医薬品情報
添付文書情報
| 販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
|---|
警告
本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
禁忌
次の患者には投与しないこと
重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症又は出血を伴い、重篤化する可能性がある。]
本剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能・効果及び用法・用量
効能効果
肺小細胞癌、悪性リンパ腫、子宮頸癌、がん化学療法後に増悪した卵巣癌
効能効果に関連する使用上の注意
卵巣癌に対して本剤の投与を行う場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の治療法を慎重に検討した上で、本剤の投与を開始すること。
用法用量
肺小細胞癌
エトポシドとして、通常成人1日175〜200mgを5日間連続経口投与し、3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量は疾患、症状により適宜増減する。
悪性リンパ腫
患者の状態に応じA法又はB法を選択する。
A法
エトポシドとして、通常成人1日175〜200mgを5日間連続経口投与し、3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量は疾患、症状により適宜増減する。
B法
エトポシドとして、通常成人1日50mgを21日間連続経口投与し、1〜2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量は疾患、症状により適宜増減する。
子宮頸癌
エトポシドとして、通常成人1日50mgを21日間連続経口投与し、1〜2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量は疾患、症状により適宜減量する。
がん化学療法後に増悪した卵巣癌
エトポシドとして、通常成人1日50mg/m2を21日間連続経口投与し、1週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
使用上の注意
慎重投与
骨髄抑制のある患者[骨髄抑制を増悪させることがある。]
肝障害のある患者[代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。]
腎障害のある患者[腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。]
感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症を増悪させることがある。]
水痘患者[致命的全身症状があらわれるおそれがある。]
高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
小児[「7.小児等への投与」の項参照]
長期間使用している患者[骨髄抑制等が強くあらわれ、遷延性に推移することがある。]
重要な基本的注意
本剤の投与により骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、以下の点に注意すること。
緊急時に十分処置できる医療施設及び癌化学療法に十分な経験をもつ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。
なお、本剤の使用にあたっては、添付文書を熟読すること。
頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。骨髄抑制は用量依存的に発現する副作用であり、用量規制因子である。白血球減少の最低値は一般に、5日間投与〔肺小細胞癌及び悪性リンパ腫(A法)〕においては投与開始日より約2〜3週間後[1]に、21日間投与〔悪性リンパ腫(B法)及び子宮頸癌〕においては投与開始日より約3週間後[2]にあらわれる。
化学療法を繰り返す場合には、副作用からの十分な回復を考慮し、肺小細胞癌及び悪性リンパ腫(A法)においては少なくとも3週間の休薬、悪性リンパ腫(B法)及び子宮頸癌においては少なくとも1〜2週間の休薬を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。
他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射を併用する場合には、骨髄抑制等の副作用が増悪することがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。
感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。[「9.その他の注意」の項の(1)参照]
手術あるいは放射線治療の補助化学療法として用いた場合、その有効性・安全性は確立していない。
本剤と他の抗悪性腫瘍剤の併用により、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告があるので、十分に注意すること。[3][4][5][6][7][8]
卵巣癌に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:エトポシド(卵巣癌)」等)を熟読すること。
併用注意
| 抗悪性腫瘍剤 放射線照射 | 骨髄抑制等を増強することがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。 | ともに骨髄抑制作用を有する。 |
副作用
副作用発現状況の概要
<概要>
5日間連続投与
総症例1,648例(承認時375例、市販後調査1,273例)における副作用及び臨床検査値異常の発現率は75.9%であり、主なものは白血球減少48.2%、貧血(赤血球減少及びヘモグロビン減少)30.9%、血小板減少20.3%、脱毛32.6%、食欲不振28.0%、嘔気20.7%、嘔吐9.7%、倦怠感9.4%、口内炎5.8%等であった。〔再審査終了時及び剤型追加承認時〕
21日間連続投与
総症例181例における副作用及び臨床検査値異常の発現率は96.7%であり、主なものは白血球減少75.1%、ヘモグロビン減少65.7%、血小板減少14.9%、脱毛59.1%、食欲不振51.4%、悪心・嘔吐42.0%、倦怠感30.9%、口内炎13.8%等であった。〔承認時〕
子宮頸癌を対象としたシスプラチンとの併用投与による製造販売後臨床試験の安全性評価対象30例における副作用及び臨床検査値異常の発現率は100%であり、主なものは悪心93.3%、食欲不振80.0%、倦怠感60.0%、脱毛症60.0%、下痢26.7%、便秘23.3%、白血球減少90.0%、ヘモグロビン減少80.0%、赤血球減少76.7%、AST(GOT)上昇26.7%、ALT(GPT)上昇26.7%、γ-GTP上昇20.7%等であった。
子宮頸癌を対象とした使用成績調査の安全性評価対象278例における副作用及び臨床検査値異常の発現率は57.2%であり、主なものは脱毛15.1%、悪心14.0%、嘔吐5.4%、白血球減少27.3%、貧血9.0%、ヘモグロビン減少4.0%、血小板減少3.6%であった。〔子宮頸癌再審査終了時〕
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
骨髄抑制
汎血球減少(0.1%)、白血球減少(48.3%)、好中球減少(7.0%)、血小板減少(18.0%)、出血(0.1%未満)、貧血(7.2%)等があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(0.3%)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
| 10%以上 | 1〜10%未満 | 1%未満 | |
| 肝臓 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、LDH上昇 | ||
| 腎臓 | BUN上昇、クレアチニン上昇 | 尿蛋白 | |
| 消化器 | 悪心・嘔吐、食欲不振 | 口内炎、下痢、腹痛、便秘 | |
| 過敏症注) | 発疹 | ||
| 皮膚 | 脱毛 | 紅斑、そう痒、色素沈着 | |
| 精神神経系 | 頭痛 | しびれ、一過性皮質盲 | |
| 循環器 | 心電図異常、不整脈、頻脈、血圧低下 | ||
| 電解質 | ナトリウム異常、クロール異常、カリウム異常、カルシウム異常 | ||
| その他 | 倦怠感 | 発熱、血清総蛋白減少 | 顔面潮紅、浮腫、味覚異常 |
高齢者への投与
高齢者では、一般に生理機能(骨髄機能、肝機能、腎機能等)が低下しており、本剤の投与で骨髄抑制等の副作用が高頻度に発現しているので、頻回に臨床検査を行い、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性には、適切な避妊をするよう指導すること。[妊娠中に本剤を投与された患者で児の奇形が報告されており、動物実験(ラット・ウサギ)で催奇形性、胎児毒性が認められている。また、マウスに本剤10mg/kg以上を投与した結果、マウス精原細胞に染色体異常が認められたとの報告がある。]
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
小児に対する安全性は確立していないので、投与する場合には副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。なお、子宮頸癌では小児に対する使用経験はない。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
動物実験(イヌ・ラット)で精巣の萎縮、精子形成障害が発現し、投与後約1ヵ月の休薬において回復性は認められなかった。これらの毒性については、別の動物実験で投与後2又は3ヵ月の休薬において回復又は回復傾向が認められている。
細菌での修復試験、復帰変異試験、マウスの小核試験において変異原性が認められている。
薬物動態
本剤の癌患者への5日間連日経口投与(1日150mg/body)において1日目と5日目の血中濃度の推移に差はなく、蓄積傾向は認められなかった。[9]
1日目及び5日目の血中濃度推移
本剤の癌患者への21日間連日経口投与(1日50mg/body)において1日目と21日目の血中濃度の推移に差はなく、蓄積傾向は認められなかった。[2]
1日目及び21日目の血中濃度推移
臨床成績
本剤における臨床試験成績の概要は次のとおりである。
| 腫瘍 | 投与方法 | 奏効率 | |
| 肺小細胞癌 | 単独投与 | 5日間投与 | 25.0%(33/132) |
| 他剤併用 | 23.1%(3/13) | ||
| 悪性リンパ腫 | 単独投与 | 5日間投与 | 44.3%(43/97) |
| 他剤併用 | 81.8%(9/11) | ||
| 単独投与 | 21日間投与 | 53.0%(44/83) | |
| 子宮頸癌*) | 単独投与 | 21日間投与 | 23.5%(23/98) |
薬効薬理
マウスLewis肺癌に対して抗腫瘍作用が認められた。
ヌードマウス可移植性ヒト悪性リンパ腫(Case2及びCase6)、ヒト肺癌(LX-1、Lu-134、N231、IU-24、Lu-61)、ヌードマウス皮下移植ヒト子宮頸癌(Hela S3、TCO-1)及びヌードマウス子宮移植ヒト子宮頸癌(Hela S3)に対して増殖抑制効果を示した。
作用機序
エトポシドはTopo-IIによるDNA切断作用を阻害した。培養癌細胞(HeLa S3)の細胞周期進行はエトポシドの1時間接触では30μg/mL以上で、また48時間接触では1μg/mL以上でG2/M期に停止した。また、エトポシドはS期及びG2/M期の細胞に対して高い感受性を示した。
また、この殺細胞作用は作用濃度と作用時間の双方に依存して増強する。
有効成分に関する理化学的知見
包装
ラステットSカプセル25mg
40カプセル
ラステットSカプセル50mg
20カプセル
| 小川一誠他, 癌と化学療法, 10, 2403, (1983) »PubMed |
| 野田起一郎他, 癌と化学療法, 21, 1633, (1994) »PubMed |
| Mark J.Ratain et al, Blood, 70, 1412, (1987) |
| Ching-Hon Pui et al, The New England J.of Medicine, 325, 1682, (1991) |
| Jens Pedersen-Bjergaard, The Lancet, 338, 359, (1991) »PubMed |
| Kenichi Sugita et al, The American J.of Pediatric Hematology/Oncology, 15, 99, (1993) |
| 黒田浩明他, 小児外科, 27, 1246, (1995) |
| 平林一美他, 日小児血液会誌, 9, 223, (1995) |
| 朴勤植他, 基礎と臨床, 26, 1136, (1992) |
| 吉田喬他, 癌と化学療法, 21, 2793, (1994) »PubMed |
| 仁井谷久暢他, 癌と化学療法, 19, 561, (1992) »PubMed |
| 木村禧代二他, 癌と化学療法, 12, 2011, (1985) »PubMed |
| 古瀬清行他, 癌と化学療法, 12, 2352, (1985) »PubMed |
| 松井祐佐公他, 癌と化学療法, 12, 1801, (1985) »PubMed |
| 木村禧代二他, 癌と化学療法, 13, 496, (1986) »PubMed |
| 小西一郎他, 癌と化学療法, 12, 1482, (1985) »PubMed |
| 野田起一郎他, 癌と化学療法, 25, 2061, (1998) »PubMed |
| 池田正典他, 癌と化学療法, 25, 2249, (1998) »PubMed |
| 岡本一也他, 癌と化学療法, 12, 2331, (1985) »PubMed |
| 岡本一也他, 薬理と臨床, 5, 2175, (1995) |
| 松本小百合他, 癌と化学療法, 26, 1313, (1999) »PubMed |
作業情報
| 改訂履歴 | 2014年8月 15 改訂 |
| 文献請求先 | 日本化薬株式会社 |
| 業態及び業者名等 | 製造販売元 |