2015年09月

こんにちは。現役薬事屋のハクシです。

このブログでは、薬事屋からの観点から、広告にかってにコメントするというお気楽なことをやっています。


オイルは最近はやっていますね。

オイルのイメージは、高保湿な反面、べたつく、しつこいあと残り感といったところでしょうか。

それをそのまま、「オイルの保湿はそのままに、肌なじみよくベタつかない感触を実現」とあります。悪いところは改良済みというところ。

また、TVCMでは小池栄子さんが出ていて、なかなか落ち着いたテイストのCMに仕上がっていますね。

容器も独特な感じ、シンプルな装飾。

専科から出ているということもあり、実質主義というか、無駄なものはなく、お客様のほしいところにフォーカスした、そんなイメージをもちます。


さて、薬事屋の観点からコメントしてきます。

美容オイルから作ったボディーエッセンス。

美容オイルとあるので、化粧品等の適正広告ガイドラインのF5.5特定成分の特記に抵触しないような配慮が必要ですね。

要は配合目的と配合成分をちゃんと書けばOKです。

美容オイル成分として、ローズヒップ油、オリーブ果実油、ホホバ種子油と書いてありますね。

また文中に「オイルの保湿効果」とありますから、オイルの配合目的は保湿ですね。

また、そのほかにもWヒアルロン酸、肌を柔らかくする尿素も配合されているみたいですが、それぞれWヒアルロン酸というのはアセチルヒアルロン酸Na、ヒアルロン酸Naであり、保湿の配合目的と書かれています。

特定成分の特記はクリアですね。


また、マイクロモイスチャー製法が肌なじみのよい感触を実現、とあります。

これも薬事担当として、化粧品等の適正広告ガイドラインF2製造方法等の表現の範囲に抵触しないように気をつけます。

ここでのポイントは、製造方法や研究等を広告に使うときは、事実を正確に述べること、また優秀性について誤解をあたえないこと、最大級の表現をしないこと、という点です。

専科の場合、マイクロモイスチャー製法というのは、うるおい成分をマイクロサイズに極細化する製法、ときちんと説明されています。これならば誤解はないですね。また禁止されている最大級の表現もありません。

クリアしていますね。


オイルは、なかなかべたつくイメージが抜けないのですが、これから冬の季節は、乳液などでは物足りない人も出てくるのではないでしょうか。

そんな人には、トライしてみたくなる品かもしれませんね。

 

 

 

 

さて、本日は電車で見かけた目薬の広告。




ブレッブレですみません。

さて、ここでのポイントは、「アクティブでいたい瞳に」と「目に年齢を感じたら」の二つでしょう。

ここでの消費者インサイトは何なんでしょうね~

阿川さんを使うあたり、ターゲット年齢は60代ってことなんでしょうか。

そうすると、世代的にはいわゆる新人類世代よりも前の世代をターゲットにしているということでしょうか。

最後の年金勝ち組世代、イキイキと毎日を過ごしたい、でも目は見えにくくなってきて衰えを感じている、もっともっと見える目を手に入れて毎日をアクティブに過ごしたい。

そういう世代のインサイトがあるから、「アクティブ」「年齢」なんてのがキーワードとして挙がってきたのでしょうね。



さて、薬事屋の視点です。

「アクティブでいたい瞳に」、これ、効能効果なんでしょうかね~

この商品の効能効果を見てみます。

ホームページに添付文書が掲載されていますので、うちに居ながらでも効果効能を確かめることができます。

いい時代ですね~



さて、この商品の効果効能は、「目の疲れ、眼病予防(水泳のあと…)、紫外線その他の光線による眼炎(雪目など)、ハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感」

となっています。

「アクティブな瞳」というのをどのように考えるか。

ここは消費者インサイトから考えて、「シニアの方々はもっとアクティブに読書などを楽しみたい。そのためには目が正常に機能することが重要であり、本製品を使用し、目の疲れを回復させることよって、アクティブな瞳(=正常に機能する目)にすることができる」

と考えてみれば、この表現は承認された効能効果の範囲内と考えてよいのではないでしょうか。

また、この製品を使うことによって、「アクティブな瞳になります」と効果を保証していません。

あくまで、「アクティブでいたい瞳に」と、いたい、Wantという表現にしていますよね。

これならば、効能効果の保証表現にもなりません。

効能効果の保証は、医薬品等広告適正基準3(6)で禁止されていますが、これならOKです。

私ならこう考えて、「アクティブな瞳」という表現をサポートします。



さて、次は「目に年齢を感じたら」のコピーです。

目に年齢を感じたらどうするのですか、ということですが、当然この製品を使ってくださいね、ということをにおわせている文章です。

当局に呼び出されたらこのように答えざるをえないでしょう。

さて、この場合、効果効能の表現ですか?と考えると、これは効果効能を直接的に言ってません。

どんな場合に使う製品なんですか?

と聞かれれば、ここには「目に年齢を感じたとき」と答えています。

ここで、使用方法・適用として承認の範囲を逸脱していれば薬事法違反となります。

たとえば、「皮膚がんに適用してください」なんて書いてあったら、それは承認の範囲外なのでダメです。

で、今回の「目に年齢を感じたとき」は、言い換えれば、「目に年齢などによる疲れを感じたときに使用してください、という意味です。」と考えれば、効果効能に「目の疲れ」がありますので、これまた承認された効果効能の範囲内ということになります。

また、効果効能の保証ではないです。「目に年齢を感じたとき、疲れを100%回復させます」なんて言ったら効能の保証表現になってしまいますが、「目に年齢を感じたとき」程度であれば保証表現ではないことは明らかです。

私なら、上記の理由から、この表現をサポートします。

こんにちは。現役薬事屋のハクシです。

このブログでは、薬事屋からの観点から、広告にかってにコメントするというお気楽なことをやっています。

 

「ムダ毛ケア」って表現はナイスですね。

また広告では「ムダ毛を目立たなくさせる」って表現していますね。

 

さて、薬事屋の観点からコメントしてきます。

もし、社内の広告担当の人が、この表現チェックしてください~って私に言って来たら?

 

まず、どの法律のどの部分に引っかかるか。

薬事法(医薬品医療機器等法や薬機法はなじまないので、薬事法とこのブログでは言い続けます)第68条で承認前医薬品等の広告の禁止を言っているのですが、このムダ毛ケアってのはそれににあたるかどうか、ですね。

つまり、「ムダ毛ケア」ってのが医療機器の効能効果にあたるか、ということです。

ズバリ、今、そんな効能が承認された医療機器ってのはないんですよ。

現在認められている医療機器の効果効能ってのはPMDAのサイトに行ってみればわかります。

なので、この「ムダ毛ケア」ってのが、医療機器としての効果効能にあたる、と判断されればアウトですね。

では、医療機器ってなんなの?

というところに戻りますと、医療機器ってのは「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的」のものです。

じゃあ、「ムダ毛」ってのが疾病か?と言われればNoでしょう。

じゃあ、「ムダ毛ケア」ってのが、「身体の構造若しくは機能に影響を及ぼす」ことを言ってるんじゃないか?と言われれば…議論の分かれるところですよね。

ムダ毛ケアってのは、永久脱毛のことを含みますって書いてあったら間違いなく「身体の構造」に影響を及ぼしているので医療機器の範囲内です。

しかし、ここはぼや~っとしていますよね。

はっきりさせないことがミソかと。

 

というわけで、この「ムダ毛ケア」ってのは医療機器の効果効能ではない、と私は結論します。

 

ここでもう一つ。

私の意見をサポートするものを。

医療機器のとなりの概念に美容機器ってのがあります。

美容機器ってのは薬事法や規制に出てくる用語ではないので通称ですが、「医薬品等適正広告基準」に「医薬品の化粧品的若しくは食品的用法又は医療機器の美容器具的若しくは健康器具的 用法についての表現の制限」って項目があり、ここに「美容器具」と「健康器具」ってものが出てくるのです。

そして、東京都の講習会資料 

で、こんなQ&Aがあります。

医療機器に該当しない場合とは?

  身体構造・機能に影響を与えないもので、単に美容(洗顔や化粧品を塗る動作代用程度)を目的とする場合

 

これが現在の美容機器の解釈となっております。つまり、化粧品の効能効果の範囲なら美容機器の定義内と解釈しようじゃないの、ということですね。

 

というわけで、この「ムダ毛ケア」を標ぼうしている商品は、医療機器ではなく、美容機器。そして、その効能の範囲は、化粧品でできるものと一緒。

脱毛なんかをあからさまにいうと、一気に「医療機器」となってしまって、商売を続けられないことになります。

しかしながら、「ムダ毛ケア」ならいけるということ。

私はこれ、サポートします。

ムダ毛は疾病じゃないですからね!

このくらいは美容機器で認めてくれないと、じゃあPMDAの人たちが本当にニーズを理解して承認審査してくれるのか?ということですからね。

PMDAの方々は非常に忙しいので、このあたりの美容機器は、われわれ業界に任せてください!