シェーバーに求められる要素は、大きく分けて2つある。ひとつは「深剃り」、そしてもうひとつは「肌へのやさしさ」だ。市場に並ぶ多くのシェーバーは、「深剃り」を強くアピールするものが多いが、実際のシェービングシーンを考えると、「深剃り」と同じぐらい「肌へのやさしさ」も重要である。せっかくキレイにシェービングしても、シェービング後の肌がヒリついたり、赤くなってしまっては、その日1日を快適にすごせないからだ。

では、そもそもなぜシェービング後に肌がヒリついたり、赤くなってしまったりするのか? それは、1度で剃りきれないヒゲを剃ろうと、何度も同じ場所にシェーバーのヘッドを押し当てなければならないからだ。ヒゲには「寝ているヒゲ」や「さまざまな方向に生えているヒゲ」などのいわゆる「くせヒゲ」があり、それらを1回のストロークで確実に剃りきることは極めて難しいことなのである。そのため、知らず知らずのうちにシェーバーのヘッドを何度も往復させたり、強く押し当てたりして、肌を傷つけてしまっているのだ。

「寝ているヒゲ」(左)や「さまざまな方向に伸びているヒゲ」(右)といった「くせヒゲ」は剃り残しやすく、しっかりと剃るためには何度もシェーバーを往復させたり、肌に強く押し当てたりする必要が出てきてしまう。その結果、肌を傷つけてしまい、シェービング後に肌のヒリつきなどを感じてしまうのだ

そこで私たちは思うのである。「どんなヒゲも確実に取り込み、1ストロークでしっかりと剃り上げるシェーバーがあればいいのに……」と。しかし、そんな夢のようなシェーバー、あるわけがない。いや、正確にはあるわけがなかった。と言うのも、2014年11月にブラウンから発売された「シリーズ9」が、「人工知能デュアル連動刃™」というテクノロジーを引っ提げ、最少ストロークであらゆるヒゲを確実にキャッチすることを実現してしまったからである。

その後の「シリーズ9」人気は、ここで改めて語るまでもないが、ブラウン独自の「深剃り」と、最少ストロークで確実に剃る「肌へのやさしさ」で、多くの人に高い満足感をもたらした。そんな「シリーズ9」が2016年9月にリニューアルされ、従来モデルを越える究極の肌へのやさしさを実現したという。次章以降で、そのテクノロジーに迫っていこう。

2016年9月にリニューアルされた「シリーズ9」の最上位モデル「9295cc」。これまでマット加工が施されていたボディには、新たにポリッシュ加工が施され、これまで以上に所有欲をくすぐる外観となった
「シリーズ9」(左)は、「寝ているヒゲ」や「さまざまな方向に伸びているヒゲ」といった「くせヒゲ」を確実にとらえて剃るため、シェーバーのヘッドを何度もゴリゴリと肌に押し付ける必要がない。だから、肌への負担が少ないのだ
動画
「シリーズ9」に搭載された「ハイブリッド5カットシステム」の仕組みを解説した動画。このテクノロジーが最少ストロークでの確実なシェービングを可能にしている

究極とも言える肌へのやさしさを実現した大きな理由となっているのが「ハイブリッド5カットシステム™」だ。「5」とは、2つの「ディープキャッチ網刃」と「チタン加工極薄リフトアップ刃™」「くせヒゲキャッチ刃」「ストレッチスキンガード」のこと。これら5つの刃が融合することで、どんな「くせヒゲ」も確実にとらえてカットする。

なかでも注目したいのは「チタン加工極薄リフトアップ刃™」だ。これは「寝ているヒゲ」の下に入り込んでしっかりとヒゲ持ち上げ、確実にカットするためのパーツだが、その素材に新たにチタン加工が施された。チタンは、高硬度で軽く、耐食性にすぐれるほか、アルミなどに比べて摩擦係数が低く、金属アレルギーを引き起こすこともないため、医療機器などに採用されることの多い金属。この素材を寝ているヒゲを持ち上げてカットするリフトアップ刃に使用することで、肌へのやさしさをこれまで以上に向上させたのだ。

また、寝ているヒゲとは別に「さまざまな方向に生えているヒゲ」をキャッチする「くせヒゲキャッチ刃」や、肌を適度に伸ばすことでスムーズなシェービングを実現する「ストレッチスキンガード」、899パターンもの異なる形状の穴を組み合わせることでさまざまな毛質や生え方のヒゲを逃さず取り込む「ディープキャッチ網刃」など、それぞれの役割を果たすパーツが緊密に連動することで、肌へのやさしさを実現している。

肌へのやさしさを実現した肝となるテクノロジーが「ハイブリッド5カットシステム™」だ。ヘッドに装備された5つの刃が連動することで、あらゆるヒゲを確実にキャッチする
トンボの羽根から発想を得て開発された「ディープキャッチ網刃」。「ハイブリッド5カットシステム™」の両端に配置され、899パターン、1064個の穴がさまざまな毛質や生え方のヒゲを逃さず取り込む
リニューアルされた「シリーズ9」の進化ポイントのひとつが、「チタン加工極薄リフトアップ刃™」。肌への摩擦を低減するチタン加工が新たに施された極薄刃が「寝ているヒゲ」の下に入り込んで持ち上げ、確実にカットする
「さまざまな方向に生えているヒゲ」の向きを揃えてカットする「くせヒゲキャッチ刃」。剃り残しがちな長いヒゲもしっかりととらえるため、最少ストロークでのシェービングが可能だ
「ストレッチスキンガード」は、シワになりやすい部分やたるみがちな部分の肌を適度に伸ばしフラットな状態にすることで、スムーズなシェービングを行えるようにする

1ストロークであらゆるヒゲを確実にキャッチする「ハイブリッド5カットシステム™」。その効果をより高めているのが、「人工知能ターボ音波テクノロジー」と「密着3Dヘッド™」という2つの独自テクノロジーだ。「人工知能ターボ音波テクノロジー」とは、毎分1万回の音波振動によって肌を震わせ、ヒゲを立たせることでより多くのヒゲをとらえる機能。ヒゲの濃さを人工知能が感知して音波振動の強弱を自動調整することで、肌に余分な負担をかけず効率的なシェービングを実現してくれる。

また、肌のあらゆる凹凸にフィットする「密着3Dヘッド™」は、前後に動くヘッドと、「ハイブリッド5カットシステム™」の上下サスペンション機能により、顔の曲面にぴったりと密着。ヘッドを肌に強く押し付けることなく、多くのヒゲを1度にとらえてくれるのだ。

「人工知能ターボ音波テクノロジー」による毎分1万回の音波振動が「ハイブリッド5カットシステム™」の効果を強力に引き出す。また、搭載された人工知能がヒゲの密度を1分間に160回も読み取り、ヒゲの濃さに合わせてピンポイントで音波振動の強弱を調整する
ヘッド自体が前後するだけでなく、「ハイブリッド5カットシステム™」の各刃が独立して上下に可動する「密着3Dヘッド™」。頬骨周辺や、下唇の下のくぼみ、アゴから首にかけてのラインなど、ヘッドを当てづらい部分にもしっかりと密着してくれる

ここまで「シリーズ9」に搭載されたブラウン独自のテクノロジーを紹介してきたが、実際の剃り心地はどうなのか気になる人も多いだろう。いくら革新的なテクノロジーが搭載されているからといって、それが実感できなければ意味がない。そこで、5日間ほどヒゲを伸ばしたスタッフが、「9295cc」を使用してみた。

「ハイブリッド5カットシステム™」や「人工知能ターボ音波テクノロジー」「密着3Dヘッド™」といったテクノロジーの威力はいかほどか? 約5日間、ヒゲを伸ばしたスタッフが実際にシェービングしてみた

まずは、「肌へのやさしさ」を実現する1ストロークでの剃り味からチェックしてみた。筆者のアゴ周りは、どちらかというと骨ばっていて急角度のカーブを描いている場所が多い。そのため、一般的なシェーバーでは、ヘッドがきちんとあたらず、何度もこすりつけるようにしてシェービングしなければかなりのヒゲを剃り残してしまう。

そんな懸念点を抱きながら、アゴ下から下唇に向けて、「9295cc」のヘッドを直線的に軽く動かしてみた。その様子をとらえたのが下の写真だが、ヘッドが通った道筋がキレイなラインとなっているではないか。これには、筆者だけでなく、検証に立ち会ったほかのスタッフや、撮影していたカメラマンなどからも驚きの声が上がった。わずか1ストロークで「ハイブリッド5カットシステム™」をはじめ、それと連動する「人工知能ターボ音波テクノロジー」や「密着3Dヘッド™」の威力を実感させられる結果となったのである。

アゴ下から下唇に向けて1ストロークでどれだけ剃れるかをチェックしてみた。結果は写真の通りで、ヘッドが通った道筋がキレイなラインとなって現れた

続いて、シェービング前後の状態を見比べてみよう。約5日間、ヒゲを伸ばしていただけあって、長いヒゲがさまざまな方向に生えていたが、少ないストロークでスピーディーに剃ることができた。同じ場所を何度も往復する必要がなく、また、力を込めてゴリゴリとヘッドを肌に当てる必要もなかったため、剃り終えた後のヒリつきや、肌の赤味もなかった。

シェービング前
シェービング後
筆者は、それほどヒゲが濃いわけではないが、約5日間も剃らないと1本1本が長くさまざまな方向に伸びて、通常なら剃り残しが出やすい状態となっていた。しかし「9295cc」でシェービングした後は、剃り残しがほとんどないきれいな仕上がりだった
シェービング前
シェービング後
「肌へのやさしさ」はもちろんだが、ブラウンらしい「深剃り」も極めて高いレベルだ。シェービングの手触りがツルツルなのは、「ハイブリッド5カットシステム™」のひとつ、「チタン加工極薄リフトアップ刃™」がヒゲをしっかりと引っ張り上げてからカットしているためだ

実際に「9295cc」を使ってみて、もうひとつ気付いた点がある。それは、非常に持ちやすい形状をしていたことだ。毎日使う電気シェーバーなだけに、すっと手になじむデザインをしているのはうれしい。しかも、洗面所に置いてひときわ存在感を放つ、高級感あふれるプレミアムなデザインも、シェービングという“朝の男の儀式”をより上質な時間にしてくれるだろう。

ブラウンの電気シェーバーといえば、洗練されたデザインも大きな魅力のひとつ。人間工学に基づき、計算され尽くしたボディは手にしっくりと馴染み、毎朝のシェービングをより快適にしてくれる
細部までこだわりが感じられ、毎日使っても飽きのこないデザイン。ヘッド部分をロックする切り替えスイッチや充電残量を示すライトなど、実用性も十分に考えられている
出張や旅行のときなどの、持ち運びに便利なトラベルケースが付いているのもうれしい。付属品にも関わらず、スタイリッシュなデザインなので、出張先で同僚から注目を集めるに違いない

日本人の多くがシェーバーに望む「肌へのやさしさ」。それを徹底追求したのが、ブラウン史上最高峰のシェーバー「シリーズ9」だ。本特集では、リニューアルされた「シリーズ9」のテクノロジーに迫るとともに、その剃り味をレビューしてきたが、搭載された「ハイブリッド5カットシステム™」や、「人工知能ターボ音波テクノロジー」「密着3Dヘッド™」といったテクノロジーのすごさを身をもって体感する結果となった。1日の始まりを、スピーディーに、そして気持ちよくスタートさせたい人にとって、「シリーズ9」は大きな満足感をもたらしてくれるはずだ。