キャビテーションは、脂肪除去やセルライト除去を目的として行うダイエット方法で、美容業界では「切らない脂肪吸引」とも呼ばれています。
痩身効果が高く即効性があり、運動や食事制限の必要がないことで人気のマシンを使った施術ですが、副作用や安全性の問題はないのでしょうか。ここでは、キャビテーションのデメリットや注意点についてまとめてみました。
キャビテーションエステの原理
キャビテーションはもともと、液体の流れの中に圧力差を作り、短時間で泡の発生と消滅を起こす「空洞現象」と呼ばれる物理現象のことを指します。美容業界においては、超音波によって脂肪細胞そのものを破壊する痩身技術をキャビテーションと呼んでいます。
キャビテーションエステでは、20~50KHz前後の超音波を脂肪やセルライト部分に当て、1秒間に28,000~40,000回の振動を起こします。
この振動によって脂肪細胞を震わせ、脂肪内に気泡を作るのです。そして、この気泡が破裂する際に起こる衝撃波で脂肪細胞が破壊され、中性脂肪が外へ溶け出します。(これを乳化といいます)
乳化した中性脂肪は、リンパマッサージなどにより、リンパ液や血液に取り込まれ、一部はエネルギーとして消費、残りは肝臓に運ばれて分解され体外へ排出されます。メスや注射針を使う脂肪吸引と違って、痛みや腫れ、ダウンタイム(施術から回復するまでの期間)がないのが特徴です。
痩身エステのキャビテーションには副作用はあるのか?
体の細胞を破壊するので副作用を心配する方もいますが、現在まで副作用や後遺症の報告はなく、心配はいりません。
医療現場でも使われている技術ですし、脂肪細胞以外の血管や神経には影響がないことが実証済みです。ただし、キャビテーションを行うことで、ちょっとした不調が現れることはあります。
胃腸の不調
施術の前後1時間に食事をすると下痢になるなど、胃腸に不調が現れるケースがあります。肝臓に負担がかかりすぎて胆汁の生成機能が落ちてしまっているため、消化が上手くいかないことが原因と考えられます。
施術前後の食事は避け、脂肪や糖分の多い食べ物、アルコールやタバコといった肝臓への負荷が大きい嗜好品は、キャビテーションの施術後数日間は控えましょう。
だるさや眠気
こちらも、原因は肝臓の負担が増えたことです。肝臓によって乳化した脂肪が代謝されるため、内臓に負担がかかります。アルコールを飲んだ翌日にだるくなったり、眠気が残ったりするのと同じです。
体内の老廃物を排出するためにエネルギーを使っている状態なので、できるだけ身体を休ませましょう。特に何もしなくても、乳化した脂肪が排出されればだるさや眠気は改善します。
血中の中性脂肪値が高くなる
脂肪細胞から溶け出した脂肪は、リンパ液や血液にとりこまれて肝臓に向かいます。そのため、一時的に血液の中性脂肪値が高くなる可能性があります。血液検査をしなければ分からない程度ですし数日で落ち着くので、健康な人なら動脈硬化などの心配はしなくて大丈夫です。
太りやすくなる
痩せるためにキャビテーションを受けたのに太りやすくなるなんて・・・とお思いでしょう。しかし、急に体内の脂肪が無くなることで、脳が飢餓状態と判断してしまうため、施術終了直後はカロリーの吸収率がアップし、脂肪を一生懸命取り込んでしまいます。
そのため、施術後すぐに食事をしてしまうと太りやすくなってしまうのです。また、食べ物を口にしてから体内で消化吸収が始まるまでは30分ほどかかることも考えると、施術直前の食事も厳禁です。
せっかくのキャビテーションの効果を無駄にしないよう、施術前30分から施術後2時間の間は食事を摂らないように注意しましょう。
キャビテーションを受けることが出来ない人とその理由
重大な副作用の心配がないキャビテーションですが、全ての人が受けられるわけではありません。ここでは、痩身エステでキャビテーションを受けられない人について説明します。
肝機能が悪い人
副作用のところでも説明した通り、溶けだした脂肪は肝臓に集められて分解されます。一時的にではありますが肝臓の負担が大きくなるので、肝機能が悪い人はキャビテーションを受けることができません。
皮膚に異常がある人
皮膚に怪我や火傷などの異常がある場合は、皮膚に機器を押し当てることで悪化する可能性があるためキャビテーションは利用できません。表面の温度は1度くらい、皮膚の奥でも3~5度程度しか上がりませんが、アトピー持ちの人も痒みが出る可能性があるので避けたほうが良いでしょう。
妊娠中の人
エコーも超音波を利用していますし、妊娠を知らずに施術を受けてしまったとしても重大な事態になるわけではありません。
しかし、母体の体温上昇が5度以上になると胎児に影響が出る可能性があると言われています。キャビテーションは肌表面から数センチまでしか効果は無いため、子宮内の温度が上がるとは考えにくいですが、念のため妊娠中は受けないようにしましょう。
また、腹部の脂肪には赤ちゃんと子宮を守る働きもありますので、どうしてもキャビテーションを受けたい方は出産後、体調が落ち着いてからにしましょう。
身体に金属が入っている人
超音波の振動で金属が熱くなる可能性があったり、悪影響を及ぼす可能性があったりするので、金属が身体に入っている人はキャビテーションが出来ないエステサロンが多くなります。
糖尿病や、血液・血管の疾患がある人
血液に乗って壊れた脂肪が肝臓に運ばれるため、血栓や静脈瘤があるなど血中の中性脂肪値が高くなるのが望ましくない人は施術を避ける必要があります。血糖値が上がる可能性もあるので、糖尿病の人や糖尿病に関する薬を飲んでいる人も受けることができません。
何かしらの影響が心配される人
臓器移植を受けたことがある人、心臓疾患がある人、ペースメーカーを使っている人、骨がもろい人、薬を飲んでいる人、摂食障害のある人、生理中の人など、超音波による影響が心配される人は、キャビテーションを受けることができません。どの程度の影響があるかが研究されていないため、万が一を考えて施術が受けられなくなっているのです。
痩身エステのキャビテーションに、痛みや不快感はあるのか?
従来の痩身施術では、高い痩身効果を得るためには痛みや不快感を我慢する必要がありました。キャビテーションはどうなのでしょうか?
痛み
肌の温度が少し上がるためほんのり温かさを感じるだけで、基本的には、痛みは無いことがほとんどです。
しかし、虫歯を患っている人の場合、歯が共鳴して少し痛く感じたり、超音波が骨を伝う感覚をピリピリすると感じる人もいます。また、リンパがすごく滞っていたり、セルライトが冷え固まっていたりする場合も痛みを感じることがあります。
キャビテーションは脂肪を溶かすだけなので、排出を促すためにリンパマッサージがセットになっていることが多くなります。
強い力で押されるため、マッサージが痛みを伴ってあざや内出血を起こすことはあります。あまりにも痛い場合はマッサージが上手く作用しない可能性があるため、遠慮せずにエステティシャンに伝えましょう。
不快感
マシンによってはキャビテーションの施術中に、キーンと頭に響く金属音がします。骨に超音波が当たって振動することによる骨伝導音で、稀に施術後も耳鳴りのようなものが残りますが、数十分もすればほとんどの人は収まるため心配はいりません。
不快に感じる音ですが、脂肪の量によって響きには個人差があり、音が聞こえるということは効果があるとも言えます。シリコンヘッドのマシンであれば、音がだいぶ軽減されるので、音が気になる人はシリコンヘッドのマシンを使用しているエステを選びましょう。
こんなエステではキャビテーションを受けない方がいい!
残念ながら、エステの口コミの中には、お客さんを集めるためのヤラセやサクラも少なくありません。ですから、信頼できるエステを選ぶ最も確実な方法は、やはり実際に体験に行くことです。
先ほど多くの場合は痛みが無いと説明しましたが、キャビテーションが導入された初期には、痛みを伴ったり熱さを感じたりするマシンもありました。複数のエステの体験に行って、一店舗だけ痛みを伴うマシンがあったら、古いマシンを使用している可能性があるので注意しましょう。
また、体験を利用した際のエステティシャンの対応も、重要な判断材料になります。その場で契約しないことを告げたら扱いが悪くなったり、強引に契約させようとしてきたりするところは辞めたほうが良いでしょう。
さらに、コースの流れも確認しておきましょう。キャビテーションは脂肪細胞を破壊する施術なので、それだけ行っても痩せることはできません。
事前に身体を温めて脂肪を溶かしやすくしたり、キャビテーション後には溶けた脂肪の排出を促すため、リンパマッサージやリンパドレナージュなどのマッサージを行う必要があります。
ただ溶かすだけのエステでは効果が見込めないため、アフターケアまでを一連のコースで行ってくれるところを選びましょう。
身体の中でキャビテーションがおすすめ出来ない部位
キャビテーションの効果が得られるのは、二の腕・お腹まわり(ウエスト・脇腹)・背中・お尻・太ももなど、脂肪細胞やセルライトが多い部分です。また、逆にキャビテーションがおすすめできない部分もあります。
★キャビテーションがおすすめ出来ない場所
- 1.脂肪が少ない部位
- 2.骨に近い部位
- 3.面積が少ない部位
具体的には、頭・顔・首・肩・脇の下・(股関節のあたり)・手の甲・ひじ下・ひざ小僧・ひざの裏・足首(くるぶし)などが上げられます。
ただし、最近では頬のたるみや二重あごなどを解消する顔専用のキャビテーションを行うエステサロンも増えてきています。
顔が引き締まるだけでなく、血流が良くなることで美肌効果やアンチエイジング効果も期待できるということで女性にとても好評です。
しかしその場合でも、出力を弱くしたり、プローブ(先端の肌に当てる部分)を顔専用のものに変えたりするなどして、安全に施術が行えるようにしています。
他にも、脂肪の厚みが薄すぎる部位、整形手術をした部位、傷がある部位などもおすすめできません。また、脂肪がある部位であっても、肝臓に負担がかかりすぎるため、一度に全身の施術は受けられません。一部位か二部位ごとに施術を受けることになります。
まとめ
ここまで痩身エステのキャビテーションの副作用や危険性について読んでもらいましたが、いかがでしたか?
胃腸の不調やだるさ、眠気、血液の中性脂肪値の上昇、一時的に太りやすくなるなどの可能性はありますが、副作用というほどの重大な欠点はないキャビテーション。
肝機能が悪い人や妊娠中の人など、施術を受けられない人はいますが、痛みや不快感も少なく高い痩身効果が期待できるため、受けられる方にはおすすめです。
複数の体験に行って、それぞれの良し悪しを比較し、あなたにぴったりのキャビテーションを提供してくれるサロンを選んで下さいね。今年こそ、無駄なぜい肉のないスリムな身体を目指しましょう。