解析できていた検索キーワードが取得できなくなってしまいました...
2015年8月18日から「Yahoo!検索」のSSL化が段階的に実施され、すでにその影響がでている方もいるのではないでしょうか。8月12日、Yahooはより強力なセキュリティ基準を採用したサービスを提供するため、検索結果にSSL(Secure Sockets Layer)と呼ばれる暗号化プロトコルを使用することを発表し、現在すでにSSL化が進んでいます。
この検索エンジンのSSL化はマーケターやアナリストを始めとした多くのサイト運営者にとって深刻な問題でしょう。というのも、このSSL化により今までサイト解析によって取得できていた「検索キーワード」が見れなくなるようなことが起こるからです。「検索キーワード」の分析は、サイトに訪問してきたユーザーの求めるものを理解するうえで、とても強力な武器であったため、頭を悩ませている人も多いはず。
しかし、SSL化の流れは個人情報などの大切な情報を守る意味でもセキュリティ対策のトレンドとなっており、その流れは止められないでしょう。頭を悩ませるのではなく、これからどういったことを行っていくかを考えるべきです。
そこで「Yahoo!検索のSSL化」の現状をおさえ、どういった対策を行えばいいかを解説します。
▼目次
- 「Yahoo!検索」のSSL化とは?
- 「Yahoo!検索」のSSL化までの流れ
- 「検索キーワード」が取れなくなる
- これからできる7つの対策
- 自社の運営サイトを常時SSL化する
- Search Console(サーチコンソール)を利用する
- 他の検索エンジンからキーワードを取得する
- SimilarWeb(シミラーウェブ)を利用する
- リスティング広告で多くの配信を行い、流入キーワードを計測する
- ランディングページを確認してキーワードを予測する
- 「search.yahoo.co.jp / referral」をオーガニック流入として書き換える
- まとめ
「Yahoo!検索」のSSL化とは?
これからの対策を解説する前に、そのSSL化について理解しなければいけません。そのため、まずはじめに
- 「Yahoo!検索」のSSL化とはどういったものか?
- それで結局どんな影響があるのか?
について紹介します。SSL化についてある程度知識がある人はここは飛ばしてもいいでしょう。
「Yahoo!検索」のSSL化までの流れ
実は今回の「Yahoo!検索」のSSL化の前に、検索エンジンの雄であるGoogleやアメリカのYahooではすでに検索エンジンのSSL化(https検索)を導入しています。
Google、Yahoo、Bingと検索エンジンが続々とSSL化になっていることを考えると、これは間違いなくSSL化が時代の流れとなっていると言っていいのではないでしょうか。
「検索キーワード」が取れなくなる
SSL化が時代の流れであったのは、ここ最近言われてきたことで、この様子を観測してきた方にとっては「ついに来たか!」という感想でしょう。では、このYahoo!検索のSSL化は、マーケターやアナリストなどのサイト運営者にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
抑えておきたいポイントは2つです。
- Yahoo!検索での、オーガニックキーワードが取れなくなる
- Yahoo!検索からの流入はリファラーとしては参照できる
この「Yahoo!検索」のSSL化にともなって一番深刻な影響というのが、Yahoo!検索からサイトへ流入したユーザーの検索キーワードを取得することができなくなることです。
Yahoo!検索での、オーガニックキーワードが取れなくなる
Google Analyticsで言うところの集客>キャンペーン>オーガニック検索の部分において、Yahoo!検索経由のキーワードがすべて「(not provided)」になってしまいます。
つまり、Google Analyticsでの「検索キーワード」での分析がほぼできなくなってしまったとおさえておきましょう。
Yahoo!検索からの流入はリファラーとしては参照できる
では、「Yahoo!検索」経由からのサイトアクセスは、これからどのような扱いになるのでしょうか?
実は、「Yahoo!検索」のSSL化にともない、そこからのアクセスは全てYahoo!検索からのリファラー扱いになってしまいます。現在(8月26日)のアクセスの様子をGoogle Analyticsで集客>すべてのトラフィック>参照元/メディアで確認してみます。「Yahoo!検索」からのアクセスは
「yahoo / organic」→ 「search.yahoo.co.jp / referral」
となっています。
これからできる7つの対策
さて、Yahoo!検索がSSL化してしまい、サイト運営者はどのような対策をしていけばいいのでしょうか?
ここではキーワードを取得・推測する方法などについて紹介します。
1.自社の運営サイトを常時SSL化する
自社の運営サイトをまだSSL化をしていない場合は、自社の運営サイトを常時SSL化するべきです。
SSL化をしてもキーワードの取得ができるわけではありませんが、自社の運営サイトをhttps(SSL)サイトにすることで、その他のSSL化したサイトからリファラー情報を得ることができます。
この仕組みについては、SSL化と非SSL化のサイト間での通信を理解しないといけませんので、詳しくは以下の記事を参考にするとよいでしょう。
また、Googleが、https(SSL)サイトをSEOランクにおいて優遇すると発表しているので、SEOの観点からも自社の運営サイトのSSL化は必須といえるでしょう。
Google では過去数か月にわたり、Google のランキング アルゴリズムでのシグナルとして、暗号化された安全な接続をサイトで使用しているかを考慮に入れたテストを実施してきました。この実験ではよい結果が得られているため、ユーザーがもっと安全にサイトを閲覧できるよう、すべてのサイト所有者の皆様に HTTP から HTTPS への切り替えをおすすめしたいと考えています。
2.Search Console(サーチコンソール)を利用する
Googleはサイト運営者へ向けて Search Console(旧 Googleウェブマスターツール)を提供しており、ツール内にある「検索アナリティクス」を使うことでキーワード調査ができます。
ここで分析できるのは、運営しているサイトがどれくらいの頻度でGoogleの検索結果に表示されたのか、また、どれくらいクリックされ、順位はいくつなのかということを、各キーワードごとに調査できます。
手順は以下です。
「検索トラフィック>検索アナリティクス」をクリック
弱点としては、Google Analyticsのようにコンバージョンの出ているキーワードを調べるといった、他の指標と一緒に分析することができません。ただ、運営しているサイトにどのようなキーワードで訪問されているか調べるだけなら、十分と言えるでしょう。
3.他の検索エンジンからキーワードを取得する
「Yahoo!検索」がSSL化し、Googleから検索キーワードを取得できない。ならば、他の検索エンジンからキーワードを取得する方法があります。ただし、検索のほとんどがGoogleとYahooを占めているサイトがほとんどですので、多少わかるようになるという程度のことと認識しましょう。
Google Analyticsは、設定をすることでマイナーの検索エンジンを登録することができます。その登録をすることで、キーワードの取得率を少しでも増やすのです。
登録の方法は以下の記事を参考にするといいでしょう。
4.SimilarWeb(シミラーウェブ)を利用する
競合分析ツールであるSimilarWebは、Google Analyticsと違って、クリックストリームデータと呼ばれる独自のユーザーの行動履歴からアクセス解析を行っています。そのため通常のように検索キーワードを取得することができます。
無料版ではキーワードが5件取ることができますが、有料版では制限なく検索キーワードを取得することができます。
5.リスティング広告で多くの配信を行い、流入キーワードを計測する
オーガニックでのキーワードを計測することはできませんが、代わりに広告キーワードで補うという方法です。
リスティング広告を出せば、クリックされたキーワードなどの検索クエリを見ることができます。それを利用して、たくさんの目ぼしいキーワードに入札して、それらの流入キーワードを分析することで「どのようなキーワードでの検索が多いのか?」をある程度予測するのです。
ただし、この方法は広告にかかるコストがかかってしまい、その他で紹介する方法をきちんと行えばあまり実用的とは言えないかもしれません。検索キーワードを取得することと、リスティング広告にかけるコストを考慮し、費用対効果に確信を持てればこの方法を使ってもいいかもしれません。
6.ランディングページを確認してキーワードを予測する
キーワードを見ることができないなら、代替案としてキーワードを予測するしかありません。その予測のためにサイトへの訪問者が最初に訪れるランディングページを利用することです。
手順としては以下のように行います。
- Google Analyticsの集客>キャンペーン>オーガニック検索
- (not provided)をクリックし、セカンダリディメンション>行動>ランディングページを選択
Google Analyticsの集客>キャンペーン>オーガニック検索を選択
(not provided)をクリックし、セカンダリディメンション>行動>ランディングページを選択
ランディングページからキーワードを予測します。
例えば、ランディングページである『データから見る2大動画配信サービス「Netflix」と「Hulu」』という記事が(not provided)となっているのですが、「Netflix Hulu」「データ Netflix Hulu」などのキーワードで検索されたのではないかと予測できます。
ランディングページの「訪問数」や「訪問時の平均滞在時間」などとも照らし合わせることで、ユーザーの意図とマッチしているかも推測することができますね。
ランディングページのURLからいちいち「どんなページだったか」確認するのが面倒な方は以下の記事を参考にしましょう。ランディングページを「ページタイトル」で表示することができます。
7.「search.yahoo.co.jp / referral」をオーガニック流入として書き換える
最初に説明したように、SSL化後の「Yahoo!検索」からの流入はすべてGoogle Analyticsの参照元/メディアにおいて「search.yahoo.co.jp / referral 」と表示されてしまいます。
ただ、Google Analyticsの設定で、この流入をオーガニックの流入として置き換えることができます。
手順としては、以下の画像のように設定します。
これによって、SSL化後の「Yahoo!検索」からの流入もオーガニック流入として計測することができます。
ただし、注意しなければいけないのが今回のYahooのSSL化にともなって、Google Analyticsが「Yahoo!検索」からのアクセスをオーガニック流入として仕様変更する可能性があるということです。
そのため、この処理はGoogleの仕様変更まで「Yahoo!検索」の流入をリファラーとして計測されると問題がある方だけでよいでしょう。
まとめ
以上、「Yahoo!検索」のSSL化とその対策について解説しました。その中でなんとかキーワードを取得したり、予測する方法を紹介したりしましたが、実際には、多くのサイト運営者はこれまでのキーワード依存から脱却するときかもしれません。
海外SEO情報ブログの中で、こんな一節がありました。
検索キーワードが取得できなくなること(まだ決まったわけでないので、「取得できなくなりそうなこと」の方が適切ですかね)は喜ばしいことではありません。でもそれほど悲観的になることもないと僕は思います。
「キーワード」ではなく「検索ユーザーの検索意図」を理解してコンテンツを作ることがいかに重要かは、SEOにきちんと取り組めている人ならおわかりでしょう。検索エンジンがセマンティック能力を向上させ、そのコンテンツが意味していることを以前とは比べものにならないくらい的確に理解できるようになってきました。特定のキーワードに固執してコンテンツを作る必要がありません。
極端にいうと、そのキーワードが書かれていなくてもそのキーワードで検索トラフィックを集めることさえ可能です。「◯◯」のキーワードで上位表示!というのは(考え方が)古いSEOと言ってもいいでしょう。
これまで、サイトを運営するにあたって、キーワードをもとにコンテンツを作ることがとても重要だと考えられていました。ただ、ここに書かれているように最も大事なことは古いSEOから脱却し「検索ユーザーの検索意図」と合致するコンテンツを作り、ユーザーニーズに即したユーザーエクスペリエンスを実現することです。
そのためにはこれから、検索キーワードだけではなく、流入後のサイト行動に着目したり、ユーザーインターフェースや広告配信の最適化などサイト全体の最適化に関して広い視野で考えなければいけなくなるでしょう。
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