ハイドロキノンやトレチノインを使った黒ずみ対策
デリケートゾーンの黒ずみを解消するために、毎日のケアに美白クリームを取り入れるのは、身体にもお財布にもやさしい方法です。だからこそ、皮膚が薄くて敏感なデリケートゾーンに使う美白クリームは、副作用のない安全なものを選びたいものです。
この記事では、美白クリームに配合されていることが多いハイドロキノンやトレチノインという成分の効果や副作用、使用上の注意点について詳しく解説します。
美白クリームについて
美白成分とは、黒ずみの原因になるメラニンの生成を抑制する効果や、新しい肌の細胞が生まれ変わりやすくなるための補助をする効果がある成分のことです。みなさんがよく目や耳にする美白成分の代表的なものは、次のようなものがあります。
- ビタミンC誘導体
- アルプチン
- リノール酸
- トラネキサム酸
- コウジ酸
- エラグ酸
- プラセンタエキス
- グリチルリチン酸
- ハイドロキノン
ただし、これらの美白成分が誰にでも効果的というわけではありません。肌質や黒ずみの状態には個人差があり、年齢や健康状態などによっても肌のコンディションは違ってきます。デリケートゾーンの黒ずみ解消のために美白クリームを使用する際は、含まれる成分について下調べをしたうえで、自分の肌に合ったものを選ぶ必要があります。
では、エイジングケアやシミを薄くする美白化粧品の紹介で、最近よく目にするようになった「ハイドロキノン」や「トレチノイン」という成分について、次で詳しく見ていきましょう。
ハイドロキノンって何?
ハイドロキノンは、もともとは麦芽やコーヒー、イチゴなどに含まれている天然成分です。そして化学薬品としてのハイドロキノンは、写真の現像やゴムの酸化防止剤などの工業薬品として開発されたものです。
写真の現像に携わる人たちの手の色が白く変化したことから、美白効果があるのではないかと研究が進み、化粧品にも用いられるようになりました。
ハイドロキノンは作用が強い成分のため、日本では2001年に薬事法が規制緩和されるまで、医師の処方がなければ使用することができませんでした。現在では、ハイドロキノンの配合が4%以下であれば、市販品にも使用して良いことになっています。
ハイドロキノンの美白効果
ハイドロキノンは、いわば「肌の漂白剤」のようなものですが、美白効果が期待できるのは、肌の表面にできたシミやそばかす、黒ずみだけです。肌の奥深く、真皮にまで及んでいる色素沈着には効果が期待できないことを、まず知っておきましょう。
効果1. シミや黒ずみを予防
シミや黒ずみの原因になるメラニンを生成するチロジナーゼ酵素の働きを阻害する作用と、メラニン色素をつくるメラノサイトを減少させる作用があります。これらによって、シミやそばかす、肌の黒ずみを予防する効果が期待できます。
効果2. シミや黒ずみを薄く改善
ハイドロキノンには酸化を抑制する還元作用があるため、紫外線などの刺激によって酸化して黒ずんだ肌に働きかけて、メラニン色素を薄くする効果があります。
ハイドロキノンの副作用
強い薬剤であるハイドロキノンは、美白効果が期待できる一方で、副作用のリスクもあります。肌が敏感な人や、皮膚が薄いデリケートゾーンに使用する際には、注意が必要です。
副作用1. 白斑
ハイドロキノンの濃度や使用箇所、期間によっては、肌にできる白くまだらな斑点である白班が現れることがあります。濃度の高いものほど白斑ができる可能性は高いです。また、濃度が低くても、長い間使用しているうちに副作用のリスクは高くなります。特にデリケートゾーンは皮膚が薄く、薬剤の影響を受けやすいため、注意しましょう。
副作用2. 肌の赤みや炎症
ハイドロキノンは不安定で酸化しやすい物質です。酸化時に生成されるベンゾキノンという刺激の強い物質が、肌の赤みや炎症などのダメージを与えます。また、強い薬品であるために肌に合わない場合もあります。赤みや炎症が出た場合は、すぐに使用を中止しましょう。
副作用3. 色素沈着の悪化
紫外線を浴びることでもハイドロキノンは酸化し、ベンゾキノンを生成して肌の炎症を引き起こします。炎症が起きた部分はメラノサイトの活動が活発になり、色素沈着がさらに深部まで進み、黒ずみを悪化させてしまう可能性があります。
ハイドロキノンが配合されている顔用の美白クリームには「夜専用」と表示がされているのも、この紫外線による影響が大きいため、日中の使用を控える必要があるからです。
デリケートゾーンが紫外線の影響を受けにくい場所だからと、過信してはいけません。夏場など紫外線の強い季節では、紫外線は薄い洋服や下着を簡単に通過して、ハイドロキノン配合の美白クリームを使用した肌にダメージを与える可能性があります。
トレチノインって何?
トレチノインは、トレチノイン酸というビタミンA誘導体のことです。ビタミンA誘導体は、ビタミンAであるレチノールを壊れにくく、肌に吸収されやすい形に変換したものです。肌に吸収されると、真皮でレチノールに変わるのが特徴です。
トレチノインには肌のターンオーバーを促進する作用のほか、皮脂を抑制する作用があり、アメリカではニキビやシワを治療する医薬品として使用されています。日本では認可されていない薬品のため、市販の化粧品や美白クリームには配合されていません。
そのため医師の指導のもとに使用する必要があり、皮膚科や美容クリニックの自由診療で治療を受けることになります。顔にできたアザや肝斑、大きなシミなどの治療がメインです。皮膚の薄いデリケートゾーンにトレチノインを使用するクリニックは、副作用の危険からも、ないに等しいのが現状です。
トレチノインの美白効果
トレチノイン単体で使用すると、強力な作用によって肌の赤みや炎症が起きやすく、炎症性色素沈着という黒ずみの悪化を招く可能性が高くなります。そのためハイドロキノンと併用して使うのが一般的ですが、だからといって赤みや炎症が起きるリスクが低くなるわけではないことを知っておきましょう。
効果1. 肌のターンオーバーを促進する
正常な肌は、約28日周期のターンオーバーによって新しい細胞に生まれ変わり、古い細胞が剥がれ落ち、健康や美しさを保っています。しかし紫外線や間違ったスキンケア、肌の乾燥などによってターンオーバーが乱れると、角質層が厚くなり黒ずむ原因になります。
トレチノインの大きな特徴は、肌の角質を剥がすピーリング作用です。ピーリングによって薄くなった角質は、新しい細胞をつくるスピードが速くなるので、ターンオーバーが促進され、黒ずみを防ぎます。
効果2. 紫外線による肌の老化を抑える
紫外線は、肌にシミやそばかす、深いシワをつくる原因になります。このように真皮がダメージを受けると、ターンオーバーが乱れて角質層が分厚くなり、肌が黒ずんでしまいます。トレチノインにはこの紫外線による老化を抑制する作用があるため、肌のシミや黒ずみを予防する効果が期待できます。
トレチノインの副作用
トレチノインが日本で認可されていない理由は、副作用のリスクが高いためです。肌への反応が強いため使用が難しく、たとえ低い濃度であっても、使用する場所によっては副作用が大きく現れることがあります。
副作用1. 肌の痛みやかゆみ、炎症
トレチノインの肌の角質を剥がす作用には、痛みやかゆみ、炎症などの副作用が起こるリスクが伴います。特にデリケートな脇の下や乳輪、へその周り、鼠径部、陰部、肛門周辺などは強く反応する傾向にあります。陰部や肛門周辺はトレチノインの濃度が低くても、強い副作用が起きることがあるので、注意が必要です。
副作用2.肌がむけることによる痛み、出血
トレチノインには、肌の角質を剥がして肌のターンオーバーを促進する効果があることを説明しましたが、この作用によって1ヶ月~2ヶ月ほど肌がむけます。顔や首などのアンチエイジング治療や大きなシミ取り治療では、この時期を「反応期」と呼びます。
この反応期に、肌がむけたところが痛んだり出血したりするトラブルが起こる可能性もあります。角質層が薄くなっている状態では肌のバリア機能が衰えるため、細菌や乾燥にとても弱く、感染症などの二次リスクも高まります。このような場合はすぐに使用を停止して、医師の診断を仰ぎましょう。
副作用3.奇形児が生まれるリスク
内服のトレチノインには、奇形児が生まれるリスクが高くなる可能性があります。外用薬として肌に使う場合はリスクは低いとされていますが、間違った使い方などをすると可能性はゼロではありません。これが、日本で認可されていない大きな理由の一つです。
デリケートゾーンの黒ずみに美白クリームを使うために
「美白にすごく効く美白クリームがあるらしい!」という情報があっても、含まれる成分にどんな効果や副作用があるのかを知ることが、とても重要です。ここでは、デリケートゾーンの黒ずみを解消するために、どんなことに気をつけて美白クリームを選べばいいのかをアドバイスします。
ポイント1. 専用の美白クリームを使う
デリケートゾーンの皮膚はとても薄く、保水力が弱いため、顔用のものと併用するのは避けて、専用の美白クリームを使いましょう。特に、顔のシミや黒ずみを改善する美白クリームのなかには、デリケートゾーンに使用するのを控えたい強い薬剤が配合されているものもあります。
ポイント2. 海外輸入品の美白クリームは避ける
海外から輸入された美白クリームには、ハイドロキノンやトレチノインが含まれたものもありますが、日本では認められていない成分も入っている可能性があります。また、海外輸入の美白クリームを扱っている個人業者のなかには、薬剤の知識がない場合もあり、取り扱い方や使用期限などに不備があることも、避けたい理由の一つです。
ポイント3.安全な成分を配合した美白クリームを使う
デリケートゾーンの黒ずみを解消するには、肌のターンオーバーを正常に戻し、水分の少ない場所にしっかりと保湿できる美白クリームを選ぶ必要があります。
ただし、皮膚が薄くて敏感なデリケートゾーンには、石油系化合物や化学香料など、肌のトラブルの原因になるような強い化学薬品が入ったものは避けましょう。天然の美白成分が配合されたものをおすすめします。
ハイドロキノンやトレチノインを使った黒ずみ対策を始める前に、それぞれの特徴や効果、副作用をしっかりと理解しておきましょう。そして、毎日安心して使える専用の美白クリームを使って、黒ずみを解消しましょう!