過去に虫歯治療を行って神経を抜いた歯が、黒く変色してきていると言ったお悩みはありませんか。神経を抜いてしまった歯は一般的なホワイトニングを行っても効果を得ることができず、部分的に変色部分が残ってしまって非常に目立ってしまいます。現在の歯科医療では、神経の無い歯のホワイトニング方法がたくさんあります。それぞれの手法の概要や、オススメの方法についてご紹介していますので、神経の無い歯の変色にお悩みの方はぜひ参考にしてみて下さい。
1.神経の無い歯でも白くする方法まとめ
1-1 ウォーキングブリーチ
神経のない歯は象牙質の部分に変色が起こるため、歯の表面のエナメル質に薬剤と塗布する従来のホワイトニングでは効果が得られません。ウォーキングブリーチはこのような神経がない歯にも有効なホワイトニングの方法で、歯の裏側を少しだけ削って薬剤を充填して、象牙質の変色を漂白することができます。
また、神経がない歯は根元の歯茎も黒ずんでしまう場合が多いのですが、これは歯茎そのものが変色しているのではなく歯の根の黒ずみが歯茎から透けて見えることによって引き起こされます。ウォーキングブリーチは歯の根元を内部から漂白することにより、歯茎を綺麗にすることができます。ウォーキングブリーチはホワイトニング効果が高く、1963年に確立し、2006年までは保険適用の範囲で治療を受けることもできた歴史ある治療法ですので、神経の無い歯を白くするには最もお勧めできる方法です。
1-2 インターナルオフィスブリーチ
ウォーキングブリーチと同様に、神経の無い歯を漂白する方法としてインターナルオフィスブリーチと呼ばれる方法もあります。別名パワーブリーチとも呼ばれています。神経を取り除く際の治療で使用した詰め物を取り外し、歯の内部に薬剤を充填して漂白します。
ウォーキングブリーチと違う点は、薬剤の充填だけではなく光を照射することによって歯を白くする点と、ホワイトニングが終われば歯の内部の薬剤を取り除く点です。個人差はありますが5回から10回程度の施術で、周囲の歯と変わらない白さを実現できると言われています。次の記事で紹介するブライトスマイル等、歯の表面から行うホワイトニング手法と組み合わせると、より高い効果を得ることができます。
1-3 ブライトスマイル
ブライトスマイルはNASAの科学者によって開発された、口の中全体に光を照射することで一度にたくさんの歯を白くできるホワイトニング方法です。そのホワイトニング効果は非常に高く、カラーガイドを目安にすると8~10段階もの白さを一回の施術で得ることができると言われています。神経の無い歯は通常の歯に比べて効果を得られにくい傾向にありますが、変色の程度では効果があるとされています。
神経の無い歯に対しては、先の記事で紹介したインターナルブリーチやウォーキングオフィスブリーチといった歯の内部から白くする方法と併用して、歯の内外からホワイトニングを実施する方法が一般的です。施術費用は高い傾向にありますが、一度で高い効果を得られるため手間や時間もかからないオススメのホワイトニング方法です。
1-4 レジンべニア
神経の無い歯に付け歯を装着することにより、変色部分を隠して白くするレジンべニアという方法もあります。樹脂でできたスカルプチャーという付け歯を歯の形に整えて、対象となる歯の表面に貼り付けます。正しいメンテナンスを行えば5年以上という長期間にわたって良好な状態を保つこともできます。
歯の変色が著しい方や、何度も歯科医院に通院してホワイトニングをするのに抵抗のある方にはオススメの方法です。また、すぐにでも白い歯を実現したいと言った即効性を求める方や、なかなか時間が取れない方にも適しています。
2.神経が無い歯をホワイトニングするための知識
2-1 神経を取った歯は徐々に変色してくる
虫歯の治療により神経を抜いたり、歯を強打した等の外傷が原因で神経が死んでしまったりすると、徐々に変色して黒ずんでくる場合があります。しかし、神経がない歯がすべて黒ずんでホワイトニングする必要があるかといえば、そうではありません。
黒ずむ理由は、壊死したところを治療せずそのまま放置したことによって、歯の内部の出血により血液が壊死した組織と反応することで変色が引き起こされます。虫歯治療で歯の神経を取った場合は、きちんと治療して壊死部分を取り除く処置をしていたとしても、血液循環がなくなることにより歯を構成するコラーゲンなどの成分が劣化して変色するのです。このように、神経の死んだ歯の変色は、黄ばみ等の通常の変色と違って黒く変色するのが特徴です。
2-2 通常のホワイトニングでは白くできない
神経のない歯は、一般的なホワイトニングで用いられている過酸化水素や過酸化尿素という成分の効果をあまり得ることができません。歯の状態によっては施術した直後に白さを感じる場合もありますが、変色するスピードが速いため実質ホワイトニング効果を得ることはできないと言っても良いでしょう。
通常のホワイトニングでも効果は永続的ではなく色戻りするため、白さを維持するためには半年から1年のサイクルで再度施術を行う必要があります。一般的なホワイトニング手法で無理に歯を白くしようと試みても費用対効果は極めて悪い結果となります。全体的な歯の審美性を求めるなら、健康な歯は通常のホワイトニングを行い、神経のない歯に対しては先の記事でご紹介した方法を実施して、両者を併用するのが最も効果的です。
3.オススメのホワイトニング方法はウォーキングブリーチ!
3-1 ウォーキングブリーチの治療の流れ
神経のない歯に対してホワイトニング効果が高く、オススメの方法であるウォーキングブリーチの治療の手順について紹介します。まず薬剤がホワイトニングの対象となる歯以外に付着しないように保護します。そして薬剤を注入するためのスペースを確保するため、歯の裏に穴を開けます。着色が酷い部分については削って除去することもあります。
そして、薬剤が歯の根元から歯周組織に浸みてこないように歯の根っこの部分を封鎖して、歯面にリン酸を用いて薬剤の浸透を促進する処置をします。準備が整ったら対象となる歯以外の部分に薬剤が付着しないように注意しながら、漂白薬剤を充填して仮蓋をします。約一週間が経過した後、歯の色調が周囲と同等になっているかを確認し、効果が十分でない場合には再度薬剤を充填して同様の手順を繰り返します。
3-2 ウォーキングブリーチの費用や期間は?
ウォーキングブリーチに必要な費用と期間について紹介します。まず費用に関してですが、以前は保険適用内の診療でしたが、現在はすべて自費診療となっているため、受診する歯科医院によって費用は異なってきます。費用の相場は歯1本1回の施術につき1,000円から5,000円が相場となっています。
ホワイトニングを行う歯の本数や、希望の白さになるまでの回数によってトータルでかかる費用は大きく変わってきます。期間についてですが、一般的な目安として約4、5回の薬剤の交換が必要となり、およそ1ヶ月の期間がかかります。ウォーキングブリーチは効果が高い半面、費用や期間、通院の手間に関してはある程度の覚悟が必要になります。
3-3 ウォーキングブリーチを行う際の注意点
ウォーキングブリーチを実施する際に注意するべき点を紹介します。ウォーキングブリーチは薬剤を充填して交換という過程を繰り返す必要があり、とても手間と根気のいるホワイトニング方法です。また、ホワイトニング期間中の生活に注意しておかないと思わぬ弊害が生じることもあります。
具体的には、定められた予約日に薬剤の交換を行わないと歯が白くなりすぎてしまったり、仮蓋が取れてしまってホワイトニング効果が得られなかったりします。決められた期間や注意点を守るとともに、ゆとりを持って施術に望めるように生活スケジュールを調整することも大切です。
3-4 他の治療法との併用でより高い効果も
ウォーキングブリーチは、周囲の歯に色調を調整できるという特性上、他のホワイトニング方法と併用するのが効果的です。従来のホワイトニング方法ですと、神経のない歯だけが漂白できず、1本だけ目立ってしまうことになります。そのため効果を弱めてホワイトニングを行ったり、浮いてしまった歯に被せ物をしてバランスを取ると言った対処がなされていましたが、どうしても不自然な仕上がりになってしまいます。
しかしウォーキングブリーチは、周囲の色調に合わせて薬剤の充填と調整を繰り返すためバランスがとりやすく、神経の無い歯が混在した方の全体的なホワイトニングでも納得の仕上がりを実現することができます。神経を抜いて黒ずんだ歯のみ対処するという使い方もありますが、このような手法もあるということを知っておくと良いでしょう。
4.ウォーキングブリーチのメリット・デメリット
4-1 ウォーキングブリーチのメリット
ウォーキングブリーチのメリットについてまとめました。
まず、神経のない歯でもホワイトニングできる点は前述のとおりですが、ホワイトニング効果の高さと確実性が特筆すべきポイントです。薬剤を注入するために歯に穴を開けますが、削る量も少なく歯の裏側であるため施術の形跡が目立たないのもメリットと言えます。
また、神経のない歯への施術となるため、ホワイトニングに伴う痛みがないのも特徴です。そしてウォーキングブリーチは歯1本単位から施術することができるため、必要な所にだけ必要に応じて施術することができ、費用に無駄が生じません。神経のない歯というのは点在するケースが殆どで、歯を一列まるごと施術することはあまりありませんので、費用に無駄が生じることなくホワイトニングを実施できるというのは大きなメリットであると言えます。
神経のない歯に対して審美性を意識する場合は、歯を削ってセラミッククラウンを被せる治療法を選ぶ人も多いですが、ウォーキングブリーチの方が安価ですし歯を大きく削る必要がないというのもオススメできるポイントです。
4-2 ウォーキングブリーチのデメリット
ウォーキングブリーチは神経のない歯に対して有効な方法ではありますが、デメリットも存在するためきちんと把握しておく必要があります。
まず、ウォーキングブリーチは、効果が高い半面、定期的に薬剤の注入を繰り返す必要があり、時間と手間がかかります。薬剤の取り換え期間を守らないと思わぬ弊害が生じる可能性もありますので、忙しい方や時間の確保が難しい方にとっては大きなデメリットとなります。
また、歯の内部に注入した漂白剤の反応過程でガスが発生してしまうことがあります。稀ではありますが、ガスの圧力で歯の根元を圧迫して痛みが生じたり、詰め物が取れたり、歯にヒビが入ってしまうこともあります。
ホワイトニング効果についても施術後の白さを永続的に保てるわけではなく、数カ月から1年経過すると完全ではありませんが色が戻ってしまいます。
これらがウォーキングブリーチのデメリットですが、治療に当たって注意点を守れば大幅にリスクを回避できます。