医薬品情報
添付文書情報
| 販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| Nasanyl Nasal Spray 0.2% | ファイザー | 2499702Q1043 | 8843.9円/瓶 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
禁忌
次の患者には投与しないこと
診断のつかない異常性器出血のある患者[異常性器出血の原因疾患を悪化させるおそれがある。]
妊婦又は妊娠している可能性のある患者[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
授乳期の患者[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
本剤の成分又は他のGn-RH誘導体に対して過敏症の既往歴のある患者
効能・効果及び用法・用量
効能効果
子宮内膜症
子宮筋腫の縮小及び子宮筋腫に基づく下記諸症状の改善
過多月経、下腹痛、腰痛、貧血
用法用量
通常、成人には1回あたり片側の鼻腔内に1噴霧(ナファレリンとして200μg)を1日2回、月経周期1〜2日目より投与する。
使用上の注意
慎重投与
粘膜下筋腫のある患者[出血症状を増悪させることがある。]
重要な基本的注意
〔子宮内膜症の場合〕
治療に際しては妊娠していないことを確認し、必ず月経周期1〜2日目より投与を開始すること。また、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること。
投与に際して、類似疾患(悪性腫瘍など)との鑑別に留意し、投与中腫瘤が増大したり、臨床症状の改善がみられない場合は投与を中止すること。
本剤の長期投与において、エストロゲン低下作用に基づく骨塩量の低下がみられるとの報告があるので、6カ月以上は投与しないことが望ましい。また、再治療を行う場合は、骨塩量の低下に留意しながら、慎重に投与すること。
マウス、ラットに長期投与した試験で下垂体腫瘍、膵小島腺腫及び副腎髄質良性腫瘍の発現率が増加したとの報告があるので、長期にわたり漫然と投与しないこと。
〔子宮筋腫の場合〕
本剤による子宮筋腫に対する治療は根治療法ではないことに留意し、手術が適応となる患者の手術までの保存療法並びに閉経前の保存療法としての適用を原則とすること。なお、下腹痛、腰痛に対する効果は、投与初期には認められないので、その間は、適当な対症療法を考慮すること。
治療に際しては妊娠していないことを確認し、必ず月経周期1〜2日目より投与を開始すること。また、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること。
投与に際して、類似疾患(悪性腫瘍など)との鑑別に留意し、投与中腫瘤が増大したり、臨床症状の改善がみられない場合は投与を中止すること。
本剤の長期投与において、エストロゲン低下作用に基づく骨塩量の低下がみられることがあるので、6カ月を超える投与は原則として行わないこと[6カ月を超える投与の安全性は確立していない]。
本剤の再投与については、安全性が確立していない。やむを得ず再投与する場合には、可能な限り骨塩量の検査を行い慎重に投与すること。
マウス、ラットに長期投与した試験で下垂体腫瘍、膵小島腺腫及び副腎髄質良性腫瘍の発現率が増加したとの報告があるので、長期にわたり漫然と投与しないこと。
併用注意
| 性ホルモン製剤 エストラジオール誘導体 エストリオール誘導体 結合型エストロゲン製剤 卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤 両性混合ホルモン剤 等 | 本剤の効果を減弱することがある。 | 本剤は性ホルモンの分泌を低下させることにより薬効を示す。従って、性ホルモンの投与は本剤の治療効果を減弱する可能性がある。 |
副作用
副作用発現状況の概要
〔子宮内膜症の場合〕
臨床試験における安全性評価対象例数294例中235例(79.9%)、676件の副作用が報告された。(承認時)
調査症例数3,719例中、副作用発現症例は919例(24.8%)であり、副作用発現件数は1,587件であった。(市販後の使用成績調査の累計)
〔子宮筋腫の場合〕
臨床試験における安全性評価対象例数361例中204例(56.5%)、367件の副作用が報告された。(承認時)
調査症例数2,194例中、副作用発現症例は347例(15.8%)であり、副作用発現件数は573件であった。(市販後の使用成績調査の累計)
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
うつ状態(0.1〜5%未満)
エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。
血小板減少(0.1%未満)
血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害(0.1〜5%未満)、黄疸(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
不正出血(0.1〜5%未満)
大量の不正出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
卵巣のう胞破裂(頻度不明)
子宮内膜症患者において、卵巣のう胞が破裂することがあるので、観察を十分に行い、腹部膨満感、下腹部痛(圧痛等)等の異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
重大な副作用 (類薬)
アナフィラキシー様症状
他のGn-RH誘導体製剤でアナフィラキシー様症状(呼吸困難、熱感、全身紅潮等)があらわれるとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
| 5%以上 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 低エストロゲン症状 | ほてり | 腟乾燥 | リビドー減退、腟炎 | |
| 子宮・卵巣 | 帯下 | 卵巣過剰刺激症状 | ||
| 乳房 | 乳房緊満 | 乳房萎縮、乳房痛 | ||
| 皮膚 | ざ瘡、脱毛 | 皮膚乾燥、脂漏、多毛 | ||
| 過敏症注) | 発疹、胸痛 | 湿疹、蕁麻疹、そう痒、息切れ | ||
| 消化器 | 便秘、下痢、口渇、食欲減退、腹痛、悪心・嘔吐 | 胃部不快感、食欲亢進 | ||
| 筋骨格系 | 肩こり | 疼痛(四肢・肩・腰等)、血清リン上昇、関節痛 | 筋肉痛 | |
| 精神神経系 | 頭痛 | めまい、神経過敏、しびれ感、傾眠、不安、発汗、立ちくらみ、耳鳴、不眠 | 感覚異常 | 手指のこわばり |
| 循環器 | 心悸亢進、四肢冷感、血圧上昇 | |||
| 鼻 | 鼻腔粘膜刺激症状、鼻炎 | |||
| 血液 | 白血球減少 | |||
| その他 | β-リポ蛋白上昇 | 浮腫、体重増加、咽喉刺激、倦怠感、コレステロール上昇、トリグリセライド上昇 | 味覚異常、顔面浮腫、体重減少、嗅覚異常 |
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[他のGn-RH誘導体による流産の報告があり、本剤の動物実験で流産などの生殖障害が報告されている。]
授乳婦
授乳中の婦人には投与しないこと。[動物実験で乳汁中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
適用上の注意
投与時
投与前には吸収を安定にするため鼻をかむ等の指導をすること。
その他の注意
海外で、本剤投与の初期において卵巣のう腫(胞)(ovarian cyst)があらわれたとの報告があるので、このような場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬物動態
血漿中濃度
健康成人(正常月経を有する健康な女性)に本剤を単回鼻腔内投与した場合、ナファレリンの血漿中濃度は投与後20〜40分で最高値に達し、24時間後にはほとんど消失した。Cmax及びAUCは用量に依存して増大し、半減期は4〜7時間であった[1]。
酢酸ナファレリンの単回投与時の血中ナファレリン濃度の推移
<単回投与時の薬物動態パラメータ>
| 投与量 | Cmax(ng/mL) | Tmax(min) | 半減期(min) | AUC(ng・min/mL) |
| 100μg | 0.59±0.46 (0.11〜1.30) | 34.0±5.48 (30〜40) | 409.8±318.3 (234.7〜886.3) | 95.2±67.9 (26.8〜196.4) |
| 200μg | 0.92±0.66 (0.50〜2.15) | 26.7±8.16 (20〜40) | 245.0±47.7 (181.6〜298.0) | 132.3±62.8 (82.4〜253.6) |
| 400μg | 1.43±0.87 (0.58〜3.09) | 25.7±7.87 (20〜40) | 309.9±119.3 (217.5〜567.1) | 235.2±163.9 (84.8〜561.5) |
また、1日400μg(1回200μg:1日2回)を22日間反復投与した場合、ナファレリンの蓄積性は認められなかった[1]。
代謝・排泄
健康成人(正常月経を有する健康な女性)に本剤を単回鼻腔内投与した場合、ナファレリンの尿中への排泄量(24時間排泄量の平均値)は100、200及び400μg投与群でそれぞれ212、352及び613ngであった。これらの各投与量に対する割合は各々1%以下であった[1]。
臨床成績
〔子宮内膜症の場合〕
二重盲検比較試験を含む総計273例の子宮内膜症患者における臨床試験での最終全般改善率は76.2%であった。投与量は100〜400μg/日で、投与期間は6カ月以内であった。
臨床効果
本剤の主な症状の改善率は次のとおりである[2][3][4][5][6]。
症状別臨床効果
| 症状 | 例数 | 改善以上 |
| 月経時症状 | 199例 | 177例(88.9%) |
| 自覚総合症状 | 218例 | 199例(91.3%) |
| ダグラス窩の硬結 | 195例 | 163例(83.6%) |
| 子宮可動性の制限 | 181例 | 146例(80.7%) |
比較対照試験
二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められている[3]。
骨密度の変化
本剤の6カ月間投与により、腰椎(L2-L4)の骨密度は平均3.25%低下したが、投薬終了後6カ月で回復傾向がみられた。
一方、本剤の6カ月間投与による大腿骨頸部の骨密度の低下はみられなかった[6]。
〔子宮筋腫の場合〕
二重盲検比較試験を含む総計164例の子宮筋腫患者における臨床試験での最終全般改善率は78.1%(114例/146例)であった。投与量は400μg/日で、投与期間は4カ月以内であった。
臨床効果
症状別臨床効果
| 症状 | 例数 | 改善以上 |
| 過多月経 | 69例 | 67例(97.1%) |
| 月経時下腹痛 | 56例 | 53例(94.6%) |
| 月経時腰痛 | 39例 | 37例(94.9%) |
| 月経時以外下腹痛 | 20例 | 15例(75.0%) |
| 月経時以外腰痛 | 14例 | 9例(64.3%) |
| 貧血 | 61例 | 37例(60.7%) |
子宮筋腫縮小効果
| 症状 | 例数 | 改善以上 |
| 筋腫核の縮小度 | 132例 | 96例(72.7%) |
| 子宮体積の縮小度 | 69例 | 46例(66.7%) |
比較対照試験
二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められている[8]。
薬効薬理
基礎薬理試験
下垂体−性腺機能抑制作用
雌サルを用いた実験で、血中LH量及びFSH量の減少で示される下垂体機能の抑制と、正常な性周期に伴う血中プロゲステロン量増加の抑制で示される卵巣機能の抑制が認められた[9]。
雌イヌを用いた実験で、正常な性周期に伴う血中プロゲステロン量増加の抑制、排卵の抑制及び無月経で示される卵巣機能の抑制が認められた[10]。
実験的子宮内膜症ラットを用いた実験で、下垂体中のGn-RH受容体量の減少及び血中LH量の減少で示される下垂体機能の抑制と血中エストラジオール量の減少で示される卵巣機能の抑制が認められた[11]。
実験的子宮内膜症に対する効果
実験的子宮内膜症ラットの実験で、移植子宮内膜片の体積の減少がみられ、子宮内膜症の治癒効果が認められた[11]。
臨床薬理試験
有効成分に関する理化学的知見
包装
ナサニール点鼻液0.2% 5mL
1瓶
| 小林 拓郎ほか, 臨床医薬, 8 (8), 1835, (1992) |
| 小林 拓郎ほか, 臨床医薬, 8 (8), 1853, (1992) |
| 小林 拓郎ほか, 臨床医薬, 8 (9), 2193, (1992) |
| 小林 拓郎ほか, 臨床医薬, 8 (9), 2215, (1992) |
| 小林 拓郎ほか, 臨床医薬, 8 (10), 2357, (1992) |
| 水口 弘司ほか, 臨床医薬, 8 (10), 2345, (1992) |
| 水口 弘司ほか, 臨床医薬, 13 (1), 25, (1997) |
| 水口 弘司ほか, 臨床医薬, 13 (6), 1493, (1997) |
| 社内資料:成熟雌サルの血中LH、FSH量及び性周期に対する作用 |
| 社内資料:成熟雌イヌの性腺機能に対する作用 |
| Mizutani,T.et al., Int J Fertil, 40 (2), 106, (1995) |
作業情報
| 改訂履歴 | 2009年4月 作成 |
| 文献請求先 | 「主要文献」に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。 |
| 業態及び業者名等 | 製造販売 |