有機野菜は本当に安全なのか考えてみようと思います。
有機野菜は農薬や化学肥料に頼らずに育てられた野菜のこと
まずはじめに有機野菜って、どんなものなのか?
有機野菜の基準は農林水産省が定めた「有機農産物及び特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に書かれています。
「科学的に合成された肥料および農薬に頼らず、種まきや苗を土に植え付ける前に2年以上(多年性作物では、有機として最初に収穫する前の3年以上)の間、土づくりを行った田畑において作られた農産物」
簡単にまとめると「化学肥料や化学合成農薬を使わずに育てた野菜」となります。
厳しい検査に合格しないと有機野菜と名乗れない!?
有機野菜と表示するためにはJAS(日本農林規格)法に基づいた「有機JAS規格」の検査に合格しなければなりません。
この審査では、「基準を守って有機野菜を作っているか」「どのようなプロセスで野菜を作ったか」を第三者が厳しくチェックします。
この審査に合格してはじめて有機野菜と表示することができるんです。
ちなみにこの審査に合格していないのに有機野菜と表示すると法律で罰せられます。
普通に育てた野菜の安全性
有機野菜の安全性と比較するために、まず慣行栽培(普通の栽培方法)の安全性について考えてみます。
結論から言うと、慣行栽培も十分安全です。
ただし、気になる点がいくつかあるのも事実です。その大きな原因は慣行栽培では「化学的に合成された農薬や肥料を使用する」ということです。
硝酸態窒素の問題
野菜が成長するのに必要な栄養は窒素・リン酸・カリウムの3つです。このうち窒素は野菜に硝酸態窒素として吸収されます。
野菜は硝酸態窒素を多く吸収すると、体内に蓄積するようになります。人がカロリーの高い食べ物を食べ過ぎると脂肪が付くみたいに。
簡単に言うと野菜がメタボ状態になっている感じです。
野菜を食べたときに苦みやエグミを感じることってないですか?
あの苦みやエグみこそが、硝酸態窒素を多く含んだメタボな野菜の味の特徴なんです。
この硝酸態窒素が多く含まれた野菜を食べ続けると発ガンや肝障害、腎臓疾患、アトピー、生殖機能の障害といった健康被害を引き起こす可能性が指摘されています。
硝酸態窒素がこれらの健康被害の直接的な原因かどうかは研究者のあいだでも意見が分かれています。
それでもヨーロッパではこれらのリスクを考えて、硝酸態窒素の上限値を定めて規制をしています。
日本の場合は、直接的な健康被害は確認できていないとして規制はされていません。
しかし、安全性も疑問視されますし、苦みやエグミが出て野菜のおいしさを損なうことから、野菜宅配の大手はそれぞれ独自の基準を設けて硝酸態窒素を抑えるようにしていますね。
硝酸態窒素は化学肥料・有機肥料どちらでも多く肥料を与えて野菜を育てれば、多くの硝酸態窒素が含まれるようになります。
ただし、化学肥料と有機肥料を比べたときに、有機肥料のほうがゆっくりと野菜に吸収されます。
また、有機栽培をしている生産者は野菜の状態を細かくチェックしながら育てるため、肥料が過剰になりづらいとも考えられます。
こうした理由から硝酸態窒素についての問題は化学肥料のほうがリスクがあるとぼくは考えています。
残留農薬の問題
日本の農薬に対する規制はかなり厳しく、人体に影響があると考えられる農薬はもちろん禁止になっています。
そして、農薬自体も太陽や微生物によって分解されやすいものになっています。
また、農薬の使用や基準値についても決められているし、残留農薬の検査も抜き打ちで行われたりしています(もちろん基準値を超えていれば出荷は停止)。
こうした取り組みによって、野菜に残る微量の残留農薬を摂取しても「人体には直接的な影響はない」と考えられています。
しかし、残留農薬のリスクがゼロということにはなりません。
それに化学的に合成された農薬に限定して考えると、使われ始めてまだ70年程度です。
研究は進められていますが、リスクが全て明らかになったわけでありません。
有機野菜の安全性
有機野菜を作っている人は、食べる人の安全を考えて作っている人がほとんどです。
有機野菜は儲かるから作っているという人は本当に少数です。
なぜなら有機野菜の栽培と有機JAS規格の検査に合格するのは非常に手間がかかるからです。
儲かるというモチベーションだけでは有機野菜は続けられないということです。
それよりも「安全でおいしいものを食べてもらおう」「環境に配慮した農業をしよう」という使命感がないと続けられないようです。
ですから、有機野菜は生産者の想いと有機JAS規格の検査によって、安全に配慮された野菜と考えることができます。
でも、そんな有機野菜もリスクがあると言われています。
有機肥料が危ない!?
有機野菜の栽培では有機肥料を使います。この有機肥料が危ないと指摘する声もあります。
有機肥料には有害な菌が含まれている
この有機肥料は家畜のフンや腐葉土、油を絞った植物(大豆、菜種、米ぬかなど)のカスを発酵させて作ります。
発酵すると熱が発生するので基本的に病原菌は死滅します。
ただし、この発酵が不十分の場合、大腸菌などの病原菌が残っている場合があります。
そうした有機肥料を使うと菌が野菜に移り食中毒の危険があると指摘されています。
でも、これは土の付いたままの野菜を生で食べた場合です。
水洗いをしたあとに皮をむいたり、茹でれば問題ありません。
そもそも有機野菜を作っている農家は土作りに情熱を傾けている人が多いなかで、発酵が不十分な有機肥料を使う人がはたしてどれくらいいるでしょうか。
追記:宮崎県総合農業試験場が行った実験では、大腸菌は野菜に移らないという結果が報告されています。
有機肥料に使われている材料が危ない
有機肥料の材料となる家畜のフンが危ないという声もあります。
家畜が食べるエサには抗生物質が含まれています。
発酵する過程で抗生物質は分解されますが、全てが分解されるわけでありません。
有機肥料といえどもリスクが全くないということではありません。
生体防御たんぱく質
「生体防御たんぱく質」
聞き慣れない言葉ですよね。
これは野菜がカビや病虫害から自分を守るために作る「免疫」のような働きをする物質です。
近畿大学の森山達哉教授による研究では、農薬が使われないと野菜が生体防御たんぱく質を多く作り出し、これを人が食べるとアレルギー反応を起こす可能性があると発表しています。
この研究をよく読むと農薬を使わないと生体防御たんぱく質が多く作り出されるのではなくて、病気や虫害の被害を受けると生体防御たんぱく質が多く作り出されるということが書かれています。
そして、病気や虫害になりやすいのは農薬を使わない栽培方法という論理です。
でも、これは農薬が使われていてもいなくても野菜は病虫害にさらされれば、生体防御たんぱく質が作り出されると言っているだけだとぼくは考えています。
アレルギーがある人はアレルギーを起こす食べ物に気をつければいいだけで、有機野菜を食べるとアレルギーを引き起こすというのは論理のすり替えじゃないかと。
そもそも病気や虫害になった野菜は出荷することができないので、ぼくたちの口に入ることはあまりありません。
つまり、「生体防御たんぱく質」の健康被害については、あまり深刻に考えなくてもいいのではないでしょうか。
ベジ太郎は有機野菜の安全性についてこう思う
有機野菜の安全性について考えてみました。
慣行栽培の野菜も安全に配慮されて作られています。
いくつかのリスクも考えられますが、それがすぐに健康被害につながるといったものではありません。
そういったリスクよりも、野菜を食べることで得られる健康のメリットのほうが大きいです。
とは言っても、安全性は有機野菜のほうが高いとぼくは考えています。
化学的な方法で作られた野菜よりも自然の力を活かして作られた野菜のほうが安心ではないでしょうか。
追記
いろいろと書きましたが、選ぶ人の考え方次第だと思っています。
ぼくが書いたことが100%正しいと思っていませんし、自分の意見を相手に押し付けるのはぼくは好きじゃありません。
むしろ他の方の意見も積極的に調べてほしいと思っています。
そして、この記事が野菜を選ぶときの1つの参考になれば幸いです。
ちなみにぼくの判断基準はすごく感情的ですが「気分がよくて、おいしいもの」を選ぶようにしています。
安全性を深く考え過ぎると、なんだか食べ物をおいしく食べられなくなっちゃいます。
スーパーで買う野菜もおいしくて食べるけど、有機野菜のほうが「安全で環境に配慮しているので気分がいい、それにおいしい!」という理由で宅配野菜を利用して食べています。
ぼくの場合は、こういう選び方がしっくりきているのでそうしています。
追記の追記 有機野菜の定期宅配を始めました
野菜のおいしさや安全性をいろいろ調べた結果、有機野菜を届けてくれるビオマルシェの定期宅配を選びました。
届く野菜全てに有機JASマークがついている本物の有機野菜です。
野菜好きな我が家の奥さんもとても満足しています。