がわかります。しかし、蕎麦自体のカロリーは、他の炭水化物に比べて特別低い訳ではないようです。
蕎麦がダイエットに良い理由
では、カロリーがそれほど低くない蕎麦が、ダイエットに効果的なのはなぜでしょうか。
それは、蕎麦が『低GI食品』だからです。低GI食品とは、食べた際の血糖値の上昇が少ない食品のことを言います。下の表を見てみましょう。ご飯やうどん・パンなどに比べ、蕎麦はGI値がとても低いことが分かります。
[各食品のGI値]
| GI値 | |
| 食パン | 91 |
| うどん | 85 |
| ご飯 | 84 |
| パスタ | 65 |
| ラーメン | 61 |
| そば | 54 |
GI値が低いその理由は、蕎麦が蕎麦粉から作られた蕎麦粉製品だからです。パンやパスタ、うどんなど他の麺類は、GI値の高い小麦粉から作られています。
GI値の高い食品を食べると血糖値が急激に上がり、体内でインスリンというホルモンが多く分泌されます。インスリンは、上昇した血糖値を下げる働きがある一方で、脂肪を作ったり、脂肪の分解を抑制したりする働きもあり、別名「肥満ホルモン」とも呼ばれています。
つまり、GI値の高い食品を食べると、体に脂肪が溜まりやすくなり、結果太りやすい体になってしまうのです。逆に言えば、低GI食品である蕎麦は、同じ量を食べたとしても太りにくいということになります。
GI値が低いと血糖値の上昇を抑える作用があります。ゆるやかに血糖値が上がると、下がるときも緩やかになるため、空腹を感じにくくなるのです。
蕎麦ダイエットの効果
蕎麦は低GI食品であるために、血糖値の上昇が緩やかでそれゆえ脂肪が溜まりにくく、食べても太りにくい食品であることが分かりました。
しかし、蕎麦がダイエットに効果的な理由は他にもあります。
- 病気の予防になる
- 美容成分により、アンチエイジング効果がある
- 便秘を解消する
- 新陳代謝を上げる
蕎麦を食べてダイエットできるだけではなく、こんなにも効果が得られます。
それでは、蕎麦のどのような成分にこれらの働きがあるのかを見ていきましょう。
蕎麦にはどんな栄養や働きがあるの?
蕎麦には美容効果や健康効果の高い栄養が多く含まれています。
ルチン
ルチンとは、蕎麦特有のポリフェノールの一種です。血管の弾力性を保ち、血流を良くする働きがあるので、動脈硬化や高血圧症による脳内出血の予防になります。
さらに、シミやしわの予防など、美肌効果もあります。ルチンは水溶性で、ゆで汁に多く溶けだしています。蕎麦だけではなく、ゆで汁である「蕎麦湯」もぜひ飲むことをおすすめします。
食物繊維
食物繊維には便秘を解消し、腸内環境を改善する働きがあります。水に溶ける水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維はコレステロールを対外に排出し、便を程よい硬さにする役割があります。不溶性食物繊維は、便の量を増やし腸のぜん動運動を促します。水溶性も不溶性も食物繊維をバランスよく摂取することが望ましいとされています。
蕎麦100gには、約4.3gの食物繊維が入っていて、水溶性のものと不溶性のものどちらも多く入っています。ちなみに同量のご飯に含まれている食物繊維は1.5gなので、蕎麦の食物繊維量はかなり多いことが分かります。
蕎麦に含まれる不溶性食物繊維はお腹の中で水分を吸って膨らむため、腹持ちが良くなります。食物繊維のおかげで善玉菌が増え、腸内環境が整えられ、腸内フローラのバランスがよくなります。
☆腸内フローラとは☆
腸内には様々な細菌が生息しており、その様がお花畑のようであることから腸内フローラと呼ばれています。腸内フローラは年齢や生活環境により人それぞれ異なります。腸内フローラは善玉菌、悪玉菌、日和見菌と大きく3つの細菌に分類され、2:1:7バランスが理想とされています。腸内フローラが理想の状態になる事で、体質も変えることができます。
ビタミンB群
蕎麦に豊富に含まれるビタミンB1やビタミンB2は、栄養素を体内に循環させ、皮膚の新陳代謝を高める働きがあります。
タンパク質・アミノ酸
筋肉量が低下すると、消費カロリーが減少し、結果として体重が増加する要因になってしまいます。この筋肉や血液を作るためになくてはならないのがタンパク質で、このタンパク質を構成するのがアミノ酸です。
アミノ酸のうち、食事からしか補えないものを必須アミノ酸といいます。食品中にどれほど必須アミノ酸が含まれているかを評価したものをアミノ酸スコアといいます。
アミノ酸スコアが100の食品は必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、卵や牛乳、肉は100です。蕎麦のアミノ酸スコアは、なんと92です。白米は67、小麦は37、となっており他の炭水化物の数値と比べると、蕎麦にはアミノ酸が豊富に含まれていることがわかります。
コリン
コリンは細胞を包む細胞膜や、血管を拡張して血圧を下げる材料となります。このコリンが蕎麦には多く含まれ、コリンにより細胞膜を強化することで肝臓や腎臓の機能を強化してくれます。
蕎麦ダイエットの実践方法
蕎麦ダイエットのやり方は、1日1食を蕎麦中心の食事に変える、ただそれだけです。他の2食は暴飲暴食をしなければ、基本的に何を食べても構いません。昼食として外食する際に、蕎麦を選択してもいいし、夕食で食べてもいいでしょう。
いつ食べればいいのか
蕎麦は、朝昼晩のいつ食べても良いのですが、より高いダイエット効果を得たいと考えるなら、夕食時がおすすめです。夕食後は、テレビを見たり本を読んだりしてのんびり過ごすことが多いため、日中よりもカロリー消費が少なくなります。ですから、夕食時のカロリーを抑えることで、不要な脂肪が溜まりにくくなります。
おすすめの食べ方
代謝を上げるものと一緒に食べましょう。蕎麦に含まれるルチンには、ビタミンCの働きを助ける働きがあります。大根おろしやレモン・カボス、柚子胡椒などビタミンCを含むものが蕎麦の薬味としておすすめです。
冷たい蕎麦と温かい蕎麦では、温かい蕎麦の方がおすすめです。ゆっくり食べるので満腹感が得られます。冷たい蕎麦はのど越しがよく、ツルツルと食べてしまいがちです。ゆっくりとよく噛んで食べるようにしましょう。
また、蕎麦だけでは栄養が偏るため、温かい蕎麦に蒸したささ身やほうれん草を添えたり、納豆や山芋などをのせた冷たいぶっかけ蕎麦にしたりもおすすめです。
いつもざる蕎麦では飽きてしまうという方は、このように食べ方のバリエーションを変えて、野菜やタンパク質などを一緒に摂りましょう。海苔やネギ、生姜などのトッピングを変えることで蕎麦の風味も変わり楽しめます。
また、きのこや海藻などの具材による、かさ増しでボリュームが出ます。低カロリーでありながら満足感が増し、ストレスをためずにダイエットができます。
運動をしよう
蕎麦を食べるだけでも効果はありますが、運動する事でさらにダイエットが成功することでしょう。摂取カロリーを抑えるだけではなく、エネルギー消費量もアップさせましょう。
脂肪燃焼には、ウオーキングやランニングなどの有酸素運動が最も効果的です。有酸素運動では脂肪のエネルギーを使用します。
食事により一時的に痩せただけでは、リバウンドしてしまいます。継続して効果を得るために、運動習慣を身につけましょう。基礎代謝を上げて、痩せやすい身体づくりを目指します。
蕎麦ダイエットのメリット
蕎麦ダイエットは、痩せられるだけではなくいろいろな面でメリットがあります。
主食を我慢しなくてもいい
蕎麦は同じ炭水化物ながら、ご飯やパンよりもはるかにGI値が低い食べ物です。ですから、太るのが嫌で炭水化物量を我慢しているという方でも食べることができます。ご飯だとおかずが必要になりますが、そばは単品でも満足感が得られ、摂取カロリーが抑えられます。
コストがかからない
蕎麦は、よほどこだわった原料や製法のものでない限り比較的安価です。ダイエットを長期間続けても家計の負担にならない、というのは大きなメリットではないでしょうか。
美容や健康に良い
蕎麦に含まれるルチンや各種ビタミン・食物繊維などは、ダイエットに効果的であると同時に、美容面や健康面に良い成分です。ダイエットしながらキレイになって、さらに健康になるなんて、女性にとって最高ですね。また、食物繊維も多く含まれるので便秘にも効果があります。
蕎麦ダイエットのデメリット
良いことだらけのように思える蕎麦ダイエットですが、デメリットもあります。
アレルギー
蕎麦はアレルギーを発症しやすい食品であり、発症すると重篤な症状が現れることがあります。今現在、アレルギーの症状がない方でも、過剰に摂取することで発症する可能性も指摘されています。1日3食蕎麦など過剰に食べ過ぎないこと、また何か体に異変を感じたらすぐに中止するようにして下さい。
手間がかかる
お米を研いでスイッチを入れるだけのご飯に比べ、お湯を沸かし茹でて水洗いをする蕎麦は作るのに手間がかかります。面倒な方は、コンビニやスーパーなどの調理せずにそのまま食べられる蕎麦がおすすめです。
蕎麦ダイエットの注意点
天ぷら蕎麦や、たぬき蕎麦はNG
天ぷらの衣や天かすには、小麦粉が使われています。低GI食品である蕎麦を食べても、血糖値が上昇しやすい小麦粉を同時に摂って意味がありません。せっかく抑えているカロリーも上昇してしまいます。また、塩分が多く含まれる蕎麦つゆは残すようにしましょう。
食べ過ぎ・栄養不足に注意
いくら蕎麦が太りにくい食品であっても、食べ過ぎてカロリー摂取量が過多になれば当然太ります。特にざる蕎麦は、食感がよく油分もなくさっぱりとしているため、あまり罪悪感なく食べてしまいがちです。ゆっくりよく噛んで食べ過ぎないようにしましょう。
逆に、蕎麦ばかり食べていては、栄養不足になってしまいます。蕎麦以外の2食は栄養価のすぐれた低GI値の食品を食べましょう。ビタミン豊富なサラダや、低カロリーで高たんぱく質な鶏むね肉の食材を一緒に食べて栄養を摂取してください。
カロリー管理をしながら栄養も摂取し、健康的にダイエットをする事が重要です。
蕎麦粉含有率に注意
市販されている蕎麦の多くは、小麦粉と蕎麦粉から作られています。蕎麦粉よりも小麦粉の方が多く含まれている蕎麦も珍しくありません。
蕎麦粉の含有量が小麦粉よりも多い商品を選ぶように気を付けましょう。見分け方は、商品の裏面に表示してある、原材料名をチェックします。この原材料名は、多く含まれる成分の順に表示してあります。
つまり、小麦粉よりも蕎麦粉が先に表示されている商品を選ぶようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。蕎麦には、ダイエットに効果的な成分が豊富に含まれていることがお分かりになったと思います。
食事制限によるダイエットには、食欲を我慢したり、カロリーを抑えたりすることがつきものですが、蕎麦ダイエットなら主食を蕎麦に置き換えるだけなので、無理なく続けられそうですね。今まで、ダイエットを始めてもあまり長続きしなかった方は、ぜひ試してみて下さい。