第88回
ニキビはいろいろな原因で起こる症候群です:その2
| ニキビはどうして起こるのか、どうしたら治るのかを、いままでの治療経験を踏まえて、総論的に書きました。ニキビ治療は僕の原点です。これを読んでいただき、ニキビ治療の一助になれば幸いです。 | |||||||||||||||||||||
私は、1986年から1989年までアメリカに留学して、シミの原因になるメラニンがどういうメカニズムで起こるのかを研究しました。 その時、メラニン産生を抑える美白剤として注目したのが“ビタミンC誘導体”です。 もともと活性酸素は、外から侵入してきた細菌などをやっつけるために非常に重要な働きをするものです。 おできは細菌をやっつけるために活性酸素が大量に放出され、細菌が酸化して死んで治るのです。 | |||||||||||||||||||||
| ある日、私が北里病院に勤務していると、非常に激しいニキビの患者様が来院されました。口周囲から、フェイスライン、こめかみにかけて大量のニキビが発生しています 。 私は直ちにこの患者様に入院してもらい、多種類の抗生物質の点滴をしました(図1)。点滴をすることで、内服とは桁違いの抗生物質が皮膚に到達して、細菌を殺してニキビが治るはずですが、新しいニキビが生じてきました。 皮膚の表面の細菌培養をしましたが、細菌は検出されませんでした。ひょっとしたら、皮膚の内部に抗生物質に耐性の細菌がいるのではと思い、皮膚の組織 検査と細菌培養を行いました。 | |||||||||||||||||||||
| 細菌は、皮膚の内部からは検出できませんでした。皮膚組織を見ると、大量の炎症性の細胞、本来は悪い細菌をやっつける細胞が、皮脂腺の周囲に沢山ありました(図2) | |||||||||||||||||||||
| 拡大してみると、細菌がいないにもかかわらず、活性酸素を放出している炎症細胞がたくさんありました(図3) そこで私はふと思いました。 ひょっとしたらニキビは感染症ではないのでは? | |||||||||||||||||||||
これらの所見より、ニキビは感染症ではなく、活性酸素病の可能性があるのではと考え、ビタミンC誘導体クリームを外用したところ、顔全体の腫れも引き、ニキビもほとんど消えました(図4) その後、重症ニキビを患っている大勢の患者様に対し、ビタミンC誘導体クリームだけでなく、ビタミンC誘導体ローションを併用して外用したところ、より早くニキビが治りました。アクネ菌が検出された患者様もいらっしゃいましたが、大量のニキビを説明するほど検出できなかった。そして出した結論です。
ちょっと難しい話になってしまいましたが、ニキビの発症機構をまとめたのが下の図です(図5)。 ニキビの発症機構を解説しましょう。 | |||||||||||||||||||||
| <ビタミンcの作用点について>ビタミンcの作用点について>なぜニキビに高濃度ビタミンC誘導体のクリームやローションが効くのでしょう。 ビタミンCの本質的な作用は細胞にエネルギーを与えることです。 “毛穴レスライフを楽しもう”でも述べましたが、我々はエネルギーを与えられると細胞レベルでの肌ストレスが低下し皮脂の分泌を促進する男性ホルモンのレベルが下がり、皮脂の分泌が低下します。 皮脂の分泌が減れば、それを餌とするアクネ菌も減ります。そしてなんといってもニキビの炎症そのものを引き起こす活性酸素を消去するから、ビタミンCはニキビに効果があるのです(図6) また最近、ビタミンCは皮脂の分泌を促進する男性ホルモンだけでなく、アドレナリン、ノルアドレナリン、副腎皮質ホルモンや、交感神経が緊張すると分泌される、サブスタンスPのレベルも下げることが分かってきました。 また多幸感があると分泌されるエンドルフィンのレベルを上げ、エンドルフィンがサブ スタンスPのレベルを下げることもわかってきました(図7) | |||||||||||||||||||||
| 以前、ビタミンC誘導体濃度は医薬部外品で3%、化粧品で2%という規制がありました。 このような低濃度では、皮膚表面の直下、すなわち表皮に存在するメラノサイトに働きかけて美白作用を発揮することは可能です。しかし、皮膚の奥深くまで浸透して活性酸素を消去するには濃度が足りなかったのでしょ う。皮膚の奥深くに入って行く途中で分散してしまい、活性酸素を消去できなかったのでしょう。図3に示したように、ニキビで活性酸素を放出している細胞 は、真皮の中層という深いところにあるのです。 現在は、医薬部外品は3%という規制はありますが、化粧品にはビタミンC誘導体の濃度規制はありません。その為に、私は青山ヒフ科クリニックの医薬品だけ でなく、ドクターケイの商品もあえて医薬部部外品とせずに化粧品としているのです。あとはなるべく低い濃度でも効果を発揮するように吸収効率を良くするこ と。ビタミンC以外に、ニキビに効果を発揮する成分を併用することが必要となります。ビタミンCの浸透量を上げる方法として、ビタミンCローションを先に 塗り、その後にビタミンCクリームを塗るという手段があります。 | |||||||||||||||||||||
| <ビタミンc以外の有効成分について>ビタミンc以外の有効成分について>リコカルコンA:いろいろな化粧品成分を検索して心の琴線に触れたのが「甘草」と言う植物より抽出された“リコカルコンA”という植物エキスです。 リコカルコンAの主な作用として、以下のものがあります。
まさに、ニキビをやっつけるために存在する化粧品成分だと私は思います。 | |||||||||||||||||||||
| ニキビがある人の平均をとると、ニキビがない人より、肌の潤いが少ないというデータがあります。いわゆる“オイリードライスキン”と言う状態です。 なぜ、このような肌ができてしまうのでしょう。 ニキビがある方は、お肌にストレスを感じている方がほとんどです。肌ストレスがあると、肌への血流が低下し、肌の代謝が低下します。その為、表皮や角層も薄くなり、皮膚が乾燥しやすくなる。 これが第1の理由です。 肌ストレスがあると、男性ホルモンや副腎皮質ホルモンなどいろいろなホルモンの分泌が盛んになります。 これらのホルモンの合成にも分泌にも必要なのがビタミンCやBです。肌ストレスがある方では、皮膚のビタミンが不足してしまいます。 ビタミンは皮膚の代謝を上げてバリア機能を上げる作用があります。欠乏すると、肌荒れ、乾燥肌、唇の荒れがおこります。これが第2の理由です。 ニキビという炎症を引き起こす活性酸素によるダメージや、アクネ菌が放出する毒素が皮膚にダメージを与えてバリア機能を落とします。これが第3の理由です。 皮脂腺のすぐそばにある交感神経から“サブスタンスP”というホルモンが分泌され、それがヒスタミンなどの肌荒れ因子を放出するということが最近判明しました。これが第4の理由です。 | |||||||||||||||||||||
| 最近、皮脂腺の周囲に交感神経が存在していることが判明しました。肌ストレス、イライラがあると、サブスタンスPという神経伝達物質(ホルモン)を放出して、皮脂の分泌を促進します。 サブスタンスPを受け取った皮脂腺は、皮脂の分泌を増加して毛穴の開きやニキビを起こします。 サブスタンスP は皮脂腺周囲のリンパ球より、ヒスタミンを放出させて痒み、肌荒れを引き起こすのです。 それだけでなく、神経成長因子と言うホルモンを出して、交感神経を皮脂腺のそばに引き寄せてしまうのです。そして、交感神経自体も大きく長くなり、大量のサブスタンスPを放出するようになります。これを図で示すと下のよ うになります(図8、9)。 | |||||||||||||||||||||
| すなわち、多くのストレス刺激がないと、皮脂の分泌は増加しなかったのです。 それが、肌ストレス、イライラが継続すると、ほんの少しの刺激で皮脂の分泌が急増してしまうようになるのです。 したがって、なかなか治療に反応しづらくなってしまうのです。また、サブスタンスPは痒み、肌荒れ、色素沈着を起こす作用を持っています。 この状態を解決するためには、皮脂腺のすぐそばにある交感神経を引き離す必要があります。引き離すのに一番有効な手段は、仕事を辞めて肌ストレスを減らすことです。 でも、仕事を辞めることができないから、皆さん苦労するのです。 | |||||||||||||||||||||
| 手軽な手段としては、ビタミンC、B群などのサプリメントの摂取、快適な運動、そしてリラックスする時間を持つことです。 肌ストレス解消の合言葉は、サプリメント、リラックス、快適な運動、そして十分な睡眠です。私も週に最低2回はジムに行くようにしています。 「今日はジムをさぼって、家でビールを飲もう」という悪魔のささやきが時々心の中から聞こえますが、悪魔のささやきに負けない努力も必要ですね。 これらのことを継続するには、自分の努力が必要です。手軽に肌ストレスを減らすにはどうしたらいいのでしょう? | |||||||||||||||||||||
| <手軽な肌ストレス除去法>手軽な肌ストレス除去法>毎日サプリメントを摂取しても疲れを感じるようであれば、ビタミンCの静脈注射が有効です。 内服とは桁違いの有効濃度で、ニキビの活性酸素を消去し、全身の細胞に栄養を与え、イライラを減らして交感神経を皮脂腺から引き離します。 ビタミンCだけで物足りなければ、ビタミンB群、アミノ酸などを含んだカクテルビタミンの静脈注射がお勧めです。特に、朝から晩までパソコンに向かっているような方は、眼も疲れ、肩も凝ると思います。 ビタミンC単独注射よりも、より強力に全身の細胞にエネルギーを供給し、疲労を回復させると共に、皮脂腺にくっついていた交感神経を引き離し、なかなか治らないイライラニキビを治します。私もカクテルビタミンの注射は週に1回は行っています。 細胞に栄養が与えられれば、疲れやすくなったり、回復に時間がかかったりします。 | |||||||||||||||||||||
| <ニキビの治療法>ニキビの治療法>a.丁寧なカウンセリング青山ヒフ科クリニックには、全国から大勢のニキビの患者様が来院されます。 ニキビの治療で一番大切なことは、患者様の“ニキビを治す”という気持ちを高め、維持することです。そのために必要なことは、なぜニキビが起こるのか、患者様の場合、どうしてなかなか治らないのかを、懇切、丁寧に 説明することです。例えば、高濃度ビタミンC誘導体がなぜニキビに有効なのか、なぜビタミンCやビタミンB群の内服が大切なのかを説明します。ニキビの場 合、ちょっとした環境の変化、心理的ストレス、ホルモンバランスの変化など、様々な理由で悪化します。患者様の立場に立って、それを克服していくにはどう したらいいかを話し合いながら、最適な治療法を提案させていただきます。 青山ヒフ科クリニックでは、まず丁寧なカウンセリングを行い、なぜニキビができるか、どうしたら治すことができるか、を患者様にご理解いただくこと、それ がニキビ治療に、一番大切で、重要なことだと考えております。クリニックでは多彩な外用剤や治療法、サロンでは多彩なメニューを用意しています。ニキビに お悩みの方の肌を、一刻も早く治してさし上げたい、患者様のお役に立ちたい、それが青山ヒフ科クリニックの心からの願いです。b. 的確な診断ニキビの分布状態、顎に多いのか、口の周囲やフェイスラインに多いのか、いつからできたかをまず診ます。そして、ニキビの状態、痛みや痒みを伴う か、炎症が軽度か、高度か、皮脂が詰まっているか、こもりニキビがあるかどうか、詰まっている皮脂が黒く変化しているかどうかなどを詳しく診察します。そ して、ニキビがどのような状態かを診断します(コラム59,60回をご参照ください)。また、ニキビ周囲の皮膚が正常か、赤いか、乾燥しているかなどニキ ビ周囲の皮膚や毛穴を観察し、毛穴の開きや、脂漏性皮膚炎(コラム62回をご参照くださいや)クレーターを合併しているかどうかを観察します。ニキビがで きた時、環境や精神的なショックがあったかどうかも、お聞きします。ニキビだけでなく、肌全体の状態、現在の精神状態や環境状況や肌ストレスの有無、現在 までの治療法もお聞きして、総合的な診断をします。そして患者様のお好みの治療法もお聞きして、治療方針を決定します。 c.スキンケア スキンケアはニキビ治療の中心になります。 ニキビだけでなく、毛穴の開きも気になるという方にはクリームの併用がお勧めです。 高濃度ビタミンC誘導体、ビタミンB群、アミノ酸を含有した青山ヒフ科クリニックオリジナルの注射液です。通常のメソセラピーの数百倍の濃度です。 ニキビだけでなく、クレーター、こもりニキビに最適のレーザーです。皮膚に細かい穴を開けます。皮脂の排出を促進するとともに、コラーゲンの合成を促進して、古いクレーターの治癒を促します。 当院で使用するビタミンCは、全てビタミンC誘導体です。 青山ヒフ科クリニックでは、患者様の肌質に合わせて1%~30%まで、キメ細かく濃度を設定します。 手軽で素早く高濃度ビタミンC誘導体の導入をしたいという方にお勧めです。お着替えもありません。 | |||||||||||||||||||||
| i.ビタミンC導入じっくりと高濃度ビタミンC誘導体の導入をします。青山ヒフ科クリニックのイオン導入器はパルスタイプと言う特殊なもので、顔全体をマスクで覆い行います(図10) デコルテマッサージと肌質に合わせた保湿パックが付いています。 | |||||||||||||||||||||
| j.クイックオリゴノールVCコースニキビがあるけれども肌が乾燥している方にお勧めです。 美白作用、毛穴縮小作用保湿作用を持つオリゴノールとの相乗効果で、高濃度ビタミンC誘導体がより深部に、大量に導入されます。 k.オリゴノールVCコースニキビがあるけれども肌が乾燥している方にお勧めです。美白作用、毛穴縮小作用保湿作用を持つオリゴノールとの相乗効果で、高濃度ビタミンC誘導体がより深部に、大量に導入されます。 デコルテマッサージと保湿、パックが付いています。詳しくはコラムを後参照ください。 高濃度ビタミンC誘導体だけでなく、男性ホルモンをブロックするリコカルコンAや皮脂分泌を抑え得る各種植物エキスを導入します。デコルテマッサージと保湿、パックが付いています。 ディープクレンジングで徹底的に毛穴をお掃除したあとに、高圧酸素でビタミンAやセラビオなどを毛穴に送り込み、さらにカクテルビタミンをイオン導入します。 ディープクレンジングと高濃度ビタミンC誘導体の導入と肌質に合わせたパックを行います。皮脂分泌が過剰で毛穴に皮脂が詰まり気味の方にはオプションで吸引も行います。 ディープクレンジングをして、顔全体に肌を活性化するジェネシスレーザーを照射します。そして高濃度ビタミンC誘導体導入を行います。ニキビだけでなく、赤みやタルミが気になるかたにおすすめです。 活性酸素を消去するリコピンや高濃度ビタミンC誘導体を電子穿孔法で肌に大量に導入するだけでなく、保湿成分や、代謝促進性も大量に導入します。 以上、すべてのコースに低濃度のピーリングをトリートメント前に行い、浸透をアップさせるマイルドピーリングや、ケミカルピーング、ディープクレンジングをオプションで追加することも可能です。 | |||||||||||||||||||||
| <治療結果>最後に、青山ヒフ科クリニックで治療した患者様の治療前と治療後の写真も掲載します。現在ニキビに悩んでいる方も希望を持って、治療やスキンケアをすればキレイになれます。 頑張っていきましょう。治療結果> | |||||||||||||||||||||
| 青山ヒフ科クリニックのスキンケア(治療前後) a ドクターケイ ケイプレミアムクリーム使用前後 e ドクターケイ ケイオイルコントロールエッセンス使用前後 f ドクターケイ ケイオイルコントロールエッセンス+ケイプレミアムクリーム使用前後 g ドクターケイ 上記+ケイエッセンスローション+ケイブライトニングモイスチャー使用前後 h | |||||||||||||||||||||