かぶれ、腫れ、色素沈着……。アイプチが原因かも?
アイプチやメザイクは、簡単に二重が作れて便利な反面、意外にトラブルがあることは知られていません。
きれいな二重を作るために、知っておきたいことがあります。
1.アイプチで二重にはならない
二重まぶたのカウンセリングをしていると、「アイプチやメザイクを毎日やり続ければ、そのラインが癖になって、永久的な二重になることはありますか?」という質問を受けます。
私の答えは、「毎日アイプチやメザイクをやり続けても、ほとんどの人はまぶたがかぶれてしわが増えるだけで、永久的な二重になる確率は低い」です。
まれに永久的な二重になる人はいますが、綺麗な二重のラインになることは少なく、本当に自分が理想とする二重のラインになる人は10人に1人くらいです。
2.日本人の6割が一重まぶた
もともと日本人の6〜7割が一重まぶたです。
一重まぶたというのは、生まれつきの二重まぶたにくらべて、脂肪が多く、皮膚がぶ厚いため、まぶたを開けたときに皮膚が折れ曲がらず、二重にはなりません。
ぶ厚いまぶたに毎日アイプチやメザイクで折れ癖をつけようとしても、皮膚が薄くなるわけではないので、永久的な二重になる人は少ないのです。
そればかりか、毎日アイプチやメザイクをやり続けることによって、まぶたの皮膚がかぶれてぶ厚くなり、余計に二重になりにくくなることがあります。
まれに生まれつきまぶたの皮膚が薄く、目力もあるのに一重まぶたという人がいます。
そのような人が毎日アイプチやメザイクをやり続けると、永久的な二重になることがあります。
だいたい5人に1人くらいの割合でしょうか。
その場合、理想的な二重のラインにならなかったり、左右非対称になったりすることが多いようです。
しかも、そのようなまぶたが薄くて目力のある一重まぶたの人は、アイプチやメザイクを続けなくても、いつか自然に二重になることが多いのです。
3.アイプチやメザイクのリスク
アイプチは、化粧用の糊で皮膚を貼り付け二重を作ります。
メザイクは、テープで二重を作ります。
どちらも皮膚にとっては異物で刺激があり、かぶれや腫れの原因となります。
実際に二重まぶたのカウンセリングをしていると、アイプチやアイテープやメザイクなどで、まぶたがかぶれている方が多いのです。
まぶたがかぶれると、皮膚が伸びてしわが増え、ひどくなると皮膚が硬くなったり厚くなったりするために厚ぼったいまぶたになり、余計に二重になりにくくなってしまいます。
体質的にかぶれやすい人とかぶれにくい人がいますが、かぶれにくい人も本人は気づかなくても少しはかぶれた状態です。
このために長く続けていると、色素沈着も起こしてしまいます。
しかしなぜ、まぶたの皮膚にダメージを与え続けてまでして、毎日アイプチやメザイクをやり続けて永久的な二重を作ろうとする人が多いのでしょうか?
おそらく整形疑惑がある芸能人が、疑惑を晴らすために、「毎日アイプチやメザイクをしてたら自然に二重になっただけです」とか、「二重に憧れて毎日ピンでクセをつけていたら、あるときから二重になったんです」などと弁明するためではないでしょうか。
それを観た人が、「毎日アイプチやメザイクをやり続ければ永久的な二重になるんだ」と考えるからだと思います。
このように弁明する芸能人は、中には本当にアイプチやメザイクで永久的な二重になった人もいるとは思いますが、埋没法や切開法で二重にした人も多いと思います。
4.アイプチより負担の少ない埋没法や切開法
いったん皮膚が被れて硬くなったり厚ぼったくなったりすると、アイプチをやめれば多少は回復しますが、ほとんどの場合、完全に元通りにはなりません。
美容外科医の意見としては、毎日アイプチやメザイクをやり続けて永久的な二重を作ろうとすることはおすすめしません。
医学的には、アイプチやメザイクでまぶたの皮膚にダメージを与え続けるくらいなら、埋没法や切開法で二重を作った方が、まぶたに負担がないのです。
アイプチでまぶたがかぶれている人は、いち早くアイプチをやめて二重まぶたの手術をすることをおすすめします。
5.埋没法
アイプチで作った二重は、皮膚同士を糊でくっつけているため、目を閉じたときやまたたきをしたときが不自然ですが、埋没法の二重はそれがない分自然になります。
普段アイプチなどをしている方が埋没法をする場合、そのラインで固定することを第一選択でおすすめしています。
いつも同じラインでアイプチをしている方は、そこのラインがしわになっており、皮膚が折れ曲がりやすくなっているので、埋没法をすると元に戻りにくいのです。
だからといって、埋没法を取れにくくするために、手術前に毎日アイプチをして癖をつけようとするのはおすすめしません。
アイプチはある種の接着剤であり、必ず接触性皮膚炎を起こし、炎症で皮膚が厚ぼったくなります。
医者の立場からすると、アイプチをすること自体が反対です。
ただアイプチでかぶれやすい人は、かぶれによるかゆみから目をこする癖のあることが多いため、こすると元に戻りやすい傾向のある埋没法より、ミニ切開法や全切開法などがおすすめです。
ただ埋没法でも幅の狭い二重なら比較的戻りにくいので、そういう選択もよいでしょう。
■二重まぶた・埋没法
6.ミニ切開法、全切開法
アイプチやアイテープなどで作る二重と、同じラインでミニ切開法あるいは全切開法をした場合、ほぼ同じ二重を作ることができます。
切開法は余分な脂肪を除去して厚いまぶたを薄くすることができる分、より自然ですっきりとした二重を作ることができます。
特に腫れぼったいまぶたの人や幅広い二重を作る場合は、ミニ切開法や全切開法が向いています。
アイプチで皮膚が伸びている場合も、全切開法で伸びた皮膚を切除することがあります。
7.アイプチのラインよりも広い幅の二重にするには
アイプチでのかぶれで毎日目をこすっていると、その物理的刺激により上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)の挙筋腱膜(けんまく)が瞼板(けんばん)から外れて、眼瞼下垂(がんけんかすい)になってしまうことがあります。
その場合、眼瞼下垂手術をすればまぶたの開きがよくなって目が大きくなり、同時に二重を作ることができます。
アイプチで非常に広い幅の二重にして目を大きく見せている人や、一度アイプチで二重を作り、その上からさらにアイプチをして二段重ねにして無理やり目を大きく見せている人に関しては、埋没やミニ切開法、全切開法だけで同じ二重を作ることができないことがあります。
同じ二重を作るためには、まぶたの開きをよくして目を大きくする眼瞼下垂手術が必要なことがあります。
そのように無茶なアイプチの使い方をしている人は、まぶたの皮膚が伸びきってしわしわになっている場合がほとんどなので、二重を作るときに皮膚を切除する必要があります。
ただし、どうしてもアイプチのラインより広くしたい方や、普段のアイプチのラインに左右差があり、左右差を整えたい方には、臨機応変にお応えします。
8.術後のアイプチは可能?
最近よく、埋没法や切開法の術後、アイプチやメザイクをしてもよいかというご質問いただきます。
手術で二重にしたが、もっと二重の幅を広げたくなったので、アイプチやメザイクをしたい、切開法の抜糸後、腫れをごまかすためにアイプチをしたいなどが理由のようです。
原則として、埋没法の後は術後3日目から、ミニ切開法、全切開法、眼瞼下垂手術の後は抜糸した翌日から、アイプチ、アイテープ、メザイクをすることは可能です。
ただし、腫れている状態でアイプチやメザイクをすると、まぶたに負担がかかるため、さらに腫れが強く出る可能性があります。
完全に腫れが引いて完成するのは、埋没法の場合は約3ヶ月、ミニ切開法、全切開法、眼瞼下垂手術の場合は約6ヶ月かかります。
その間にアイプチやメザイクをすると、腫れが引くのが遅くなる可能性があります。
9.術後のアイプチで二重がとれる?
術後、アイプチなどをすると二重が取れやすくなるのかというご質問に対する答えは、「多少取れやすくなる可能性はあります」です。
アイプチやメザイクを繰り返しすると、まぶたを刺激したり、皮膚がかぶれてこすれたりするので、埋没の糸がゆるんでいく可能性はあります。
特にアイプチは、広い面積に接着性の糊を塗るので、まぶたの皮膚への刺激が強く、要注意です。
ただ、当クリニックできちんと手術している場合は、アイプチやメザイクをすることによって二重が取れることはまずありません。
きちんと手術をして、内部処理がされていれば、アイプチやメザイクの刺激によって二重のラインがなくなってしまうことはまずないといえます。
ただし、いい加減な手術を受けて、きちんと内部処理がされていなければ、埋没法と同じように、アイプチやメザイクの刺激によって、二重のラインが弱くなったり、取れてしまったりする可能性はあります。
また、アイプチやメザイクの刺激によって、まぶたの皮膚がかぶれて分厚くなったり、しわしわになったり、伸びてしまえば、二重のラインがぽってりしたり、ふにゃふにゃになって、きれいなラインではなくなってしまうこともあります。
10.つけまつ毛やエクステにも注意
術後、注意したいのがつけまつ毛やエクステです。
つけまつ毛やエクステは、まつ毛の付け根に接着剤のようなものをつけて、まつ毛のボリュームを増やすものです。
まぶたの皮膚に刺激を受けることもあるので、二重まぶた切開法などをして、抜糸も済んでいないデリケートな時期にすることはもちろんできません。
原則として、アイメイクをしてよくなってからまつ毛エクステをしてもよいことにしています。
すなわち、二重まぶた埋没法は3日後から、二重まぶた全切開法、二重まぶたミニ切開法、眼瞼下垂手術などは抜糸の翌日からということになります。
まつ毛エクステに使用する接着剤には刺激性があるため、皮膚の弱い人が受けると、まぶたの皮膚がかぶれて腫れ上がってしまうことがまれにあります。
二重まぶた切開法などを受けた後は、抜糸が済んだ後でもしばらくはデリケートな状態なので、ちょっとした刺激でも腫れやすい状態です。
二重まぶた埋没法の後は1週間、二重まぶた切開法の後は1ヶ月間くらいしないほうが無難です。
11.まとめ
アイプチやメザイクは、かぶれや腫れ、色素沈着を起こす原因になるため、医師としてはおすすめできません。
それより自然で思い通りの二重にするために、埋没法や切開法などがおすすめです。