皮膚科で処方されるほど、肌トラブルで痛んだ皮膚にやさしい保湿アイテム「ワセリン」。
昔は万能クリームと呼ばれていたこともあるくらい、信頼性の高い商品です。
でも実はワセリンには種類があって、使い方にもコツがいるということを知っていますか?
ワセリンの選び方・使い方次第では、乾燥肌に満足な効果が出ないケースもあるのです!
そこで本記事では、ワセリンの選び方・使い方といった基礎知識についてはもちろん、副作用の有無や意外な使用方法などに関しても詳しく説明していきます。
ワセリンを正しく使って、乾燥肌に効果的なお手入れをはじめてみませんか?
【乾燥肌のお助け保湿アイテム】ワセリンが人気の理由
ワセリンとは、石油を精製すると摂れる「ペトロダムゼリー」という油分から、さらに不純物を取り除いてできた軟膏です。
そんな純度の高い油分で構成されたワセリンには、乾燥肌に嬉しい3つの効果があります。
肌の潤いを守る効果
ワセリンを塗ると、肌が油分の膜で覆われます。
油分は水分をはじくので、ワセリンを塗れば、肌内部のうるおいが外に出なくなります。
肌への刺激の少なさ
ワセリンは分子の結合が非常に強く、人の体温では何の変化も起こしません。
そのためワセリンが人体に悪影響を与えることは少なく、安心して使える保湿剤として、皮膚科で処方されています。
体のどこにでも使える
肌への刺激の少なさから、ワセリンは全身に使うことができます。
乾燥しやすい肘やかかとはもちろんのこと、刺激に敏感なデリケートゾーンにも使えるため、ワセリンは大変使い勝手のよい保湿アイテムです。
肌内部の水分蒸発を防ぎ、刺激も少ないワセリンは「乾燥肌の味方」と言っても過言ではありません。
でも、実はワセリンには種類があって、選び方にもコツがいります。
続いては、自分の肌に合ったワセリンの選ぶポイントについて紹介いたしましょう。
ワセリンの種類と選ぶポイント
純度の違いによって、ワセリンは大きく4つの種類に分けられます。
黄色ワセリン(ヴァセリン)
公式価格:200g 税込み718円(2016年11月時点)
基本的に、黄色ワセリンとは薬局などでよく見かけるヴァセリンのことを指します。
ヴァセリンは雑貨品のため、薬局の他に、ドンキホーテなどでも手軽に購入できるでしょう。
価格も安く、公式サイトなら200gある大容量サイズのヴァセリンを、1,000円以下で購入することができます(2016年11月時点)。
しかしこのヴァセリンは、4種類のワセリンの中では最も精度が低いです。
精度が低いということは、成分にヴァセリン以外の不純物が混ざっているということ。
健康肌の人なら気付かない程度の含有量なのですが、乾燥などで肌が弱っている人は、わずかな不純物にも痛み・かゆみを感じやすいので注意してください。
白色ワセリン
アマゾン価格:50g 税込み270円(2016年11月時点)
白色ワセリンとは、ヴァセリンをさらに精製した軟膏です。
医療用の薬として処方されるのはこの白色ワセリンか、あるいはもっと純度の高いワセリンになります。
白色ワセリンはいろんな商品名で売られていますが、1番おすすめなのは「日本薬局方」と印字されている白色ワセリン。
日本薬局方とは、国が定めた医薬品の基準書のことです。
日本薬局方をクリアした白色ワセリンは、症状への有効性・安全性を国が保障しているということなので、安心して使うことができるでしょう。
乾燥が原因のニキビ対策にも使えます。
また、白色ワセリンは第3類医薬品という、人の診察・治療に使われる薬品の一種です。
医薬品には他に第1類・第2類がありますが、この2つに比べて、第3類医薬品は副作用がほとんどありません。
そのため白色ワセリンは薬局だけでなくネットで販売することも国に許可されており、簡単に手に入れることができるでしょう。
プロペト(プロペトホーム)
アマゾン価格:100g 税込み920円(2016年11月時点)
白色ワセリンをさらに精製したものを、プロペトと言います。
昔は医師の処方箋がないと購入できませんでしたが、「薬局でも買いたい」という要望に応え、「プロペトホーム」という名称で市販されるようになりました。
プロペトもプロペトホームも、成分は全く同じです。
プロペトはその純度の高さから、眼球に塗る軟膏に配合されることもあります。
もし白色ワセリンでも肌が痛む場合は、薬局か通販で、プロペトホームを探してみてください。
プロペトホームも第3類医薬品です。
サンホワイトP-1
公式価格:チューブ型100g オープン価格1,200円(2016年11月時点)
サンホワイトP-1とは、純度が高いプロペトをさらに精製したもののことです。
この商品ならアトピー性皮膚炎の人や、赤ちゃんでも安心して使うことができるでしょう。
ただしサンホワイトP-1は保険適用外なので、価格が高めです。
たとえば公式サイトの平型品サンホワイトP-1だと、3gで定価280円(2016年11月時点)もします。
サンホワイトP-1は取り扱い店も少なく、多くの場合、通販で購入することになるでしょう。
肌状態に合ったワセリンを選ぶことが大切
価格や購入のしやすさも気になりますが、自分の肌状態に合ったワセリンを選ぶことが何より大切です。
自分にぴったりなワセリンを選ぶポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
健康肌の人はヴァセリン
乾燥などで弱った肌は、ヴァセリンに含まれた不純物に敏感に反応し、かゆみ・痛みを感じる場合があります。
健康肌の人はヴァセリンで大丈夫ですが、肌トラブルがある人は、白色ワセリン以上に純度が高いものを選ぶと良いでしょう。
乾燥肌の人は白色ワセリン
皮膚科で、多くの乾燥肌の人に処方されるのは白色ワセリンです。
もし白色ワセリンに痛みを感じたら、乾燥肌が悪化してしまっていますので、さらに純度が高いワセリンを使ってください。
敏感肌の人や、目元に使いたい人はプロペトホーム
目元に使いたいときは、眼球に入っても安全なプロペトホームがおすすめです。
また、外の刺激にすぐ反応する敏感肌の人にも、プロペトホームが向いているでしょう。
プロペトホームが肌にしみた人はサンホワイトP-1
サンホワイトP-1は高額ですが、ワセリン4種の中で最も純度が高いものです。
赤ちゃんも使えるほど肌にやさしいワセリンなので、プロペトホームが肌にしみたら、サンホワイトP-1を探してみてください。
ワセリンとヴァセリンには大きな違いがある!
ヴァセリンとは、メーカーのユニリーバが黄色ワセリンに名づけた商品名です。
BHT
酢酸トコフェロール
という添加物が書いてあります。
BHT・酢酸トコフェロールは、ヴァセリンの酸化(成分が痛み、サビつくこと)を防止する酸化防止剤の役目を持った成分です。
ヴァセリンに酸化防止剤が配合された理由は、他の3種類と比べれば不純物が多く、成分が酸化しやすいからでしょう。
成分が酸化すると、匂いや色、性質が変化し、肌にダメージが与えられてしまうのです。
ヴァセリンは品質を長持ちさせるため、酸化防止剤を取り入れたたと推測できます。
しかし乾燥肌の人は、添加物に刺激を感じることが多いです。
なぜなら、乾燥肌の人は肌の表面に備わった、肌内部の潤いを保って外の刺激から皮膚を守る働き(肌のバリア機能)が弱っているから。
特に乾燥肌の症状が重い人は、酸化防止剤に痛みやかゆみを感じることがあり、注意が必要です。
一方、白色ワセリン・プロペトホーム・サンホワイトP-1は、成分の純度が高いため酸化防止剤が配合されていません。
乾燥で肌が痛んでしまった人は、白色ワセリン・プロペトホーム・サンホワイトP-1からスキンケア用品を選ぶようにしましょう。
さまざまな使い方ができる万能アイテムのワセリン使用法
ワセリンを効率よく使うためのポイントや、意外だけれどとっても便利な使い方を紹介します。
どれもすぐ行えるテクニックばかりですので、明日からぜひ試してみてくださいね。
ワセリンを使用した乾燥肌の対策法!
乾燥肌のスキンケアの基本は、
化粧水などで肌に潤いをあたえる(保水)
ワセリンなど、油分が配合された基礎化粧品で肌に蓋をし、潤いを閉じ込める(保湿)
の2ステップです。
油分であるワセリンには保水効果がありませんので、使用前は、必ず化粧水などで肌を潤すようにしましょう。
ワセリンを効果的に使用するためのポイント
ワセリンを塗りすぎるとベタベタし、毛穴も詰まってしまいます。
最初は少ない量からスタートし、様子を見てワセリンの量を増やしていってください。
顔全体に対して、米粒1つくらいがワセリンの適量です。
またワセリンは、塗る前に指の腹で練っておくと良いでしょう。
あらかじめ練って柔らかくしておかないと、固いワセリンは上手く伸びてくれないのです。
ちょっと意外なワセリン使用方法
鼻風邪の炎症予防にワセリン
かみ過ぎた鼻が赤くなるのは、ティッシュで擦れて傷ついた患部が、鼻水の塩分に触れて炎症するからです。
この炎症を放置したまま鼻をかみ続けると、症状はさらに悪化してしまいます。
炎症の悪化を防ぐために効果的なのが、鼻をかんだ後にワセリンを塗ることです。
油分であるワセリンは鼻水をはじくため、患部を汚れから守り、炎症を改善させてくれます。
花粉症対策にワセリン
花粉症の人の目が痒くなったり、鼻がムズムズしたりするのは、粘膜に触れた花粉に体が過敏に反応しているからです。
そこで花粉症の人におすすめしたいのが、目・鼻の周辺に米粒1つ分ほどのワセリンを塗ること。
ワセリンが花粉をキャッチして、刺激から目や鼻の粘膜を守ってくれます。
また鼻に塗るときは、鼻腔の入り口にもワセリンを塗ると効果的です。
綿棒を使い、やさしく患部にワセリンを塗ってくださいね。
ムダ毛処理にワセリン
皮膚保護剤であるワセリンは、ムダ毛処理の前に塗ると、カミソリなどの刺激から肌を守ってくれます。
ワセリンの防御力は高く、泡立てた石鹸やシャービングクリームより良いと言う皮膚科医や専門家もいるほどです。
また、ムダ毛処理をした後の肌は傷つきやすい傾向にありますが、ワセリンはそんな弱った肌のケアにも最適でしょう。
ムダ毛処理後に肌が弱る理由は、外の刺激から肌表面を守っている油分(皮脂)が減少してしまうからですが、ワセリンは、その皮脂の代わりを務めてくれるのです。
唇の保湿にワセリン
ワセリンの油分が唇の表面を覆うと、艶やかな印象になります。唇の水分蒸発も防いでくれるので、リップクリームとしてワセリンを使うのはとても効果的だと言えるでしょう。
■ワセリンと副作用の関係
「ワセリンを塗ると油焼けする」と言われることがあります。
油焼けとは、日焼けによって油がサビつき、肌に色素を与えてシミや黒ずみを作ることです。
ワセリンが油焼けすると言われる訳は、1960年頃のヴァセリンに、多くの不純物が混ざっていたことに起因します。
当時は確かに、紫外線によってサビついたたくさんの不純物がヴァセリンを傷め、油焼けの原因を作っていました。
しかし当時から50年以上経った今では、精製技術が上がり、ヴァセリンに混ざる不純物の割合は大幅に減少しています。
よって、ヴァセリンによる油焼けの心配はほとんどしなくて良いでしょう。
ただし紫外線対策には、ヴァセリンよりも純度が高い白色ワセリンやプロペトホーム、サンホワイトの方が向いています。