女性の下腹部の痛みは要注意!下腹部痛の原因と潜む病気7つ
女性は不快な下腹部痛を感じることがけっこう多いのではないでしょうか。
経験から「これはよくある痛み」と自分で判断できるものもあると思いますが、中にはいつもの下腹部痛と違い、病院での治療が必要になるものがあるので注意していただきたいのです。
女性は下腹部に子宮・卵巣があり、男性よりも下腹部痛を伴う病気が起こりやすくなっています。
今回はあまり心配のいらない下腹部痛に加え、病院での治療が必要な下腹部痛の中から特に女性に多い病気を7つピックアップして解説していきます。
女性が悩みがちな腸のトラブルと下腹部痛
男性よりも女性に多い腸のトラブルをまずは解説いたします。下腹部痛を伴いやすい「ガス溜まり」「過敏性腸症候群」は大きな病気ではないのですが、本人にとっては辛く日常生活に差し支えることも少なくありません。
「ガス溜まり」でお腹が張ったりポコポコ鳴ったりする
ガス溜まりとは、腸にガスが溜まる現象のことです。
腸にはもともと、飲み込んだ空気や食物が発酵して生じたガスなどの気体が存在しているのですが、ガスがスムーズに排出できていなかったり過剰にガスが発酵してしまったりすると腸にガスが溜まって膨らみ、お腹を圧迫するようになってしまいます。
人によっては、充満したガスが周辺の神経を圧迫して激痛を引き起こすこともあるのです。たかがガスと言えどあなどれません。
小林製薬の調査によると、20~50代の女性の3割が1年にガス溜まりを経験しており、その7割以上の人が、お腹の痛み・張り・圧迫感、おならに悩んでいるといわれます。
- 下腹部の痛みや張りを感じる
- お腹からゴロゴロ・ポコポコと音が鳴る
- 下腹がぽっこりする
- おならが出やすい
ガス溜まりが起こる原因を取り除くことで症状を解消することができます。
- 暴飲暴食・便秘…ガスを産生する悪玉菌が増えてしまう
- 運動不足・ストレス…腸のはたらきが低下する
- トイレを我慢し過ぎ…おならを溜めてしまう
デスクワーク中心の人は運動不足になりやすいので、意識して体を動かすようにしましょう。
悪玉菌を増やす動物性脂肪(肉・乳製品)の食べ過ぎに注意し、善玉菌を増やす
- 乳酸菌(ヨーグルト・キムチ)
- 食物繊維(豆類・いも類・根菜類)
をしっかり摂取すると良いでしょう。
「過敏性腸症候群」でトイレとお友達に…
過敏性腸症候群は、特定の病気がないのに大腸にさまざまな症状が起こる現象の総称。日本人の約1割が発症しているとされ、特に若い女性や20~30代の人に起こりやすくなっています。
原因はストレスだと考えられています。ストレスを感じると腸内からセロトニンという物質が分泌され、腸に刺激を与えるために腹痛が起こるのです。
- 下痢または便秘を繰り返す
- 下痢と便秘が交互に起こる
- 通学・通勤時に腹痛や下痢が起こりやすい
- お腹がゴロゴロ鳴る
- 電車やバスに乗っている最中にトイレに行きたくなり途中下車することがある
- 会議や試験前など緊張した時に腹痛や下痢が起こりやすい
過敏性腸症候群は気づきにくい病気ですが、放置しても危険な病気を併発する心配はありません。
しかし、過敏性腸症候群はトイレの不安など大きなストレスを伴いやすく、生活の質を下げてしまう原因になってしまうので、一度受診してきちんと対処することがのぞましいです。
治療には過敏性腸症候群の治療薬が用いられます。「トランコロン」「ポリフル」などの治療薬には大腸の機能を整え、症状を緩和する効果があります。同時にライフスタイルを改善して体調を整えていくことも大切ですね。
1.下腹部痛と月経過多に注意!4人に1人の割合で起こる子宮筋腫
「子宮筋腫」は、子宮の壁にできる良性の腫瘍です。成人女性の4人に1人の割合で発症しているとされ、女性にとっては珍しくない病気のひとつです。
原因ははっきり分かっていませんが、30~40代を中心に生理のある女性にみられ、筋腫ができても閉経後には自然と小さくなることから、女性ホルモンのはたらきが作用していると考えられています。
筋腫は硬いこぶ状で、最初は小さな粒ですがどんどん成長し、大きい物は直径10㎝を超えるようになります。また複数の筋腫が発生することもあります。
筋腫自体が何か悪さをすることはなく、筋腫が小さい時には自覚症状がありません。しかし筋腫が大きくなると周辺の臓器を圧迫するために痛みが起こりやすくなるのです。
子宮筋腫の特徴と症状
筋腫には3種類あり、それぞれ症状が異なります。
| 種類 | 場所 | 症状 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 筋層内筋腫 | 子宮筋層 (子宮の壁の中) |
| 最も多い筋腫 |
| 粘膜下筋腫 | 子宮内膜の下 (子宮の内側) |
| 筋腫が小さくても症状が重い |
| 漿膜下筋腫 | 子宮の壁の外側 |
| 小さい時は無症状 |
子宮筋腫の検査方法と治療法
子宮筋腫は、下腹部のしこり、月経過多、下腹部痛といった自覚症状があって受診した際に発見されるほか、妊娠・出産をきっかけに偶然発見されることもあります。
場所によって筋腫が大きくなると不妊症や流産を引き起こす可能性もあるので、自覚症状のある人は早めに婦人科を受診しましょう。また、まれに悪性の子宮肉腫の可能性があるので検査を受けておく必要があります。
筋腫があっても妊娠・出産は可能で、出産を希望する人は筋腫だけ除去します。出産の予定がない人や筋腫が大きく成長し過ぎてしまった場合には子宮を全摘出する場合もあります。また薬で筋腫の成長を止め閉経するのを待つ方法も用いられます。
2.強い生理痛と月経過多に注意!昔より増えている子宮内膜症
毎月の生理痛がだんだんひどくなっている場合は「子宮内膜症」の可能性も考えられます。子宮内膜症とは、子宮内にある内膜が子宮以外の臓器に増殖してしまう病気で、30~40代の女性に多く見られます。
子宮内膜は受精卵を着床させるためのベッドの役割を持っており、妊娠が成立しないとはがれて血液と一緒に排出されていきます。
本来は子宮の内側にしか存在しないものですが、卵管から逆流して子宮外へ移植されることがあるために子宮内膜症が発症してしまうのではないか、と考えられています。生理が繰り返されるたびに悪化し、閉経後には症状がおさまります。
子宮内膜症は骨盤内にある腹膜、卵巣、ダグラス窩(子宮と直腸の間にあるくぼみ)、腸に発生するほか、離れたところにある肺へそや肺に飛び火することもあります。
子宮内膜症の特徴と症状
- 生理痛がだんだん強くなっていく
- 日常生活に差し支えるほど生理痛が強い
- 月経過多になる
- 性交痛・排便痛がある
- 腰痛がある
また子宮内膜が増殖した部位によって症状が異なります。
| 部位 | |
|---|---|
| 子宮 | 強い生理痛 |
| 腹膜 | 下腹部痛 |
| 卵巣内 | お腹の張り、下腹部痛 |
| 卵巣表面 | 強い生理痛 |
| 卵管内 | 強い下腹部痛 |
| ダグラス窩 | 性交痛、排便痛 |
| 直腸 | 排便痛、排便障害、生理中の血便 |
| 小腸 | 下腹部痛、排便障害、生理中の血便 |
| 膀胱 | 生理中の血尿 |
| 肺 | 生理中の喀血 |
卵巣内に病巣が生じると、その中に血液が溜まる「卵巣チョコレート嚢胞」を発症することもあります。自覚症状は軽いことが多いのですが、嚢胞が肥大化して破裂した時には激痛を伴います。
子宮内膜症の検査方法と治療法
以前より経血量が増え生理痛がひどくなったと感じた時が受診の目安です。また遺伝性があると考えられているので、子宮内膜症を経験したことのある家族のいる人は異変を感じたら早めに受診しましょう。
内膜症がかなり進んでいる時は、全身麻酔で「腹腔鏡検査」を行なう場合があります。これはへその下に小さな穴を開けて内視鏡を入れ、骨盤内の病巣を確認する検査です。
治療は大きく分けると薬物療法と手術があり、さらに細かく治療法が分かれています。薬物療法は軽症の場合や子宮や卵巣を温存したい人に適しており、症状が進行していたり根本的な治療が求められる場合には手術が必要となります。
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| 対症療法 | 鎮痛剤や漢方薬で症状を緩和させる |
| 偽閉経療法 | ホルモンの分泌を止めて閉経と同じ状態を作る |
| 偽妊娠療法 | ホルモンの分泌をコントロールし妊娠中のような状態を作る |
| 保存手術 | 病巣のみを除去する |
| 卵巣機能温存手術 | 卵巣は残し子宮のみ全摘出する |
| 根治手術 | 卵巣・子宮を全摘出する(その後はホルモン療法が必要) |
| アルコール固定術 (チョコレート嚢胞) | 卵巣内に溜まった血液を抜いた後に嚢胞内をアルコールで洗浄する |
根治手術以外では子宮内膜症が再発する可能性があります。それぞれの治療法にメリット・デメリットがあるので、医師とよく相談して自分に適した治療法を選択しましょう。
はっきりした予防法はありませんが、子宮内膜症は時に不妊症の原因になりやすいので、妊娠を希望する人は「生理の量が多い」「生理痛が強い」といった症状を見過ごさないで、早めに受診することをおすすめします。
これは昔に比べて女性があまり出産しなくなり、妊娠期間が少なく生涯の生理の回数が増えたことが内膜の増殖を進めているため、と考えられていますよ。
3.卵管の破裂で激痛が起こるおそれも…子宮外妊娠
妊娠の可能性がある人で、生理予定日が過ぎた後に少量の出血が続く場合は「子宮外妊娠」を起こしている可能性も考えられます。子宮外妊娠とは、子宮内以外の部位に受精卵が着床してしまうことで、「異所性妊娠」とも呼ばれています。
子宮外妊娠のほとんどは卵管で起こっており、まれに卵巣や腹腔などで起こることもあります。子宮以外の部位で胎児が正常に成長することはできないので、いずれは流産となります。
子宮外妊娠の起こる確率は全妊娠の1%前後です。もともと子宮外妊娠はめったに起こらない現象だったのですが、不妊治療が盛んに行われるようになってから子宮外妊娠の起こる確率が高くなってきました。
子宮外妊娠の特徴と症状
- 急な下腹部の激痛
- 出血
- 顔面蒼白
- 嘔吐
などの症状が起こります。
子宮外妊娠の検査方法と治療法
妊娠検査薬で陽性反応が出ているのに子宮内に胎嚢が確認できない場合は子宮外妊娠の可能性が疑われ、治療では妊娠部位を探して手術で切除する必要があります。
ただし、正常な妊娠でも妊娠初期には胎嚢が確認できないことは珍しくないのでしばらく様子を見ることもあります。
妊娠の可能性があるのに様子がおかしいと感じる場合は、すぐに産婦人科を受診するのが望ましいです。
4.沈黙の臓器だけど腫れると激痛も?卵巣腫瘍
卵巣は病気にかかっても自覚症状が起こりにくく「沈黙の臓器」とも呼ばれているのですが、腫れると下腹部痛を起こすこともあります。
卵巣腫瘍は卵巣の中に腫瘍ができる病気で、その8割が良性の「卵巣嚢腫」です。婦人科系の病気の中でも比較的起こりやすい病気です。そのほか良性と悪性の中間にあたる「境界悪性卵巣腫瘍」と悪性の「卵巣がん」があります。
卵巣腫瘍の原因ははっきり分かっていませんが、卵巣嚢腫は子宮内膜症が原因で起こることもあり、悪性の卵巣腫瘍は遺伝子の異常なはたらきが関係しているともいわれます。
卵巣腫瘍の特徴と症状
- 下腹部の不快感や痛み
- ウエストのサイズが大きくなる
- お腹の膨満感
- 腰痛
- 頻尿
卵巣はぶら下がった状態になっているために動きやすく、卵巣のサイズが7㎝くらいまで腫れてしまうと、その重みで卵巣をささえるじん帯がねじれる「茎捻転」(けいねんてん)を起こすおそれが出てきます。
茎捻転を起こすと突然に耐えがたいような激痛が起こります。左側の卵巣はS字結腸がクッションとなって動きにくいため、ほとんどの茎捻転は右側の卵巣で起こると言われます。
じん帯のねじれた先に血液が流れなくなれば卵巣の壊死が起こりやすくなるので、すぐに治療をしなければなりません。
卵巣腫瘍の検査方法と治療法
治療では腫瘍を切除する手術が行なわれます。妊娠を希望する人で腫瘍が良性の場合は、卵巣を残して腫瘍だけ切除することもできます。
悪性の場合は卵巣や子宮を切除することが基本ですが、症状によっては卵巣や子宮を温存することも可能です。卵巣がんは手術後に化学療法を用います。
また茎捻転を起こしたり肥大した卵巣が自然破裂した場合は、緊急手術が必要です。
5.急な腹痛に注意!子宮内に細菌が感染して起こる子宮内膜炎
急に下腹部痛が始まった場合、子宮に細菌に感染して「子宮内膜炎」を起こしている可能性も考えられます。
子宮は外部から侵入した細菌に感染して炎症を起こすことがあります。膣から奥に向かって子宮頸管、子宮内膜へと細菌が感染することを「上行感染」といいます。
上行感染のきっかけは
- 免疫力低下
- 性行為
- 医療行為(子宮卵管造影検査、分娩・中絶の処置など)
- 子宮内避妊具やタンポンの長期放置
などが挙げられます。
炎症を起こす細菌はブドウ球菌、大腸菌、連鎖球菌です。これらは体に常在しているのですが、免疫力が低下している時に増殖すると炎症を起こすことがあります。また若い人は、性行為でクラミジアや淋菌に感染して発症することが多くなっているのです。
子宮内は細菌が侵入しても毎月の生理で排出されていくため、本来は感染症が起こりにくい部位なのですが、性行為や医療行為、免疫力が落ちていたり生理がない状態の時には細菌に感染しやすくなってしまいます。
子宮内膜炎の特徴と症状
- 下腹部の痛みや不快感
- 黄色や黄緑色など色の濃いおりものが増える
- 不正出血が起こる
- 微熱が出ることもある
子宮内膜炎の判断方法と対処法
流産や分娩などで処置を受けた時に傷がついて細菌に感染することがあるので、医療行為を受けた後に気になる症状があらわれたら細菌感染もひとつの可能性と考えて、早めに受診してください。
6.若い女性にも多い!細菌感染で起こる子宮付属器炎
「子宮付属器炎」はあまり聞き慣れない病名かもしれませんが、子宮付属器とは子宮につながる卵管と卵巣のことで、子宮付属器炎とは「卵管炎」と「卵巣炎」の総称にあたります。
子宮内に侵入した細菌がさらに卵管や卵巣に進んで発症することがほとんどです。子宮内膜炎が原因で発症することも少なくありません。最近は、性行為によりクラミジアや淋菌の感染して発症するケースも増えています。
子宮付属器炎の特徴と症状
子宮付属器炎を発症すると次のような急性症状が起こります。
- 下腹部痛(下腹部を押すと離す時に痛みが強くなる)
- 急に発熱する
- 黄色や黄緑の色の濃いおりものが増加する
- 不正出血
- 吐き気や嘔吐
子宮付属器炎は急性症状がおさまった後に慢性化し、生理痛が重くなったり腰痛や排尿痛を起こすようになることもあります。
子宮内膜炎や子宮付属器炎がこじれると、子宮や卵巣、腸、膀胱を包む骨盤内膜にまで細菌が感染し「骨盤腹膜炎」を発症するおそれがあります。骨盤腹膜炎を発症すると高熱、悪臭のするおりもの、嘔吐などの症状が起こります。
子宮付属器炎の治療法
慢性化すると、骨盤内の臓器の癒着による下腹部痛、便秘や下痢、お腹の張りなどの症状が続くようになります。また不妊症を引き起こす可能性が高くなるので、早めに適切な処置をしなければなりません。
7.下腹部痛+残尿感が特徴!男性より女性に多い膀胱炎
女性に下腹部痛がある場合にはまず子宮や卵巣の病気が頭に浮かびがちですが、もしかすると膀胱のトラブルが原因になっているかもしれないことも忘れてはいけません。膀胱は子宮の前(お腹側)にあり、痛みがあっても子宮の痛みとまぎらわしい場合があります。
膀胱の病気で最も多いのは「膀胱炎」です。膀胱炎は外部から尿道を経由して侵入した細菌が膀胱に感染して炎症を起こす病気です。女性は男性より尿道が短いので細菌に感染しやすく、膀胱炎は圧倒的に女性に多くなっています。
主な原因菌は大腸菌で、体の免疫力が低下している時に発症しやすくなります。排尿には膀胱の細菌を洗い流す作用があるので、トイレを我慢するのも良くありません。
膀胱炎の特徴と症状
- 残尿感がある
- 頻尿が起こる
- しくしくした下腹部痛がある
- 排尿痛がある
- 尿が白く濁る
- 血尿が出ることもある
膀胱炎の検査方法と治療法
抗生剤や抗菌剤が処方されるので、症状が消えた後も処方された薬は全て飲んでください。細菌を完全に死滅させないと膀胱炎が再発し慢性化してしまう可能性があるためです。
日常生活では水分を十分に摂取して排尿回数を増やします。規則正しい生活を心がけたり休養を十分に取るようにして、体の免疫力を高めることも大切です。
あまり心配のいらない下腹部痛…生理周期の影響で起こる現象
生理周期に伴って起こりやすい下腹部です。痛みの感じ方には個人差があり、「どこか異常なのかしら」と不安になってしまう人もいますが、基本的にはあまり心配のいらない痛みが多いです。
「排卵痛(排卵期出血)」は生理現象なので問題無し
生理と生理の中間に起こる下腹部痛は、排卵に伴う「排卵痛」の可能性があります。これは、排卵の際に卵子が卵巣の表面にある被膜を突き破って出てくる時に伴う痛みです。無症状の人もいればはっきりした痛みを感じる人もいます。
- 排卵期(生理の1日目から数えて14日後くらい)の2~3日間だけ起こる
- 下腹部の右または左に痛みを感じる
- 人によって異なるが「チクチク」「シクシク」するような軽い痛みがある
- 下腹の重だるい感じや腰痛がある
- 少量の出血を伴うこともある
排卵痛の対処法
排卵痛とそれに伴う少量の出血は、生理的な現象なので問題ありません。痛みが軽く出血がおさまるならば、特に治療せずに様子を見ておけばよいでしょう。
排卵痛やそれに伴う少量の出血がある時に性交を控える必要はありません。排卵中は最も受精しやすい時期なので、妊娠を希望している人は夫婦生活を持つと良いでしょう。
ただし出血が2~3日以上続く、または腹痛が強い場合はほかの病気が原因となっている可能性も考えられるので、婦人科の受診をおすすめいたします。
また月によって排卵痛が起こる程度なら、誰にでもある現象といえますが、毎月の生理で排卵期出血が起こるようならホルモンバランスが乱れている可能性も考えられます。
妊娠を希望している人は、基礎体温表を最低3か月つけ、低温期と高温期が正常に訪れているか確認してみましょう。基礎体温に問題がある場合はホルモンバランスが乱れているので基礎体温表を持参の上、婦人科を受診することをおすすめします。
「月経前症候群」は規則正しく生活すれば改善できる
生理前に起こりやすいのが「月経前症候群(PMS)」に伴う下腹部痛です。生理前に分泌が盛んになる黄体ホルモンの影響で骨盤内の血行が悪くなるために感じやすい痛みだといわれています。
20~40代に多い症状で、PMSによる腹痛は特に若い女性や出産経験のない女性に起こりやすいのが特徴です。
- 生理の3~10日前に始まる
- 下腹部の痛みや張りを感じる
- 乳房の痛みや張り、むくみ、だるさなどさまざまな症状を伴う
- 情緒不安定になりやすい
- 眠くなりやすい
- 食欲が増進する
- 生理と共に症状がおさまる
月経前症候群の対処法
PMSは多くの女性に起こる症状ですが、ストレスや不規則な生活習慣で症状が重くなりやすいので、生理前は規則正しい生活を心がけてしっかり休養をとりましょう。
食生活で避けたいのは体に水分を溜める塩分やアルコールです。意識して摂取したいのは、痛みを緩和する作用を持つマグネシウム、ビタミンB6、γ-リノレン酸、DHA・EPAで、次の食品に豊富に含まれています。
| 栄養素 | |
|---|---|
| マグネシウム |
|
| ビタミンB6 |
|
| γ-リノレン酸 |
リノール酸を含む次の食品
|
| DHA・EPA |
|
食生活で摂取しにくい栄養素はサプリメントから補給するのも良いでしょう。
また会社を休むほど症状が重く、日常生活に支障の出ている人は婦人科に相談してください。ほかの病気が原因で症状が起きている可能性もあるためです。
また必要に応じて低用量ピルや利尿剤などの薬を処方してもらい、症状を楽にすることもできます。
「着床出血」は長く続くようなら産婦人科へ
妊娠の成立つまり受精卵が子宮内膜に着床する時には、ほとんどの人に自覚症状はありません。中には腹痛や出血の症状がみられる人もおり、この現象は「着床出血」と呼ばれています。
- 生理予定日の1週間前~生理予定日頃に起こる
- 下腹部がチクチクするような痛みが数日間起こる
- 茶色いやピンク色のおりものが出る
着床出血自体は問題ありません。出血が止まり生理予定日を2週間過ぎても生理が来なければ、妊娠している可能性が高いので産婦人科を受診しましょう。
出血が長く続く場合は妊娠が確定せずに生理が来た可能性があります。
ただしまれに子宮外妊娠や胞状奇胎といった異常妊娠で出血や腹痛の起こっている可能性があるので、おかしいと思ったら早めに受診することをおすすめします。
下腹部痛は、子宮や腸の病気が原因で起こっていることも少なくありません。いつもの生理痛やPMSの症状と間違えないよう、ほかの症状に注意する必要があります。
この症状は何の病気?どこを受診したらよいか迷う時は総合病院へ
今回紹介した病気以外に、発症頻度が低いものの重篤な病気も存在します。気になる症状のある時は自己判断で病名を決めつけず、医療機関に相談してください。
女性は下腹部痛があってもどこが痛むのか分からず、どの病院を受診すれば良いのか迷う場合もありますよね。
そんな時は念のために内科と婦人科(または泌尿器科)の両方を受診しておきましょう。複数の専門科が入っている総合病院に足を運ぶのがおすすめです。