ウェブブラウザのJavaScript(ジャバスクリプト)の設定が無効になっています。Javascriptが無効になっていると、サイト内の一部機能がご利用いただけません。 リクエストして頂いたお話です。キャラクターはリクエストして下さった方が考えたオリジナルキャラクターで高校生の千博君と友人の幸貴(ゆきたか)君のお話です。千博君鼻風邪引いて心配しつつ千博君のくしゃみに萌える幸貴君です。「………は、はっぐしゅん!」最悪だ……。季節の変わり目になると必ずと言って良いほど俺は風邪を引く。元々鼻が敏感みたいで変な香りとかを嗅ぐと直ぐ様鼻が反応するんだけど今回のこれは鼻風邪から来るくしゃみに違いない。そういうわけだからとにかく鼻を咬みたくてズボンのポケットを探ると中身がほとんど無いスッカスカのポケットティッシュがぐしゃぐしゃになって押し込まれていた。「…げっ!!」 マジかよ…こんな時に限って中身がほとんど無いなんて………と考えていたら鼻がむずむずして来たからくしゃみをしようと息を思いきり吸い込んだ。「………ふぇっ……ぐ!「よ!千博!早いな」肩を叩かれ振り返ると親友の幸貴が立っていた。出そうなくしゃみが止まり、喉奥で引っ掛かっている感じがする。変な感じだ。「はよ、幸…」目をしょぼしょぼさせて俺を見る千博。鼻が赤い所を見ると毎年恒例の鼻風邪だろうな。千博は毎年夏から秋に移り変わるぐらいになると鼻風邪を引く。だから千博のむずむず顔を見ると秋の訪れを感じる。千博には絶対に言えないけど。いや言うつもりも無いけど。「……ふぇっ……へ、へぐしゅ!へ、へっぐしゅん!」何というかこの鼻水垂れそうな感じ。マジで勘弁して欲しい。しかもティッシュが無い時に限って!まあ忘れてるのはこっちなんだけど…。「……っぐしゅん!は、はっぐしゅん!」仕方が無いから残り少ないポケットティッシュからティッシュを取り出して鼻を咬んだ。少しすっきりした気もするけれどむずむずはまだ俺の鼻の中にいる気がする。鼻水が垂れてきそうだ。仕方がないから幸にティッシュを借りよう。「なぁ、幸、ティッシュ持ってねぇ?」「ん」俺の問いに幸はすぐにポケットティッシュを渡してくれた。やっぱり持つべきものは親友だ。幸に感謝して鼻を咬む。手触りがすべすべしている。きっと保湿性のあるティッシュなんだろう。「は、はっぐしゅん!っぐしゅん!」千博が俺の渡したティッシュで鼻を咬んでいる。何か…良いなこういうの。上手く言えないんだけど千博がくしゃみをするのを見ると何だか変な気持ちになる。こういう言い方をするとまるで俺が千博を好きみたいだけどそれは無い。無いと信じている。「ポケットティッシュ、まだまだあるから好きなだけ使えよ」「ありがとう…ところでまだまだってどんだけあるの?」「4こ。5こ入りの持って来たから!」自信満々に話す幸。俺の友達幸貴は四人兄弟の長男だからか世話焼きで同い年なのに兄みたいに感じる事がある。ティッシュを一袋持って来るのも兄弟の事を考えてだと思うけど……うちの自由奔放な兄貴とは大違いだ。「ふ、ぇっくしゅん!っぐしゅん!…っだ~!も~!」「くしゃみ…止まらないな…」「もう最悪!この季節になると当たり前のように鼻風邪引くから…な…へぐしゅ!」ずっ…と鼻を啜る千博。すっかり涙目になって鼻はずっとひくひくしている。千博は家が寺で髪は丸坊主では無いけれど短髪にしている。千博の両親は2年前に亡くなってお兄さんがその跡を継いでいる。千博も跡取り息子として大変みたいだからもしかすると疲れから鼻風邪を引いたのかもしれないな。とっ。千博の靴音が止まる。同時に俺の靴音も止まる。俺達の通う三桜高校に着いたからだ。この先は千博にとって地獄が待っている。何故地獄かというと………「………っ………!」あ…始まった。前の席に座る千博の肩がぴくっと動く。千博って変な所で気使い屋で授業中やテスト中は絶対に物音を立てようとしない。だからくしゃみも我慢し続けるんだよな。カッ…カッ…カリカリカリ…先生のチョークの音とクラスメートのシャーペンの音だけが教室内に響く。そんな最中も千博は右手で鼻と口を覆って我慢している。しちゃえば良いのに。ツンツン…。シャーペンの先じゃない方で千博の背をつつくとビクンッ!と千博の背中が動く。「はぁっ…」と息が漏れると「な…に…?」と千博は背中で返事する。鼻と口を覆っているから声がこもって聞こえて来る。ずっ…と鼻を啜る姿は本当に苦しそうで楽にしてやりたい。そう思う反面もっと千博のくしゃみが聞きたいと思う俺はやっぱり変なのかもしれない。「なにっ…て聞いてんだけど……」「ん?千博の背中に虫が止まってたからこれで追っ払ってた」咄嗟に誤魔化す俺に千博はこっそり振り向いて言った。「…ごめ…さんきゅ…っ…」千博の純粋さに何か罪悪感を感じた。幸から背を向けて机に向かう。さっきは焦った……幸に背中をつつかれた瞬間にマジでくしゃみが出そうだった。背中から変な汗が出るのを感じながら鼻と口を押さえている手に力を入れた。そんな事をしたってむずむずは治まらないけど何もしないよりマシな気がする。何とか耐えながら一時間が終わった。~♪~♪「お、チャイム鳴ったか。じゃあ今日はこれまで」「起立!礼!着席!」やっと終わった…。いつもなら授業に集中してるのに今日は全く集中出来なかった。何とかノートは写したけれど片手で書いたからかミミズが這ったような字で何とか読めるような感じだ。帰って直せば何とかなるか。「………は、っぐしゅ!っぐしゅん!…へ、へっぐしゅん!」「くしゃみ…止まらね~な…」「あぁ…もう最悪…っぐし!」話している間も千博はくしゃみが止まらず渡したポケットティッシュが終わりかけていた。すかさず二個目のティッシュを渡す。「さすが…用意良いな…あり…へ、へっ…っぐしゅ!」「礼とかいらないから早く咬めよ」「は、はっぐしゅん!っぐしゅ!…っ…」頭だけ下げて幸が渡してくれたティッシュで鼻を咬んだが鼻が詰まっているのか全然すっきりしない。「…へ………………っぐしゅん!…ずっ…鼻詰まってるみたい…ふぇっ…………っぐじゅ!」確かに。くしゃみが出るまでの間隔が長い気がする。それにさっきから鼻を咬む時の音がすっきりしてないように聞こえる。「びー!」とか「ぶー!」とか。音に表すとそんな感じだ。それでも鼻をむずむずひくひく動かす千博を見ていると少しでも楽にしてやりたいと思う。ふと鞄のチャックを開ける。中には108円で買ったのど飴が入っていた。確かこの前少し喉が痛い時に買ったら鼻もスースーして楽になった……ような気がする。「千博、のど飴食う?鼻詰まり少しは良くなるかもしれないから」「…っ…………ぐしゃん!……貰う…」千博がそう言ったからチャックを開けてのど飴の包みを開いて一粒千博の手に握らせた。すぐに千博がそれを口に入れる。カラコロカラコロ……千博の口の中を飴が行ったり来たり。「すっきりしただろ?」「……あぁ…さんきゅ……あと何か色々ごめんな?」「気にすんなって……」千博の状態が落ち着いたのを見て俺はすっかりマシになったんだと思い込んでいた。千博、すっきりして良かったな。千博を手助け出来た事が嬉しくてニヤニヤしている顔を誰にも見られないように下を向いて目線を床に落とした。「起立!」「礼!」二時限の授業が始まった。千博の鼻風邪もかなりマシになっただろうしこれで授業にもしっかり集中出来るだろう。「え~…であるからして…こうなるわけであり…」「くあっ……」眠くて欠伸が出る。この先生の話し方って眠気を誘うんだよな。後ろの方の席だし少しぐらい寝てもバレないかな……いやいやそれはやっちゃダメだろ…自問自答も意味無く眠気に勝てずぐらんぐらんと船漕ぎ状態の中千博の姿が目に止まった。「………っ…………」あれ?一時限の時と全く変わってないような………?千博の肩はびくっびくっと震えさっき見た時と同じで鼻と口を覆っている。さっきは治ったように見えた状態が完全に悪化しているように見えるけどそう思ってるのは俺だけなのか?やっぱり………。口から空気が漏れないように両手で鼻と口を覆っている千博を見て俺は確信した。確実に千博の鼻風邪悪化してんな…。ん?でも千博の状態が悪くなったのって…さっきののど飴のせいか?………あ、そういやあののど飴、俺全く食べてなかった。辛すぎて。ああそうか。だから鞄に残ってたんだ。よくよく思い返すと辛すぎて鼻がやたらすーすーして鼻が冷たくなった感じがしてくしゃみが出やすくなったんだった。「………っ…………」まあ原因が分かったからと言って千博の鼻風邪は治らないけど。千博は必死に両手で鼻と口を覆っているけれど鼻がすーすーしすぎて大分限界に近づいているみたいだ。顔ははっきり見えないけれど辛いのは俺でも分かる。何とか必死に耐えようとするけれど整理現象には逆らえないみたいだ。両手で覆っていても我慢出来ないらしく呼吸が浅くなる。「へぇっ………」千博の口から小さい音が漏れる。相当我慢したのか顔は真っ赤で涙目だ。それでも鼻のむずむずは治まらないみたいでまだくしゃみが出そうな顔をしている。「………へっぐじゅん!」「あ」何とか堪えようとしたけれどダメだったみたいで千博の口から抑えていたくしゃみが出てしまった。1回出たらもう止められないみたいで次のくしゃみの波が千博を襲う。「っ!」ガターーーンッ!咄嗟に椅子から立ち上がった俺は勢い良く椅子を引きすぎて椅子を派手に倒してしまった。クラスメートの興味や苛立ちの視線が一気に俺に集中する。やべ……やっちゃったよ俺…「な、何事だ!?」授業を教えていた先生も驚いたような目で俺を見る。「あ、えっと…千博君が具合悪そうだから保健室に連れて行って良いですか?」「は、はぁ……どうぞ…」「ありがとうございます!千博!行くぞ!」「えっ!?は?幸!?」驚いている千博の腕を強引に引っ張り俺達は教室を出た。決して引っ込みがつかなくなったからじゃない。決して!!「…………くっ……はははっ……」「もう良いだろ、笑うなよ…」教室から大分離れた所で堪えきれず噴いてしまった。幸の奴、俺のくしゃみを他の奴に聞かれないようにしたかったらしい。俺がそういうの嫌がるって知ってるからってあんな事したら逆に目立つだろ普通。あ~ダメだっ笑いが止まらない。「いつまで笑ってんだよ…俺は千博の為にだな…」「はははっ…分かってるって、ありがとな…」そう言うと千博はまたくしゃみをした。笑ったら治まったかと思ったけど治まっていなかったみたいだ。帰ったら鼻風邪の薬飲まなきゃな……そんな事を考える間など与えずまたくしゃみが出そうになる。俺は咄嗟に手で口と鼻を押さえようとしたけれど。「さっきのお返し」と幸に手を掴まれてしまった。「えっ…幸?」「誰も見てないんだから俺の前でぐらい遠慮すんなよな…」そう言って俺の顔をじっと見つめる幸。その視線が凄く期待しているように見えるのは気のせいだろうか。「ふぇっ…っぐしょん!!」「おぉ~」我慢出来ず今日最大のくしゃみをした俺に幸は感心したように呟くと「保健室行こうぜ」とすたすたと歩き出した。