食べ物のメリット・デメリット

野菜
毎日積極的に摂りたい体によく効く「家庭の常備薬」

「タケノコ」 旬・・・3~5月頃

竹はイネ科の植物で、竹林で栽培される。孟宗(もうそう)(ちく)()(ちく)真竹(まだけ)(漢名苦竹(くちく))・()(ちく)支那(しな)(ちく))などの若芽が食用となる。

タケノコは、普通、筍と書くが、これは「旬内に竹の子となり、旬外に竹となる」という意からきたもの。「竹の子」とか「笋」「筠」とも書く。

中国大陸が原産であるが、たけのこは『古事記』にも記載があり、日本人は古くから食用にしていたようである。

  メリット

1.  タケノコはものすごい成長力を秘め、生命力に富んでいるが、その頂点にあるのが芽の先(姫皮)である。この姫皮付きの成長部分は、各種栄養素(ホルモン・ビタミン・ミネラル)の固まりで、もっとも滋養になる部分である。どんな食べ物もそうだが、植物なら芽や種実に、動物ならば卵や精子、そして胎児やさなぎに最高の滋養分が含まれている。

2.  食物繊維が多く、便秘の予防・解消によく、コレステロールの排出に効果がある。カロリーも低く美容食ともなる。その点、タケノコとワカメを使った料理は最高で肥満解消を希望する人にも勧めたい。

3.  カリウムが多く、ナトリウムが少ないので高血圧によく、新鮮なものにはビタミンCも多く、ビタミンB2も豊富である。

4.  チロシンやコリンという成分も含まれていて、代謝を盛んにし、喘息や二日酔い、さらに胃腸病にもよい。チロシンはアミノ酸の一種で、ホルモンやメラニン色素の原料となり、コリンは、止渇・利尿の働きがある。この働きを引き出したいときは、薄味に料理すること。

5.  竹の種類によって多少異なるが、漢方では、タケノコは「痰を消し、熱を除き、気を下し、水を利し(水毒をとり)酒毒を解消し、婦人の驚悸(きょうさ)(驚いて心臓がドキドキすること)や小児の(きょう)(かん)(引きつけ)を治す」とされている。

   デメリット

1.タケノコは十日ほどで硬くなり、食物繊維が多く味も悪くなる。店頭に出たときには既に味も悪くなっている。雨後の竹の子は味も悪い。

2.タケノコは精が強く、食べ過ぎると吹き出物が出る場合がある。これはタケノコに含まれているコリンやイリンという物質のためで、アレルギーに似た症状を起こすことがある。ただし、麻疹(はしか)など発疹が内攻してでないときは、昔から、タケノコの煮汁を飲ませると1~2回発疹が出て麻疹が治るといわれている。古人の経験は貴重である。

3.タケノコには特有のえぐみがあり、生では食べづらい。えぐみの成分にはホモゲンチシン酸とシュウ酸であるが、これは(ぬか)を入れて湯がくととれる。ただ、地面に顔を出さないうちに掘って、しかも1時間以内に調理すると、柔らかくてえぐみもなく、生でもおいしく食べられる。

        
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14.辛味成分の中に殺菌・保温・健胃作用あり

「トウガラシ」

トウガラシ(唐辛子)はナス科の一年草で、原産地は南アメリカと考えられ、メキシコでは数千年以前の遺跡から出土しているという。ヨーロッパへは、コショウを求めて西に航海したコロンブスが持ち帰ったともいわれている。

日本へは最初、ポルトガル人によって、天文12年(1543)に伝えられたが、唐や南蛮からきた辛いものという意味で唐辛子または蕃椒(ばんしょう)という。

改良により種類が多く、辛味種と甘味種がある。色も青・赤・橙・黄と多様である。また、乾燥用と野菜用、球形と細長形などに分けられる。

トウガラシの代表は「(たか)の爪」である。観賞用のものもある。

   メリット

1.トウガラシは葉よりも果実の部分の方が栄養学的に優れている。果実には葉の1.5倍以上のβカロテン・ビタミンCが含まれる。

2.トウガラシの強烈な辛味成分をカプサイシンというが、これには殺菌・保温・興奮・健胃などの作用がある。このほか、冷え性にもよく、食用としてだけでなく足の保温などにも靴の中に入れて用いるとよい。

3.アルコールに溶け込んだチンク剤は、神経痛・腰痛・脱毛予防の外用にされる。

 ■デメリット

  1.強烈な辛味を敬遠する人は多い。近年は辛味のない品種も多く作られるようになった。

  2.トウガラシを多食する地域には食道ガンが多い。焼け付くような辛味のマイナス面である。辛くないものは問題ない。

  3.上記と関連するが、カプサイシンの濃度が高いと刺激が強く、痛みを招く。それに次いで無感覚になる。

  4.トウガラシの辛味は、痔疾患にはよくない。出血を助長するので、患者は食べない方がよい。

  5.摂りすぎると「酒さ」(鼻を中心として顔面の毛細血管が拡張して皮膚が赤くなる)の原因にもなる。


      
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   15.ビタミン類・水分が多く、肥満の人の食事に最適

    「トマト」

トマト(蕃茄)は赤ナスといわれるように、ナス科の植物である。トマトの祖先型と推定される植物は、アンデス高地(ペルー)に野生するという。それを1523年、メキシコを征服したスペイン人がヨーロッパへもたらしたという。我が国へは江戸時代の宝永5年(1708)に伝来した。

『大和本草』(宝永6年刊)には「実は、ほほずきより大にして」とあるから、最初は今日のミニトマト(ほおずきトマト)のような大きさだったらしい。それが、明治になり大型の欧州品種が入り、栽培されるようになった。しかし、一般人は、当時そのまま食べなかったらしく、食べるにしても砂糖を振りかけた。この習慣は戦後も残っていた。

もちろん、味も香りも現在のものとはかなり違っていた。事実、昭和初期でも、トマトの木の横を通るだけでも、においがして嫌いな者は鼻をつまんで通ったくらいであった。

  メリット

1.トマトは生で食べておいしい。水分が多くノドの渇きを癒す。

2.低カロリー食品であるが、ビタミン類(βカロテン・ビタミンC・ビタミンB群)が多く、高血圧・糖尿病患者によく、肥満の人の食事に最適である。

3.西洋では「トマトが赤くなると医者が青くなる」という(ことわざ)がある。「トマトを作る家に病人なし」ともいわれる。しかし、改良されたトマトにここでいう程の栄養があるかどうか疑問が残る。我が国には「柿が色づくと医者が青くなる」という諺がある。

4.胃ガンのリスクの低いハワイ島民や肺ガンの少ないノルウェー人、前立腺ガンの少ないアメリカ人は、すべてトマトをよく食べる人だという。現在の制ガン実験によると、トマトにはβカロテン・ビタミンC・ビタミンEほか、クロロフィル・ステロールというガン予防物質が多量に含まれていることが実証されている。

5.トマトの赤い色素成分リコピンは、強い抗酸化作用を持ち、ガンや脳卒中、糖尿病といった生活習慣病の予防に作用することが分かり、注目が集まっている。

6.漢方医学では、解毒・血液浄化・脂肪消化の促進作用があるといわれている。

   デメリット

1.  トマトは食べ過ぎると、体を冷やすという。漢方医学では、胃の弱い人・冷え性の人は多食するとよくないといわれている。トマトを食べると満腹感を得ることが出来るので、やせるためにはよいが、それが冷え性の人にはデメリットになることである。

      
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16.黒焼きは胃ガン・歯痛・口内炎に。ヘタの黒焼きは痔によく効く

「ナス」 旬・・・6~9月頃

ナス(茄子)は、なすびともいう。日本では普通、一年草であるが、インドの原産地では多年草で、背も高くなる。我が国へは唐を経て、八世紀頃入ってきた。ナスとは夏とれる野菜、ナツミ(夏の実)からきた名称だという。ただ、茄子(カス・ジャス)のなまった者ではないかと思う。古くはハチスノクキともいわれていた。

小ナスから米ナスまで多種ある。中国の雲南などへ行くと黄ナス・赤ナスもあるという。

   メリット

1.  初ナスは、実においしい。また、秋なすもうまい。生でもおいしく食べられる。畑でもぎ取ってそのまま食べると最高にうまい。

2.  焼きナスにおろし生姜をつけて料理もよい。これは冷え性に効くという。

3.  漬け物・煮炊きなどに利用するとよく、油との相性もよい。

4.  ナスの黒焼きは胃ガン・歯痛・口内炎に効く。痔にはヘタの黒焼きがよい。これは魚類の中毒にも効くといわれる。また、ヘタの煎じ汁は扁桃炎や虫垂炎にもよいという。さらに、ヘタの塩漬けを粉末にしたもので歯を磨くと、歯周炎・歯根膜炎などを呼ぼう・治療できる。

5.  ナスはアルカロイドやフェノールを含有しており、ガン予防に働く。

6.  『本朝食鑑』には、「血を散じ、痛みを止め、腫れを消し、腸を(ひろ)げる」とある。

   デメリット

1.ナスはビタミン・ミネラル類の少ない野菜の1つである。

2.『本草綱目』には「茄子は、性が寒冷で多食すれば必ず腹痛下痢を起こし、婦人はよく子宮を傷める」とあり、また『本朝食鑑』には、「多食すれば、体によくなく、気を動かし、瘡及び痼疾(こしつ)」(久しく治らない病気、持病)を発し、目を損なう」としている。瘡は腫れ物、痼疾とは長く患う病のこと。

3.「秋なすは嫁に食わすな」といわれる。この諺は、秋なすがおいしいことから、嫁いびりからだとも、また、親心からだともいわれている。同じナス科のほおずきには堕胎薬としての作用があるというから、茄子を食べると妊娠しない可能性も考えられるので、そういう知恵から発した諺かもしれない。『本草綱目』には、「多食すれば必ず腹痛・下痢を起こし、秋に入り毒をもつものはなはだし」とある。やはり嫁にタイする親心と受け取る方がよいと考えられる。ただし、品種改良が重ねられた現在のナスには、はたしてそういう毒性があるかどうかは疑問である。

      
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