腕が痺れるとすぐに首のヘルニアではないか?と不安になっていませんか。
腕が痺れるからといって一概にヘルニアだと思い込むのはおすすめできません。腕のどこが痺れているのか、どうしたら痺れるのかによって本当に原因は様々です。考えられる原因を一緒に考えていきましょう。
腕がしびれる原因一覧
腕が痺れる原因や症状は実は細かく見ていくと様々です。例えば腕の外側なのか、内側なのかであったり、指先まで痺れている場合は親指なのか、中指なのか、小指なのかであったりと症状から原因をある程度まで絞ることができます。痺れを生む疾患を順番に探っていきましょう。
腕がしびれる原因の一覧です。
それでは、それぞれの症状を説明していきます。
変形性関節症
変形性関節症とは関節が変形を起こすことを指します。首の骨に骨棘というトゲができたりもします。
どんな症状が出る?
- (1)神経根症
- 神経の根元の変形によるものです。片方の腕がしびれる、筋力の低下などが見られます。
- (2)脊髄症
- 脊髄にまで影響が出てしまった場合、両方の腕に症状が現れることもあります。
どんなことが原因?
変形を起こす原因としては、姿勢の問題が大きいです。首においては、体が丸まって顎が上がった状態が長時間続いた姿勢の方に多く見られます。この姿勢により横から見た時に首は本来前腕があるのですが、それがさらに強調されてしまいます。
どんな対応をすればいい?
- (1)神経根症
- 頸部を固定する装具を付けて安静と消炎鎮痛剤により改善することが多いです。整体・鍼灸・マッサージなどの手技療法でも改善する可能性が高いです。
- (2)脊髄症
- 手術適応となることが多く、整体・鍼灸・マッサージなどの手技療法による改善は難しいです。
頸椎椎間板ヘルニア
- 状態
- 背骨と背骨の間にあるクッション材の役割を果たす椎間板の中の髄核と呼ばれるものが、飛び出してしまい、神経根を圧迫します。
- 症状
- 首~肩・腕・手にかけての痛みやしびれ感覚や運動障害(腕や指が動かしづらいなど)を引き起こします。ほとんどの場合、頸椎の中部から下部でのヘルニアのため、症状は肩、腕、手に出ます。それ以外ではデジェリン3兆候と呼ばれる咳・くしゃみ・力みでの首の痛みも特徴的です。まれですが、ヘルニアの種類によっては両腕にしびれが出たりもします。
- 原因
- 交通事故などの強い外力や、姿勢不良が原因として考えられます。腕がしびれる原因として多くの患者さんが考える原因の1つだと思います。
- 対応
- 手術適応となることが多く、整体・鍼灸・マッサージなどの手技療法による改善は難しいです。ただし、手技療法で良くなったケースも多くあります。また、実際はヘルニアと診断されてもそうではないケースも多くあります。
頚部脊柱管狭窄症
- 状態
- 頸部の脊柱管という神経の通り道に狭窄が生じて神経症状が現れます。
- 症状:
- 腕のしびれ、疼痛、筋力の低下、脱力感などが見られます。
- 原因:
- 姿勢の悪さだけでなく原因がはっきりとしないものも多くあり、関節が分厚くなってしまったり、背骨の骨をつなぐ靭帯の変性が起こったりします。
頸椎椎間関節症候群
- 状態:
- 頸椎の上下の椎間関節というところに炎症を起こします。
- 症状
- 頸部、頭部、肩や背中への痛みがあります。首を動かすことによって症状が悪化し、痺れがでることもあります。特に上を向いたときに痛むことが多いです。
- 原因
- 先天的な奇形や後天性のものであれば姿勢が悪いことが考えらえます。
筋筋膜痛症候群
- 状態
- 筋膜や腱にできたしこり部分のトリガーポイントが痛みを引き起こします。テレビで紹介されたことで一気に有名になりました。
- 症状
- 神経痛のようなびりびりとして電気が走るような痛みがでます。痺れのように感じる方もいます。
- 原因
- 筋膜や腱にできたしこりが原因ですが、姿勢の悪さであったり、筋肉の使い過ぎだったりが原因とされます。
- 対応
- トリガーポイントに対して押圧を加えたり、鍼をさしたりして痛みがなくなるまでそれをします。それによってすっと痛みが軽減、または消失します。
変形性頚椎症
これは基本的に変形性関節症と同じです。変形性関節症の中に、変形性頚椎症や変形性腰椎症、変形性膝関節症などがあります。
胸郭出口症候群
- 状態
- 腕神経叢(首から腕・手に出る神経の束)や鎖骨下動脈が通る道筋で鎖骨、第一肋骨、筋肉などによって圧迫されてしまいます。
- 症状
- 肩や腕の痛みしびれがでます。接骨院や治療院で腕がしびれる原因としては、私の経験ではかなり胸郭出口症候群が多いです。
- 原因
- それぞれ圧迫されている筋肉・骨の原因により、斜角筋症候群、肋鎖症候群、過外転症候群などの表現を用います。若いなで肩の女性に多く、ひどい人では頭痛が出る人もいます。また、美容師・理容師など長時間手をあげて使っている職業の人にも多いです。
手根管症候群
- 状態
- 手首のところにある手根管と呼ばれる部分で正中神経やその周りの血管が抑え込まれてしまいます。
- 症状
- 指先のしびれがでます。特に人差し指・中指に出ることが多くひどいと親指や薬指にもでることがあります。腕がしびれる原因としては考えにくいです。
- 原因
- 多くは手の使い過ぎによるものです。その他では腫瘍などが手根管にできることで圧迫されて症状がでることもあります。
円回内筋症候群
- 状態
- 肘の部分にある前腕を内側にねじるための筋肉、円回内筋によって神経が圧迫されて症状がでます。
- 症状
- 肘から先にしびれや痛みが出ます。前腕がしびれる原因の一つです。手根管症候群と同じように正中神経の圧迫によって症状が出るため、指も人差し指・中指が特に強くて小指にしびれが出ることはありません。
- 原因
- 前腕の筋肉を酷使する仕事やスポーツの方に多いです。仕事では大工さんのようなドライバーで手を回したりするような方が多く、スポーツでは野球やテニス・卓球・バドミントンなどのラケットなどを使う人に多いです。
肘部管症候群
- 状態
- 肘の内側で尺骨神経が圧迫されることにより症状がでます。
- 症状
肘から先が痺れます。円回内筋症候群に比べると小指側がしびれます。
- 原因
- 大工や現場仕事で腕を酷使する人に良く見られます。その他では過去に骨折をしたことにより肘の変形がでてしまったり、野球肘によって症状がでたり、直接そこをぶつけたりして症状が出ることもあります。
- 対応
- 酷使している場合には前腕の筋肉を緩めることが大事です。過去の骨折による変形の場合は手術をするしかありません。ぶつけてしまって症状が出た場合は消炎鎮痛剤を使ってまずはぶつけたところを治しましょう。
ギオン管症候群
- 状態
- 手首の小指側のところにあるギオン管という部分で尺骨神経が圧迫されることにより症状がでます。
- 症状
- 腕がしびれる原因とはなりません。症状としては指のしびれ、特に小指側が多いです。また、手のひらの小指側の筋肉がやせてきたりもします。
- 原因
- 握り動作が多い方におきます。バッドやラケットを握る方が多いと言われますが、この症状を見かけることはまれです。それ以外では腫瘍による圧迫なども考えられます。
橈骨神経麻痺
- 状態
- 橈骨神経が圧迫されることにより症状が現れます。上腕の部分で圧迫されることが多いです。
- 症状
- 感覚症状でなく運動障害がおきることがほとんどです。つまり、腕がしびれる原因とはなりません。症状としては動かしにくくなったり、手首がだらんとなった状態から動かせなくなったりします。
- 原因
- 仕事が終わって自分の腕を枕にしてテレビを見ていたらそのまま寝てしまい、翌朝手首が動かせなくなったという事例が多いです。土曜の夜にリラックスしているときに多く、サタデーナイト症候群ともいわれるようです。その他では恋人の腕枕などでもおきます。
- 対応
- 痛みのある箇所を温めたり、マッサージをしたり、手首を反らした状態で固定をしたりすることにより改善されます。
甲状腺機能低下症
- 状態
- 甲状腺機能の低下により痺れが生じます。
- 症状
- 腕がしびれるというより、手根管症候群による症状が多く見られます。
- 原因
- なぜ甲状腺機能の低下で手首に出るのかは、はっきりとわかっていません。甲状腺機能が低下したときには手のしびれだけでなく倦怠感や体温の低下など全身症状も一緒に現れることが多いので、原因を見つけることは難しくないと思われます。
- 対応
- 甲状腺機能低下の場合は内科を受診しましょう。薬によって甲状腺機能を向上させるものがほとんどです。
パニック障害
- 状態
- 強い不安や恐怖心が突発的に生じます。
- 症状
- 動悸や呼吸困難、腕や手のしびれが現れることがあります。発作的に生じるので10~20分など短時間だけ出ることが多いです。
- 原因
- 過去急によって血液のアルカリ濃度が変化してしまうことで筋肉の硬直などが生じることにより、しびれを生み出すと言われます。
- 対応
- 手近なところではまず内科の受診をおすすめします。明らかにパニック障害と思われる場合は、心療内科や精神科を受診しましょう。
脳梗塞
- 状態
- 脳内の血管が詰まることにより、血液が送られなくなり、脳細胞が壊死してしまいます。
- 症状
- 手足のしびれだけでなく、顔の神経麻痺やしゃべれなくなる、ものが二重に見える、などの様々な症状が見られます。
- 原因
- 危険因子として、動脈硬化や高血圧、心臓の病気、糖尿病などがあります。
- 対応
- 両手両足などにしびれがでたり、顔にしびれが出たり、した場合は救急車を呼びましょう。
その他:腕が痺れる原因
ビタミンB不足
整形外科を受診して痺れの症状に対して、「メコバラミン」や「メチルバール」が処方されることが多くあります。これの正体はビタミンB12です。ビタミンB12の不足により手や足の血行障害が起きて痺れが出ることもあります。
内臓の機能障害
内臓の機能障害によって首や肩のコリがでてしまい、血管や神経を圧迫することにより腕や手のしびれが出ることもあります。例えば肝臓では右の首から肩にかけて筋肉が緊張することがあります。内臓の機能障害によるしびれがあることも知っておきたいポインです。これらの場合は、整体・鍼灸・マッサージに行くことをお勧めします。
総まとめ
腕が痺れる原因といっても、首・肩・肘・手首などの関節や筋肉に原因があったり、内臓などの臓器に問題があったり、心因性のものであったり症状は様々です。自分の症状を良く分析してみて、これらの疾患に思い当たるものがないかを確認しましょう。
- しびれは片側である・両側である
- 脚にも痺れがでる(全身)
- 顔にもしびれがある
- しびれは肩から肘、または肘から指先までである
- 小指側にしびれがある・親指側にしびれがある・中指にしびれがある
- しびれは常に出ている・楽な姿勢がある
- 仕事や趣味で手を良く使う
- 動悸やめまいが多い
- 首を動かすとしびれが強くなる、弱くなる
- しびれだけでなく動かしにくいなどの運動障害がでている
脳梗塞、パニック障害などは病院への受診をおすすめしますが、今回紹介したものはほとんどが整体・鍼灸・マッサージで改善や治すことのできるものが多いです。
患部の筋肉や関節を緩めるだけでなく全身の姿勢などを矯正していくことにより、より早く症状も改善されていい状態が長続きしやすくなります。脳梗塞やパニック障害、甲状腺などにより痺れがでるときはそこだけに症状がでるというようなことはないので違いを見分けることは比較的容易だと思います。