【インタビュー】
「体がだるい」原因は病気や風邪、ストレスかも。薬で治る?倦怠感の解消法まとめ◇
公開日 2016 年 05 月 14 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日
- かぜ
- 脂肪肝
体がだるい、体が重い、睡眠が浅い、疲労が取れない、眠い、朝起きられない、やる気が出ない、些細なことでイライラする…。
ストレス社会の現代において、「動けないほどではないけれど何となくだるくて体調がすぐれない状態が続く」という方は多いのではないでしょうか?(このような状態は、医学的には不定愁訴(ふていしゅうそ)といいます)
「体がだるい(倦怠感がある)」といって会社や学校を休んだ場合、周囲から「甘えている」といわれてしまうこともあるかもしれません。しかし、体がだるかったり疲れが取れなかったりするときは、何らかの病気が潜んでいることもあるので注意が必要です。また女性の場合は、生理周期に伴い体調が大きく変化しますし、更年期では自律神経失調によって体がだるくなることもあります。
今回はだるさ、すなわち倦怠感の原因と、倦怠感が続くときに考えられる病気、対策、受診する診療科についてまとめました。
<目次>
倦怠感の原因は?女性は生理周期(ホルモンバランス)も疲労感に関係
1、日常生活(睡眠不足、運動不足)による倦怠感
過労による睡眠不足や心身の疲労によって人は「だるい」と感じます。生活リズムの乱れによって体内時計が狂ってしまったり、食事の時間が不規則だったりする場合も体がだるくなります。
2、ストレスによる倦怠感
最近仕事が忙しかったり大きな環境の変化があったりして、心が疲れていませんか? 実は精神的なストレスもだるさを引き起こします。体がだるい、やる気が出ない、疲れやすい、頭がぼーっとするなどの症状が同時に出る場合は注意が必要です。
3、栄養の偏り(栄養不足)による倦怠感
ビタミン(特にビタミンB群)やミネラルは体調を整えるための重要な微量栄養素です。これらの栄養素が不足すると代謝がスムーズにいかなくなり、なかなか疲れが取れなくなってしまいます。(詳細は後述の項「体のだるさを解消する食べものって何があるの?」を参照)
4、女性の倦怠感は生理(月経)によるホルモンバランスの乱れが原因の場合も?
女性の場合、倦怠感やだるさの原因には生理周期が関係しているかもしれません。とくに生理前になると「体がだるい」と感じる方が多いようです。
生理前の様々な深い症状を月経前症候群(PMS)といいます。体のだるさに加えて、乳房の張り、頭痛、体が重い、腰痛、下痢、ニキビ、肌荒れ、イライラ、憂うつ感、不眠、眠気、過食などの症状が起こりやすくなります。重症化するとPMDDという、精神症状がより強い状態に進行してしまう場合もあります。PMDDにまで至った場合は産婦人科でピルを処方してもらうのもひとつの手段です。
5、病気が原因で体がだるいことも?甲状腺や肝臓に異常はないか
体のだるさは、ほとんどの場合休養によって回復するため大きな心配はいりません。
しかし、だるさがずっと続いたり、だるさに加えて頭痛や疲れやすさ、微熱、息切れ、下痢、吐き気、関節痛、憂うつな気分などが自覚できる場合は何らかの病気によって症状が出ている可能性もあります。
下記に、体がだるいと感じるとき考えられる病気をまとめました。
倦怠感があるときに考えられる病気は?
体がだるい状態が続く場合は、何らかの病気が原因で倦怠感や疲労感が生まれている可能性があります。
倦怠感の原因の病気①かぜ
倦怠感以外にも様々な症状が出る
一般的に言う「かぜ」とは上気道のウイルス感染を指し、様々な症状が出ることが特徴です。かぜで倦怠感を感じるかどうかは、どのウイルスに感染したかによって異なってきます。
たとえば、アデノウイルス、RSウイルス、ライノウイルス、パラインフルエンザウイルスでは体がだるいと感じるケースが多いといわれています。だるさのほか、頭痛、熱、吐き気、のどが痛い、吐き気、咳、鼻水などの症状が現れます。
倦怠感の原因の病気② 肝臓病(脂肪肝)
食事の偏りや運動不足には常に意識して!
脂肪肝、肝炎などの肝臓病にかかると、なんとなく体がだるい、疲れやすい、食欲がないなどのかぜに似た症状が出る場合があります。
倦怠感があるからといって肝臓の病気を疑う方は少ないでしょう。実際、体がだるいという全ての方が肝臓病ということはありません。しかし、体のだるさは肝臓病を見抜く重要なサインです。
とくに肥満の方の場合、脂肪肝のリスクが高いため「体がだるい」「なにをするにも意欲がわかない」といったときは肝臓の機能が低下していないか一度検査を受けてみてもよいでしょう。
なおアルコールによって肝機能が低下し、だるさが出ている場合は、飲酒をやめることで体のだるさが改善する場合もあります。
倦怠感の原因の病気③甲状腺の病気(橋本病、バセドウ病)
甲状腺機能亢進症はのど仏のあたりがパンパンになってきたら要注意
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが出すぎてしまい、それにより甲状腺腫(甲状腺の腫れ)・頻脈・眼球突出などさまざまな症状が出現する病気で、女性に多いのが特徴です。ほとんどはバセドウ病という病気による甲状腺機能亢進症と考えられます。
甲状腺機能亢進症の代表的な症状には、以下のようなものがあります。
- 体がだるい
- 疲れやすい、疲れが取れない
- のど仏の辺り(甲状腺がある場所)が腫れる
- イライラとしていて怒りやすくなる
- 食欲が増進してどんなに食べても痩せてしまう
- 脈が速くなる
- 動悸(どうき)がする
- 不眠・眠れなくなる
- 汗をかきやすくなる
- (女性は)生理不順
- 手がふるえる
- 筋力が低下する
など
甲状腺機能低下症(橋本病)の症状は?
橋本病では、甲状腺機能亢進症と反対の症状が起こりますが、ホルモンバランスの異常で代謝能力が著しく低下するため疲労感が抜けず、体が慢性的にだるい状態が続く場合があります。
睡眠が多くなり、少ししか食べていないのに太ったりする場合もあります。
倦怠感の原因の病気④うつ状態、うつ病
「うつ」は身体症状から始まることも多い
うつ病は大きなストレスを受けながらも、責任感の強さから懸命に頑張り過ぎた場合に発症することがあります。非常にエネルギーを消耗する病気なので、体がだるいと感じたり、疲れが取れなくなったりします。重症の場合は疲労からまったく動けなくなる方もいます。
うつ病の症状は、多くの方は体における不調から始まります。
一般的な症状が多いので、発見が遅れてしまうことがあります。体がだるいという自覚症状に加えて、やる気が出ない、憂うつな気分が続く、眠れない、食欲がない(または過食してしまう)といった場合は、ストレスがたまりすぎていないか自分の生活を見直してみましょう。
睡眠の異常 |
|
食欲の低下 |
|
疲労、倦怠感 |
|
ホルモン系の異常 |
|
その他の症状 |
|
倦怠感の原因の病気⑤不整脈
健康な人でも出るが、エネルギー切れを自覚するほど頻繁に現れる場合は検査を
心臓は血液を全身に循環させて全身のポンプの役目をしています。心臓の機能が悪くなると血液循環がスムーズにいかなくなり、体がだるくなってきます。
体がだるくなる心疾患で多くみられるのは不整脈です。不整脈は脈のリズムが乱れる病気で、健康な人でも多少は出現します。この不整脈が頻繁に起こってしまう場合は、血液循環がスムーズにいかないため疲れやすくなります。
体の倦怠感や疲れを解消する食べものって何があるの?
◎疲労に効く食べ物① 鶏(胸)肉
鶏肉には疲労回復成分が多く含まれています。もも肉よりも胸肉に特に多く、疲労回復効果があるといわれています。
◎疲労に効く食べ物② オレンジ、レモンなどの柑橘類
柑橘類にはクエン酸がたくさん含まれており、疲労のもとである乳酸を分解してくれます。梅干を食べるのも効果的です。
◎疲労に効く食べ物③ 豚肉
豚肉を食べることでビタミンB群を摂取できます。ビタミンB群は代謝にかかわる微量栄養素であり、疲労回復効果があります。ストレスをやわらげ、精神的な疲れを軽減するともいわれています。ニンニクやニンニクの芽と一緒に食べるとさらに効果がアップします。
☆疲労や体の倦怠感を解消するにはバランスのよい食事と運動が何よりも大事!
上記に体がだるいときの食べ物をあげましたが、ひとつの食材ばかりを食べるのは体に良くありません。最も大事なのは、バランスのよい食事を心がけることです。
なお、疲れたときには甘いものを食べるとよいといわれますが、甘いものの食べ過ぎはビタミンB群の欠乏につながり、かえって体を疲れさせてしまうので食べ過ぎないようにしましょう。
倦怠感時の薬―ビタミンB群などのサプリメントを飲むのは効果的?
ビタミンB群やクエン酸を含んだサプリメントを摂取することで必要な栄養を補うことができます。食事で摂りきれない場合は活用してもよいでしょう。ただし、サプリメントはあくまでも補助食品ですから、サプリメントを摂っていれば安心ということはありません。
体がだるいときはどこの病院、診療科に行けばいい?
体がだるい原因となる病名が分かっていれば各診療科を受診できますが、「なんだかよくわからないけど体がだるくて疲れが取れない」という場合は、どこを受診すればよいのか判断がつきませんね。
このようなときは、まずは総合内科、総合診療科を受診してみることをお勧めします。
総合診療科や総合内科は、どの診療科を受診すればよいかわからない患者さんの窓口となるところです。総合診療医は、患者さんの症状や容態から適切な診断を行い、適切な科への橋渡しを行います。東京や大阪、名古屋など首都圏の大病院をはじめ、各地に総合診療を担う先生はいらっしゃいますので、一度調べてみてはいかがでしょうか。
総合診療科の先生のインタビューはこちらから閲覧できます。
※今回の記事で紹介した疾患がすべての方に該当するわけではありません。診断・治療を必要とする場合は、必ず適切な医療機関を受診してください。