リマチル

どんな薬か?

 関節リウマチの治療に用いる薬です。関節リウマチなどで炎症がおこると、変性した蛋白質(たんぱくしつ)(変性蛋白)が生じて炎症を悪化させます。また、リウマチ性疾患ではライソゾームという炎症を発生させる酵素ができてきます。

 抗リウマチ剤は、変性蛋白が生じるのを抑えたり、ライソゾームの発生を抑えて炎症を鎮めるはたらきがあります。

 リウマチ性疾患が治ったのと同じ状態(緩解(かんかい))にすることも可能なので、原因療法に近い効果をもつ薬といえます。

 ただし、成分が炎症をおこしている関節などに少しずつ蓄積されてから効果が出る薬なので、効果が現れるまでに日数がかかります。あせらないで、根気よく使用することが大切です。

 また、非ステロイド抗炎症剤に比べると腎臓(じんぞう)障害などの重い副作用がおこりやすいので、医師の注意をよく聞いておき、指示通り正しく使うことが大切です。

 オーラノフィン製剤は、金を主成分とする金製剤の内服剤で、注射剤よりも多少効力は劣りますが、副作用が少ない薬です。とくに、関節リウマチの発病早期の活動性(強い痛みが続く)の場合に効果があり、注射(尖端)恐怖症の人、仕事の都合などで注射ができない人に適しています。ふつう、非ステロイド抗炎症剤を使用しても効果がないときに使われます。

 サラゾスルファピリジン製剤は、サルファ剤の一種で、免疫機構を調整することによってリウマチの炎症を抑えます。病期や病状にかかわらず幅広く用いられ、服用して1~2か月と、効果が比較的早く現れます。

 ペニシラミン製剤は、α(アルファ)アミノ酸の一種で、蛋白質変性抑制作用などがあるため、リウマチの緩解導入剤として用いられます。金製剤と同じくらい効果がありますが、金製剤と比べて副作用が強い薬です。ふつうは、非ステロイド抗炎症剤を使用しても効果がないときに使われます。服用し始めてから効果が現れるまで2~3週間かかります。この薬を使用するとビタミンB6が破壊されるので、ビタミンB6剤を同時に服用することもあります。関節リウマチの治療のほかに、重金属中毒の治療にも使われます。

 ロベンザリット2ナトリウム製剤は、免疫のはたらきを調節して、病気が進行するのを防止する効果があります。金製剤やペニシラミン製剤に比べて炎症を抑える効力は劣りますが、重い副作用がないので、長期間使用できる点が特長です。発病した早期から使用すると効果が高く、服用後12週くらい経ってから炎症がやわらいできます。

 ブシラミン製剤は、免疫の異常を改善する効果がある薬で、関節リウマチの治療に長期間服用できます。金製剤(オーラノフィン製剤)やペニシラミン製剤と同じくらい効果があり、重い副作用がほとんどみられません。

 ファルネシル酸プレドニゾロン製剤は、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンが含まれた軟膏(なんこう)で、皮膚から吸収されて深部に直接到達し、関節リウマチによる指肘(ひじ)関節の腫(は)れや痛みに効果のある薬です。

 メトトレキサート製剤は、抗体産生及びリンパ球の増殖、炎症部位への好中球の遊走を抑制したり、関節の滑膜(かつまく)組織や軟骨組織の破壊に関与するコラゲナーゼの産生を抑制するといった作用があり、関節リウマチ及び関節症状を伴う若年性特発性関節炎の治療に用いられます。ただし、この薬は、過去の治療で非ステロイド抗炎症剤及びほかの抗リウマチ剤では十分な効果が得られない場合に限って使われるものです。

 レフルノミド製剤は、免疫異常の調整作用で効果が速く現れる薬です。

 段階的治療といって、効果がなければ順次薬を替えていくのがリウマチ治療の原則です。

 まず最初に、サリチル酸系の解熱鎮痛剤を用います。これで効果がなければ、強力な抗リウマチ作用をもつ非ステロイド抗炎症剤を数か月使います。

 解熱鎮痛剤を併用したり、炎症をおこしている関節の中に副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン剤を注入する治療が行われることがあります。

 それでも効果がなければ、金製剤、ペニシラミン製剤、副腎皮質ホルモン剤のいずれかを用います。また、早めに金製剤やペニシラミン製剤を使用し始めることもあります。ただし、こうした判断は医師がするものですから、指示に従ってください。

副作用

①長期間にわたって使用しなければならないことが多い薬です。副作用を予防するには、指示通りに正しく使用する必要があります。

②発疹(ほっしん)、かゆみ、潰瘍(かいよう)、血液障害、貧血、腎臓や肝臓の障害、味覚障害などが現れたときは服用を中止して、必ず医師に報告する必要があります。ただ自分では気がつきにくい副作用もあるので、医師から指示された診察・検査は必ず受けてください。

オーラノフィン製剤を使用している人におこりやすい副作用は、発疹、かゆみ、下痢などです。また、ときに口内炎、脱毛、じんましん、胃痛、吐き気・嘔吐(おうと)、便秘、貧血、腎臓や肝臓の障害などがおこることがあります。

 サラゾスルファピリジン製剤を使用している人では、播種(はしゅ)性血管内凝固症候群(DIC)、間質性肺炎、肺線維症、伝染性単核球症様症状(発熱、発疹、かぜ様症状、リンパ節の腫(は)れ、肝機能異常など)、肝炎、肝機能障害、劇症肝炎、黄疸などがおこることがあります。また、皮膚や爪、尿や汗などの体液が黄色~黄赤色に着色されることがあります。

 ペニシラミン製剤を使用すると、重い血液障害(白血球減少など)がおこることがあります。また、かゆみ、発疹、発熱、むくみ、口内炎、吐き気・嘔吐、下痢、便秘、潰瘍、腎臓障害、ときに頭痛、めまい、味覚障害、神経炎、筋肉障害、血栓性静脈炎、アレルギー性血管炎、多発性血管炎などがおこることがあります。

 ロベンザリット2ナトリウム製剤を使用している人では、発疹、かゆみ、食欲不振、胃部不快感、吐き気・嘔吐、のどの渇き、口内炎、腎臓や肝臓の障害などがおこることがあります。

 ブシラミン製剤を使用している人は、発疹、かゆみがおこることがあります。

 また、ときに吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状、頭痛・ねむけ・味覚障害、過敏性血管炎、重症筋無力症、好酸球性肺炎、胸膜炎、乳房肥大、女性化乳房、脱毛、しびれ、倦怠感、むくみ、まれに間質性肺炎、肺線維症、皮膚粘膜眼症候群などがおこることがあります。

 アクタリット製剤を使用している人は、間質性肺炎、出血性大腸炎がおこることがあります。

 ファルネシル酸プレドニゾロン製剤を使用している人では、ステロイド皮膚(皮膚の萎縮(いしゅく)、潮紅(ちょうこう))、多毛、皮膚の剥離(はくり)、腫れ、熱感、かぶれ、疼痛(とうつう)、刺激感などがおこることがあります。また、皮膚の感染症や大量・長期・広範囲の使用により、下垂体・副腎皮質系の機能の抑制、あるいは後嚢白内障(こうのうはくないしょう)、緑内障などをおこすことがあります。このようなときは使用を中止してください。

 メトトレキサート製剤を使用している人では、重い皮膚障害、重い腸炎、ショック、冷感・呼吸困難・血圧低下などのアナフィラキシー様症状、骨髄抑制、間質性肺炎、劇症肝炎、肝不全、脳症(白質脳症を含む)などがおこることがあります。

 また、下痢・食欲不振などの消化器症状、頭痛、ねむけ、しびれ、味覚異常、倦怠感(けんたいかん)、動悸(どうき)、呼吸困難、せき、膵炎(すいえん)、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、肺炎などの感染症、腎障害などがおこることがあります。

 レフルノミド製剤では、アナフィラキシー様症状、皮膚粘膜眼症候群、中毒性皮膚壊死融解症、感染症、間質性肺炎、膵炎、吐き気、口内炎、頭痛などがおこることがあります。

 以上のような症状がおこったときは、必ず医師に相談してください。

使用上の注意

①錠剤・散剤・カプセル剤がありますが、食後の服用が原則です。かってな判断で中止したり、減量・増量せず、医師の指示通りに正しく服用してください。

 ファルネシル酸プレドニゾロン製剤は、ゲル状の軟膏で、1日数回、適量を患部に塗布します。使い過ぎると副作用がおこりやすくなります。

 関節リウマチは、朝起きたときに手がこわばったり、関節が痛んだりすることが多いものです。夜の就寝前に薬を服用すると、翌朝の症状を抑えるのに効果的です。詳しくは医師に聞いてください。

②リウマチ性疾患は原因がまだはっきりわかっていないので、根本的に治すことはできません。緩解(かんかい)(病状が治まっている状態)を続けるためには、抗リウマチ剤を根気よく使用する一方で、生活上の注意(安静・運動・食事など)を守り、病状を悪化させる寒冷・過労を避けることが大切です。

③かかっている病気、使っている薬などを、あらかじめ医師に報告してください。

④重い血液障害、腎臓・肝臓の障害、重い胃腸障害、気管支喘息(ぜんそく)、ウイルソン病、鉛・水銀・銅の中毒の人、急性間欠性ポルフィリン症、全身性エリテマトーデス、じんましんなどの慢性の皮膚病などの病気がある人や全身状態の悪い人は使用できないことがあるので、必ず医師に報告してください。

 また、メトトレキサート製剤は、骨髄抑制(血液障害)、慢性肝・腎疾患、胸水(きょうすい)・腹水(ふくすい)などのある人は使用できません。これまでに肺線維症にかかったことのある人、感染症、水痘(すいとう)、非ステロイド抗炎症剤を使用中の人、アルコール常飲者などは、使用するときに注意が必要です。

 発熱、せき、呼吸困難、口内炎、倦怠感などの症状が認められた場合は、すぐ医師に相談してください。

 ファルネシル酸プレドニゾロン製剤は、感染症にかかっている関節、潰瘍ややけど・凍傷(とうしょう)といった皮膚の損傷がある部位には使用できません。

 この薬がついた手で、目や粘膜、傷口などに触れないようにしてください。

 レフルノミド製剤では、間質性肺炎、肺線維症などの肺障害、日和見感染による肺炎のある人、またはそれらにかかったことのある人は、注意して用いてください。

⑤妊婦あるいは現在妊娠する可能性のある人、母乳で授乳中の人は、原則として使用できません。また、小児や高齢者では、使用できないことがあります。

⑥過去にペニシリン製剤、サルファ剤、サリチル酸製剤を使って過敏症状(発疹、発熱、かゆみなど)をおこしたことがある人、慢性の皮膚病のある人は、あらかじめ医師に報告してください。使用する場合は、医師の指示をより厳重に守ってください。

⑦現在使用している薬があるときは、あらかじめ医師に報告し、ほかの薬を使用するときも前もって必ず医師に相談してください。

 とくに、免疫抑制剤、抗凝血剤〔ワルファリンカリウム製剤〕、スルホニル尿素系血糖降下剤葉酸製剤ジゴキシン製剤などの薬を同時に使用すると(併用)、副作用が増強したり、効果が減少することがあります。また、金製剤とペニシラミン製剤を併用してはいけません。

⑧副作用が現れにくい徐放剤(じょほうざい)、坐剤(ざざい)、使用回数が少なくてすむ持続製剤の内服剤が開発されています。

 医師とよく相談して、自分の病状や生活にあった薬・剤型を選んでもらいましょう。