魚の目とは、皮膚の角質の一部が硬くなってできるできものの一種です。
真ん中に芯ができることが特徴で、この芯が魚の目のように見えるため”魚の目”と呼ばれています。
靴のサイズが合っていなかったり、足の裏や指の同じ場所に負担がかかり続けていると、皮膚を保護しようという機能がはたらきすぎてしまい、魚の目ができます。
歩くたびに芯が皮膚に食い込み痛みをともなうだけでなく、足をかばうように歩くことが原因で腰痛や膝痛を引き起こすこともあります。
魚の目は主に皮膚科で診察を行っており、手術や液体窒素などによる治療が受けられます。
大きくなった魚の目や繰り返す魚の目は、一度皮膚科で診察を受けたほうがいいでしょう。
魚の目は市販薬で治る?
小さな魚の目の場合は、市販薬を使って自宅で対処することが可能です。
市販薬には角質を柔らかくするサリチル酸が配合されており、魚の目の芯を柔らかくして浮かせることで魚の目を治療します。
大きな魚の目には対処できないこともありますが、初期段階の魚の目であれば市販薬で芯を取り切ることも可能なため、できるだけ早く対処しましょう。
また、魚の目の市販薬は正しく使用することで効果を発揮するため、使用の前には説明書などをよく読むようにしてください。
魚の目は足の裏だけ?
市販薬のパッケージに足の裏のイラストが描いてあることが多いため足の裏にしかできないと思いがちですが、魚の目は手のひらにできることもあります。
仕事などで手の同じ場所に器具が当たることが多い人は注意が必要です。
手のひらのできものといえばペンダコが有名ですが、タコの場合は触っても痛みがないことが特徴です。
また、手の平にはウイルス性のイボができることもあるため、イボ・タコ・魚の目の判別が難しい場合には皮膚科を受診しましょう。
魚の目を治す、貼るタイプの市販薬を紹介します。
また、貼るタイプの薬がはがれるときの対処法も紹介しているため、すぐに薬がはがれてしまうという場合には参考にしてみてください。
【第2類医薬品】スピール膏ワンタッチタイプEX
魚の目用の市販薬として有名なスピール膏シリーズのワンタッチタイプです。
サリチル酸が50%配合されており、角質を軟化させて魚の目の芯を取り除く効果があります。
授乳中や子どもにも使用することができます。
【第2類医薬品】スピール膏 ワンタッチEX SPAM
足の裏にできた魚の目用です。
【第2類医薬品】スピール膏ワンタッチEX SPBM
指にできた魚の目用です。
剥がれにくいように、指をぐるりと一周する保護テープが付属しています。
■ワンタッチタイプの使用方法
①患部にサイズ調節シールを貼ります。患部の大きさが薬剤付パッドと同じくらいの場合は必要ありません。
②サイズ調節シールの穴の上(または患部に直接)に薬剤付パッドを貼ります。
③薬剤付パッドがズレないように固定用テープを上から貼り、しっかりと抑えます。
④貼ったまま2~3日過ごします。入浴のときも貼ったままで問題ありませんが、濡れないように注意してください。
⑤2~3日ごとに貼り替えます。
⑥しばらく貼りつづけ、魚の目の芯が白く浮いてきていたらピンセットなどで取り除きます。
⑦芯をとったあとの患部は、雑菌が入らないよう清潔にし、痛みがある場合は絆創膏などで保護してくだい。
【第2類医薬品】スピール膏 SP-F
さまざまな大きさの魚の目に対応できるスピール膏です。
こちらもワンタッチタイプと同じく、サリチル酸が50%配合されており、魚の目の芯をやわらかくして除去する効果があります。
患部に合わせて薬剤付パッドをカットして使用できるため、大きめの魚の目に対処したい場合におすすめです。
■フリーサイズの使用方法
①薬剤シートを患部より少し小さめにカットします。
②患部の上から薬剤を貼ります。圧迫により痛みがある場合は、上から保護用パッドも貼ってください。
③薬剤付パッドがズレないように固定用テープを上から貼り、しっかりと抑えます。
④貼ったまま2~3日過ごします。入浴のときも貼ったままで問題ありませんが、濡れないように注意してください。
⑤2~3日ごとに貼り替えます。
⑥しばらく貼りつづけ、魚の目の芯が白く浮いてきていたらピンセットなどで取り除きます。
⑦芯をとったあとの患部は、雑菌が入らないよう清潔にし、痛みがある場合は絆創膏などで保護してくだい。
【医薬部外品】バンドエイド タコ・ウオノメ除去用ワンステップ
バンドエイドから販売されている魚の目用の薬で、サリチル酸を40%配合しています。
BAND-AID(バンドエイド) タコ・ウオノメ除去用 ワンステップ 足の指用 (指定医薬部外品)
足の指にできた魚の目に対して使用するタイプです。
バンドエイド タコ・ウオノメ除去ワンステッフ゜指の間用
指の間にできた魚の目に対して使用するタイプです。
■使い方は?
バンドエイドタイプの貼る薬で、1ステップで貼ることができます。
保護パッドが皮膚の本来もっている水分を利用して自然にやわらかくして、サリチル酸を患部に浸透しやすくします。
サリチル酸を含んだディスクと保護パッドが一体化しているため、簡単に患部に貼ることができます。
【医薬部外品】ウオノメコロリ絆創膏50 ワンタッチM
イボの市販薬として有名なイボコロリの姉妹品です。
サリチル酸を50%配合し、魚の目の芯を柔らかくしてしっかりと取り除きます。
授乳中や7才以上の子どもでも使用することができます。
■ウオノメコロリ絆創膏の使い方
①清潔にした患部に、薬剤が中央部にあたるようにシートを貼りつけます。ズレないよう上の保護用パッドをしっかりと押さえつけてください。
②2~3日貼り続けます。入浴などで薬剤部がズレた場合は貼り替えてください。
③しばらく使用し、魚の目の芯が白く軟化したらピンセットなどで取り除きます。このとき、患部をお湯につけると取り除きやすくなります。
④魚の目の芯が完全に摂れるまで繰り返し使用します。
⑤芯のとれた患部は雑菌が入らないよう清潔にし、必要に応じて絆創膏などを張ってください。
剥がれるときはテープで固定!
薬剤が剥がれてしまう場合は、上から医療用のテープなどで保護しましょう。
また、入浴の際に濡れて剥がれてしまうという場合は塗れないように保護し、入浴後はしっかりと水気をふき取るようにしましょう。
ニチバン 低刺激巻ばんそう膏 スキナゲート
低刺激かつ手で簡単に切れるテープです。
柔軟性と透湿性に優れた素材を使用しているため、肌にやさしい低刺激となっています。
3M やさしくはがせる シリコーンテープ
剥がすときに痛みが少なく、肌に優しいテープで、特に敏感肌の人におすすめです。
手で簡単に切ることができるので、使いやすくなっています。
また、貼り直しもできるため、位置を治したいときなどにも便利です。
3M マイクロポア スキントーン サージカルテープ
肌になじんで目立ちにくい色のテープです。
優れた通気性でかぶれにくく、目立ちにくいため露出部分の保護にも最適です。
シールタイト 脚用 Sサイズ
入浴時に濡らしたくない場合などは足をカバーするグッズがあると便利です。
魚の目に塗って治す液体タイプの市販薬を2つご紹介します。
テープ型の薬が貼りにくい場所には、液体タイプの市販薬がおすすめです。
【第2類医薬品】スピール液
テープを貼りにくい部分にできたしまった魚の目に直接塗れるタイプの市販薬です。
保護用パッドも付属しているため、患部以外の皮膚に薬液を付けたくない場合には活用すると良いでしょう。
サリチル酸が15%配合されており、患部の角質をしっかりと柔らかくして魚の目の芯を取り除きます。
芯が白く柔らかくなったら、ピンセットなどで取り除いてください。
■1日何回塗るの?
1日数回の塗布が推奨されています。
薬を塗ったあとに入浴や水仕事をしても問題ありません。
【第2類医薬品】ウオノメコロリ液
サリチル酸のほかに、乾燥した角質を保湿して柔らかくする作用のある乳酸を配合しています。
塗るとすばやく乾燥し、患部に有効成分を浸透させて魚の目の芯を取り除きます。
■ウオノメコロリ液の使い方
①キャップに付属した棒の先に薬液を付け、患部に少しずつ塗布します。このとき、患部を温めて柔らかくしておくと効果が高くなります。
②薬液はすぐに乾いて白い膜になります。膜になったあとは入浴や水仕事をしても問題ありません。
③痛みがある場合などは、上から付属のウオノメパッドを貼ってください。
③1日1回~2回塗ることを数日続けます。次に塗るときは白い膜を剥がしてから塗りますが、剥がれない場合は上から重ねてください。
④しばらくすると魚の目の芯が白く柔らかくなるので、ピンセットなどで取り除いてください。このとき、患部をお湯などにつけて温めると取りやすくなります。
⑤芯が完全に取れるまで数回繰り返してください。
⑥芯がとれた患部は清潔に保ち、必要に応じて絆創膏などを貼ってください。
魚の目は再発することが多く、早い人では芯を取り除いた2週間後に再びできてしまうといいます。
そんな魚の目の再発を防止するのに役立つグッズをご紹介します。
魚の目をピンポイントに保護!
魚の目にピンポイントに貼ることで、再発を防止する効果のあるグッズを紹介します。
特に魚の目の芯を取り除いた後などに使用すると、痛みを軽減し再発を防止する効果があります。
ニチバン スピール抗菌パッド うおの目用中 楕円 センターホール直径8mm
魚の目の痛みを和らげる抗菌パッドです。
ウレタンフォーム素材の適度なクッション性があり、芯を除去したあとの再発防止におすすめです。
抗菌力があるため、患部に雑菌が入ることを防ぐ効果もあります。
さまざまなサイズが販売されているため、患部の大きさに合わせて使用してください。
BAND-AID(バンドエイド) タコ・ウオノメ保護用 足の裏用
初期段階の小さな魚の目の治療に効果のある保護用パッドですが、魚の目の再発防止にも効果的です。
肌の水分を保つことで角質を柔らかくし、また靴の圧迫から患部を守ることで痛みを和らげます。
魚の目の芯を取り除いたあとにおすすめです。
足の裏を保護して魚の目予防!
魚の目の原因は足の裏に過度の負担がかかることです。
足の裏を保護し、魚の目の再発を防止しましょう。
Dr.Kong 足裏保護パッド(2個入り)
柔らかく伸縮性に優れたジェルが足の裏の負担をやわらげ、痛みを軽減します。
中指にひっかけることで固定され、上から靴下やストッキングを履くことができます。
汚れたら水洗いが可能で、繰り返し使用することができます。
ドクターショール 底まめクッション
足の人差し指にひっかけ、足の裏と靴の間に挟むことで衝撃を吸収し足への負担を和らげます。
足にしっかりと固定でき、ずれにくいため安心です。
洗濯することも可能で、繰り返し使用できます。
ドクターショール クリア・ジェル・クッション(底まめ用)
透明なジェルタイプの保護クッションです。
適度な粘着力があり、足の裏に貼りつけることで魚の目を保護します。
足の裏に付く面の反対はなめらかなため、ストッキングや靴下の着用にも問題ありません。
粘着力が弱くなったら、洗って繰り返し使うことができます。
硬くなった角質を削って足裏ケア!
ゾーリンゲンペディー(ドイツsolingen製)魚の目・角質削り【替刃10枚付き】
魚の目やタコ・古い角質などを簡単に削り取ることができるグッズです。
カッターを滑らすことで、固くなった皮膚の表面だけを削り取るため、安全です。
使用するまえにお湯に足をつけるなどして角質を柔らかくしておくことがポイントです。
使用後は足用の保湿クリームなどでケアしてください。
おわりに
歩くたびに痛みが発生し日常生活に支障のある魚の目ですが、初期の段階であれば市販薬で対処することが可能です。
また、何度も魚の目が再発するという場合は履いている靴のサイズが合っていなかったり、無理な高さのハイヒールが原因であったりするため、一度靴を見直してみることも大切です。
市販薬で対処しきれない大きな魚の目や、痛みが激しいという場合は、速やかに皮膚科を受診するようにしてください。