目次
- この赤みとブツブツの原因は酒さかも?
- 酒さ(しゅさ)とは何?
- 酒さの症状
- ステロイドが原因の酒さ様皮膚炎
- 酒さを改善させる6つのセルフケア
- 酒さの治療方法
- 酒さの症状は見分けにくい。判断に迷ったら皮膚科へ相談
この赤みとブツブツの原因は酒さかも?
酒さには酒さと酒さ様皮膚炎があってその原因や症状は異なります。酒さは、その他の皮膚炎との見分けが難しいので間違ったケアをしてしまう恐れがあります。顔に赤みが広がったり、ニキビのようなブツブツができた時は酒さかもしれません。酒さの症状と見分け方や、刺激を減らすセルフケアで症状を改善しましょう。
酒さ(しゅさ)とは何?
酒さ(しゅさ)という言葉をあまり聞きなれない人もいると思います。まずは症状や原因をざっくりと解説しますので、酒さとは何かをおさえておきましょう。
酒さとは鼻~頬に赤みの出る症状
酒さ(しゅさ)とは毛細血管拡張症のひとつです。酒さになると、その名前の由来のように、お酒を飲んで酔っ払っているような赤ら顔になる症状で、鼻から頬などを中心に長時間に渡ってほてりが続きます。その他にもブツブツした小さな膿疱ができたり、膿疱を繰り返すことで大きなコブのようになったりもします。
酒さの原因
酒さは皮脂腺の増殖にともなって、毛細血管も増殖し、赤みのある炎症や小さな吹き出ものの発症、顔が赤くなるなどの症状が現れると言われています。ただ、はっきりとした原因は解明されていないようです。
酒さの症状
酒さは症状の重さによって三段階に分けられていますが、第一段階から順番に進行していくとは限らず、最初に第三段階の症状が現れることもあるそうです。
第一段階・酒さ初期症状
鼻から頬などの広い範囲や顔の一部分がほてって赤みがでます。肌が赤くなることを紅斑と言いますが、酒さの初期症状のことは紅斑性酒さ(こうはんせいしゅさ)と呼ばれています。数時間から数日間と症状が継続して、ヒリヒリとした刺激を感じることもあります。特にアトピー性皮膚炎との区別が難しく、誤診されることもあるそうですが、アトピー性皮膚炎と合併して発症していることもあるそうです。
他にも鼻などの皮脂分泌が盛んな部分に多く見られる脂漏性皮膚炎や、血管拡張により血流量が増加する毛細血管拡張症、紫外線による肌ダメージで起こる色素沈着の赤くすみなども赤ら顔の原因になるため、これらの症状との識別も難しいようです。他の症状も同様に酒さは酒さに対しての治療を行わない悪化してしまいますので、これらの類似した症状の病気と間違われないように診断してもらう必要があります。
酒さに類似した症状の病気
- アトピー性皮膚炎
- 脂漏性皮膚炎
- 毛細血管拡張症
- 色素沈着による赤くすみ
第二段階・酒さ性痊瘡(ざそう)症状
第一段階の紅斑性酒さに加えて、赤や黄色のブツブツした小さな膿疱ができるのが酒さ性痊瘡(ざそう)です。
一見するとニキビとのようにも見えますが、ニキビのように毛穴に皮脂や角質などがたまっていないのが特徴です。しかし、見極めは難しいです。数週間に渡って継続すると言われています。
第三段階・鼻瘤(びりゅう)
第二段階の酒さ性痊瘡が悪化してコブのように盛り上がった症状を鼻瘤(びりゅう)と言います。「鼻」がつくのは特に鼻の頭に現れる症状なためです。鼻の膿疱が繰り返しできることによって、鼻がだんご鼻のように肥大して鼻瘤になると言われています。鼻瘤は手術が必要な場合もあるそうです。
目にも症状が出る場合がある
酒さは肌だけでなく、まれに目にも症状が出ることがあるそうです。顔の赤みや発疹などとともに目から涙が溢れでたり、目の痛みや目のかすみなどの眼症状が出た場合も酒さを疑う必要があるかもしれません。
酒さのおもな症状
- 紅斑性酒さ:鼻から頬などのおもに顔の中心部の肌がほてって赤くなる
- 酒さ性痊瘡:ニキビのような発疹ができる
- 鼻瘤:鼻の頭が盛り上がって肥大する
ステロイドが原因の酒さ様皮膚炎
酒さ様皮膚炎はステロイドによる副作用で起こる皮膚疾患で、いわゆる「酒さ」とは異なります。ステロイドは炎症を抑えるのに効果的な薬で、短期間肌に塗るなどの外用剤として使用する場合は非常に心強いのですが、長期間に渡る使用や誤った用法や容量での使用は副作用のリスクが出るとされています。
長期間に渡ってステロイドを塗り続けることで、ステロイドを使用している患部に酒さに似た顔のほてりなどの熱感や、紅斑、ブツブツなど皮疹の症状が現れることがあります。アトピー性皮膚炎にも似ていますが、かゆみの症状はさほどなく軽度な場合がほとんどです。
治療には長期間を有することが多く、ステロイドの使用を止めることで改善されますが、止めた際は一時的に症状が悪化するリバウンド現象が起こることがあります。リバウンドの症状が重い場合は、入院による治療を行うこともあるそうです。また、治療方法には「脱ステロイド」と「減ステロイド」があります。「脱ステロイド」は完全にステロイドを断つ治療方法です。ステロイドには強さの段階が5つあり、ステロイドの段階を徐々に弱い段階に移行していき、最終的に断つのが「減ステロイド」になります。
酒さ様皮膚炎の症状を放置していると悪化していくので、リバウンドを恐れずに症状が出た場合はきちんと皮膚科を受診して、医師による治療を行うようにしてください。
酒さを改善させる6つのセルフケア
酒さの根本的な原因は不明ですが、酒さの改善や予防には肌への刺激を避けることが大切です。
紫外線を避ける
紫外線は肌にダメージを与える刺激となりますし、肌にあたることで皮膚温度が高くなると皮膚の毛細血管が拡張することもあり、酒さを悪化させる原因になります。常日頃から日傘やUVカットの帽子、サングラス、日焼け止めクリームなどで紫外線をカットするようにしましょう。
また、酒さの人は刺激に弱く、肌が敏感になっていることが多いので、肌に直接塗る日焼け止めクリームは敏感肌向けや子供向けなどの低刺激なタイプを選ぶと良いでしょう。
化粧品の成分にこだわる
化粧品にはたくさんの成分が含まれていますが、酒さの人は通常の肌には良いとされている美容成分さえも刺激となることがあります。顔にほてりのある紅斑性酒さは、皮膚内部の水分を蒸発させてしまうために肌の乾燥を招きます。乾燥を防ごうと高保湿の化粧品を使うと、逆に熱がこもってしまってさらなる水分蒸発を起こす恐れがあります。
ニキビのような膿疱が現れる酒さ性痊瘡をニキビと勘違いして、ニキビケア用の殺菌効果の高い化粧品を使うと、刺激が強くなりすぎるので注意が必要です。酒さの人は、敏感肌やアトピーの人向けの低刺激なもの、または刺激となるものをカットした化粧品を選ぶようにしましょう。選ぶポイントとしては、配合成分がなるべくシンプルな化粧品を選ぶと安心できそうです。
寒暖の差や冷水・温水を避ける
皮膚は寒暖差や温冷差などの温度差によって、毛細血管を拡張したり伸縮したりします。温度差が激しいと皮膚には刺激となりますし、毛細血管が拡張と伸縮を繰り返していると、皮膚の温度調節を行っている自律神経がバランスを崩して拡張したままの状態になるため、酒さの症状が悪化する原因になると言われています。
アルコールや刺激物を避ける
アルコール・刺激が強い香辛料・辛い食べ物・熱い食べ物などを摂取すると体温が上がるため、体は体温を下げようと毛細血管の血流を増加させて外部に熱を放射しようとします。毛細血管が増えることにより、酒さの症状を促す(悪化させる)ことになります。
物理的な刺激を避ける
摩擦などの肌への物理的な刺激は極力避けましょう。例えば、洗顔は肌を擦ったりしないようにやさしく撫でるように洗い、顔を拭くときも擦らずに軽くタオルを顔にあてる程度で拭き取るようにしましょう。洗顔料を使わずにぬるま湯だけで洗顔する
肌へのおもな物理的刺激
- 摩擦
- 紫外線(日光)
- 温熱・寒冷
- 乾燥
乳酸菌が効果的との声もある
酒さは毛細血管拡張症のひとつですが、毛細血管拡張症は便秘なども関係しているという説があるため、乳酸菌で腸内環境を整えることで効果的に感じるのではないかと考えられます。腸内環境を整えると酒さに良いという研究もされているようです。
酒さの治療方法
酒さは、原因不明の慢性的な皮膚疾患で完治しにくいため、抜本的な疾病の原因に対してではなく、症状を減らして良好な状態にしていくような治療が行われます。
抗生物質や抗菌薬
酒さの治療では抗生物質のテトラサイクリン系抗生物質や、抗菌薬のメトロニダゾールなどの内服薬が処方されることが多いようです。
酒さは細菌性ではないとされていますが、何に反応しているか原因が不明なため、多くの菌に有効とされるテトラサイクリン系抗生物質が処方されるようです。ただし、テトラサイクリン系抗生物質は多くの菌に対応しているため、耐性がつくと他の菌にも耐性がつくため注意が必要となることがあります。
メトロニダゾールは菌の繁殖を抑えることで、赤みなどの炎症を緩和する効果があるとされ、アトピー性皮膚炎やニキビなどにも処方される抗菌薬です。
症状が重症化している場合は内服薬のステロイドが処方されることもあります。ステロイドは一時的に炎症を抑える効果が非常に高い薬なので、あくまでも応急処置として利用されるようです。ステロイドは医師の指示のもと適切な用法と容量を守って使用しないと、悪化する恐れがあります。
ビタミン等のサプリメント
ビタミンCの内服薬が酒さの治療過程で処方されることがあるそうです。ビタミンCには、活性酸素を分解する働きがあるので、紫外線による肌ダメージを最小限に抑える効果があります。また、メラニン色素を生成する物質を抑えたり、コラーゲンの生成を助けて肌のターンオーバーを整えるなどの美肌効果もあるので、酒さによる炎症を抑える効果が期待できます。他には「乳酸菌LFK」サプリメントが酒さに効果があるという声もあります。
レーザー治療
酒さの赤みを消す治療としてレーザー治療が用いられることがあります。レーザー治療は酒さの治療に効果的で、だいたい3ヵ月ほどを目途に内服薬による治療に効果が見られない場合に用いられることが多いそうです。ただし、レーザー治療は保険の適用外となります。
酒さの症状は見分けにくい。判断に迷ったら皮膚科へ相談
酒さの症状は他の皮膚疾患と似ていて見分けをつけにくく、間違ってたケアをしたり、放置すると悪化する恐れがあります。判断に迷った時はきちんと皮膚科を受診して医師に相談しましょう。その時はステロイドを使用中かどうか、かゆみはあるか、食生活や生活習慣など、他の皮膚疾患と区別できるように自分の情報をなるべく医師に伝えると良いかもしれませんね。