呼吸や心臓の動き、手足の動き、話すこと、考えること、こうした人間の動き全てが酵素の働きで行われています。言い換えれば、酵素なくして人は動きませんし、体内の酵素に余裕と貯蓄があれば病気にかかりにくく、アンチエイジングや長寿への道が開けます。
同じ目的で酵素と並んで大切なのが、先ほど述べた体内で発生する活性酸素などのフリーラジカルの中和やカロリー制限などの老化防止理論、腸内での腐敗から発生する毒素や血液中に含まれる有害物質の解毒です。

解毒(デトックス)とは体内に入った有害な物質や毒素を体外に排出することですが、一番大切なことはそうしたものを体内に入れないことです。このことは別冊「食とアンチエイジング」で述べましたが、現在のように環境汚染の進んだ中で生活している以上、知らぬ間に食品や水、空気などから取り込んでしまう汚染物質を100%完全に遮断することは現実的には困難でもあります。
さらに人の体には日常生活の結果として有害な物質が自然に作られます。
人により程度の差はあるとしてもこれは避けようのない事実です。

膀胱や腎臓、肝臓、大腸、気管、リンパ、血管などを対象とした解毒法があるようですが、実際の解毒に関しては医科の領域であるため詳しくは対応している医師にご相談ください。その中で歯科と関わりがある重金属による汚染の解毒については、この後に重金属のデトックスで軽く触れますので参照ください。

2005年は杉花粉の飛散量が例年の30倍ともいわれ、花粉症に悩まされた人にとっては、つらい年であったことだと思います。こうした最近のアレルギー疾患の増加に伴って、金属アレルギーに対する関心が高まってきています。
しかし、他の疾患と区別がつきにくいため、難治性の皮膚炎と誤解されることもあります。一度起こしてしまうと、その程度によっては日常生活もままならなくなることすらあります。NHKのクローズアップ現代をはじめ、雑誌などでもよく取り上げられていますのでご存知の方も多いことでしょう。

 

朝日新聞の朝刊一面記事に衝撃的な記事が載っていました。「公園の土や砂 鉛で汚染」と題した記事で、「80年代中ごろまで自動車の排気ガスに含まれていた鉛化合物が、街のなかに点在する都市公園の土や砂場に降り積もり、現在でもその汚染が深刻な状態になっていることが、東京大学と国立環境研究所の研究で分かった。汚染度の高い公園で幼児が遊んだ場合、許容量に匹敵する量を体内に吸い込むおそれもある。交通量が多い都市部を中心とした全国調査や汚染度の高い表土や砂の取り換えなどが必要である」との内容でした。
また、1500年前のペルー人の骨の500倍の鉛が現代人に蓄積していたとする調査結果もあります。人間は便利な生活の代償として土や海、空気まで汚してきましたが、それが人間に戻ってきているサイクルになっているのです。

重金属汚染でよく知られたものは、工場から流出した水銀が魚に蓄積し、その魚を食べて発症した水俣病、工場からカドミウムが河川に流出して発症したイタイイタイ病、乳児のドライミルクに混入したヒ素によるヒ素ミルク中毒、狩猟に用いられる鉛散弾による水鳥などの汚染や環境汚染などが有名です。
和歌山で起きたヒ素入りカレー事件は記憶に新しいことでしょう。

厚生労働省からは、水銀の蓄積懸念から「妊婦は胎児への影響を考慮し、金目鯛などの摂取量を控えるように、マグロも同様に見直しの方向にある」と勧告が出されています。
これは食物連鎖の頂点にいる魚には重金属が蓄積されている可能性が高いことから、その摂取に対してその危険性の注意をしているものです。

江戸時代まではマグロといえばずけ、赤身のことでトロは捨てられていたそうです。その油っこさが嫌われていたようですが、肉食が西洋から入ってきてからの日本は味覚が変わったのでしょうか、現在の日本人のマグロ好きは有名です。
ほんの少し前は高級魚としてなかなか食べられなかったのが、現在は世界中からマグロをかき集め世界の約6割を日本が消費しているそうです。こうした汚染を考えるとたまに食べる高級魚でもいいような気がします。

また一部のイカなどの軟体動物やアワビやカニなどの甲殻類の内臓に高濃度のカドミウム蓄積が報告され、カドミウムはWHOによる発癌性報告もあることから問題となっています。喫煙ないし間接喫煙によるカドミウムの問題も指摘されています。日本人の食生活に密接な魚介類に蓄積したこうした有害重金属や汚染物質の摂取などが問題になっています。

先ほど述べた大気汚染、以前の鉛製狩猟用弾、塗料やガソリンに添加される鉛、などの鉛害も指摘されています。多量摂取で消化器障害や神経障害を起こすことがある鉛は、人の脳のIQにも深く関与するともいわれています。
保存されていた毛髪から多量の鉛が検出されたことから、ベートベンの難聴は当時甘さを出すために安価なワインに混入していた酢酸鉛が原因ではないかともいわれています。

また歯に詰めたアマルガム(水銀化合物)からの水銀の溶け出しや、口のなかに異なった金属が共存することによる金属の溶け出し、また安い金属が腐食する(サビる)ことによる金属の口の中への溶け出しなど、身の回りで起こる有害重金属汚染や金属アレルギーも問題となっています。

例え微量であっても長期間に渡って蓄積された重金属汚染は特段の症状もなく見過ごされがちですが、生活習慣病などとして発症することもあるといわれていますから、胎児や妊婦だけでなくすべての人の問題です。また不安定な重金属は酸化されやすいため、体内に蓄積されるとフリーラジカルの発生が増えて、老化を促進するといわれています。(フリーラジカルの詳細は別項を参照ください)

先進諸国の中でも日本は唯一の、肉より魚介類の摂取が多い国です。このことが世界一の長寿や健康寿命の長さの要因と考えられていますが、一方で近年の海洋汚染の影響で日本人の重金属汚染が進んでいる現状もあります。
しかし特に免役能力の保持に重要な蛋白質の摂取を考えると、畑の蛋白質を主としながらも、魚類の良質な蛋白質も必要です。世界的な狂牛病や鳥インフルエンザの発生による代用蛋白源として、また世界中で健康志向によるヘルシーフードとして魚の需要が増え、海洋資源の問題や輸入価格の上昇にみられるように魚への視線が熱くなっていることはご存知のことと思います。

また魚類は蛋白質だけでなくEPAやDHAなど必須脂肪酸の重要な摂取源でもありますから、魚類の摂取をやめることは得策ではありません。防衛策としてその産地を吟味し汚染度の少ない魚、特に一匹丸ごと食べられる小魚を選ぶことをお勧めします。

 

2005年10月22日 | | 投稿者 : admin |

重金属汚染と後で述べる金属アレルギーによる病態との違いを最初にお話ししましょう。
金属アレルギーは特定の金属に身体が特異的な反応をすることですが、人によりその反応が異なり同じ金属でもアレルギーを起こす人と起こさない人がいます。
一方、重金属汚染は個人差があるものの身体に蓄積した重金属が一定量を超えると、不特定多数の人に発症しやすいという違いがあります。重金属汚染の方がより多くの人の脅威になっているといえるでしょう。

歯科治療に金属をよく使うことはご存知だと思いますが、金属は見た目に良くないだけでなく、口の中という特殊環境にあることが問題を大きくしています。それは指輪などのように取り外しができず24時間、365日、常に体内に存在することです。
また口の中は風呂と同じく温度と湿度が高い環境です。風呂場に置いたヘヤピンがあっという間にサビることでおわかりいただけるでしょうが、口の中は酸化(サビ)やすく、さらに色々な違った金属がその環境内に同居することが拍車をかけて、金属アレルギーや重金属汚染につながりやすい環境にあります。

歯科的に問題になる重金属は化学的に不安定であったり、酸化・腐食しやすいために口の中で溶けやすい金属や、その金属自体にアレルギーを起こしやすい傾向のある金属です。ニッケル、コバルト、クロム、パラジウム、水銀、スズ、銅などがそうした金属ですが、地球上に多く存在するために安価である経済面や加工性の利点から古くから歯科用金属として多く使われてきました。

欧米ではこうした問題に早くから取り組んでいますが、健康保険財政面での困窮が原因なのか不明ですが、残念ながら日本では今も毎日多くの人の体内にこうした金属が埋め込まれていっているのが現状です。中には欧米では発癌の疑いがあるとして一定量以上の使用が禁止されている金属も日本では健康保険の適用になっています。

また、先ほど述べた水銀と他の金属の合金であるアマルガム治療もヨーロッパ諸国では規制対象になっているものの日本では健康保険の対象です。
水銀汚染によって潰瘍や舌炎、口内炎などの口の中の症状、湿疹、疲労、頭痛、視覚障害、胃腸障害、めまいなどの全身的症状がでることがあります。水銀は体内に入ると排出されにくく長期にわたり蓄積しやすいことがわかっています。

アマルガムは100年以上前から世界中で歯科材料として使われてきましたが、こうした人体と環境への汚染問題や新しい材料の開発により現在はあまり使用されなくなってきました。アメリカの厚生労働省にあたるFDIや日本の厚生労働省も問題はないとしていますが、口の中での唾液との反応や、噛むことや歯ブラシ時に少量とはいえ水銀蒸気やイオン化が生じて口の中に溶け出すという報告もあります。特に高温やかむ時に放出量が増大するといわれています。

また過去に詰めたものが欠けたり取れたりすることによる体内への侵入もあります。歯にアマルガムを詰めた動物実験では、水銀が血液、腎臓、肺、毛髪や爪などから検出され、水銀は胎盤や血液脳関門を通過可能なために胎児や脳からも検出されたという報告もあります、人体でもアマルガムの表面積と尿中水銀量とに相関があったとする報告もあります。

こうした汚染がほんの微量であっても、長い期間をかけて体内に蓄積することを考えると他に代用できる方法がある以上避ける方が賢明でしょう。こうした問題からアマルガムは最近あまり使用されなくなってきたようですが、ほんの少し前までは当たり前のように使用されていたため、お口を拝見するとたくさんのアマルガムを目にします。
アマルガムが口の中の潰瘍、浮腫、歯肉炎、口唇炎、舌炎、地図状舌、口腔扁平苔癬などの原因の一つとも考えられており、口の中以外にも皮膚炎、湿疹、水疱、胃腸障害を生じる可能性があるとも示唆されています。

ここで注意していただきたいのは、全ての重金属が有害ではないということです。鉄、亜鉛、コバルト、銅、マンガン、クロム、モリブデン、セレンなどは必須微量金属といい、身体に必要な量は微量ではあるものの成長や維持に必須であり、生体機能に欠くことができない金属です。
また老化の原因の一つと考えられている酸化ストレスに対して、生体内抗酸化システムにおいて重要な役割を担っています。不足すると味覚異常や貧血なども発症します。ただ「過ぎたるは及ばざるが如し」ですから多量には必要ありません。

 

 

2005年10月22日 | | 投稿者 : admin |

ここでいう重金属もミネラルです。人には必要なミネラルとそうでないものがあり、またその量も適切でなくては健康を維持できません。ミネラルが豊富だという理由だけで身体にいいものだと単純に考えがちですが注意が必要です。

では、重金属汚染蓄積の程度を調べるにはどうすればいいのでしょうか。
一般的には、検査が簡単にできて痛みの伴わない「毛髪検査」がよく使われています。頭皮に近い毛髪を150本ほど切り、特殊な溶液に毛髪を溶かして器械で分析する方法です。
分析結果により、重金属汚染の程度だけでなく、水銀、鉛、ヒ素などの体内の有害な物質の測定、また人に必要なミネラルの過不足も知ることができます。

ではこうした重金属汚染から身を守る方法はないのでしょうか?
まずはそうした懸念のあるものを口に入れないことですが先ほど述べた安全な食の選択以外にも、環境について関心を持ち、次に述べる重金属のデトックスを実践することです。

 

2005年10月22日 | | 投稿者 : admin |

デトックスという言葉をお聞きになったことがあると思いますが、解毒の意味です。
蓄積した汚染重金属を体外に出すことも一つのデトックスです。
重金属の体外への排出方法をお話しましょう。

①  食物繊維を多く含んだ食品や、一日2リットルを目安としたきれいな水を摂取して汗や尿、便として排出する。

②  重金属の排出を助けるシステインを含むアミノ酸やサプリメント摂取による排出。

③    EDTA、DMSA、DMPSなどの合成アミノ酸(キレート剤)による排出。

前に述べたように、食物、水、空気、その他生活していくうえで接触する私たちを取り巻く環境の貧しさがあります。人体はこれを克服するため、解毒能力に過度の負担がかかり、いろいろな健康への問題が生じる可能性を否定できません。
その意味でも、私たちは『命』にとって大変危険な時代に生きているのです。こうした現状に対し、人の解毒力を補う目的で有害重金属の体外排出によるデトックス(解毒)や血管疾患の非侵襲的な治療法であるキレーション療法があります。

キレーション療法とは、点滴などによって投与された合成アミノ酸が重金属を結合して体内から排出する治療法です。その過程で活性酸素のようなフリーラジカルによる血管や組織への損傷を減らし、身体全体の血液循環を促進させるといわれています。
1950年頃のアメリカで鉛中毒治療としてスタートしたものですが、現在では動脈硬化症などの心臓・血管に障害がある場合だけでなく、重金属中毒や退行性疾患、眼科疾患、骨粗鬆症、慢性疲労症候群などの治療や多くの慢性疾患において、進行するリスクを減らすことができるといわれている治療法です。

血管は全身に張り巡らされているのですから、口の中にも当然関係があります。この治療法は医学界全般からまだ十分な評価はなされていないものの、アメリカでは心臓バイパス手術の代用として多くの手術が回避できる上に費用も数十分の一と安価な点が脚光を浴びています。
しかし現時点では治療に対する有効性をめぐり賛否両論があり、現在アメリカ政府による大規模な有効性の臨床検証が行われています。歯科領域では血液循環の促進から歯周病(歯槽膿漏)に、また有害重金属を体内から除去することから、歯科治療による重金属汚染の治療や、次に述べる金属アレルギーの軽減についても効果が期待されています。

 

 

2005年10月22日 | | 投稿者 : admin |

どうして金属アレルギーが起きるのでしょうか?そのメカニズムをみてみましょう。
その人にとってアレルギーを起こす特定の金属に接触すると、金属がイオン化という目に見えない程度溶け表皮蛋白に結合し、アレルギーを起こす完全抗原になると考えられています。
この金属メッキをしたような表皮蛋白は体にとって異物と認識され、こうした抗原情報を持ったTリンパ球が作られている体の状態を感作といいます。
しかしこの時点では体にアレルギー症状が出るわけではありません。一度感作が起こり、次回抗原(同じ金属)が身体に侵入すると、それに体がアレルギーという拒絶反応を起こすことがあるのです。これが金属アレルギーの正体です。

金属アレルギーは金属が見えない程度溶けるだけで起こりますから、目で確認することは通常できません。しかし金属の溶出がひどい場合には、溶けた金属が抜け落ちて図のように人工歯の表面がボツボツになることもあります。お口の中に色々な違う金属が入っているときにこの傾向が特に強く出ます。

皮膚科で金属アレルギーのことをDental Metal Eruption(DME)歯科金属疹と呼ぶくらいですから、歯科と金属アレルギーの関係は切っても切れない関係にあります。
一時期テレビ等で金属アレルギーの特報番組がいくつかありましたので記憶にある方もいらっしゃると思いますが、原因不明と言われて病院を転々としていた人が、口の中の金属を全部外したら病気が治った報告、起き上がることもできずに日常生活が満足に送れなかった若い女性が、同じように金属を外して元気になった報告が画面に映し出されたかなりショッキングな内容でした。
私の医院でも金属アレルギーのために顔面から手は言うに及ばず、全身まで湿疹や水泡のようなものができて外にも出られなかった女性を筆頭に、金属アレルギーを持っていらっしゃる方が大勢お見えになられます。

身近なものでは、ピアスの付近が赤くなったり、指輪やネックレスが皮膚と接触する場所に赤味や吹き出物が出たりするのも金属アレルギーの疑いが濃いものです。
高価なピアスでは起きないのに、安いピアスではアレルギー反応を起こすことが多いように、アレルギー反応を起こす原因金属は人によって違うとはいえ、ニッケルやコバルト、クロムなどの安い金属が原因になっていることが多いのが現状です。

真夏や運動後など汗をかいたときだけに症状が出ることもあります。
これは汗という水分に金属が溶け出した結果なのです。電極(二種類の違う金属)と電解質(汗)が、ちょうど電池の仕組みに似た状態になるのです。
電位の違う金属間を電解質が仲介して電子が流れる、すなわち感じないほどほんのわずかな電気が流れるのです。こうして金属イオンがどんどん電解質に溶け出してくることになり、それに身体の免疫反応が起きたときに金属アレルギーとなって症状が出ます。

汗はかいたときだけの問題で終わるかも知れませんが、口の中は乾くことがないために化学反応が途切れることなく続くのですから想像するだけでゾーッとしますね。
歯を治療するときは、できることならアレルギーを起こしにくい材質にされることをお勧めします。

さらに怖いことは金属イオンが身体に蓄積することです。また金属アレルギーはⅣ型アレルギーで遅延型とも呼ばれ、T細胞やマクロファージなどの細胞が関与するため症状が遅れて出ます。
その人の体質や金属がイオン化して溶け出す量、その期間によって発症の有無や程度、潜伏期間すなわち発症時期が変わるといわれています。つまり、今現在症状がないからといって安心できないということです。一度お口の中の金属を総点検してみてください。仮に金属アレルギーが発症しなくとも重金属の体への汚染は起こりますので、解毒の項で述べたように身体への負担を考えなくてはなりません。有害重金属の汚染は、全ての人の問題であるといえるでしょう。

 

2005年10月22日 | | 投稿者 : admin |

歯科的にみれば残念ながら日本はアレルギー後進国で、欧米では問題視されている金属が堂々と健康保険に使われています。高齢化によって保険財政が厳しいためによい金属の使用が難しいとはいえ、この情報はオープンにして国民に判断する材料を示すべきだと思います。

人によってアレルギーを起こす原因金属は違うとはいえ、金属アレルギーと診断される方々に頻度の高い金属、言い換えれば多くの人に金属アレルギーを起こしやすい金属があります。
その最たるものが、金属と水銀の化合物であるアマルガムで、歯に詰め物として使われています。日本の厚生労働省やアメリカのFDIでは問題がないとされていますが、ヨーロッパでは規制があります。また水銀の溶出に不安を指摘する声も一部にあります。日本の健康保険でも使われています。

次いで頻度が多いのがニッケル、コバルト、クロムで、安い装飾品にも多く使われています。これらの金属は、アレルギー頻度が高く発癌性が証明されており、欧米ではニッケルを1%以上含んだ歯科用金属使用が禁止されている国もあります。日本では規制がなく、健康保険で使用されています。

また、金銀パラジウム合金は、日本の健康保険で主に使われる金属です。成分から見るとその主体は錆びやすい銀合金で、特に問題なのが含まれるスズとパラジウムです。アマルガムに含まれる水銀、先ほどのニッケル、コバルト、クロム、銀合金によく含まれるスズ、そしてこのパラジウムは金属アレルギーを起こしやすい金属のトップ6に入る金属です。

一方、健康保険外で使われることのある低カラット金合金は、金に多くの他の金属を混ぜて合金にしたものです。金属単価を下げる目的で金に混ぜた、たくさんの非貴金属の中に金属アレルギーを起こしやすい金属が混ぜられていることが多く、それが問題になることがあります。金合金だから安心とは限らないと言われると何を選べばいいのかお困りでしょうが、当院ではどの方にアレルガーがでるか完全に予想できないためにそうしたアレルギーを起こしやすい金属の混ぜ物が入っていないバイオメタルと呼ばれる特殊な金合金を使っています。

 

 

2005年10月22日 | | 投稿者 : admin |

ではこうした金属アレルギーから身を守る方法はないのでしょうか?
先ほど述べた食の問題、身の回りの金属や革製品、化粧品、などに注意することと、歯科の立場からは有害またはその恐れのある金属を使った治療を受けないことです。

では金属アレルギーを起こしにくい金属とはどんなものでしょうか。高カラット金合金は、金の比率が多く体に優しい金属ですが、前に述べた低カラット金合金と同じく多少混ぜた他の非貴金属に注意が必要です。しかし日本ではそこまで厳密でないのが現状です。

金属アレルギーを起こしやすい金属を含まない特殊な金属を選べば、物性としては歯科材料に適します。セラミックは金属ではないために金属アレルギーの心配はありませんし、世界で一例も他のアレルギーも報告がない安心な材料です。

またチタンは、アレルギーを起こすことが非常に稀な金属で、また金属にしては軽いのが特徴です。
チタンはインプラント(人工歯根)や人工関節など体内に埋め込んで使用されています。当院でもアレルギー検査の結果非常に多くの金属にアレルギー反応があり、治療に困った患者様がいらっしゃいましたが、その時でもチタンにはアレルギー反応はありませんでした。

このような金属アレルギーを起こしやすい金属を避けるのが賢明ですが、金属アレルギーを起こす自分に合わない金属を調べる方法としてパッチテストがあります。
上腕や背中の皮膚の上に調べる金属溶液などを貼り付け、1から2週間で金属アレルギーがあるかどうかを判定します。検査期間中は風呂にその部分をつけられないことや、汗をかくと判定に狂いが出たりかゆみを伴うことがあるため夏場の検査はできませんが、痛みもなく簡単な検査ですから金属アレルギーの疑いのある方は受けてみられるといいでしょう。

症例や設計によっては選択できる材質に限りがある場合や、選択できても患者さまにとって機能面や審美面などで有利・不利な材質があることがあります。アレルギーリスクとご本人のご希望やそうした事柄などの勘案してご相談しながら材質を選んでいくことが理想でしょう。

 

 

2005年10月22日 | | 投稿者 : admin |

金属アレルギーに配慮した治療ポイントをいくつかあげてみましょう。

○ 腐食しにくい金属や金合金でもアレルギーを起こしやすい金属が混ざっていない特殊な金合金を使う。

○ 口の中に色々な金属を使わない。できれば一種類の金属が望ましい。
異種の金属が口の中で電池の電極の働きとなり、金属イオンの溶出を加速し金属アレルギーを起こしやすくなると考えられています。また、異種金属間に微量の電流が流れ、歯への障害や、細胞や神経などの体内電流を狂わせるという考え方も一部にあります。避けるに越したことがないでしょう。

○ セラミックなど金属を使わない治療にする。セラミックは、今までに世界で一例のアレルギー報告も無く、歯と同じ色を再現できます。金属アレルギーと審美両方の解決には最適のものでしょう。

歯科治療では金属を使わない治療が困難な場合があったり、別の観点から金属の良さもあります。
当院では、現時点で金属アレルギーのある方だけでなく、貴金属を用いた治療では全ての症例で、アレルギーを起こしやすい金属を含まない特殊な金属を使用しておりますのでご安心ください。

医療技術の進歩により、最近金属を全く使わないブリッジが可能になりました。セラミックだけでブリッジを作ることができるので、金属アレルギーのある人には大変な朗報でしょう。
アレルギー体質の人やアレルギーに不安のある方は、治療計画のご相談時に治療法や材料について長所短所をお話し最適な治療法を決めていきましょう。