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| タイトル: | 特許公報(B2)_脂肪族化合物含有美白剤 |
| 出願番号: | 2008516053 |
| 年次: | 2012 |
| IPC分類: | A61K 8/36,A61K 8/37,A61Q 19/02 |
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玉井 忠和岡田 剛室田 一貴 JP 4954988 特許公報(B2) 20120323 2008516053 20071009 脂肪族化合物含有美白剤 株式会社マルハニチロ水産 000003274 小野 新次郎 100140109 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 松本 謙 100108899 玉井 忠和 岡田 剛 室田 一貴 JP 2006276030 20061010 20120620 A61K 8/36 20060101AFI20120531BHJP A61K 8/37 20060101ALI20120531BHJP A61Q 19/02 20060101ALI20120531BHJP JPA61K8/36A61K8/37A61Q19/02 A61K 8/36 A61K 8/37 A61Q 19/02 CA/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus(JDreamII) 国際公開第2002/102364(WO,A1) 特開平01−093520(JP,A) 特開平03−209305(JP,A) 国際公開第2005/115324(WO,A1) 特開平06−157284(JP,A) Yamamoto et al.,Identification of putative metabolites of docosahexaenoic acid as potent PPARγ agonists and antidiabetic agents,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2005年,Vol.15,第517-522頁 Itoh et al.,Synthesis of docosahexaenoic acid derivatives designed as novel PPARγ agonoists and antidiabetic agents,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2006年,Vol.14,第98-108頁 Wiechers et al.,A new mechanism of action for skin whitening agent: binding to the peroxisome proliferator-activated receptor,International Journal of Cosmetic Science,2005年,Vol.27,第123-132頁 6 JP2007069699 20071009 WO2008047633 20080424 15 20080325 八次 大二朗 本発明は、人体に対する安全性に優れ、且つメラニンの産生を抑制することによる優れた美白効果を有する美白剤、該美白剤からなる皮膚外用剤や化粧料、及び人体に対する安全性に優れ、且つメラニンの産生を高い割合で抑制できるメラニン産生抑制剤に関する。 シミ・ソバカスは重大な肌の悩みとされる。その原因物質メラニンは、日光の紫外線やホルモンバランスの乱れによって、表皮中のメラノサイトが活性化されることにより産生される。メラニン合成系は、チロシナーゼを律速酵素とする一連の酸化反応であることから、シミ・ソバカスの改善のためには、従来、チロシナーゼ阻害剤や種々の抗酸化剤などメラニン合成系に直接働きかける素材が用いられてきた(非特許文献1を参照)。近年、メラノサイトを活性化する種々の因子も知られるようになり、これらの刺激因子に対する素材も報告されるようになってきた(特許文献1を参照)。 チロシナーゼ阻害作用を有するアルブチンやエラグ酸、抗酸化作用を有するビタミンCやビタミンE、及びその誘導体は、何れもメラニン合成系に直接働きかける美白剤であることが知られている(非特許文献1を参照)。特にビタミンCは古くから外用や内服の何れにも用いられている安全性の高いものであるが、反面、著しい効果は期待できない。 又、核内受容体として知られるペルオキシソーム活性化受容体(PPAR)が正常な皮膚の分化誘導に関与していてその活性化物質を美白剤として開発しようという動きが報じられている(非特許文献2を参照)。つまり、PPAR作動性を示す octadecenedioic acidが皮膚細胞におけるチロシナーゼの発現を抑制して美白効果を示すとされている。 一方、PPAR作動性を示すインスリン抵抗性改善薬による美白効果を評価した結果、メラニン蓄積を抑制するどころか逆に促進する場合があると示されている。これらの薬剤はPPARに作動してメラニン合成における律速酵素であるチロシナーゼの発現を抑制するものの、チロシナーゼ活性そのものを促進してしまい、それによって、全体としてメラニンを蓄積させたと考察されている。つまり、皮膚におけるメラニン蓄積は、(i)チロシナーゼの発現、(ii)チロシナーゼの活性増減の二つのメカニズムによって制御されていると考察されている。したがって、PPAR作動性、すなわちメラニン抑制作用がある と単純な構図にならないと示されている(非特許文献3を参照)。 したがって、PPAR作動性を示す物質がチロシナーゼの作用に何らかの影響を与えることが示唆されているにすぎないと言える。 PPAR作動性を示す化合物としてチアゾリジンジオン系のインスリン抵抗性改善薬などが知られているがこれらの薬剤は肥満の進行、浸潤やげっ歯類ではがん原性を示すなどの副作用があると言われている。PPAR作動性のチアゾリジンジオン系化合物は絶対的な安全性が求められる化粧品素材として必ずしも適しているといえない。 以下に本発明の理解を容易にするためシミ・ソバカスのような色素沈着や美白剤についての一般的な事項、及び美白剤の従来例について詳細に説明する。1.皮膚の色と色素異常 一般的に日本人の皮膚色は淡黄色であり、この皮膚色は主に皮膚に存在する4種類の色素によって決定されると言われている。即ち、表皮層のメラニン色素、表皮、及び皮下脂肪内のカロチン、真皮内動脈血液中の酸化ヘモグロビンならびに真皮内静脈血液中の還元ヘモグロビンである。さらにこの皮膚色は表皮突起や皮溝、また角質層内の水分含有量などによる光の反射或いは分散により修飾されることがある。ただし皮膚色の個人差を決定するのに最も重要な因子はメラニン色素で、その量と分散状態により各個人の色素量は決定される。 一方、病的な皮膚色の主なものは黒褐色と白色で、この異常はメラニン色素の量により、色素沈着と色素脱失に大別される。そして、前者はさらにメラニン色素沈着の深度により、表皮性色素沈着と真皮性色素沈着に分けられる。2.メラニンと色素異常 一般にメラニンはその生成経路により、チロシンから形成される高分子の重合体で、殆ど全ての溶媒に不溶な黒色ないし褐色の有機化合物である。このメラニンは色の違いなどにより、褐色または赤色のフェオメラニンと黒褐色のユウメラニンの2種類がある。フェオメラニンは生理過程において、ドーパキノン以降の生成経路に枝分かれして合成され、ユウメラニンはドーパクロム以降の生成経路で合成される。過去において両メラニンとも、チロシナーゼが唯一の活性酵素であり、チロシンからメラニンまでの合成は自発的に高分子化が進むものと考えられてきた。しかし、現在ではユウメラニンの生成経路において、チロシナーゼ以外の2酵素、即ちドーパクロムからジヒドロキシインドールカルボン酸への変換酵素である、ドーパクロムトートメラーゼとジヒドロキシインドールカルボン酸からインドールキノンカルボン酸への変換酵素である、ジヒドロキシインドールカルボン酸オキシダーゼの存在が明らかになってきた。 色素異常には黒斑と白斑とがあるが、メラニン色素が過剰に産生され、何らかの原因で皮膚内に長期間貯留している状態が色素沈着であり、メラニン色素が皮膚内に全く、或いは殆ど認められない状態が色素脱失である。 なお、美白剤の対象は、色素異常症のうち表在性色素沈着症と考えられるが、真皮性色素沈着症も含める。3.美白剤 a.定義と対象疾患 美白剤は「皮膚のメラニン色素の異常に増加した部位に作用し、組織の損傷を伴わずにメラニン色素の生成を阻害し、或いはその排出また破壊を促進し、安全にこれら色素の減少を誘導できる薬剤」と定義できる。そして、種々の報告から、美白剤は肝斑、扁平母斑、炎症後の色素斑などの basal pigmentationに分類される一部の色素沈着症及びレーザー治療後のメラニン再沈着の抑制などに対し有効であると考えられる。 b.薬事法と美白剤 わが国における薬事法によると、現代医薬品の美白剤は、医療用医薬品、並びに一般用医薬品(OTC)の何れとしても承認されていない。しかしながら、化粧品及び医薬部外品の中に「日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ」という効能・効果を有する製品が存在し、これらがいわゆる美白剤と認識されている。 わが国における戦前、或いは戦後間もなく、美白剤として化粧品などにその配合が認められていたハイドロキノン(HQ)、及びハイドロキノンモノベンジルエーテル(MBH)は副作用として白斑が出現することが内外の研究者により指摘された。厚生省は昭和32年、HQ、及びMBHの化粧品への配合を禁止し、以後、それらの製品はわが国の市場から姿を消していた。しかし、2001年の規制緩和に伴い、安全性に関するメーカーの自主責任の上、使用しても構わないこととなっている。 c.美白剤の使用別分類 使用可能の有無は別として、美白剤としてその有効性が認められている物質を、作用機序別に分類すると、おおむね下記の 4分類に大別される。 1)紫外線カット剤 UVAまたはUVBを吸収するかもしくは散乱させることにより、メラニン色素の産生を抑制するもの。 酸化チタン、ウロカニン酸、γ-オリザノール、オキシベンゼン、パラアミノ安息香酸などがある。 2)角質剥離促進剤 新陳代謝を活発にさせると、基底層の分化・分裂が盛んになり、古い角質が容易に剥離される。角質の剥離或いは表皮 turn overを促進させ、最終的に分化の過程で生成したメラニン色素の排出を容易にするもの。 サリチル酸、レゾルシン、ビタミンA酸、プラセンタエキス、α-ヒドロキシ酸などがある。 3)メラニン合成阻害剤 直接メラニン色素の合成を阻害し、色素沈着を抑制するもの。 ビタミンC、及びその誘導体、ピオニン、グルタチオンなどがある。 4)チロシナーゼ活性阻害剤 メラニン色素生成に関与するチロシナーゼの活性を阻害し、色素沈着を抑制するもの。 HQ、MBH、アゼライン酸、コウジ酸、アルブチン、エラグ酸、油溶性甘草エキス(グラブリジン)などがある。4.従来技術の問題点 上記の各物質は様々な問題点をもっている。例えば、ビタミンCは安定性に難があり、コウジ酸は一応効果が認められているもののその有効性は充分と言えない。HQはそれなりの美白効果が認められるが、刺激性、及びアレルギー性があり、2001年の規制緩和に伴ってメーカーの責任において使用できるようになったものの、安全性に不安が残る。 そこで、新規な作用機作を示す美白剤の開発が望まれている。5.課題を解決する方法 皮膚の皮膚たる所以である角質層は、基底層から分裂した細胞が脱核しながら表皮層に移行し、物理的バリアとして表皮層を形成する。基底層から表皮層に到る分化の過程において、特異的皮膚マーカーである Notch-1、 Jagged-1、 Keratin-1、 Involucrin、及び Loricrinなどが順次発現する (非特許文献4を参照)。同様に皮膚で発現している核内受容体であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体 (PPARα、β、或いはγ)も胎児の成長に伴って消長し、胎児〜出生後の皮膚の成長に重要な役割を担っているものと考えられている(非特許文献5を参照)。 本発明者らは、PPARγ作動性を示すドコサヘキサエン酸DHAの水酸化誘導体(非特許文献6、7を参照)を見出し、報告している。しかし、これらの誘導体が実際に美白効果を示すかどうかや、示したとして、これらの誘導体のうち、いずれの化合物が優れた美白効果を示すか等については確認されていなかった。 要するに、従来提案されている美白剤では、人体に対する高い安全性と優れた美白効果とを両立できておらず、人体に対する高い安全性を有し、且つより高いメラニン産生抑制効果を有し美白効果に優れた美白剤の開発が要望されている。特開2005−272447号公報美容皮膚科プラクティス:南山堂(2000)International Journal of Cosmetic Science 27, 2005, 123-132British J of Dermatology 2004, 150, 462-468Cell Death and Differentiation 2002, 9, 842-855The Journal of Cell Biology 2001, 154, 4, 799-814Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 15, 2005, 517-522Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14, 2006, 98-108 従って、本発明は、人体に対して高い安全性を有し、且つ高いメラニン産生抑制効果を有し、美白効果に優れた美白剤を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、DHA派生物質として生体内に存在し、人体に対して安全性に優れた種々の酸化誘導体が、従来の美白剤と異なるPPAR作動性をメカニズムとして皮膚組織におけるメラニン蓄積を抑制する事実を見出し、本発明を完成させるに至った。 すなわち、本発明は、 式I:(式中、Rは水素又はC1〜10の直鎖、分岐鎖でもよいアルキル基であり、R’は水素若しくはC1〜10の直鎖、分岐鎖でもよいアルキル基、又はOR’が一緒になってカルボニル基を形成する。)で表される脂肪族化合物若しくはその立体異性体、光学異性体、またはそれらの製剤学的に許容される塩を含有することを特徴とする美白剤を提供するものである。 また、本発明は、式Iで表される脂肪族化合物若しくはその立体異性体、光学異性体、またはそれらの製剤学的に許容される塩を含有することを特徴とするメラニン産生抑制剤を提供するものである。 本発明の美白剤は、人体に対して高い安全性を有し、且つ高いメラニン産生抑制効果を有し、美白効果に優れたものである。 また、本発明のメラニン産生抑制剤は、人体に対して高い安全性を有し、且つ高いメラニン産生抑制効果を有するものである。図1は、本発明の製剤がメラニンの蓄積を抑制する効果を確認する図表である。 以下、本発明について更に詳細に説明する。 本発明の美白剤及びメラニン産生抑制剤は、 式I:(式中、Rは水素又はC1〜10の直鎖、分岐鎖でもよいアルキル基であり、R’は水素若しくはC1〜10の直鎖、分岐鎖でもよいアルキル基、又はOR’が一緒になってカルボニル基を形成する。)で表される脂肪族化合物若しくはその立体異性体、光学異性体、またはそれらの製剤学的に許容される塩(以下、本明細書においてはこれらを総称して「有効成分」という)を含有することを特徴とする。〔有効成分〕 上記有効成分としての上記脂肪族化合物について説明する。 Rで表されるC1〜10の直鎖、分岐鎖でもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ならびに直鎖及び分岐鎖状のペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられる。 R’で表されるC1〜10の直鎖、分岐鎖でもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ならびに直鎖及び分岐鎖状のペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられる。 また、「OR’が一緒になってカルボニル基を形成する」とは、式中のCOR’で表される部分が>C=O構造であるという意味である。 上記脂肪族化合物の具体例としては、以下の化合物等が挙げられる。 脂肪族化合物の立体異性体としては、( 5Z, 7Z, 10Z, 13Z, 16Z, 19Z)-4-hydroxy-5, 7, 10, 13, 16, 19-docosahexaenoic acid)、( 5Z, 7Z, 10Z, 13Z, 16Z, 19Z)-4-oxo-5, 7, 10, 13, 16, 19-docosahexaenoic acid)が挙げられる。 脂肪族化合物の光学異性体としては、( 5E, 7Z, 10Z, 13Z, 16Z, 19Z)-4R-hydroxy-5, 7, 10, 13, 16, 19-docosahexaenoic acid)、( 5E, 7Z, 10Z, 13Z, 16Z, 19Z)-4S-hydroxy-5, 7, 10, 13, 16, 19-docosahexaenoic acid)が挙げられる。 「製剤学的に許容される塩」としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩が挙げられるがこれに限定されるものではない。また、アセトン、エタノール、水などとの溶媒和物としても用いることができる。 上記有効成分は、それぞれ単独でもまた2種以上混合して用いることもできる。〔有効成分の吸収〕 化合物II(4-ヒドロキシDHA)は、正常なラットを使った吸収試験の結果、経口投与した後のラットの血清、或いはリンパ液中に確認されたことが報告されている(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 15、 `2005、p 520右欄の中段)。又、化合物IIIのメチルエステル(4-ケトDHAメチルエステル)はレプチン受容体を欠失させた db/dbマウス、或いは zuckerラットに経口経路で反復投与した結果、どちらの動物も血糖値が有意に低下されたと示されている(同文献 p. 521表 2)。従がって、化合物IIIのメチルエステルは経口投与後、血中に移行し標的臓器に到達して薬効を発現したと推測される。一般に、脂肪族化合物のエステルは小腸内に於いて膵リパーゼによる消化の後、脂肪酸に分解されることは当業界で周知である。このようなBioorganic & Medicinal Chemistry Letters 15、 `05、 517-522に記載の内容と、一般的な消化・吸収に関する周知事実を踏まえれば、化合物III(4-ケトDHA)が経口吸収性を示し血中に移行することは容易に推測される。従がって、化合物II、或いは化合物IIIはいずれも経口投与した場合に血中に吸収されることが示されているので、皮膚においてばかりでなく、内服、或いは食品として経口で摂取した場合においても本発明の有効成分は美白などの好ましい効果を期待できる。〔有効成分の入手〕 上記有効成分は、公知化合物は市販品として入手できるか又はそれぞれ公知の手法に従って製造することができる。すなわち、4−ヒドロキシDHAは和光純薬工業株式会社から入手できる。又、4−ケトDHAは、4−ヒドロキシDHAから、例えば、下記のようにして製造できる。 窒素雰囲気下、室温でDess-Martin Periodinane(Aldrich社) (370 mg, 0.872 mmol)のCH2Cl2 (5.8 mL) 溶液にEt3N (484 μl, 3.49 mmol) 存在下、4−ヒドロキシDHA(200 mg, 0.581 mmol) を加え30分攪拌した後、水 (2 mL) を加えCH2Cl2 (5 mL) で抽出し、乾燥 (MgSO4)、溶媒留去する。得られた残渣をシリカゲル (20 g) カラムクロマトグラフィー (10% AcOEt/hexane)で精製し、4−ケトDHA(51 mg, 26%)を得る。〔製剤の形態〕 本発明の美白剤又はメラニン産生抑制剤は、溶解液や乳液などの液剤、ローション、軟膏、パック及びクリームなどの形態で使用できる。 本発明の製剤は、上記剤形の形態で化粧料、食品類、医薬品類、医薬部外品類若しくは皮膚外用剤等として使用することができる。すなわち、本発明の美白剤は、本発明の美白剤からなることを特徴とする皮膚外用剤や本発明の美白剤からなることを特徴とする化粧料として使用することができ、皮膚外用剤の好ましい形態としては、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤等が挙げられ、化粧料の好ましい形態としては、乳液、パック、クリーム等が挙げられる。〔他の成分〕 本発明の製剤を皮膚外用剤または化粧料として用いる場合、発明の効果を損なわない質的、及び量的範囲で、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば、1,3-ブチレングリコール、エタノール、メタノール及び精製水などの溶媒、パラベンなど保存剤、ヒノキチオールなどの殺菌剤、白色ワセリン、スクワラン、及びパラフィンなどの油分、イソオクタン酸セチル、カプリン酸セチル及びモノオレイン酸グリセリンなどのエステル、シリコーン樹脂、及びシリコーンオイルなどのシリコーン誘導体、ポリオキシエチレン硬化ひまし油などの界面活性剤、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等のゲル化剤、pH調整剤、抗酸化剤、着色料などを添加することができる。 本発明のメラニン産生抑制剤には、発明の効果を損なわない質的、及び量的範囲で、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば、増量剤、結合剤、崩壊剤、 pH調整剤、溶解剤、抗酸化剤、乳化剤等を混合することができる。〔有効濃度〕 本発明で用いられる上記有効成分の含有量は、製剤全体に対して好ましくは0.00005〜4重量%、より好ましくは0.005〜2重量%とするのが好ましい。含有量が、0.00005重量%未満であると、所望の効果が発現しない場合があり、費用対効果を考慮すると、上限を4重量%とするのが好ましい。 以下に実施例と使用例を挙げ、本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。〔実施例1〕 3次元ヒト皮膚モデルを用いて脂肪族化合物が皮膚のメラニン蓄積に及ぼす影響を検討した。(方法) クラボウ社より3次元ヒト皮膚モデル MEL-300 Asian donor(製造元米国 MatTek社)を購入した。本モデルはヒト正常表皮角化細胞とメラノサイトから構成される皮膚モデルで、メラニン細胞においてメラニンが合成され美容素材の美白効果を評価できる。 Asian donorから調製された3次元ヒト皮膚モデルが24穴プレート用のトランスウエル膜に付着され米国から冷蔵下で空輸され納品された。培養は添付のプロトコルに従い、37℃に保温したEPI-100長期維持培地[角化細胞増殖因子(KGF)を添加した無血清培地]を6穴プレートに5mlずつ加え、その中に3次元ヒト皮膚モデルを設置した。培地は2日毎に交換した。 被験物質は式IIの化合物、式IIIの化合物、DHAとDHAエチルエステルの4種類を評価した。陽性対照はチロシナーゼを阻害するArb(アルブチン)を用いた。Arbは注射水(大塚製薬工場製)に溶解し、0.22μmのフィルターでろ過したものを凍結保存した。 DHAとDHAエチルエステルはカイマン社より購入した。脂肪族化合物はプローブ式ソニケーター(日本精機)を使って氷冷しながら注射水に懸濁し凍結保存した。被験物質の水溶液は、用時、融解し、1つの3次元ヒト皮膚モデルに対して50μlを表皮層に暴露した。培地交換と併せて、2日毎に被験物質の水溶液を交換した。 陰性対照は注射水50μlを暴露した。 10日後に3次元ヒト皮膚モデルの培地、及び被験物質を吸引除去し、培地の替りにPBSを加えて再度吸引除去した(基底層側の洗浄)。ピンセットで3次元ヒト皮膚を剥ぎとりエッペンドルフチューブに移した。1N NaOH200μlを加えプローブ式ソニケーターで氷冷しながら懸濁した。本懸濁液50μlを96穴マイクロプレートに分注し、A405nm(対照波長650nm)で吸光度を測定した。スタンダードは、合成メラニン(Sigma)の1N NaOH溶液(1000μg/ml)を2倍段階希釈系列(6段階)に希釈し、同様にA405nmを測定して標準線を作成した(R×R=0.9945)。結果を表1に示す。(結果) 表1に示す結果からわかるように、メラニンは、式IIの化合物、及び式IIIの化合物で低下し、Arb(アルブチン)群は低下傾向(t検定は有意)を示した。〔実施例2〕 3次元ヒト皮膚モデルを用いて式II、及び式IIIの脂肪族化合物が皮膚のメラニン蓄積を抑制する有効濃度を検討した。(方法) 実施例1と同様に実施したが、培養期間は14日とした。被験物質の濃度は高濃度3mg/ml、中濃度1mg/ml、低濃度0.3mg/mlと設定した。結果を図1に示す。(結果) メラニンは、式IIの化合物 高濃度群(3mg/ml)、中濃度群(1mg/ml)、低濃度群(0.3mg/ml)で低下し、式IIIの化合物は高濃度群(3mg/ml)、中濃度群(1mg/ml)で低下した。陽性対照のArb(アルブチン)群も低下した。〔実施例3〕 後述する使用例1、及びその対照として式IIの脂肪族化合物を含まない以外使用例1と同じ組成の製剤の2種類について、22〜39歳の女性25名をパネラーとして、毎日、朝と夜の2回、洗顔後に、それぞれ適量を顔面と下腕部の計4箇所に3週間ずつ6週間にわたって塗布し、下記の評価基準と色差計により、美白剤としての効果を評価した。なお、本試験はどの試料がどの処方であるか、本人には知らせないブラインド形式で行なった。結果を表2に示す。 評価基準 +:シミ・ソバカスが目立たなくなった。 ±:シミ・ソバカスが余り目立たなくなった。 −:変わらない。 試験結果 それぞれの製剤の使用前後の下腕部皮膚の明度を色差計によって測定し、また、顔面のシミ・ソバカスへの効果を観察したところ、表2に示す通りであった。表2に示す結果から明らかなように、本発明の美白剤を含む化粧料は美白効果に優れていて、日焼け、老化などによる皮膚の黒ずみ、くすみ、シミ、ソバカスの予防、改善に有効であることが判る。〔使用例1〕 表3に示す原料1〜8を秤取し、80〜90℃に加熱溶解して油相とした。次いで、別に原料9、10を混和した後、原料11〜14を加え、80〜90℃に加温、攪拌、溶解し、水相とした。攪拌下、得られた油相を得られた水相に添加し、ホモミキサーを用いて乳化後、攪拌しながら室温まで冷却して、脂肪族化合物を1重量%含有するクリーム剤(化粧料)を得た。〔使用例2〕 表4に示す原料1を秤量し、原料2を攪拌、混和しながら徐々に加え十分混練し全質均等とし、3重量%で脂肪族化合物を含有する軟膏を得た。〔使用例3〕 表5に示す原料6、7を原料5と混和し、精製水40mlを加え、85℃に加温、攪拌し、溶解させた後、室温まで冷却して水溶液を得た。別に、原料1〜4を混和し、60℃に加温溶解したものを、精製水40ml中に攪拌下に添加し乳濁液を作成した。この乳濁液に、先に調製した水溶液を混和し、精製水を加え、全量を100mlとして0.5重量%で脂肪族化合物を含有したローションを得た。 式I:(式中、Rは水素又はC1〜10の直鎖、分岐鎖でもよいアルキル基であり、R’は水素若しくはC1〜10の直鎖、分岐鎖でもよいアルキル基、又はOR’が一緒になってカルボニル基を形成する。)で表される脂肪族化合物若しくはその立体異性体、光学異性体、またはそれらの製剤学的に許容される塩を含有することを特徴とする美白剤。 式Iの化合物が、下式II又は式IIIの化合物である、請求項1に記載の美白剤。 請求項1又は2に記載の美白剤からなることを特徴とする皮膚外用剤。 請求項1又は2に記載の美白剤からなることを特徴とする化粧料。 式I:(式中、Rは水素又はC1〜10の直鎖、分岐鎖でもよいアルキル基であり、R’は水素若しくはC1〜10の直鎖、分岐鎖でもよいアルキル基、又はOR’が一緒になってカルボニル基を形成する。)で表される脂肪族化合物若しくはその立体異性体、光学異性体、またはそれらの製剤学的に許容される塩を含有することを特徴とするメラニン産生抑制剤。 式Iの化合物が、下式II又は式IIIの化合物である、請求項5に記載のメラニン産生抑制剤。