【春の肌悩みの代表は"ニキビ"】
多くの方から寄せられる悩みの種のひとつに「ニキビ」という声をよく聞きますが、ニキビのできやすい時期についてご存知でしょうか?
ニキビができてしまう原因は様々ですが、季節の変わり目やライフスタイル、環境などの変化から、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)やホルモンバランスの乱れが起こり、これらが原因で目立つニキビが顔に現れることが多いのです。
冬から春にガラリと気候が変わるばかりか、進学や就職、また生活環境や時間のリズムが変わることの多い春は、ニキビにとっては恰好の餌食。
ニキビケアは1年を通して注意しておきたいものですが、実は春が特にニキビには要注意の季節なのです。
【"ニキビ"肌はこうしてできる!】
では、どうしてニキビはできてしまうのでしょうか?
ニキビができるメカニズムは、ニキビの種類によっても違いますが、皮膚から汗や皮脂が上手く排出できずに皮膚内に溜まることが引き金になる場合がほとんどです。
私たちの皮膚からは、常に汗や脂が分泌されています。しかし、皮膚の機能低下やターンオーバーが乱れることで硬い皮膚が汗や皮脂の出口(毛穴)をふさいでしまうことがあるのです。
そうすると、汗や皮脂は皮膚の外に出ていくことができず、内側に溜まっていきます。皮脂が中にどんどんと溜まっていくと、外側からは白く盛り上がった状態に見えるので「白ニキビ」と呼ばれたりします。(簡単に言えば、お肌の中にラードのような脂の塊が入っているようなものです)
この白ニキビをそのままにしておくと、出口に近い皮脂が酸化され、汚れがつくことで、黒っぽく色が変わり、「黒ニキビ」へと進んでいくことがあります。
さらに、白ニキビや黒ニキビを放っておくと、ここにニキビの原因菌とも言われるアクネ菌が繁殖し始め炎症を引き起こします。この炎症が酷くなれば、「赤ニキビ」となって目立ってきます。
赤ニキビの炎症反応は膿(うみ)をつくり、皮膚内に膿を持った「黄ニキビ」へと変化します。基本的には白→黒→赤→黄と変化を遂げながらニキビは治っていきますが、後になればなるほど、ニキビ痕が残る可能性があるので、黄ニキビまで放っておくことは要注意です。
できるだけ早い段階での対応が一番。ですから、ニキビのメカニズムを理解した上で、炎症が起こっていない白ニキビか黒ニキビで対処してあげるように気を付けるのが良いでしょう。
【思春期ニキビと大人ニキビ何が違うの?】
「ニキビ」と言っても、実はその種類は色々です。よく分類されるのは「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」、そして「生理前ニキビ」に悩む方も多いのではないでしょうか。正しいニキビケアを行うためにも、自分自身のニキビの種類やその原因を知っておくことはとても大切なので、ニキビの違いについてご紹介していきましょう。
≪思春期ニキビ≫
思春期(だいたい12~18歳頃まで)は、第二次性徴期という生殖器の最終的な成長と変化が起こる時期です。この時、体内では男性ホルモンの割合が増え、この男性ホルモンが皮脂腺を刺激して、皮脂分泌を活発にしてしまうことがあります。
このようなホルモンバランスから急激に皮脂分泌量が増えてしまうと、毛穴からの排出が追いつかず、皮膚の中に残ってしまいます。この排出しきれずに残った皮脂が、思春期ニキビの始まりになってしまうのです。
この状態をそのままにしておくと、古くなった角質も手伝って毛穴をふさいでしまうような栓ができ、さらに皮脂は溜まっていきます。すると毛穴の中でアクネ菌が増殖を始め、炎症性のニキビに成長していってしまうのです。
思春期ニキビは第二次性徴期が終わりホルモンバランスも落ち着けば、ニキビも落ち着いてくることがほとんどです。ただし、思春期ニキビも悪化させないようにニキビケアをしていないと、ニキビ痕が残ってしまう可能性がありますから、注意は必要です。
≪大人ニキビ≫
大人ニキビの原因は、皮脂の過剰分泌だけではなくターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)の乱れやバリア機能の低下、ストレスや食生活の乱れ、化粧品やメイクによる毛穴の詰まりなどなど、様々です。
大人ニキビは、なかなか治らず、良くなったり悪くなったりを繰り返すことも特徴です。ニキビの発生メカニズムは思春期ニキビと変わりませんが、発生原因がストレスや食生活、睡眠不足、生活習慣など、日常的なものの影響が大きいからです。
ですから、大人ニキビはニキビケアとして、メンタル的な部分のサポートやライフスタイルの見直しなども重要なポイントになってきます。
≪生理前ニキビ≫
生理前になるとニキビができる!! と悩まれている方も多いようですが、これは女性ホルモンのバランスの影響によるものです。
女性ホルモンには、「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンがあり、この2つがバランスを取り合いながら女性としての体を調整してくれています。排卵や妊娠準備にあたる生理前は、プロゲステロンの分泌量が増え、子宮を守るために老廃物を外に出そうとし皮脂の分泌量が増える傾向があります。また精子を受け入れるために皮膚や粘膜の抵抗力も弱くなるなど、ニキビの原因となる要素が増えてしまうのです。
生理前ニキビは、女性であれば仕方がないものではありますが、生理周期に合わせたスキンケアや日常生活の中のちょっとした体への心遣いがニキビ対策の大切なポイントになります。
【自分の症状に合った "ニキビケア"をしましょう】
今までお話ししてきたように、「ニキビ」には色々な種類もあれば、その発生原因も違ってきます。ですから、ニキビケアで大切なことは、まずは自分のニキビを理解すること。自分のニキビがどんな種類のニキビなのか、また、どうして起こっているのかを知った上でケアしていくことがポイントなのです。
そこで、いくつかニキビケアをご紹介してみましょう。
≪サリチル酸配合化粧品≫
どのようなニキビであれ、とても重要なポイントとなるのが「皮膚を清潔にすること」、「皮膚に古い角質を溜めないこと」です。
皮膚に硬い角質が溜まれば毛穴をふさぎ、皮脂を溜め込んでしまいますし、皮膚が不潔な状態であればアクネ菌が繁殖しやすくなってしまいます。
そこで活用していただきたいのが「サリチル酸配合化粧品」です。
サリチル酸には古くなった角質を除去したり硬い角質に柔軟性を与える働きがあります。さらに、ある程度の殺菌作用も持っている優れものなのです。
サリチル酸は、美容皮膚科などでピーリング効果を得るためにも使われるほどですが、そのかわり、使用量や使用方法にも注意は必要です。扱い方法を間違ってしまうと肌の負担になってしまう可能性もあるからです。
その中で、自宅ケアとして売られている「サリチル酸配合化粧品」は、普段使いできるようにサリチル酸量や配合成分が組まれているので、ニキビケアには取り入れやすいはずです。
サリチル酸配合化粧品も種類が多く、色々な特徴を持ったものがありますから、自分の肌に見合った配合の化粧品を選ぶことがポイントです。
サリチル酸には、硬くなった皮膚の角質を柔軟にする働きがあり、古い角質の除去や毛穴をふさいでいる角質の蓋(角栓)の予防に期待が持てる成分です。様々な種類のニキビの発生原因でもある「毛穴のつまり」には有効的な成分のひとつで、特に白ニキビや黒ニキビの予防や改善に活躍してくれる可能性があります。また、ある程度の殺菌作用も併せ持っているので、ニキビの原因菌でもあるアクネ菌を減らし炎症の発生を抑え、軽減する作用にも期待が持たれています。この働きは、赤ニキビや黄ニキビといった炎症を伴ってしまったニキビには嬉しい働きです。
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≪食生活≫
食生活の乱れも、ニキビの大きな原因のひとつになります。なぜなら、栄養バランスの乱れはターンオーバーの乱れを引き起こす可能性が高いからです。
健康的で若々しい方の肌は、約1ヵ月で皮膚が入れ替わると言われていますが、食生活の乱れは皮膚の新陳代謝を遅延させ、古く硬い角質を溜め込む原因となってしまうことがあるのです。
バランスの取れた食生活はもちろんですが、皮膚の新陳代謝を促すビタミンAや亜鉛、アミノ酸などをしっかり摂っておくことが大切です。
≪睡眠≫
睡眠不足や睡眠の質の低下は、ニキビだけではなくお肌の状態を左右する基本事項。そして、睡眠不足はもちろんですが、「睡眠の質」も大切なポイントになります。
皮膚の新陳代謝が最も盛んに行われると言われるのは、入眠してから3~4時間。この時に、しっかり深く眠っていることが重要なのです。
「長く寝れば良い」という訳ではないのが睡眠です。自分自身に合った睡眠リズムと睡眠の質を充実できるように工夫することが、ニキビケアのひとつにもなるのです。
≪腸内環境≫
お肌と腸は、隣り合わせの関係。腸内環境の乱れは、ダイレクトに肌の状態に現れることも少なくありません。
肌と腸は、人間が成長するときに同じ系統として発達していることや自律神経が影響を及ぼすことなど、非常に近い存在。昔から「肌は腸の鏡」などと言われるように、腸内環境は皮膚に大きな影響力を持っているのです。
便秘、下痢気味、お腹が痛くなりやすい、胃もたれを起こやすい...。などなど、胃腸の不具合を持たれている方は多いようですが、これがニキビの原因のひとつになっている可能性もあります。
消化酵素や食物繊維、腸マッサージなどを上手く取り入れ、まずは腸内環境メンテナンスから始めてみるのもオススメです。
≪ストレス≫
ストレスが生み出す「不調」は様々ですが、ニキビもそのひとつです。
ストレスはホルモンバランスを乱したり、皮膚のターンオーバーを狂わせたり、腸内環境を悪化させたり...。ニキビの発生原因を数多く作ってしまうのです。
ストレスを完全に無くすことは無理だと思いますが、ストレスに打たれ強い体作りやストレスからの影響を悪化させないことは大切です。
日常生活にリラックス効果のあるアイテムを取り入れたり、自分自身の時間を上手く作り出したり、また、食事内容の見直しやサプリメントを上手く取り入れることもストレス対策に貢献してくれるはずです。
馬渕知子先生プロフィール
マブチメディカルクリニック医院長。内科医、皮膚科医。東京栄養食糧専門学校副校長。東京医科大学医学部卒業。東京医科大学病院に勤務後、マブチメディカルクリニックを開院。内科学・皮膚科学専門だが、あらゆる科との提携を結び、多面的に人間の体を総合的にサポートする医療を推進している。親しみやすい人柄でTV、雑誌など数多くのメディアで活躍中。