■名称
  ローズ(薔薇)

■英名
 rose

■原産地
北半球の温帯域に広く自生。
チベット周辺、中国の雲南省からミャンマーにかけてが主産地でここから中近東、ヨーロッパへ、また極東から北アメリカへと伝播した。

南半球にはバラは自生していない。


■概略
バラ科バラ属種の総称。
バラ属の植物は、灌木、低木、または木本性のつる植物。
葉や茎に棘があるものが多い。

世界のバラの品種は現在25,000種以上。
今もなお、毎年100以上の新種が誕生しているという。
品種によって色、大きさ、形、香り…様々。

華やかな見た目と香りが特徴的だが、現在日本で栽培されているものの多くは観賞用に品種改良されているため、香りが弱いものが多い。

6月の誕生花。
昔から特に女性を魅了してやまない。

ダマスクローズの花弁から精油を抽出した「ローズオイル」は、香水の原料やアロマセラピーに用いられる。
花弁を蒸留して得られる液体「ローズウォーター」は、中東やインドなどでデザートの香りづけに用いられる。

また、乾燥した花弁はガラムマサラに調合したり、ペルシャ料理では薬味として用いる。

日本では農薬のかかっていない花弁をエディブル・フラワーとして生食したり、花びらや実をジャムや砂糖漬けに加工したり、乾燥させてハーブティーとしても飲用される。

品種改良の第1号は1867年作出の「ラ・フランス」。
一季咲きのオールドローズよりも長く花を楽しめる四季咲き大輪種のモダンローズ(現代バラ)が誕生。

バラの香り
一般にバラの香りとして認識されているものはダマスクの香り。
すべてのバラが香りがあるわけではなく、香りの強弱も品種によってさまざま。
香り高いバラとしてはブルガリア産のダマスクローズが有名。

香りの分類
これまでに約540もの成分が明らかにされているバラの香り。
分類すると以下のようになる。

・ダマスク・クラシックの香り
    オールドローズや原種に多い香りで、甘く華やかな古典的な香り
・ダマスク・モダン香り
    ダマスク・クラシックの香りがより洗練され、情熱的になったもの
・ティーの香り
    紅茶に似た香り。中国系のバラにルーツを持つ、上品で優雅な香り
・フルーティーな香り
    ピーチやアプリコットなどを連想させる爽やかで瑞々しい香り
・ブルーの香り
    ダマスク・モダンとティーの香りが混在する青系のバラに特有の香り
・スパイシーな香り
    ダマスク・クラシックに刺激的なクローブの香りが混ざったような香り
・ミラルの香り
    ダマスク・モダンやティーにフェンネルの香りが混じるイングリッシュローズ特有の香り

■歴史
薔薇と人類のかかわりの記録は紀元前、古代バビロニア、古代ギリシア、古代ローマ、古代エジプトに遡る。

古代バビロニアは、メソポタミア地方(現在のイラク)のチグリス川、ユーフラテス川下流に栄えた王国。
この頃の遺跡から薔薇が彫られたレリーフなどが発見されている。
このころ既に薔薇を”栽培”していたとも言われている。

バラが文献に最初に登場するのは古代バビロニアの『ギルガメシュ叙事詩』である。
この詩の中には、バラの棘について触れた箇所がある。

古代ギリシア
このころのバラは芳香を楽しむためのものだった。
時代が下るにつれバラの美しさに人々の関心が及ぶようになり、バラ園が作られバラの鉢栽培が始まる。
詩人ホメロスやサッフォーの詩に薔薇が登場。

ホメロスは曙の空の表現に薔薇を使ったり、サッフォーは薔薇を「花々の女王」、その香りを「恋の吐息」と表現。
クレタ文明が栄えたクレタ島に残る壁画は最古の薔薇の絵といわれている。

古代ペルシャ
バラを飲むと好きな人と絶対離れないと古代ペルシャ人は信じていた。
兵士が戦争に行く前や、旅人が永い旅に行く前に、愛人、恋人、又は妻と一緒にローズ飲料を飲めば、必ず無事に戻ってくると信じていた。

古代ギリシャ、ローマ時代
その香りが好まれ、北アフリカや中近東の属州で盛んにバラの栽培が行われた。
薔薇のお風呂、ローズオイル、食用など人々の生活に密着した薔薇の逸話が多く残されている。
バラの花びらを食べる、飲む、嗅ぐ、又は見るだけで、幸せになると、古代ローマ人は信じていたため、バラ祭りが始まる。

古代ローマ人はバラのジュースを飲んで二日酔いを防いでいたという説もある。
ローマ帝国に関する資料にバラのお菓子のレシピが残されている。

バラは愛の女神アプロディテもしくはヴィーナスと関係づけられギリシア神話には薔薇が数多く登場。

11世紀-16世紀
十字軍の遠征から16世紀の大航海時代に、アジアやパレスチナなどから数多くの野生種の薔薇が欧州に持ち込まれた。
東洋と西洋のバラを交配して品種改良が盛んに行われ、現在のオールド・ローズと呼ばれる品種が次々と作り出された。

日本におけるバラ
日本はバラの自生地として世界的に知られており、品種改良に使用された原種のうち3種類は日本原産で、ノイバラは房咲きの性質を、テリハノイバラはつる性を現代バラにもたらしている。

700年代
「常陸風土記」や「万葉集」に「うバラ」、「うまら」として記されているのが最も古い記録とされる。

『万葉集』には
 「みちのへの茨(うまら)の末(うれ)に延(ほ)ほ豆のからまる君をはかれか行かむ」
という歌がある。

『常陸国風土記』の茨城郡条には、
 「穴に住み人をおびやかす土賊の佐伯を滅ぼすために、イバラを穴に仕掛け、追い込んでイバラに身をかけさせた」
とある。
常陸国にはこの故事にちなむ茨城(うバラき)という地名があり、茨城県の県名の由来ともなっている。

平安時代
「古今和歌集」の紀貫之の歌や源氏物語の賢木に、バラは「さうび」として登場。
これらの薔薇は中国との交易で持ち込まれた渡来種だといわれる。

江戸時代
身分を問わず園芸が流行し、バラも「コウシンバラ」、「モッコウバラ」などが栽培されており、江戸時代に日本を訪れたドイツ人ケンペルも「日本でバラが栽培されている」ことを記録している。

1719年 『広益地錦抄』という薬草の栽培法や効用が説明してある書物に、白花のハマナスを「らうざ」(=rosa)と表記してある。
この頃にはバラが中国だけでなく西洋と繋がっていたと考えられる。

1757年 「物類品隲(ぶつるいひんしつ)」(薬品取扱解説書)にローズウォーターの精製方法が掲載されている。
「和名バラノツユ 紅毛語ローズワアトル(ワアトル=water)」と書かれている。
ここでは「バラ」と「ローズ」という単語が使われている。

江戸時代「寛政の改革」を断行した老中、松平定信(1758~1829年)は、江戸後期屈指の植物コレクターでもあった。
桜、蓮、梅、桃、椿などと共にバラもコレクションにあったとされている。

明治維新
明治政府は「ラ・フランス」を農業試験用の植物として取り寄せ青山官制農園(現東京大学農学部)で栽培を命じる。
香りを嗅ごうと多くの見物客が訪れたので株には金網の柵がかけられたという。

その後、バラが接ぎ木で増やせることから、優秀な接ぎ木職人のいる、東京郊外の川口市の安行や京阪神地域の郊外宝塚市の山本で栽培が行われるようになる。

1890年 当時の文献によると178種のでバラが栽培されていた。

大正-昭和
バラは一般家庭にも普及。
宮沢賢治が「グリュース・アン・テプリッツ(日本名:日光)」を愛し、北原白秋の詩にもバラが登場する。

1948年 銀座でバラの展示会が開催。

1949年 横浜でバラの展示会が開催され、アメリカからバラを空輸し、展示用の花がそろえられた。

1998年 ミニチュアローズが宇宙飛行士の向井千秋さんと共にスペースシャトル・ディスカバリーに乗り込む。
無重力状態が香りの生成にどう影響するか実験された。
バラは宇宙飛行中、栽培装置の中でみごと開花する。

2004年 サントリーがフロリジン社(豪州)と『青いバラ』を発表。
日本のバイオテクノロジーがバラの研究開発等に大きく貢献した。
※バラにはデルフィニジンという青い色素が無く、青色色素に由来する青いバラは世界初。
※2009年切花として発売開始。

■特徴1. バラ - 肌への効果
血液をきれいにし流れを良くすることで肌を活性化する美肌効果があるとされている。

老化肌、しみ、しわ、乾燥肌敏感肌、硬化肌、あせも、にきび、肌荒れ、傷跡、色素沈着、目のクマなど、すべての肌質に合うとされている。

殺菌・消毒作用がある為、湿疹、かゆみ、傷にも効果的とされている。

■特徴2. バラ - 身体への効果
ホルモンバランスを整えるため、女性の一生を通じて幅広く活用される。
PMS(月経前緊張症)、更年期障害、月経痛、月経不順、むくみ、おなかの痛み、乳房の痛み等の症状に効果的。

アレルギー症状を和らげ、免疫力を高め体質改善を助けたり、新陳代謝が活発になることにより冷え性を予防する効果もある。

また、気管支炎、めまい・不眠・頭痛・胃腸の不調などのストレス性の症状にも効果があるとされている。

また、男性の不妊にも効果があるとされている。
 
■特徴3. バラ - 心への効果
やさしく愛情のあふれる香りは、心をなぐさめ、多幸感をもたらす。
情緒不安定、うつ状態、ショック、孤独感、などに効果的。

伝統的に愛の象徴とされ、催淫剤として用いられてきた。
肉体的にも感情的にも女性のセクシュアリティーに働きかける。

■特徴4. バラ - 花言葉
バラ全体の花言葉:愛・恋・美・幸福

         愛情・情熱・内に秘めた愛・美・熱烈な恋
 ピンク      温かい心・一時の感銘・上品・気品・温かい心
 赤白班入    満足・たたかい
         薄らいだ愛・やきもち・嫉妬・誠意のなさ・友情・可憐
         純潔・尊敬・私はあなたにふさわしい
 オレンジ    無邪気・愛嬌
         奇跡
 つぼみ     恋の告白
         希望、頑張れ
 トゲ       不幸中の幸い
 一重咲き    淡泊
 満開の花一輪 秘密
 トゲのない薔薇 初恋

■特徴5.バラを国花としている国
 シリア  ダマスクローズ
 イラク  赤いバラ
 イラン  バラ
 モロッコ  バラ
 ブルガリア  バラ
 ポルトガル  バラ
 ルクセンブルク バラ
 ルーマニア ドッグローズ

■特徴6. バラとブルガリア
ブルガリアは世界のバラの香料の約8割を占め、その質の高さで有名。
ブルガリアに半野生のバラが持ち込まれたのは18世紀のことと言われている。

当時からバラは、若さ、美しさ、健康のシンボルとして崇められてきた。
観賞用としてだけではなく、食品、薬品としても利用されてた。

ブルガリア民族にとってバラは、伝統的な自然薬だった。
医者や修道院などで、バラは、幅広く伝統的な治療に用いられていた。

文献によると、19世紀初めに「リラの僧院」が発刊した治療ガイドの中には薬剤としてのバラに関する記述が主要部分を占めている。
各種炎症、眼病、皮膚病、呼吸器系アレルギー、消化器系疾患、神経及び心臓の治療薬として紹介され、使われていた。

その後は伝統的自然薬として、また健康食品としてバラジャムなどを食する習慣が受け継がれる。
しかし世界的な化学薬品の開発、普及により、薬剤としてのバラは人々から忘れられていく。

「ブルガリアの金」とも称されるバラの一大産地が、バルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈に挟まれた「バラの谷」。
ブルガリアの中心に位置し、温暖で乾燥した気候がバラ栽培に適しているとされる。

バラの谷でははブルガリアローズオイル(バラ香油、ローズオットーとしても知られる)を生産。

学名をRosa Damascena 、英名をMill Damask roseといい、「ダマスクローズ」と呼ばれている。

名前の由来は、シリアの首都ダマスクスから伝えられたという説や、高価な紋織物の一種であるダマスコ織りに関係しているという研究者もいる。
いずれにしろ、小アジアからブルガリアやヨーロッパにもたらされた品種であるといわれている。

5~6月の収穫期には、あたり一面が淡いピンクのバラ園となり、谷じゅうが芳しい香りに満ち満ちる。
谷には、やわらかい朝もやがたちこめ、朝露にぬれたバラの花は、みずみずしく清らかな芳香をたっぷりとたくわる。

日が高くなると、花びらから芳香が蒸発してしまうため、一つ一つ丁寧に、手早く摘み取られる。

集積所に集められた花びらは、すばやく蒸留所に運ばれる。
1kgのローズオイルをとるのに、4トンもの花びらが必要とされている。

ブルガリアでは300年程前からバラが栽培されてきたが、薔薇の開花時期になると肺や呼吸器の悪い方がこぞって静養のために栽培地に訪れたといわれる。

また、バラの谷は、長年開催されている色とりどりのバラ祭の中心地でもある。この伝統的な祭りはバラ産業の象徴でもあり、カザンルック文化の生活様式、信仰、文化にも影響している。
このバラ祭は6月の第一土曜日にカザンルックで行われ、フォークダンスや歌を歌って祝われる。

ブルガリアにおいてバラとその産物の香料が注目されたのは、第二次世界大戦後の社会主義の時代。

戦後の化粧品産業の成長とともに、ローズオイルの需要は増大し、ブルガリアの一大輸出品目として、国家の重要産業に指定され保護されてきた。
ローズオイルは「金」と同等ないしそれ以上の扱いを受けたほどである。

同時に、科学者によるバラの研究も開始された。
ブルガリア国立科学アカデミーの中にバラ専門の研究課が設けられ、さまざまな動物臨床実験などを通じて科学的データが蓄積された。

これらの研究の中で、バラの効能の科学的分析が試みられ、抗不整脈効果、防潰瘍効果、胆のう、肝臓の機能回復効果や抗ストレス、抗菌力などが次々に証明。
しかしながら、強力な化学薬材の驚異的な発展により、当時は、これらの研究もあまり脚光を浴びなかった。

最近になり、歯科学においローズオイルの殺菌効果が極めて高いことが証明され、バラの薬効が見直される。
虫歯の治療にローズオイルを使用したところ、数時間で痛みがとれ、迅速な治療効果が得られたのである。

ローズオイルは、協同組合銀行の地下貯蔵庫に集中保管され、ブルガリア国立バラ研究所とローズオイルの権威であるニコライ・ネノフ所長が、品質の保証を与えることにより「世界一の品質」を維持管理し、品質の均一化を検査した上で出荷する体制がとられている。

現在、ブルガリアのローズオイルは、世界の供給量の7割を占めている。
天然のローズオイルの芳香は、進歩した化学合成香料でも代替不能なため、再び復調の兆しがみえている。

さらに、天然薬材の見直しや、アロマテラピーへの注目の高まりなどで、ブルガリアのローズオイルは、さらなる需要の増加が見込まれている。

■エピソード >>> episode.1 バラとクレオパトラ
プトレマイオス朝エジプトの女王クレオパトラはバラを愛好し、バラを浮かべたお風呂に毎日入ったり、お抱えの調香師にバラの香水を使らせたり、召使いに香油を使ったマッサージをさせ、バラの花びらを毎日食べていたとか。

ローマからやってきたマルクス・アントニウスを迎え入れる時には、宴席にバラのエッセンシャルオイルをまき、廊下や寝室にバラを厚く敷き詰めたなどという話は有名である。

■エピソード >>> episode.2 バラと皇帝ネロ
暴君として知られるローマ帝国第5代皇帝ネロもバラ三昧の日々を送るほどの薔薇好きで有名である。

彼が、お気に入りの貴族たちを招いて開いた宴会では、庭園の池にバラが浮かべられ、ローズウォーターが噴き出す噴水があり、部屋はもちろんバラで飾られ、皇帝が合図をすると天井からバラが降り注ぎ、料理にももちろんバラの花が使われていたと伝えられている。

バラの祝宴の図として、ネロがバラの首飾りと王冠をつけ、花びらを詰めた枕に寝ているところが描かれている。

■エピソード >>> episode.3 バラと哲学者
古代ギリシアの哲学者テオフラストスの『植物誌』や、古代ローマの博物誌家である大プルニウスの『博物誌』には、すでにローズオイルやローズウォーターの記述がある。

また、エジプトからの風習として、バラを蒸留して香水をつくり、風呂に入れたり、化粧に使ったり、贈りものなどにもした。
当時は花の価値もさることながら、香料としてのバラの価値が高く、ローズオイルやローズウォーターがもっぱら王侯貴族の間で珍重された。

さらに、ローズオイルをかためて練物状にしたものは、シルクロードを経由して絹と交換されたという記録もある。

■エピソード >>> episode.4 バラとキリスト教
キリスト教では、白いバラは百合とともに聖母マリアを象徴するものとされ、聖母マリアへの祈りの際に使う”ロザリオ”の名もバラ(rose、rosa)に由来するといわれている。

教会や修道院の中庭などでは、薬草として利用する目的で、バラが栽培されていた。

殺菌作用があるということでローズウォーターを消毒液に利用していた。
 
■エピソード >>> episode.5 バラ戦争
イギリスで1455年から30年続いたランカスター家とヨーク家の戦争は両家が薔薇を紋章としていたためにバラ戦争と呼ばれた。

この戦争の後、長年の争いの終結を表して赤(ランカスター家)と白(ヨーク家)のバラを組み合わせたチューダーローズを紋章としたチューダー朝が始まる。

薔薇はイングランドの国花として現代まで引き継がれている。

■エピソード >>> episode.6 バラのフランス革命
「太陽王」と呼ばれたルイ14世は「匂う王」とも呼ばれ、毎日ローズウォーターを宮殿中に振りまいていたと伝えられている。
ルイ15世の愛人、ポンパドゥール夫人はバラの花を好み、ローズ・ド・ポンパドゥールという深いピンクのバラを絹に織り、バラを陶器や絵画に描かせていた。

また婦人は香料も異常なほどに好み、バラの香油と花に莫大な金額を費やした。
 
マリーアントワネット妃は、トリアノン宮殿に美しいバラ園をつくり、数多くのバラをコレクションをしたことで知られている。
バラと香水のためだけに生きていると言っても良いほどの浪費ぶりは、フランス革命にも影響した。

■エピソード >>> episode.7 バラの母
ナポレオン・ボナパルトの皇后ジョゼフィーヌはバラを愛好し、植物好きの彼女は、パリ郊外のマルメゾン宮殿に数多くの植物学者や園芸家を集め、バラの研究を援助した。

夫が戦争をしている間も、敵国とバラに関する情報交換や原種の蒐集をしていた。
それゆえ、彼女は「バラのパトロン」と呼ばれたり、バラの基礎を作った人と評価され、「バラの母」と呼ばれる。

ヨーロッパのみならず日本や中国など、世界中からバラを取り寄せマルメゾン城に植栽させる一方、ポタニカルアートの天才画家ルドゥーテに「バラ図譜」を描かせた。

このころにはアンドレ・デュポンによる人為交配(人工授粉)による育種の技術が確立。

ナポレオン失脚後、またジョゼフィーヌ没後も彼女の造営したバラ園では原種の蒐集、品種改良が行われ、19世紀半ばにはバラの品種数は3,000を超え、これが現在のバラの基礎となった。

■エピソード >>> episode.8 バラと政治家
鳩山一郎や吉田茂は大変なバラの愛好で、戦後日本でのバラの普及に大いに貢献した。

■エピソード >>> episode.9 世界に認められる日本のバラ
日本を代表する育種家である鈴木省三氏の作出した薔薇が国際コンクールで認められる、花き生産では菊などと共に主要品目となる。
戦後の高度成長期、バラは嗜好品として庶民にも普及し、日本でも数多くの品種改良が行われるようになったいく。

■エピソード >>> episode.10 日本におけるバラの普及
昭和の高度成長期以降、バラの価格が安くなり、一般に普及し始めるが、花の観賞を楽しむことができるのは、庭を持つ比較的裕福な家庭に限られていた。
そのため、私鉄各社は沿線開発の一環として、バラ園の造営を沿線に行うようになり、各地にバラ園が開園された。

その先駆けは京阪電鉄。
同社は戦前から枚方市で菊人形の展示などを行っていた。
キクが秋の風物であるなら、春の風物として独自のバラ園でのバラの展示をし集客を計画した。
同社は「東洋一のバラ園」の造園を当時、日本人ではただ一人の英国園芸協会会員で、バラの導入や品種改良で実績のあった岡本勘治郎をバラ園造営の監督に迎え、「ひらかたバラ園」を開園する。
その後社名が京阪薔薇園になる。

■関連事項.1
【著名人の名前が品種名として登録されているバラ】
 ウィリアム シェイクスピア
 クリストファー コロンブス
 クレオパトラ
 ゴールデン モーツアルト
 ジョン・F・ケネディ
 マリー・アントワネット
 マリーアントワネット レティ
 ミスター リンカーン
 ヨハン シュトラウス

【王侯、王室、貴族に因むバラ】
 クイーン・エリザベス
 プリンセス・オブ・ウェールズ
 プリンセス・ドゥ・モナコ
  ※モナコ公国王妃グレース・ケリーに捧げられたバラ。
 プリンセス・ミチコ
 エンプレス ミチコ
 プリンセス・マサコ
 マサコ・エグランティーヌ
 ハイネス雅(みやび)
 ハイネス愛
 プリンセス・アイコ
 プリンセス サヤコ など

■関連事項.2
芸術
ボッティチェリ画 1485年頃
 「ヴィーナスの誕生」
  生まれたばかりのヴィーナスに、ゼヒュロス(西風)がバラの花を吹き付けている。


ヴィジェ・ルブラン画 1783年
 「ガリア服を着たマリー・アントワネット」
  手にはバラを持っている。

与謝蕪村
 「愁いつつ岡にのぼれば花いバラ」


■関連事項3. バラの種類
【野生種8種】
 Rosa multiflora ノイバラ
 R. wichuraiana テリハノイバラ
 R. moschata
 R. chinensis コウシンバラ
 R. gigantea ロサ・ギガンティア
 R. gallica
 R. damascena ダマスクローズ
 R. foetida ロサ・フェティダ

【原種】
 ロサ・カニナ
 ロサ・グラウカヨーロッパの原種
 ロサ・アルバ(Rosa alba)
 ロサ・カニナ(Rosa canina)
 ロサ・ガリカ(Rosa gallica)
 ロサ・キナモメナ(Rosa cinnamomea)
 ロサ・グラウカ(Rosa glauca)
 ロサ・ケンティフォリア(Rosa centifolia)
 ロサ・スピノシッシマ(Rosa spinosissma)
 ロサ・ウィクライアナ(Rosa wichuraiana) 、他

【中近東の原種】
 ロサ・フェティダ(Rosa foetida)
 ロサ・フェティダ・ビコロール(Rosa foetida bicolor)
 ロサ・フェティダ・ペルシアナ(Rosa foetida persiana)
 ロサ・フェッチェンコアナ(Rosa fedtschenkoana)
 ロサ・ダマスケナ(Rosa damascena)、他

【中国の原種】
 コウシンバラ(Rosa chinensis)
 グリーンローズ var. Viridiflora
 ナニワイバラ(Rosa laevigata)
 ロサ・ギガンティア(Rosa gigantea)
 ロサ・プリムラ(Rosa primula)
 ロサ・マリガニー(Rosa mulliganii)
 ロサ・セリカナ・プテラカンサ(Rosa sericana pteracantha)
 ロサ・ユゴニス(Rosa hugonis)
 ロサ・バンクシアエ・ルテア(Rosa banksiae lutea)(モッコウバラ)、他

【テリハノイバラ(照葉野茨)日本の原種】
 イザヨイバラ(Rosa roxburghii)
 サンショウバラ(Rosa roxburghii 'hirthua' )
 タカネイバラ(Rosa aciculaisis nipponensis)
 ノイバラ(Rosa mulitiflora)
 テリハノイバラ(Rosa wichuraiana)
 ハマナス(Rosa rugosa) 英:Japanese Rose, Rugosa Rose
 サクライバラ(Rosa uchiyamana)
 モリイバラ(Rosa jasminoides)
 フジイバラ(Rosa fujisanensis)、他

【北米の原種】
 ロサ・キンナモメア(Rosa cinnamomea)
 ロサ・ニティダ(Rosa nitida)
 ロサ・カリフォルニア(Rosa california)
 ロサ・ヴィルギニアナ(Rosa virginiana)
 ロサ・パルストリス(Rosa palustris)、他

【オールドローズ】
1867年に発表された「ラ・フランス」より前の品種をいう。
野生の原種であるワイルドローズを含めるが、含めない場合もある。
主な系列としてガリカ、ダマスク、アルバ、ケンティフォリア(センティフォリア)などがある。
優雅な花形に豊かな香りが特徴である。オールドローズには一季咲きの品種が多い。

 アルバ(Alba)
 ケンティフォリア(Centifolia)
 ダマスク(Damask)
 ガリカ(Gallica)
 ロサムンディ(Rosa Mundi)
 ブルボン(Bourbon)
 ノワゼット(Noisette)
 ティ(Tea)
 チャイナ(China)
 モス(Moss)
 ポートランド(Portland)
 ポリアンサ(Polyantha)
 ランブラー(Rambler)
 エグラテリア・ローズ(Eglanteria Roses)
 ハイブリッド・ミセラネアオス(H.Macrantha)
 ハイブリッド・パーペチュアル(H.Perpetual)
 ハイブリッド・ムスク(H.Musk)
 ハイブリッド・モエシー(H.Moyesii)
 ハイブリッド・センパビエレン(H.Semperviren)
 ハイブリッド・ムルティフローラ(H.Multiflora)
 ピンクグルーテンドルスト

【モダンローズ】
「ラ・フランス」以降のハイブリッド・ティー系、フロリバンダ系など。
現在一般的に見られるもので、主として四季咲き性、華やかな花形と色彩が特徴である。

 ハイブリッド・ティ(Hybrid Tea)
 ピンクパンサー (バラ)
 フロリバンダ(Floribunda)
 ミニチュア(Miniature)
 つるハイブリッド・ティ(Climbing Hybrid Tea)
 つるフロリバンダ(Climbing Floribunda)
 つるミニチュア(Climbing Miniature)
 つる(Climbing)
 シュラブ(Shrub)
 イングリッシュ・ローズ(English Roses)
  ※1969年にデビッド・オースチンが発表。
  オールドローズとモダンローズの特徴を持つ半つる性のモダンローズ。
 ハイブリッド・コルデシー(H.Kordesii) 、他


■関連事項4. バラの分類
【花弁の数による分類】
  一重咲き
 半八重咲き
 八重咲き

【花型による分類】
 平咲き
 カップ咲き
 ロゼット咲き
 クオーター咲き
 ポンポン咲き
 剣弁高芯咲き
 半剣弁高芯咲き
 丸弁抱え咲き

【樹形による分類】
 ブッシュ(立木)
 シュラブ(半つる性)
 クライミング(つる性)


■取り扱い、お手入れ等

■有名産地
ブルガリア
 ※上記に詳細記載

鹿屋市 - 鹿児島県の都市。「バラのまち」として丘陵地にバラ園を設置しており、西日本一の規模を誇る。
静岡県静岡市清水区 - (旧・清水市、日本一のバラの生産量を誇る。)
岐阜県揖斐郡大野町 - (日本一のバラの苗木生産量を誇る。)

■関連事項5
 ・農薬
 ・乾燥肌
 ・敏感肌
 ・ドッグローズ(ローズヒップ)

■有名生産者
 ・山澤清

■オススメ商品

■参考書籍

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