化粧品犬です。
前回から、ジュレームアミノシリーズのエクストラモイストシャンプー・トリートメントの解析をやっています。
2016/8/22にリニューアル発売されたばかりの製品です。
ジュレームの製品ラインを簡単にまとめると以下の3シリーズで、全7種類あります。
・無印のジュレームシリーズ3品種(シャイニーリペア、モイストリペア、ディープモイスト)
・ジュレームアミノシリーズ2品種(モイスト&スムース、エクストラモイスト)
・ジュレームリラックスシリーズ2品種(ソフト&モイスト、スリーク&モイスト)
1種類につき、シャンプー・トリートメント・ディープトリートメントで構成されていますから、全部で3×7=21品という、大シリーズです。
これまではどんどん製品を増やしてきたのですが、さすがに今年からは製品数は維持して、順次製品をリニューアルしていくようです。
まず最も重要な(最も売れた)、ジュレームアミノシリーズのリニューアルから開始したようで、エクストラモイストはその中の一つです。
ちなみにエクストラモイストシャンプー・トリートメントの前バージョンは、去年の2015.1.13に発売されています。
前バージョンについての、化粧品犬ブログのエントリーはこちらです。
コーセー ジュレームディープモイストとエクストラモイストの使用感を比較
コーセー ジュレーム アミノシャンプー・トリートメント エクストラモイストの解析
さて、今回シャンプーの処方解析編なのですが、ちょっと困ったことが。
何度か書きましたが、このシャンプー、処方が同アミノシリ−ズのスムース&モイストシャンプーと全く同じなんです(香りは違いますが)。両者はリニューアル前はそれなりにですが違っていたんですが、リニューアルで統一されてしまいました(^_^;)
使用感的には、トリートメントまで使うとかなり差がある使用感なのででいいのですが、今回のようなシャンプーだけの処方解析編だと書きにくい(^_^;)
まあ今回の処方がエクストラモイストとモイスト&スムースシャンプーの処方が共通になっただけで、前バージョンのエクストラモイストの処方と較べると、処方変更はされてはいる。その辺りを簡単に触れていこうと思います。
また今回の新製品ですが、100円のサンプルを買ってブログを書き始めたものの、やはり気に入ったので商品を買ってしまいまいした(^_^;)
ちなみに前バージョンも買っています(^_^;)
なので今回は解析を簡単に済ます分、新旧バージョンを較べる写真を多めで構成していきますね。
概要
ウチの風呂場に転がっていた、旧製品と今回の新製品の違いをじっくり撮りました。
左が旧製品、右のポップがついているのが新製品です。
概要編で書きましたが、容器の色が大きく変更されています。
上段右写真見ると、新製品(青い方)は中央に金押しでAmino Extra Moistとかいてあります。
旧製品委は商品名が書いてなくて、昔買う時迷いました(^_^;)
Aminoのロゴがゴシック体から筆記体に変更されてますね。
また容器の形は一見、使い回しっぽいですが、ちゃんと新規になっています。
下段右下の写真を見ると、側面の形が違っていて、旧製品では側面にエッジがある(尖っている感じ)ですが、新製品は平坦で花っぽい模様がモールドされています。
旧製品もなかなか良い容器だったのですが、この側面モールドと、表面の金押し印刷が多くなったことで、新製品は更に高級感が増してます。
次は裏面の製品説明部分を比較してみましょう。
こんな感じです。
これはかなり変更されていますね。
まず表同様に、Aminoのロゴがゴシック体から筆記体に変更。オシャレになっています。
アミノ酸系ノンシリコーンシャンプーという所は変わらず。超しっとりという表記も変わらずです。
商品名はジュレームAMシャンプーDから、ジュレームAMシャンプーD Nに変更になってます。
あと細かい点ですが、旧製品では動物由来原料フリーとなっていますが、新製品ではさりげなくその文は削除されています。新製品では魚由来のコラーゲン誘導体を使っているからですね(^_^;)
また、植物系のエキスや果汁などが大幅に減らされた結果、旧製品では「海と大地のうるおい成分配合」と書かれていた物が、新製品では「海から生まれたヘアサイエンス 」のように、海に特化した表示に変更されています。
では、処方を見て見ましょう。
いつもの様に、裏面の処方を整理します。
今回も、リニューアル前の製品(2015年品)の裏面表示も整理し、新製品と併記してみます。
原料の機能毎にパート分けし、パート内の表記順番は裏面のまま変えずに記入しています。また共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。
こんな感じになりました。
リニューアルでの変更点を簡単にまとめておきます。
詳しい解析は、同じ処方である下記のモイスト&スムースのエントリーを見てください。
コーセー ジュレームアミノモイスト&スムース(2016)解析2 シャンプーの処方解析編
以下箇条書きでまとめます。
1.洗浄剤パート:
・オレフィン(C14-16)スルホン酸Naを増やして泡立ちアップ
・増粘剤追加から、アミノ酸系のココイルグルタミン酸TEAの配合量は微増か維持。
2.コンディショニング剤のパート:
・ヒアルロン酸誘導体削除
・ヒマワリ油→海系オイルのスクワランに変更
・新成分シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール配合
3.防腐剤のパート:
・刺激性の点で問題のあるプロピルパラベン削除
4.保湿剤のパート:
・クレマティス葉エキスやライム果汁などのエキスをハイビスカス花エキスに集約。
・マコンブエキスは継続配合。海藻エキス(アルゲエキス)追加
・ヒアルロン酸誘導体削除
・新規成分イソステアロイル加水分解コラーゲンAMPD配合(ただし、ジュレームやグレイスワンで使用経験あり)
あとは、パート毎の成分についてコメントを書いていきます。
ほとんど下記エントリーと同内容です。
コーセー ジュレームアミノモイスト&スムース(2016)解析2 シャンプーの処方解析編
洗浄剤
・ココイルグルタミン酸TEA:ココイルグルタミン酸TEAというアミノ酸系洗浄剤は、数あるアミノ酸系洗浄剤の中でも最初期に発明されたのもなのですが(40年以上前に発明された)、コンディショニング剤を髪に引きつける力は全アミノ酸系洗浄剤の中でも、最も強いです。とりあえずこれを配合しておけば、コンディショニング剤の働きがぐっと良くなって、すすぎが滑らかになり乾燥後もしっとりになるという成分です。
ただし、泡立ちは今一つで、油に合うと泡立ちがさらに落ちると言う特徴があります。あと値段が高い原料です(^_^;)
アミノ酸系洗浄剤というのは今ではたくさん有り、中には泡立ちが良いものもあるのですが、アミノ酸系洗浄剤というとなんとなく「しっとりして泡立ちが悪い」というイメージがあるのは、このココイルグルタミン酸が長い間、アミノ酸系の王道として君臨したからです。
・オレフィン(C14-16)スルホン酸Na:泡立ちが良い洗浄剤。石油由来の合成系ではあるが、使用感が良いため、ラウレス硫酸の代替として使われる事が多い。安全性は、悪くはないがラウレス硫酸並みです。
化粧品犬ブログでは以下のエントリーで詳しく扱っています。
コーセー ジュレーム アミノシャンプー モイスト&スムースの解析 前編(AOSの安全性について)
・コカミドプロピルベタイン;そこそこ安全性が高く、価格が安い両性洗浄剤。
・PPG-2コカミド:若干泡は立つのですが、主には増粘剤として働く原料です。
・ココアンホ酢酸Na:そこそこ安全性が高く、価格が安い両性洗浄剤。コカミドプロピルベタインより安全性がやや高く、泡切れも良いため、ベビーシャンプーや身体用洗浄剤に使われるkとが比較的多い。
・ラウリン酸PEG-2:若干泡は立つのですが、主には増粘剤として働く原料です。
コンディショニング剤、オイル類
・トコフェロール:別名ビタミンE。油性成分ですが、酸化安定剤として働きます。
・シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール:水にも油にも溶解する新規両親媒性エステル油。水溶性有効成分の浸透促進効果があります。
・スクワラン:スクワランは通常サメから取られるべたつきの少ない油です。化学構造的には、石油由来の油とも似ていますし、オリーブ油を精製しても得られます。一時期サメから取ったものが入手困難になったことが有り、最近はオリーブから取ったものもだいぶ増えました。今回のジュレームアミノは、あえてサメ由来のスクワランを使っているようです。
・ポリクオタニウム-10:もっとも良く使われているヘアシャンプー用のコンディショニング剤。別名カチオン化セルロース。
防腐剤
・フェノキシエタノール:比較的低刺激な防腐剤。ナチュラル系の化粧品に使用される事も多い。
当ブログでは、安全性については以下のエントリーで詳しく書いてます。
プロピルパラベンの安全性についての文献を紹介
・メチルパラベン:比較的低刺激な防腐剤。ただし、環境ホルモンや蓄積性の点で叩かれることも多い。環境ホルモンについては多くは根拠の無い噂であるが、蓄積性についてはファンケル社が学会で報告し、報文を出している。(ただし、防腐剤の蓄積による影響は、可能性レベル)
化粧品中の防腐剤は皮膚に残り、肌にストレスを与える(IFSCC*2005 in フローレンス中間大会)
・安息香酸Na:広く使われている、比較的低刺激な防腐剤。食品にも使われる。
増粘剤、保湿剤、香料等
・水:精製水のこと。化粧品では通常、イオン交換水が用いられている事が多い。
・アルゲエキス:藻類のエキスです。主に海藻のエキスですね。
・イソステアロイル加水分解コラーゲンAMPD:複雑な処理をして、浸透性を高めたコラーゲン系の原料です。
まずコラーゲンに加水分解という処理をして分子の大きさを小さくし、次にアシル化という化学処理をしてイソステアロイル加水分解コラーゲンという成分にします。このままではアニオン性(酸性)の成分なのですが、これをさらにアミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(AMPD)と言うアルカリ性成分で中和して作られる成分です。コラーゲン部分が、マリンコラーゲン(魚由来)となっています。
加水分解することで毛髪内部への吸収力を高め、アシル化することで毛髪への吸着力を高めています。
・ハイビスカス花エキス:保湿効果、皮膚保護効果、収斂・鎮静効果に優れたエキスです。
・マコンブエキス:褐藻類の一種マコンブから抽出されたエキス。保湿効果のほかヒアルロニダーゼ阻害作用(皮膚中のヒアルロン酸の分解酵素の働きを、阻害する作用)、 収斂作用等の効果がある。
・BG :多価アルコールとも呼ばれる、グリセリンの親戚のような保湿成分です。若干の抗菌性があります。
・EDTA-2Na:一般的なキレート剤。製品の品質変化を防ぐ。
・イソステアリン酸PEG-50水添ヒマシ油;油を可溶化する効果が、特に強い乳化剤。コーセーでは一部のジュレームシリーズのほか、油を多く配合しているオレオドールに使用されています。
・エタノール:エタノールです。過去には変性剤を加えた変性アルコールが使われていましたが(変性すると酒税が回避されて安くなった)、税制が変更されて変性アルコールが値上がりしたため、現在は変性アルコールは使われず、ただのエタノールを使うのが主流になっています。
・クエン酸:pH調整剤
・グリセリン:多価アルコールと呼ばれる、代表的な保湿剤。:
・ジラウロイルグルタミン酸リシンNa:アミノ酸をベースにしたジェミニ型界面活性剤のお一種で、様々な効果があるとされている。
・塩化Na:いわゆる食塩。シャンプーを増粘させる効果がある。
次回はトリートメント解析編の予定です。