私達が1日に消費するエネルギー量を大別すると、基礎代謝量、生活活動代謝量、DIT量(食事誘導性体熱産生量)の3種類に分けられます。生命維持のため必要最低限のエネルギーを示す基礎代謝量は全体の7割とほとんどを占めており、生活活動代謝量は2割、残りの1割がDIT量です。基礎代謝量を高めて、さらに生活活動代謝量、DIT量も増やせば、ダイエットに効果的です。

生活活動代謝量とは、普段の生活の中で活動している時に消費されるエネルギーです。スポーツも含めて、通勤や家事、余暇を楽しんでいる時など、日常の全ての生活活動が含まれています。

生活活動代謝量は、スポーツジムに通うなど特別なことをしなくても、普段からのちょっとした心構えだけで簡単に増やすことができます。たとえば、電車通勤の人は一駅分多く歩いたり、電車の中では座らずにつま先立ちの姿勢をとるなど、ほんの少しの工夫で増やすことができます。家で過ごす時間が多い人は、少し動作を大きくしてみましょう。

DIT量とは、食事をする時に消費されるエネルギーです。食べているのにエネルギーが消費されるのかと疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、食事中や食後に汗をかく時がありますが、これは食べた物を消化するために消化器が働いて、エネルギーを必要としていることを意味しています。

また、代謝時に消費されるエネルギーもDIT量になります。唐辛子などの発汗作用があるような、新陳代謝を促す効果のある食べ物をとるようにすると、DIT量がアップします。水で薄めたお酢なども良いようです。普段の食事の中で、少し意識して摂取するように心がけてみましょう。

1日に消費されるエネルギー量は、基礎代謝量と生活活動強度指数の両方を掛け合わせて計算することができます。基礎代謝量は、生命を維持するのに必要最低限なエネルギーのことですが、生活活動強度指数とはいったい何でしょうか。

生活活動強度指数とは、私たちの普段の生活において、どのくらいの負荷がかかっているかを意味しています。厚生労働省が発表している第6次改定日本人の栄養所要量に掲載されているものによると、生活活動動作は大きく次の4つに分けられており、活動強度により、それぞれ指数が、1.3(低い)、1.5(やや低い)、1.7(適度)、1.9(高い)と当てはめられています。

それぞれの活動強度は以下のようになります。

1.3(低い)・・・安静時が多い場合。散歩や買物など、1時間程度のゆっくりした歩行のほかは、大半は座った姿勢での読書や勉強、テレビ、音楽鑑賞などをしている場合。

1.5(やや低い)・・・歩行時間がやや長く、2時間程度の場合。大半が座っている姿勢のままだが、比較的立った姿勢での作業も多い場合。

1.7(適度)・・・1時間程度のウォーキングやサイクリングなどをしている場合。また、立った姿勢でいることが多く、そのうち1時間程度は農作業など、体に負担のかかる作業をしている場合。

1.9(高い)・・・1時間程度、ハードなトレーニングをしていたり、木材の運搬や激しく体に負担のかかる仕事をしていたりする場合。


ほとんどの人は、1.3か1.5に当てはまるのではないでしょうか。しかし、望ましいとされているのは、1.7程度の活動量です。難しいかもしれませんが、1日のうちに運動をする時間をつくり、なるべく1.7の状態に近づけるように頑張ってみましょう。

1日に消費されるエネルギーには3種類あって、基礎代謝量、生活活動代謝量、食事誘導性熱代謝量があります。全体の7割を占める基礎代謝量を高めることが、ダイエットの効果的な方法ですが、その他の代謝も同時に高めれば、更に効果的にダイエットをすることができます。

その中でも、食事誘導性熱代謝量を高める方法を考えてみましょう。食事誘導性熱代謝量とは、食事をとることで消費されるエネルギーのことですが、食物のとりかたによって、代謝量を高めることができるのです。

食事をすると食べ物は消化され、エネルギーとして消費されます。この消費量は食物中の栄養素の種類によって異なり、たんぱく質は30%、糖質5%、脂質4%、炭水化物は10%がエネルギーとして消費されるのです。こうしてみると、たんぱく質が断トツに多いことがわかります。したがって、消費エネルギーを考えるなら、たんぱく質を多くとった方が効果的というわけです。

また、たんぱく質は消費エネルギーが多いだけではなく、持続時間も長くなるという、まさにダイエットにふさわしい栄養素であるといえるでしょう。たんぱく質を多く含んでいる食物は、卵やチーズ、大豆、大豆製品、魚やお肉です。お肉は噛まずに食べられるようなひき肉を使った料理ではなく、よく噛まなければならないものが効果的です。

噛むという行為は、交感神経を刺激してエネルギー消費を高めるだけでなく、ヒスタミンというホルモンを多く分泌します。このヒスタミンは、満腹中枢を刺激してくれるので、食欲を抑える働きをし、自然と食べる量も少なくなるというわけです。早食いを避けたり、野菜なども大きく切るなどして、噛む回数が増えるように心がけてみましょう。

食事誘導性熱代謝量は、1日の消費エネルギーの中では割合的には少ないですが、基礎代謝量や運動量と一緒に高めておけば、更に効果的にダイエットをすることができます。では、この食事誘導性熱代謝量を高めるにはどうしたら良いのでしょう。

まず食事の前に、軽く運動しておきましょう。食事前に運動をすると、燃焼される脂肪の量が増え、エネルギーも長く持続するようになるので、食べる量も少なくて済みます。激しい運動でなくても、軽いストレッチでも十分に効果的なので、是非実践してみてください。

次に、冷たいものよりも温かいものを食べるようにしましょう。温かいものを食べると、体がぽかぽかしてきます。体が温まって血行が良くなると、基礎代謝を高めることになります。香辛料などで胃腸を刺激し、血行を良くすることも有効です。

少し意外なのですが、食べ物を美味しい、と感じることも大切です。味覚と嗅覚が刺激されることにより、交感神経が刺激されてノルアドレナリンが分泌されます。これにより、心拍数の増加や血圧の上昇が促進され、消費エネルギーが増えるというわけです。つまり、食事は家族みんなで楽しく食べた方が良いということです。

その他に、朝食をきちんととることも大切です。食事誘導性熱代謝量は朝が最も高く、次第に低くなっていきます。夜に食べたものは消費されにくいので、夜食は太る原因になります。夕食はなるべく早い時間にすませ、朝食はしっかりとって、エネルギーとして消費しておくことをおすすめします。

人間は寒いと感じると、体温を上げるため体に溜めたエネルギーを燃やします。この時使われるエネルギーが基礎代謝ですが、冷え性で体温を上げられない人は、基礎代謝の低い人であると言えます。

私達の体には、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2つの脂肪細胞がありますが、エネルギーを燃やす細胞は、褐色脂肪細胞です。一方、白色脂肪細胞は、体の中の過剰なカロリーを中性脂肪として蓄積する働きをします。寒さを感じると、白色脂肪細胞に蓄えられているエネルギーが褐色脂肪細胞へと渡り、それを燃やして熱を生み出すのです。

褐色脂肪細胞は、首と肩甲骨付近に集中しており、ここから熱が生み出され、全身に温かい血液を送ることで体温が上がるのです。したがって褐色脂肪細胞の働きが悪いと、うまくエネルギーを燃やすことができません。つまりこの細胞を活性化することにより、基礎代謝もアップできるというわけです。

では、褐色脂肪細胞を活性化させるには、どうしたら良いのでしょう。人間の体には、寒さを感じる冷点という部分があるのですが、ここを刺激すると、寒さを敏感に感じて褐色脂肪細胞が働き、活性化につながります。

手のひらは冷点が多く、刺激するのには効果的です。そしてこの手のひらへの刺激が、最も褐色脂肪細胞の活性化になるのです。手のひらは冷点が多いだけでなく、脳への刺激も多い場所です。寒さを伝えるための情報も大量に脳に伝達されるので、より効果的に褐色脂肪細胞の活性化ができるのです。

褐色脂肪細胞は、エネルギーを燃やす働きがあります。したがって、この細胞を活性化すれば基礎代謝が上がり、ダイエット効果につながります。褐色脂肪細胞を活性化させるために、体の中でも冷たさを感じやすい部分である「手」を刺激して、褐色脂肪細胞の働きを促してやりましょう。しかし実際にはどのように刺激すれば良いのでしょうか。ペットボトルを使って簡単にできる方法があります。

まず、ペットボトルに水を入れ冷凍庫で凍らせ、その凍ったペットボトルを両手にもち、褐色脂肪細胞に働きかけます。次に、平泳ぎのように水平に腕を回して首も上下に動かします。約15秒回したら、その次はお湯で温めます。この動作を5回ほど繰り返してください。

お風呂に入った時にも、シャワーを利用して褐色脂肪細胞を刺激してあげましょう。褐色脂肪細胞は首から肩にかけて集中しているので、この部分に40度程度のお湯と、20度程度の水で交互に30秒ずつ直接シャワーをあてます。これを5回繰り返してください。しかし、寒い冬は冷たい水をあてるのは辛いので、寒い時期は無理をせず、ぬるま湯程度にしてもOKです。

温度差で刺激を与える他に、できれば水泳をすることも良い方法です。水の中では体は冷えていきますので、体温を上げる必要があるために、褐色脂肪細胞の働きが促されるのです。しかも適度な運動ができ、基礎代謝アップとしても効果的な水泳は、まさしくダイエット向きのスポーツです。いずれにしても体に負担がかかりすぎないよう、自分のペースで行ってください。

基礎代謝で消費されるエネルギーの4割は、筋肉によるエネルギー消費です。したがって効果的にダイエットするには、この筋肉を鍛えて基礎代謝を高めることが大切なのですが、筋肉を鍛える時には「超回復」がポイントになります。

筋肉の超回復とは、トレーニングにより消耗した筋肉が、休息することで元の状態に戻り、その後トレーニング前よりも向上することをいいます。この超回復の時期を狙ってトレーニングを行えば、効率的に筋肉が鍛えられるというわけです。

筋肉を超回復させるには、十分な休息と栄養が必要なので気をつけましょう。筋肉が疲労した状態で無理なトレーニングを続けると「オーバートレーニング」といって、鍛えられるどころか、以前の状態よりも弱ってしまいます。これではトレーニングをしない方が良いことになってしまいます。

トレーニングで筋肉が疲労した後は、十分に休息をとりましょう。また、アミノ酸を摂ることが、筋肉をしっかり回復させるには必要です。食事は高たんぱく質のものを摂取するように心がけ、また、高カロリー食品はとり過ぎないように注意しましょう。そして、睡眠も大切です。少なくとも6時間、ハードなトレーニング中なら8時間は必要とされています。健康のためにも、規則正しい生活をするようにしましょう。

筋肉トレーニングは、頑張り過ぎないことが大切です。筋力をたくさんつけたい人は筋肉が超回復した時に、健康のためにと考えている人は定期的にトレーニングするようにしてください。

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