外国人は傘を差さない?日本と外国の違いを比較しました


 

日本国内では雨の日には雨傘を差し、陽射しの強い時期には日傘を使うことが日常的におこなわれているのは当たり前のことだと思っていますが、気候や国民性が日本とは違う海外の国々では傘はどのように使われているのでしょうか。

 

外国人が傘を差さないのは気候のせい?

 

日本と海外の気候の違い

 

始めに、なぜほとんどの日本人が傘を差すことを当り前だと思っているのかを考えてみましょう。外国人が傘を差さない理由、日本人が傘を差す理由には、それぞれの国の気候の違いがあります。

日本は、降雨日数が多い国で、世界の中で13番、降水量では東京が世界で2番目にランクされています。世界の年と東京の降水確率を比べると、最も高いのがグアムで61パーセント、2番目がロンドンで44パーセント、3番目はシドニーで36パーセント、東京は4番目の31パーセントです。

 

 

降水確率1位のグアムの気候

 

最も降水確率の高いグアムは、年間の最高気温は約32℃、最低気温は約21℃という海洋性亜熱帯気候であり、常に東寄りの風が吹いています。

雨は毎日のように降りますが、日本の雨とは違い、シャワーのように通り過ぎていく雨で、傘を差してもずぶぬれになるし、雨に濡れてもあっという間に乾きます。その為、傘は必要ないのです。

2番目に降水確率の高いロンドンの雨は、雨の日が多い割に、雨が降り続けるのは短いという傾向があります。

 

 

降水確率2位のロンドンの雨の事情

 

ロンドンの傘といえば、英国王室御用達の超高級なスウェイン・アドニー・ブリッグや世界初のナイロン素材の傘を開発した英国細身傘のブランドフォックス・アンブレラがありますが、この美しく品格のある傘をロンドンの街中で使っている人は少ないというのが現実です。

多くの人が雨に降られても傘を差さない理由は、ロンドンの街中にある店は軒が長く出ているので、軒下を歩けば濡れないこと、風が強く吹くと、傘を差しても濡れるし、傘が壊れることもあるからだそうです。

 

 

降水確率3位のシドニーの傘の事情

 

シドニーは降水確率が高いとは言っても、1年を通して温暖な過ごしやすい地中海性気候の都市です。

雨は降っても通り雨で、湿度の低いシドニー―では雨に濡れてもすぐに乾くこと、横殴りの雨が多いので傘を差しても無駄なであることという理由から、傘を差す人はあまりいません。

シドニーがニューヨークやロンドンと違うところは、ニューヨークやロンドンでは、売られている傘のほとんどが黒い折り畳み傘であるのに対して、色鮮やかな大型の傘が売られているそうです。

 

 

 

ほとんどの人が傘を差す日本の雨の特徴

 

降水確率が日本より高いにもかかわらず、傘を差さない人が多い国と、雨が降ればほとんどの人が傘を差す日本では、雨の降り方に違いがあることがお分かりいただけたと思います。

日本の雨には、雨が降り始めると、長時間降り続けることが多い、湿度が高い為、夏の季節であっても雨に濡れると衣服が自然に乾くことはほとんどないという傘が必要になる気候的な特徴があるのです。

また、街中の環境を考えると、地下道に入る以外、雨に濡れずに歩けるような道路が少ないということも、傘が必要な理由といえます。

 

 

 

傘を差す、差さないという違いは国民性の違い?歴史の違い?

 

日本人は几帳面だから?

 

日本では出勤前に、天気予報を確認して午後降るかもしれない雨に備えて傘を用意する人がたくさんいます。

日本人のこのような行動は海外の人から見ると、驚きの対象となることが多いようで、わざわざ折り畳み傘を携帯して出かけるというようなことはあまりないようです。

また、傘のたたみ方も日本人はきっちりとまきますが、海外では、巻かずに止めるだけという人も多いそうです。

反対に考えると、ニューヨークで売られているような黒い折り畳み傘は風が吹けばおちょこになるというような粗悪な品が多いので、骨の部分がきっちり作られていない為、きれいに巻けないということもあります。

中国人のブロガーが書いた文章の中は、日本人と中国人の傘に対する考え方の違いから、国民性の違いについて書かれたものがあります。

日本人は天気予報に対する関心が高い、天候に関する話題から始まることが多い、傘を携帯する準備の良さは、緊急避難の案内板や防災訓練などの日本人の準備の良い国民性を表しているといった感想が書かれています。

確かに日本人は海外の人々に比べて準備が良い几帳面さがあり、それが傘の使い方に現れているのかもしれませんね。

 

 

傘の歴史の違い

 

日本の傘の歴史は平安時代に始まったと言われていますが、折りたたみができ、持ち歩いてさせるような和傘が登場したのは安土桃山時代からです。

もともとは貴族階級だけが使えるもので、一般庶民は菅笠と蓑を使って、雨の対策をしていました。その後江戸時代に入って、一般の人々も傘を使うようになりました。

それとともに、和傘は装いを演出する小道具としてというとらえ方もされていたので、実用性に加えて、美しさ、洒落たデザインが凝らされたものに進化していき、歌舞伎、日本舞踊、茶の湯にもとり入れられて、日本独自の伝統文化となりました。

その後、1800年代初頭イギリスから初めての洋傘が輸入されましたが、日本国内では洋傘を使う人が増えたのは、明治時代になってからで明治22年頃から、国内でも生産されるようになりました。

日本では、雨傘が江戸時代からファッションの一部と考えられていたことから、洋傘も多様なデザインや色のものが、精巧な技術で作られ、現在に至ります。

現在は、傘といえば洋傘を表す言葉ですが、明治時代までは、傘といえば和傘、現在普及している傘は、洋傘、蝙蝠傘と呼ばれていました。

日本でももともと傘は日除けとして発祥しましたが、欧米の国々では日除けとして使われていた時期が日本より長く、雨傘として使われるようになったのは、18世紀になってからで、それまでは帽子やレインコートが主な雨対策でした。

 

イギリスで初めての傘は、今でも続く老舗のジェームズ・スミス・アンド・サンズで作られました。ジェームズ・スミス・アンド・サンズはもともとステッキを作る店で、華やかさはなく、質実剛健な傘が作られました。

その後、サミュエル・フォックスがそれまでクジラの骨で作られていた傘の骨を鋼鉄製の骨に替え、ロンドン紳士好みのステッキのように細い傘を発明したことから、多くの人が傘を使うようになりました。

 

この傘の歴史に違いが、傘に対する考え方の違いにつながっているのではないでしょうか?

もちろん海外にもいろいろなデザインの傘はありますが、日本ほど街中に、いろいろな色やデザインの傘が出回っていることの理由は、日本人には傘のおしゃれを楽しむという文化もあるということではないかと思います。

 

 

日本人が傘を差す理由

 

日本にはなかった外国のコート文化

 

日本人が傘を差す理由の一つとして防水コートを着るという習慣が日本にはなかったこともあげられます。

日本には、乾燥した草から作られた蓑というものはありましたが、一般の人が街中で獣の皮から作られたコートやゴム製のレインコートを着るというような習慣はありませんでした。その原因は、湿度の高い日本気候です。

蓑は湿度が高い日本の気候であっても、通気性が高い為、雨は通さず、風は通すという特性がありますが、皮やゴム製のコートは、雨は防げるものの通気性がない為、日本の気候では長時間着用することができないからです。

その為、日本では、コートを着用して雨の対策にするという文化は育ってきませんでした。一方、欧米の国々では獣の皮を使った外套がコートの始まりです。

中世のロシアでは富の象徴として贅沢な毛皮のコートがもてはやされていた時期もあります。その後、布やゴムが発明されて、防寒、防水の為に様々なコートが作られるようになっていきました。

特にイギリスでは優れた防水コートの文化があり、バーバリー、マッキントッシュなど有名なコートのブランドもあり、コートは実用性だけではなく、ファッションの中で高い位置を占めています。その為、欧米の人々は傘を差すより、コートを着て雨を防ぐことが多いのです。

日本時によりはるかに長い洋装の歴史が、コートやブーツで雨を防ぐということにつながっているのかもしれませんね。

 

 

 

日傘をさす率も外国に比べて日本人が多い理由

 

日本人と外国人の肌の色に対する意識の違い?

 

雨傘だけではなく、日傘も、日本では非常に多くの女性が使っていますが、海外の国々ではどのような状況なのでしょうか?

フランスで日傘といえば、モネの名画「日傘の女」など、日傘を差した女性のイメージが思い浮かびますが、現代のフランスでは日傘を差す女性を見かけることはそう多くはありません。

 

 

アメリカやオーストラリアでも、日傘を使っている人はほとんどなく、日本のように多くの女性が日傘をさしている光景を海外で見ることはできません。

紫外線の悪影響は世界中に国々にありますが、海外では紫外線対策として、サングラス、帽子、日焼け止めクリームが主に使われています。

実は肌や髪の毛は、白人と比較すると、黄色人種である日本人の方が肌や髪の中にあるメラニン色素が多いことから、赤く炎症をおこしたり、髪の毛が傷んだりする確率が低いのです。

にもかかわらず、日本人の方が欧米の人々より極端に紫外線を防止しようとする理由の一つは、肌の色に対する感覚の違いがあります。

欧米人は、日焼けをバカンスの証と考える傾向があり、日焼けした肌がその後ソバカスになったりシミになったりすることをそれほど気にしていないのです。

日本ではほとんどの女性がシミやソバカスを恐れて、日傘や帽子を使用するのに比べて、外国では日傘を使う女性が少ないのはその為です。

 

 

外国の人の日本人の日傘に対しての反応

 

日本人の旅行客が日傘をさしているのを見かけると???と思う人が多いようです。

反対に、日本を訪れた外国の観光客は、始めのうち違和感を覚えるようですが、実際に使ってみると、涼しい、快適と感じる人もいるようです。

子どものうちから太陽光線から目を守る為に多くの人がサングラスをしているにもかかわらず、日傘をさして肌を守らないということが、日本人から考えると不思議に感じますが、肌を守って目を守る為のサングラスを使用している人が少ないというのは、外国の人から見たら不思議な点かも知れませんね。

日本人は、外国の人に比べて瞳の色が濃いので、サングラスがないと外が歩けないほどまぶしさを感じる訳ではないありません。サングラスをかける人は少ないのですが、年々紫外線の量が増えていることを考えると、日本人もサングラスをして芽を守る必要があることは覚えておきましょう。

 

 

まとめ

 

日本と外国の傘の利用率が違う理由には、雨が降っている時間が長く、湿度が高い日本の気候と、雨の時間が短く、濡れてもすぐ乾く乾燥した気候外国の気候の違い。

雨が降っても濡れないで歩ける道があるというようなロンドン街並みと、雨が降っても濡れずに歩けるような街並みではない日本との違い。

天気予報に合わせて傘の準備をするコマメな日本人の国民性と、雨に濡れても気にしない外国の人の国民性、日焼けは余裕のある生活の象徴と考える外国の人と、日焼けはシミソバカスのもと、美人は色白と考える日本人との違いなど、たくさんの事柄がありました。

気候だけではなく、文化や美に対する意識の違いが傘の使い方にもあらわれるというのは、面白い現象ですね。