2015.04.07更新

ウサギのアイランドスキン


 ウサギの皮膚は犬に比べて、表皮も薄く、水から皮膚を防御する一次毛が少なく、二次毛は水を含むと交わりあって乾きにくなりつています。そのためシャンプーは極力しないことが良いです。また真皮 膠原繊維が少ないことが特徴で
エクリン腺・アポクリン腺も多くありません。
 ウサギの換毛はWave typeと命名されて区画がまとまって脱毛し、徐々に移動します。この時期は毛が胃内にはいることが多く、毛球症に注意する時期です。

 ■他の動物の換毛は
①毛が伸び続けるContinuous typeの動物は一部の犬(プードル・オールドイングリシュシープドック・マルチーズ・シュナウザー)またアンゴラウサギ、メリノ羊がいます。
②個々の毛包がそれぞれ、独立した周期で入れ替わるmosaic typeと呼ばれる動物として、犬・猫・モルモット・豚・霊長類がいます。
③2-3ヶ所がパッチ状に同時に脱毛するpatchy typeとして馬・アザラシがあげられます。---------------------------------------------------------------------
そしてウサギは毛が生えてくるときはなぜか脱毛した真ん中から毛がはえてきます。他の動物ではみられない発毛をします。これらを「皮膚の中の島」という意味でアイランドスキンと呼ばれています。

耳の毛が抜けることもあります。1ヶ月後に基に戻りました。


多頭飼育している方でこのうさぎのみぼざぼざ毛だったので10月に来院した症例です。1ヶ月後に基に戻りました。

 アイランドスキンの皮膚を病理検査した記録もありますが、「成長期の毛包が多数みられます。血管が多数発達している」との記載で、正常の皮膚とおおきな差はありません。換毛期は毛玉症に注意して経過を診ることも良い方法です。


最終更新:平成27年4月7日(火)22時49分


 

投稿者: オダガワ動物病院

2015.04.06更新

仔ウサギの皮膚糸状菌症



顎の毛が抜けやすいことで来院した4ケ月の雌の仔ウサギです。
培養すると、5日目に真菌がはえてきました。

同定するとTrichophyton mentagrophytesが示唆される所見がえられました。

 5日後の来院では、皮膚は少々よくなってきたので、抗真菌剤の投与は行わず、その後自然に治癒しました。Trichophyton mentagrophytesはヒトへ感染の可能性はあります。
ヒトの免疫がさがっている状態でなければ、ウサギに触れたらよく手を洗うことで感染する可能性は低く抑えられます。
この症例は無処置でよくなりました。                                                     


 

最終更新:平成27年4月6日(月)6時42分


 

投稿者: オダガワ動物病院

2015.04.06更新

■ウサギ鼻の皮膚糸状菌症


購入したばかりのうさぎの鼻の上の脱毛でしているので、
川崎市多摩区の地元からの来院した症例です。
  4日後、皮膚培養検査でTME培地では赤く、
サブロー寒天では白いコロニーが発育し、
皮膚糸状菌(dermatophytosis)が確認されました。

同定 形態よりミクロスポーラム(Microsporum属)の感染が疑われました。
この症例は自然治癒しました。



最終更新:平成27年4月6日(月)11時42分


 

投稿者: オダガワ動物病院

2015.04.02更新

■犬用・薬用シャンプーの使い分け

薬用シャンプーはすべて同じではありません。皮膚病にあった薬用シャンプーを使用しないと悪化する場合もあります。担当獣医師をとインホームドコンセントをとって治療を進めてください。

なお現在、動物用の薬用シャンプーは多種あり、薬用シャンプーの使い分けは獣医師により意見が異なる場合もあります。本稿での私感をのべます。


●マラセブシャンプー


 (写真・シーズーの脂漏性皮膚炎)

マラセブシャンプーは抗菌・抗真菌シュンプーに属します。動物用シャンプーではクロルヘキシジンの濃度が0.5%と薄いシャンプーは以前からありましたが、犬の膿皮症の主な原因菌のS、pseudintermediusには効果が低いとされていました。マラセブシャンプーはクロルヘキシジンの濃度が2.0%になり、S、pseudintermediusへの効能も適切な濃度になりました。
 ミコナゾールも配合されており、写真のよにな脂漏性皮膚炎(マラセチア性皮膚炎)の場合にも有効です。このマラセブシャンプーは皮膚の状態によりますが週2-3回シャンプー可能です。


●コラージュフルフルシャンプ
  

  (写真 猫の皮膚糸状菌症)

 人のマラセチア用のシャンプーで抗真菌シュンプーに属します。(抗真菌薬のミコナゾール0.75%含有)マラセチアの原因菌は、人はM. globosa M. restricta、イヌからはM.pachydermatis、M.sympodialis、M.furfur、およびM.globosaが分離されており、ネコからは先の4菌種に加えてM.nanaが分離されています。これらの菌種は、イヌ・ネコの常在菌と考えられています。
マラセブシャンプーが日本でも発売されてからはこのシャンプーはあまり使用することもなくなりなしたが、主に猫の糸状菌症に使用していました。


●カニマールワンシャンプー


 
(写真・猫の疥癬症)


今はあまり診療しなくなりましたが、犬猫の疥癬症やまた犬脂漏性皮膚炎(マラセチア性皮膚炎)に使用しています。
カニマールワンは二硫化セリンが主成分で、犬脂漏性皮膚炎時には上記したマラゼブに反応しない場合に良いとこもあります。角質溶解シャンプーは週1回が適当とされていますが、状態によっては数多くシャンプーする場合もあり、乾燥肌には注意が必要です。


最終更新:平成27年4月2日(火)12時7分


 

投稿者: オダガワ動物病院

2015.04.01更新

■食物アレルギーを疑う臨床症状 


 ●食物アレルギーを疑う臨床症状
  食物アレルギーは食事をたべることで、抗原が腸から吸収されて全身に症状をだします。
 食事が関係するアレルギーは
 Ⅰ型アレルギー・食物過敏症 と Ⅳ型アレルギー・食物不耐性
 があります。

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●Ⅰ型アレルギー・食物過敏症
 蛋白質はアミノ酸を30個以上もったものと定義されています。
蛋白質は分子量が8000~15000ダルトンになると、架橋を形成して抗原として認識され、アレルギーをおこします。
 この現象は食事アレルギー・食物過敏症と定義され、人では卵・ソバが有名で、食べると発疹がすぐにおきます。しかし犬では少ないとされています。
 
 動物病院でⅠ型アレルギー用の食事を購入される場合は、
分子量が12000ダルトン位にまで分解され抗原性をなくすよう作られた、低分子プロテイン(ロイヤルカナン)・Z/D(ヒルズ)や,またこれまで全く食べたことのない新奇蛋白食(ロイヤルカナン・ヒルズ・その他会社いろいろあり・自家製も含めて)が対象です。


動物病院で市販されている新奇蛋白食

ラム肉とライスはこれまで食した経験のない犬では自家製新奇蛋白食として食事アレルギーの診断に役立ちます。当院ではラム肉とライスとたべると、皮膚が丈夫になると勘違いしているオーナーを多く診ますが、
食事アレルギーの診断に役立つのみで、皮膚は丈夫になりません。またこの食事は栄養バランスがわるく1ケ月位が限界です。

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●Ⅳ型アレルギー・食物不耐性
  しかし上記の食事をいろいろ変えてもよくならない症例が診られました。
 成犬は蛋白質をアミノ酸まで分解されて消化・吸収をします。
 しかし子犬や成犬でも消化の悪い個体は、アミノ酸の分子量まで分解できないため、リンパ球が作用して、嘔吐、下痢、皮膚疾患が現れる個体がいます。1000から1500ダルトンの分子が異物として認識され、リンパ球の攻撃を受けます。これがⅣ型アレルギー・食物不耐性です。
 
  Ⅳ型アレルギーを回避するには、食物を超低分子(1000ダルトン以下が理想)にしなければなりません。
 動物病院で食事を購入される場合はアミノペプチド(ロイヤルカナン)、アミノプロテクト(ノバルティス)が対象です。瞬時ではなく、時間をかけておきる現象です。
 尚みなさんが経験あるツベルクリン反応はこのⅣ型の応用です。----------------------------------------------------------------------

●皮膚病の好発部位
 ブタクサやハウスダストのアレルギーは
一般的に腹部、顔にできることが特徴ですが、

 食事アレルギーは 糞便回数が日に3回以上あって便の回数が多い犬、犬の顔面、肛門周囲、背中に多く病変がみられます。

 糞便回数が日に3回以上あって便の回数が多い犬は注意が必要です。
  

犬の顔面、肛門周囲、背中に多く病変がみられます。

とくにⅣ型はリンパ球は感作しやすい部位が背中多いためで、通常のハウスダスト、スギなどのアレルギーと異なる部位に病変が生じ易いです。 

また別の症例2例ですがⅣ型アレルギーの症例には便をグラム染色すると、クロストリジウムの芽胞 ・菌が疑われる所見があります。これら症例には抗生剤の投与も併用します。


 
クロストリジウム芽胞の疑い
 クロストリジウム菌の疑い
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 ●このⅠ型・Ⅳ型を区別するには検査があります。
 しかし検査費が高くなる欠点が生じます。また絶対の鑑別は不可能です。
犬ちゃんがいかにしたら楽にすごせるかよく考えて、担当獣医師とご相談ください。。


●そこで、現実的には

 上記の症状がみられるようならアミノペプチにドに食事に変えて、最低1ヶ月はみてあげることをお勧めします。よくなったケースも結構みられています。
 

他社からも上記のようなアミノ酸フードも販売されています。(ドクターズケアー犬用アミノプロテクトケア)


 最終更新:平成27年4月1日16時00分


  

投稿者: オダガワ動物病院

2015.04.01更新

■ウサギ皮膚糸状菌症(Trichophyton mentagrophytes
の症例
 


 他院で皮膚病が治らないとのことで川崎市多摩区三田からの来院です。
生後3ヶ月のメスのドアーフ系のうさぎです。




 
 口唇・右前肢に、鱗屑が診られました。最初は口にできた皮膚病が顔をふくため前肢にもひろがっていきました。

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 KOHによる真菌の顕微鏡検査で真菌胞子(別名・分節分生子)が発見されました。毛の構造が崩壊しています。この毛の栄養を食べつくしのたので他の毛に感染しようとしている像です。
胞子の発見はキャリアーをしめします。また菌糸発見できれば、感染をしめします。条件が良いとは菌糸(動物なら体)を伸ばしますが、条件が良くないのと、自分の命が危ないので、次の世代を作ろうと胞子(動物なら卵)ができます。

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TS培地(左・サブロー寒天培地、右・DTM培地)による培養では5日目より陽性を示しました。
DTM培地には糖質・タンパク質が入っています。病原真菌は蛋白質から消費しますので、早期に赤くなります。
雑真菌ですと糖質から分解されるので、アルカリ性にならないので、最初は菌の増殖はあっても、赤くなりません。
培地の中の糖質をたべつくすと次に蛋白質をたべるので10日位で培地は赤くなります。
この日、菌の同定を試みましたが、まだ培地の栄養分が豊富で大分生子は発見できませんでした。

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TS培地による培養 8日目。培地の中の栄養をたべつくすと、大分生子がでやすくなります。

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その後、Trichophyton mentagrophytesの大分生子を同定しました。(ラクトフェノールコットンブルー染色)

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 皮膚糸状菌症治療のポイントは、ヒトの皮膚糸状菌症は角質に感染するケースは軟膏・クルームの浸透が良好です。しかし軟膏・クルームは角質には浸透しますが、爪、毛の中には浸透しません。ウサギの皮膚糸状菌症は毛に感染して、後者に属し、軟膏・クルームは殆ど効能をしめしません。そのため経口薬を使用しなければいけません。投与期間は約1ケ月です。その理由として、1ケ月に再度培養検査を行うと陰性なことが多いことからいはれています。

しかし重傷な症例やまた長毛種は毛幹部には薬剤は浸透しますが、毛の先までは浸透しませんので、ケースによっては長期になる場合もあります。長毛ウサギは再発防止のためには、切除して薬剤をのまれたほうがよいです。この皮膚糸状菌症はヒトにも感染しますので注意は必要です。

このウサギの治療は抗真菌剤の経口投与で、4週間後の検診ではよくなりました。その後、再発があるようなら来院を指示しましたが、再来院はありませんでした。


 
最終更新:平成27年4月1日(水)11時53分
 

投稿者: オダガワ動物病院