乾燥して鼻が痛いのはドライノーズかも?その原因と簡単な対処法とは
ドライアイ=目の乾燥、ドライマウス=お口の乾燥といったように体の一部が乾燥する病気に悩む人が増えていますね。
目や口と同じように鼻の中も乾燥して痛みを伴う、「ドライノーズ」という不快な症状を起こしやすいんですよ。今回はあまり知られていないけど意外と多くの人が経験しているドライノーズの特徴と対処法について説明したします。
約30%の老若男女が自覚している!ドライノーズとは?
空気が乾燥している時に喉、目、肌などが乾燥するのと同じように、常に外気にさらされている鼻粘膜も乾燥しやすくなります。鼻粘膜が乾燥して不快な症状を伴う状態を「ドライノーズ(dry nose)」といいます。
風邪や花粉症などを発症しているわけでもないのに、鼻の症状が続くところが特徴です。あなたも次に挙げる症状に悩んでいませんか?
- 鼻の中が乾燥してカサカサした感
- 鼻の中がムズムズする
- 鼻水が出ていない時も、すぐ鼻がかみたくなる
- 大きな鼻くそが取れるようになった
- 鼻の中がヒリヒリ(ピリピリ)と痛む
- 鼻をかむとティッシュに血が付く
- 鼻水はサラサラしている
実は、ドライノーズは誰にも起こりやすい現象なのです。
10歳以上の300名(男性131名 女性169名)中、93名31%の方がドライノーズ症状を自覚
ドライノーズ症状は、性別年齢にかたよりなく発生しています。
ドライノーズには、「乾燥性鼻炎」というれっきとした医学的な呼び方があります。ただし危険な病気ではありません。
乾燥性鼻炎は慢性鼻炎の一種で、鼻炎の中では「過敏性感染型」に分類されています。ウイルスや細菌に感染もしておらず、器質的な原因もない(検査をしても特に悪いところが見つからない)のに症状が起こる病気のひとつといえます。
鼻炎の分類
| 分類 | 主な鼻炎 |
|---|---|
| 感染性 |
|
| 過敏性非感染性 |
など |
| 刺激性 |
など |
| その他 |
など |
(参照…診断群別臨床検査のガイドライン2003「アレルギー性鼻炎」より)
ドライノーズの症状はあらゆる鼻炎の中でも比較的軽症なのですが、だからといって軽く見過ごしていると、症状が長引きやすい特徴があります。
鼻づまりは起こりませんが、鼻粘膜が乾燥して過敏になっているので、ちょっとした刺激でさらさらした鼻水が分泌して鼻くそが溜まりやすくなります。
鼻をいじる回数が増えるので、どうしても鼻粘膜に小さな傷が生じやすく、炎症や軽い出血が起きてかさぶたのような鼻くそができます。
かさぶたが鼻の中を刺激するので、鼻の中がむずむずしてかゆくなります。鼻をかんだりかさぶたを剥がしたりすることが増え、さらに鼻粘膜が傷ついて出血やかさぶたが増える悪循環に陥りやすくなるのです。
仕事や勉強にも集中できなくなるので、気付いたら早めに対処しましょう。
空気が乾燥している時に!ドライノーズの簡単な対処法
ドライノーズの症状は、鼻の乾燥を防ぐセルフケアで自然に治癒させることが可能です。
鼻の中が乾燥してカサカサしていると感じたら、室内の空気と鼻粘膜を十分に保湿しましょう。
ドライノーズ対処法:マスクをつける
マスクの着用は、ドライノーズの対処法の中でも最も効果が高く簡単な方法です。室内外を問わず乾燥を予防し、マスク内の湿気で鼻粘膜をしっかり保湿することができます。
鼻粘膜の乾燥感が強い場合は、マスクの内側に濡らしたガーゼを挟むとよりモイスト効果が高まります。
ドライノーズ対処法:室内の湿度を50~60%に保つ
湿度が20%以下に下がるとドライノーズが起こりやすくなります。湿私達が最も快適で健康的に過ごせる湿度は50~60%です。
オフィスや家庭には温湿度計を設置して、こまめに理想的な湿度をキープするようにしましょう。エアコンを使っている部屋は特に空気が乾燥しやすいので、保湿対策をしっかり行ってください。
- 室内に加湿機を設置する
- 濡らしたバスタオルを部屋に干しておく
- 洗濯物の部屋干しをする
- 湯船にお湯をはって浴室の扉を開けておく
- 石油ストーブでヤカンの湯を沸かす
湿度は高いほど良いというものでもありません。湿度が60%以上になるとダニやカビが繁殖しやすくなるので、50~60%の理想的な湿度を目指してください。
また「観葉植物を置くと乾燥対策になる」という説もよく聞かれますが、専門業者に確認したところ「観葉植物は葉から水分を出したり吸ったりして湿度を調整する機能を持つが、非常にわずかなので室内に数鉢置いた程度で湿度を上げる効果は、ほぼ得られない。」とのことでした。
観葉植物は、空気を清浄する効果、脳の疲労を回復し作業効率を高める視覚効果が実証されているので、保湿以外の目的で使うといいですね。
ドライノーズ対処法:生理食塩水で鼻を保湿する
鼻の中を、生理食塩水で保湿するのもおすすめ。鼻粘膜を保湿したり、ほこりや花粉を洗浄してムズムズするのを防いだりする効果が得られます。生理食塩水とほぼ同じ成分でドライノーズ専用のスプレーも市販されています。
生理食塩水は使い過ぎてもクセにならないので安心して使えます。特に、鼻水が固まってかさぶたになってしまう前にスプレーするのが効果的とされています。
スプレーボトルに入れて、鼻の乾燥が気になった時、鼻の穴に数回スプレーした後、ティッシュなどで鼻の中の余分な水分を除去しておきます。
また、ドライノーズの症状が気になっても鼻粘膜はむやみにいじらないことが大切です。いじると傷が増えて治りが悪くなってしまいます。やむを得ず鼻をかんだり鼻をほじったりした後はすぐに保湿して、鼻粘膜を保護しておくと良いでしょう。
ドライノーズ対処法:お風呂で鼻を保湿
お風呂に入った時には、お湯から出ているたっぷりの湯気も活用しておきましょう。
入浴中に歌を歌うのも鼻の保湿に良いと言われます。呼吸が大きくなり、鼻から湯気をたっぷりすいこむからです。喉の保湿にも良いですね。
ドライノーズ対処法:ワセリンやジェルを塗る
鼻粘膜にワセリンを塗るのも効果的です。ワセリンは医療機関の処方やドラッグストアで入手できる油脂で、皮膚を保護する効果が高く刺激がほとんどないので、ドライノーズの傷やかさぶたにも安心して使えます。
塗り過ぎるとベタついて不快感が出やすいので、1回に付きゴマ粒1個程度の量を薄くのばすように塗ると良いでしょう。
鼻を保湿するためのジェルなどを使ってみるのもオススメです。
ドライノーズ対処法:ビタミンAで粘膜を強化
ビタミンAには、粘膜の乾燥を予防して丈夫にする作用があります。ビタミンAを多く含む食品を意識して摂取しましょう。
- ウナギ
- レバー
- ニンジン
- カボチャ
- ピーマン
- みかん
乾燥感が強い場合は、ドラッグストアで入手できる「肝油」をしばらく継続して服用してみるのも良いでしょう。
ただし鼻を保湿しても粘膜の乾燥がおさまらない場合、鼻の痛みや出血が改善されない場合はドライノーズではなく、別の病気が原因となっている可能性もあります。
中には病院の治療が必要な病気が潜んでいる場合もあるので、症状が少しでも気になる場合は耳鼻科を受診するのが安心です。
乾燥した空気のほかに鼻の疾患も関連…ドライノーズの原因は
ドライノーズの主な原因は気候やエアコンによる空気の乾燥ですが、鼻の疾患が原因でドライノーズを併発している場合もあります。
ドライノーズの原因:点鼻薬の使い過ぎ
花粉症などアレルギー性鼻炎の人に、点鼻薬の使い過ぎでドライノーズが起こっているケースが増えています。
点鼻薬は鼻粘膜の血管を収縮させて炎症や鼻水の分泌を抑える作用があります。しかし、使い過ぎると鼻水の分泌が不足してドライノーズが起こりやすくなってしまいます。
点鼻薬は医師の指示や使用上の注意を守って使い過ぎにならないよう注意しましょう。また依存性があるので、長期連用はなるべく避けてください。
ドライノーズの原因:シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は、30~50代の女性に多い自己免疫疾患の一種です。女性ホルモンや体質などが関係して発症すると考えられていますが、はっきりした原因は特定できません。国の特定疾患(難病)に指定されています。
- 目、鼻、口、膣など全身の粘膜の乾燥
- 倦怠感
- アレルギー
- 頭痛
- 唾液炎の痛み
など
鼻以外に目や口の乾燥が気になったら内分泌科を受診して検査を受けましょう。
自然に治癒することもなく、根本的な治療法も見つかっていないのですが、規則正しい生活で免疫力を高めたり粘膜を十分に保湿したりすることで症状を軽減させることが可能な病気です。
ドライノーズの原因:老人性鼻炎
老人性鼻炎は、器質的な原因ではなく老化によって鼻粘膜の機能が低下するために起こる鼻炎です。
- 特に理由もなく鼻水やくしゃみが出る
- 寒暖差で鼻水が出やすくなる
- 鼻粘膜が乾燥しやすくなる
- 鼻水はサラサラしている
老人性鼻炎の根本的な治療法はありませんが、薬で鼻水の分泌を抑えたり鼻を保湿して鼻粘膜の機能を高めたりすることで、容易に症状を軽減させることができる病気です。
高齢者の方のドライノーズは耳鼻科に相談すると良いでしょう。
ドライノーズの原因:萎縮性鼻炎
萎縮性鼻炎は、鼻粘膜が薄く硬くなって乾燥や炎症が起こりやすくなる病気です。原因には鼻の手術、甲状腺の異常、鉄欠乏性貧血、ビタミンAの欠乏症などがあります。
- 鼻粘膜にかさぶたができる
- 鼻の中から悪臭がする
- 出血が起こる
萎縮性鼻炎の治療は、鼻を洗浄したりワセリンなどで鼻粘膜を保湿したりして炎症をおさえることが中心となります。
感染症の原因にも!ドライノーズは早めに対処しましょう
鼻粘膜は、ほど良い湿り気が必要な場所です。鼻粘膜には外気と一緒に吸い込まれる異物(細菌やウイルス)を絡め取って鼻水と一緒に排出させ、異物が体内に侵入するのを防ぐ役割があるのです。
鼻粘膜が乾燥すると異物をキャッチする機能が低下してしまい、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなってしまうので、乾燥しないように注意しましょう。
空気の乾燥が気になり始めたら、肌や喉の乾燥だけでなく鼻の乾燥対策も意識してくださいね!