ワキガの人のなかには、日ごろのケアに手を焼いている場合もあるかもしれません。
市販の制汗剤は効き目がイマイチで、数時間ごとにトイレで塗り直しているケースもあるでしょう。
病院に行けば、もう少しワキガにできる対処の幅が広がります。
具体的には、医療機関ではどのような治療を行っているのでしょうか?
病院でできるワキガの治療方法をまとめてみました。
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ワキガを治すには何科へ行ったらいいの?
ワキガを病院で治療したい場合には、何科を受診すればよいのでしょうか。
はじめてならワキガ診断もかねて、皮膚科で相談を!
ワキガの治療は、一般的にはつぎの診療科で可能です。
- 皮膚科
- 形成外科
- 美容外科
ワキガで病院にいくのが初めての場合には、まずは皮膚科に行ってみることをおすすめします。
形成外科や美容外科は、手術が専門のため、どうしても“手術ありき”の診療になりがちです。
その点、皮膚科では、まず本当にワキガであるかどうかの診断からはじまり、手術以外での治療方法の検討も十分にされるでしょう。
手術をするのは、ほかの治療法をためしてからでも遅くはありません。
ワキガ治療に保険適用はある?
ワキガの治療や手術のさいには、保険適用が可能な場合もあります。
保険適用されるのは、次のケースに該当するときです。
- 保険診療を受け付けている病院を受診したとき
- 保険適用の対象となる治療・手術をおこなったとき
- 担当医師が、治療・手術の必要性を認めたとき
すこしでも料金をおさえたい場合には、受診予定のクリニックに、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
病院でのワキガ治療法
ここからは、病院でどんな治療ができるのかをチェックしてみましょう。
塗り薬・飲み薬での治療
薬を使った治療法は、軽度のワキガ向きです。
具体的には、つぎのような薬を使います。
塩化アルミニウム液
塩化アルミニウム液は、ワキガや多汗症の治療によく用いられる外用薬です。
夜に塗り込み朝になって洗い流すことを数日繰り返すと、汗腺にフタができ、汗をおさえることができます。
人によっては、かゆみ・かぶれといった副作用がでる場合もあるようです。
塩化アルミニウム液は、病院で処方されるほか、デトランスα(パースピレックス)のような市販薬もあります。
プロバンサインなどの抗コリン薬
「プロバンサイン」(※商品名です)に代表される“抗コリン薬”は、神経内を伝わる「汗をかけ」という指令をじゃますることによって、汗をおさえる薬です。
制汗力は強いですが、同時にノドのかわき・かすみ目・めまい・便秘・排尿障害といった深刻な副作用が起こりやすいため、長い期間続けて使用するのには向いていません。
ワキガの治療で処方されることは、あまりないようです。
※心臓疾患や高血圧・緑内障・排尿障害・麻痺(まひ)性イレウスのある人は、抗コリン薬は使用できません。
精神安定剤
ワキガの原因になるアポクリン腺の汗は、興奮したり、ストレスがかかると活発になります。
そのため精神的な負荷がかかる局面でニオイが気になりやすい人は、精神安定剤のようなココロに働きかける薬を服用することで、臭いを緩和できるのです。
使用のリスクがありますので、ドクターによく相談し、使用のタイミングをコントロールする必要があるといえるでしょう。
注射や電気・レーザー・音波などによる治療
注射したり、電気やレーザーを当てる治療法は、軽度から中等度のワキガの人に向いています。
代表的な治療方法は、つぎのとおりです。
ボトックス注射
ボトックス注射では、ボツリヌス毒素を無毒化したものをワキの下に注射します。
すると、ボツリヌス毒素が神経末端にからみつき、発汗指令ルートを妨害。
これにより、ワキガの原因となるアポクリン汗腺からの発汗はおろか、通常の汗であるエクリン腺からの発汗もおさえることができるのです。
注射は5~10分程度で完了し、2~3日後くらいに効果が現れはじめます。
残念なのは、ボトックスの効果が永遠には続かない点です。
効果の持続期間には個人差もありますが、一般には3~6ヶ月程度であるとされています。
ダウンタイム(日常生活に戻れるまでの安静期間)は基本的にはありませんが、腫れや痺れなどの症状が一時的にあらわれる人も。
手術のように後戻りできない方法ではないので、料金以外においては施術のハードルは低いといえます。
※保険適用の可否、費用について
ボトックスは、重度の原発性腋窩多汗症(えきかたかんしょう=ワキの下の多汗症)の人には保険診療が適用可能になりましたが、単なるワキガというだけでは、ボトックス治療に健康保険は適用されません。
アラガン社製の正規品で7万円~10万円程度、他社製品(リジェノックスなど)で13,000円程度から治療を行うことが可能です。
電気凝固法
「電気凝固法」は、もともとは永久脱毛法のひとつです。
ワキ毛の一つひとつに細い電極針をさして高周波電流を流し、ワキ毛と同時にアポクリン汗腺や皮脂腺を熱で破壊し、機能させなくします。
30分程度の施術を2~3ヶ月に1度、合計2~6回行うのが一般的です。
メスをいっさい使わないため、傷跡はできませんし、局部麻酔を使うので、痛みも感じません。
ダウンタイムもないのですが、この方式ではすべてのアポクリン汗腺を破壊することは難しく、効果はある程度のものになるでしょう。
※保険適用の可否、費用について
施術は保険適用外で、1回目は10万円程度、2回目以降は5万円程度かかります。
ミラドライ
「ミラドライ」は、マイクロ波照射の深さや幅を、汗腺の位置に合わせることにより、アポクリン汗腺とエクリン汗腺を焼き切る方法です。
施術には1時間ほどかかります。
肌を切らないため、メスの跡は残りませんが、汗腺だけを狙い撃ちするのは難しく、汗腺以外の部分にダメージがないとはいいきれないようです。
何か所にも打つ麻酔が痛かったり、術後しばらく照射の痛みが続いたり、腫れが出る場合もあるといわれています。
一度の施術で汗腺をすべて破壊することは難しいので、アポクリン腺が再生してしまうこともあるようです。
逆に一度の治療で効果をあげようとするあまり、出力をあげ過ぎて肌ダメージにつながる可能性もあります。
ドクターではなく、看護師さんが施術するクリニックもあるようですので、事前に十分に確認しておきましょう。
※保険適用の可否、費用について
健康保険の適用外で、40~50万円程度かかります。
ビューホット
「ビューホット」は、高周波を利用してアポクリン汗腺やエクリン汗腺を破壊する方法です。
この方法では、針がたくさん付いた機械を患部にあて、肌表面を冷却しつつ「フラクショナルRF」と呼ばれる高周波を流します。
照射の深さを何段階かに変えることで、照射漏れを防げるようです。
両脇20~30分で治療は完了します。
メスは使いませんので縫合跡は残りませんが、針を刺すため感染症のリスクがないとはいえません。
ビューホットもミラドライ同様、汗腺以外の部位にダメージを与える可能性がありますし、一度でワキガ治療が完了するかについては、疑問の余地があります。
ビューホットは最新の治療方式であり、まだまだ臨床データが不十分な状態です。
現時点ではアメリカで食品医薬品局・FDA(日本でいう厚生労働省)の認可を受けていませんので、治療を検討する際には注意しましょう。
※保険適用の可否、費用について
健康保険は適用外で、およそ30万円前後かかります。
メスを使った手術による治療
ワキガの症状が重い人の場合には、ワキガの原因であるアポクリン腺を、メスを使った手術で取り除く方法が向いているといえるでしょう。
具体的には、次のような手術方法があります。
- 反転剪除法(せんじょほう):
ワキの下にメスを入れ、目で確認しながらアポクリン腺をひとつずつ取り除く手術方法。
効果は高いが、傷跡が目立ちやすい。
【非直視下手術法】
- 皮下組織吸引法:
ワキの下をすこし切り、そこからアポクリン腺を吸い出す手術方法。
傷跡は目立ちにくいが、アポクリン腺を完全にとり切ることは難しい。 - 超音波吸引法:
ワキの下をきり、超音波でアポクリン腺を破壊したのち、吸い出す手術方法。
キズになりにくいが、アポクリン腺が再生する可能性も高い。 - 皮下組織削除法:
カンナのような機械で、アポクリン腺を皮下組織ごと取り除く手術方法。
切開跡は小さくてすむが、皮膚が壊死する可能性もあり、手術の成否はドクターの技量によるところが大きい。
それぞれの手術方法について、くわしくは下記リンク先をご覧ください。
ワキガ治療Q&A
ここからは、ワキガ治療に関する、よくある疑問をみていきましょう。
Q.費用は安いけど効果が高い治療法は?
A.手術なら保険のきく「剪除法(せんじょほう)」
「剪除法(せんじょほう)」の手術は、アポクリン腺を目で見ながら取り除けるため、成功率が高くなります。
保険を適用すれば、比較的安い金額(5万円ほど)で手術することも可能です。
手術以外の治療法では、ワキガが軽度で、体質があえば、塩化アルミニウム液で高い効果を感じられる人もいます。
かぶれて塩化アルミニウム液が使えない場合には、ワキガ専用クリームも選択肢のひとつとなるでしょう。
Q.一度治ったあと、再発することもある?
A.再発もありうる
ワキガの手術をして、いったんはニオイがおさまっても、しばらくしてまたワキガ臭が再発することはありえます。
手術によっては、そもそもアポクリン腺を除去しきれないものも多いですし、確実性がわりと高い剪除法の手術も、ドクターの腕しだいです。
また、一度はアポクリン腺を取りのぞいたとしても、身体の作用によって、アポクリン腺が復活してくることもありえます。
クリニックの評判を確認したり、執刀するドクターの名前をチェックするといったリサーチを、事前にしっかり行っておきましょう。
Q.まわりにバレたら恥ずかしいから、こっそり完治できる?
A.こっそり手術するのは難しいかも
人に知られずワキガを完治しようと思っても、難しい場合もあるようです。
たとえば剪除法の手術では、術後にワキの下をがっちり固定されます。
メスを入れないミラドライやビューホットなどの治療でも、人によってはヤケドの症状がでるようです。
「アテローム(粉瘤)(※)を取りのぞいた」といったように、別の手術だと言い訳をする人もいるようですが、まわりがもともとその人のワキガ臭に気付いていた場合には、不自然な体勢や休暇の理由はなんとなく想像がついてしまうことでしょう。
皮膚にできる“おでき”のようなかたまりで、良性腫瘍の一種。
はがれ落ちた角質がうまく排出されずにたまってしまった状態で、完治には手術が必要。
Q.東京・大阪で、ワキガ治療が得意な病院は?
A.東京・大阪なら「五味クリニック」が有名
五味クリニックの院長である五味常明医師は、ワキガ治療の第一人者です。
手術は、五味先生ご自身が執刀。
剪除法に近いイメージの手術で、目視でひとつずつ丁寧にアポクリン腺を処置してくれることに加え、確かな技術で人気です。
ただし五味クリニックでは、保険診療は行っていないため、手術のさいには30万円ほどの費用がかかります。
まとまった費用がかけられる人は、治療法の選択肢のひとつに検討してみる価値はあるでしょう。
おすすめ病院ランキングにまどわされず、カウンセリングを重視して
病院でのワキガ治療法についてみてきましたが、いかがでしたか。
とくに注意を要するのは、手術をする場合です。
いきなり美容外科にいくと、当然のように手術をすすめられることもあるようですが、実際には手術が必要でないレベルのワキガの場合や、そもそもワキガではない場合(単なる汗臭)も…。
ネットでは、おすすめの病院情報のようなものが紹介されています。
手術にさいして、ある程度のめやすにするのはよいですが、最終的には実際にカウンセリングに足を運んだうえで、よく話を聞いてから病院を決めましょう。