これだけ覚えればOK!ピッタリがみつかる低用量ピルの種類
何種類もある低用量ピル、違いはあるの?世代ってなに?相性ってなに?
低用量ピルって種類が多くてイマイチわかりにくい…そんなギモンを解決するために、今回は低用量ピルの種類について紹介します。
低用量ピルはホルモン量の低いピル
"低"用量ピルってなにが低いの?
ピルの種類になっている用量とは、錠剤に含まれる有効成分の量のことです。
低用量ピルとは、錠剤1錠に含まれる黄体ホルモンの量が、0.05ミリグラム未満のピルを指します。
緊急時を除く避妊や生理痛の改善、生理周期の安定などを目的とする場合、病院で処方されるピルは、低用量ピルが一般的です。
なぜ低用量ピルが一般的なの?
錠剤に含まれる黄体ホルモンの量が少ない方が、血栓症や高血圧症といった副作用のリスクが減るからです。
そもそもピルは、1960年にアメリカではじめて登場しました。この時のピルは、黄体ホルモンの量が0.05ミリグラム以上の高用量ピルです。
より副作用の少ない、からだにやさしいピルを目指して、黄体ホルモンの量を減らす研究が進められてきました。
高用量から中用量、さらに低用量とホルモン量を減らしていった結果、副作用を抑えながらもしっかりした避妊効果のある、現在の低用量ピルが開発されました。
低用量ピルの相性、世代
低用量ピルの種類は様々です。有効成分の配分量、黄体ホルモンの種類、服用法によってわかれています。
相性は有効成分の配分量
低用量ピルは、黄体ホルモンと卵胞ホルモンでできています。ふたつのホルモンが、錠剤に一定の比率で入っているピルを、1相性(いちそうせい)ピルと呼びます。
世代は黄体ホルモンの種類
低用量ピルは、黄体ホルモンが開発された順番によって3種類。第1世代、第2世代、第3世代にわけられています。世代による違い、特徴をみてみましょう。
| 販売名 | 製造販売元 | 世代 | 区分 | 保険適応 |
|---|---|---|---|---|
| オーソM-21錠 | ヤンセン | 1 | 低用量 | 不可 |
| オーソ777-21錠 | ヤンセン | 1 | 低用量 | 不可 |
| シンフェーズT28錠 | 科研製薬 | 1 | 低用量 | 不可 |
| ルナベル配合錠LD | ノーベル | 1 | 低用量 | 可 |
| ルナベル配合錠ULD | ノーベル | 1 | 低用量 | 可 |
| トリキュラー錠21 | バイエル | 2 | 低用量 | 不可 |
| トリキュラー錠28 | バイエル | 2 | 低用量 | 不可 |
| ラベルフィーユ21錠 | 富士製薬 | 2 | 低用量 | 不可 |
| ラベルフィーユ28錠 | 富士製薬 | 2 | 低用量 | 不可 |
| アンジュ21錠 | あすか製薬 | 2 | 低用量 | 不可 |
| アンジュ28錠 | あすか製薬 | 2 | 低用量 | 不可 |
| マーベロン21 | MSD | 3 | 低用量 | 不可 |
| マーベロン28 | MSD | 3 | 低用量 | 不可 |
| ファボワール錠21 | 富士製薬 | 3 | 低用量 | 不可 |
| ファボワール錠28 | 富士製薬 | 3 | 低用量 | 不可 |
| ヤーズ配合錠 | バイエル | 4 | 超低用量 | 可 |
第1世代ピル
第1世代ピルは、黄体ホルモンとして一番最初に開発されたノルエチステロンを使用したピルです。
卵胞ホルモンの作用が弱いために、黄体ホルモン量が多くなる傾向があります。
第2世代ピル
第1世代の黄体ホルモン量を抑える目的で、1970年代に開発された第2世代ピルは、レボノルゲストレルを使用しています。
黄体ホルモンの総量を低く抑えながら、効き目の強い点が特徴です。
第2世代ピルは効き目の代償としてニキビが出る、体毛が濃くなる、体重が増えるなどの男性化作用(アンドロゲン作用)が問題になりました。
このため段階的にホルモン量を減らして影響を抑えています。第2世代ピルのほとんどが段階型ピルなのはこのためです。
第3世代ピル
第2世代ピルの効き目を維持しながら、男性化作用(アンドロゲン作用)を抑える研究が進められました。
1980年代に開発されたのがデソゲストレル、ゲストゲン、ノルゲスチメイトなどの第3世代ピルです。
結果的には、男性化作用(アンドロゲン作用)による副作用を抑えることに成功した代わりに、血栓症のリスクが高くなったと報告されています。この問題に関しては、現在でも各国で議論が続いています。
以下では具体的な低用量ピルの商品を、世代ごとに分類しました。国内のクリニックで処方されている様々な種類のピルをみていきます。
ノルエチステロン・NET(第1世代)
ノルエチステロン(NET)とエチニルエストラジオール(EE)を配合する第1世代の低用量ピルは、消退出血の量が少ない、月経困難症のコントロールに有効、子宮内膜症の治療効果が高いという特徴があります。
オーソM-21錠
黄体ホルモン・ノルエチステロンの量が一定量(1mg)の1相性ピル。卵胞ホルモン・エチニルエストラジオールの量も一定で0.035mg。
1周期あたりのホルモン総量はノルエチステロンが21mg、エチニルエストラジオールが0.735mg。
製造販売元はヤンセンファーマ株式会社、日本国内での発売元は持田製薬株式会社。
| プロゲストーゲン | 含有量 | エストロゲン | 含有量 | 錠数 |
|---|---|---|---|---|
| NET | 1mg | EE | 0.035mg | 21 |
オーソ777-21錠
黄体ホルモン・ノルエチステロンの量が7日ずつ3段階(0.5mg, 0.75mg, 1mg)に変化する段階型ピル。卵胞ホルモン・エチニルエストラジオールの量は一定で0.035mg。
1周期あたりのホルモン総量はノルエチステロンが15.75mg、エチニルエストラジオールが0.735mg。
製造販売元はヤンセンファーマ株式会社、日本国内での発売元は持田製薬株式会社。
| プロゲストーゲン | 含有量 | エストロゲン | 含有量 | 錠数 |
|---|---|---|---|---|
| NET | 0.5mg | EE | 0.035mg | 7 |
| NET | 0.75mg | EE | 0.035mg | 7 |
| NET | 1mg | EE | 0.035mg | 7 |
シンフェーズT28錠
黄体ホルモン・ノルエチステロンの量が7日ずつ3段階(0.5mg, 1mg, 0.5mg)に変化する段階型ピル。卵胞ホルモン・エチニルエストラジオールの量は一定で0.035mg。
1周期あたりのホルモン総量はノルエチステロンが15.0mg、エチニルエストラジオールが0.735mg。
製造販売元は科研製薬株式会社。
| プロゲストーゲン | 含有量 | エストロゲン | 含有量 | 錠数 |
|---|---|---|---|---|
| NET | 0.5mg | EE | 0.035mg | 7 |
| NET | 1mg | EE | 0.035mg | 9 |
| NET | 0.5mg | EE | 0.035mg | 5 |
ルナベル配合錠LD / ルナベル配合錠ULD
ルナベル配合錠LDとルナベル配合錠ULDは、いずれも黄体ホルモン・ノルエチステロンの量が一定量(1mg)の1相性ピル。LDとULDでは卵胞ホルモン・エチニルエストラジオール(EE)の含有量が異なり、ルナベル配合錠LDはEEが0.035mg。ルナベル配合錠ULDはEEが0.02mgに抑えられている。
ルナベル配合錠LDの1周期あたりのホルモン総量は、ノルエチステロンが21mg、エチニルエストラジオールが0.735mg。ルナベル配合錠ULDの1周期あたりのホルモン総量は、ノルエチステロンが21mg、エチニルエストラジオールが0.42mg。
製造販売元はノーベルファーマ株式会社、日本国内での発売元は富士製薬工業株式会社。
ルナベル配合錠LD
| プロゲストーゲン | 含有量 | エストロゲン | 含有量 | 錠数 |
|---|---|---|---|---|
| NET | 1mg | EE | 0.035mg | 21 |
ルナベル配合錠ULD
| プロゲストーゲン | 含有量 | エストロゲン | 含有量 | 錠数 |
|---|---|---|---|---|
| NET | 1mg | EE | 0.02mg | 21 |
ルナベルは症状によって健康保険が適用される
ルナベルは健康保険が適用される、数少ない低用量ピルのひとつ。ただし、保険がきくのは月経困難症の治療を目的とする場合のみ。避妊を目的として希望した場合は、自由診療として扱われます。
上記以外の第1世代の低用量ピル
- ノリニールT28錠
レボノルゲストレル・LNG(第2世代)
レボノルゲストレル(LNG)とエチニルエストラジオール(EE)を配合する第2世代の低用量ピルは、現在国内で一番処方数が多いタイプ。レボノルゲストレルの作用で子宮内膜が安定するため、服用中の不正出血の頻度が少ない、休薬中の月経がきちんと起こるという特徴があります。
トリキュラー錠21 / トリキュラー錠28
黄体ホルモン・ノルエチステロンの量が6錠、5錠、10錠で3段階(0.05mg, 0.075mg, 0.125mg)に変化する段階型ピル。卵胞ホルモン・エチニルエストラジオールの量も同じく3段階(0.03mg, 0.04mg, 0.03mg)に変化する。
1周期あたりのホルモン総量はレボノルゲストレルが1.925mg、エチニルエストラジオールが0.68mg。
トリキュラー錠21とトリキュラー錠28の違いは、偽薬7錠分の有無。製造販売元はバイエル薬品株式会社。
| プロゲストーゲン | 含有量 | エストロゲン | 含有量 | 錠数 |
|---|---|---|---|---|
| LNG | 0.05mg | EE | 0.03mg | 6 |
| LNG | 0.075mg | EE | 0.04mg | 5 |
| LNG | 0.125mg | EE | 0.03mg | 10 |
アンジュ21錠 / アンジュ28錠
黄体ホルモン・ノルエチステロンの量が6錠、5錠、10錠で3段階(0.05mg, 0.075mg, 0.125mg)に変化する段階型ピル。卵胞ホルモン・エチニルエストラジオールの量も同じく3段階(0.03mg, 0.04mg, 0.03mg)に変化する。
1周期あたりのホルモン総量はレボノルゲストレルが1.925mg、エチニルエストラジオールが0.68mg。
アンジュ21錠とアンジュ28錠の違いは、偽薬7錠分の有無だけ。
トリキュラーのジェネリック医薬品で、成分の配合比率がまったく同じ。価格もトリキュラーに比べて割安。
製造販売元はあすか製薬株式会社、発売元は武田薬品工業株式会社。
| プロゲストーゲン | 含有量 | エストロゲン | 含有量 | 錠数 |
|---|---|---|---|---|
| LNG | 0.05mg | EE | 0.03mg | 6 |
| LNG | 0.075mg | EE | 0.04mg | 5 |
| LNG | 0.125mg | EE | 0.03mg | 10 |
ラベルフィーユ21錠 / ラベルフィーユ28錠
黄体ホルモン・ノルエチステロンの量が6錠、5錠、10錠で3段階(0.05mg, 0.075mg, 0.125mg)に変化する段階型ピル。卵胞ホルモン・エチニルエストラジオールの量も同じく3段階(0.03mg, 0.04mg, 0.03mg)に変化する。
1周期あたりのホルモン総量はレボノルゲストレルが1.925mg、エチニルエストラジオールが0.68mg。
ラベルフィーユ21錠とラベルフィーユ28錠の違いは、偽薬7錠分の有無だけ。
トリキュラーのジェネリック医薬品で、成分の配合比率がまったく同じ。価格もトリキュラーに比べて割安。
製造販売元は富士製薬工業株式会社。
| プロゲストーゲン | 含有量 | エストロゲン | 含有量 | 錠数 |
|---|---|---|---|---|
| LNG | 0.05mg | EE | 0.03mg | 6 |
| LNG | 0.075mg | EE | 0.04mg | 5 |
| LNG | 0.125mg | EE | 0.03mg | 10 |
上記以外の第2世代の低用量ピル
- ロエッテ
- リビアン28
デソゲストレル・DSG(第3世代)
デソゲストレル(DSG)とエチニルエストラジオール(EE)を配合する第3世代の低用量ピルは、男性ホルモン(アンドロゲン作用)を押さえる効果が高いという特徴があります。海外ではにきびの治療や多毛症の改善にも処方されています。
マーベロン21 / マーベロン28
黄体ホルモン・デソゲストレルの量が一定量(0.15mg)の1相性ピル。卵胞ホルモン・エチニルエストラジオールは0.03mg。
1周期あたりのホルモン総量はデソゲストレルが3.15mg、エチニルエストラジオールが0.63mg。
マーベロン21とマーベロン28の違いは、偽薬7錠分の有無だけ。
製造販売元はMSD株式会社。
| プロゲストーゲン | 含有量 | エストロゲン | 含有量 | 錠数 |
|---|---|---|---|---|
| DSG | 0.15mg | EE | 0.03mg | 21 |
ファボワール錠21 / ファボワール錠28
黄体ホルモン・デソゲストレルの量が一定量(0.15mg)の1相性ピル。卵胞ホルモン・エチニルエストラジオールは0.03mg。
1周期あたりのホルモン総量はデソゲストレルが3.15mg、エチニルエストラジオールが0.63mg。
ファボワール錠21とファボワール錠28の違いは、偽薬7錠分の有無だけ。
マーベロンのジェネリック医薬品で、成分の配合比率がまったく同じ。価格もマーベロンに比べて割安。
製造販売元は富士製薬工業株式会社。
| プロゲストーゲン | 含有量 | エストロゲン | 含有量 | 錠数 |
|---|---|---|---|---|
| DSG | 0.15mg | EE | 0.03mg | 21 |
上記以外の第3世代の低用量ピル
- マーシロン21 / マーシロン28
- ノベロン
ドロスピレノン・DRSP(第4世代)
ドロスピレノン(DRSP)とエチニルエストラジオール(EE)を配合する第4世代の低用量ピルは、にきびがや吹き出物に効果がある、利尿作用でむくみにくいという特徴があります。2013年には血栓症・血栓塞栓症の死亡例が報告されニュースになりました。
ヤーズ配合錠
黄体ホルモン・ドロスピレノンの量が一定量(3mg)の1相性ピル。卵胞ホルモン・エチニルエストラジオールは0.02mg。
1周期あたりのホルモン総量はドロスピレノンが72mg、エチニルエストラジオールが0.48mg。
28日間を1周期とするのは他の低用量ピルと同じだが、ヤーズは実薬が24錠で偽薬が4錠という組み合わせ。
製造販売元はバイエル薬品株式会社。
| プロゲストーゲン | 含有量 | エストロゲン | 含有量 | 錠数 |
|---|---|---|---|---|
| DRSP | 3mg | EE | 0.02mg | 24 |
ヤーズは症状によって健康保険が適用される
ヤーズは健康保険が適用される、数少ない低用量ピルのひとつ。ただし、保険がきくのは月経困難症の治療を目的とする場合のみ。避妊を目的として希望した場合は、自由診療として扱われます。
上記以外の第4世代の低用量ピル
- ヤスミン
- ヤミニ
ピルの種類はいかがでしたか?
前世代のデメリットを補うよう、新しい低用量ピルが開発されてきましたが、一概に新しいものが良い、と言い切れないのが、低用量ピルの難しいところです。
女性はひとりひとり体内のホルモン環境が異なるうえに、日によっても常に変動しています。どの低用量ピルが合うのかは十人十色です。
世代の特徴やメリット、デメリットを理解したうえで、自身に合った種類の低用量ピルを選択しましょう。