大手会社の化粧品開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。無事にノラ犬となりましたw
ノラ犬となった化粧品犬が、新しい化粧品を開発する過程で得られた面白い情報を発信していくブログです。


化粧品犬です。

今回は、資生堂 アクアレーベル  洗顔フォームの解析の2回目。 

処方解析編をお送りします。

 

 

当初はたまたまミニボトルを買ったのではじめた洗顔フォームの解析でしたが。

本製品の、長期の放置ぶりに驚きです。

なんとなく昔の資生堂処方に近い使用感と思ったのですが、近いじゃ無くてそのまま昔の処方を放置だったとは(^_^;)

(最長10年変更無し)

 

資生堂さんに、もう余力が無いのか、そもそも洗顔フォームの改良は面倒なのか(面倒dなんですけど)、はたまたその両方か(^_^;)

うーん。

 

今回は実際に買って使用している芳醇泡洗顔フォームを中心に、ホワイトクリアフォームとミルキームースフォームにも言及しつつ、解析をすすめて行きます。

 

 

ではいつものように、処方を整理します。

 

今回はアクアレーベル 洗顔フォーム3品の裏面の整理し並べます。

 

原料の機能毎にパート分けし、パート内の表記順番は裏面のまま変えずに記入しています。

また共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

 

こんな感じになりました。

 

さてこの処方ですが。
たまたまですが、発売日に数年の差がある事もあり(発売年は製品名の横の括弧内に書きました)、2007年から2010年にかけての資生堂の処方の「変化」と「変わらなさ」の二つが見てとれます。
例えばメインの洗浄剤は、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸でほぼ固定なんですね。
製品によって両性洗浄剤等が入ることはあっても、最新の製品では抜かれていたり。最新と言っても2010年発売ですが(^_^;)
しかし防腐剤に関しては、2009年に何かああったらしく、2010年のホワイトクリアフォームからはノンパラベンとなっています。逆にそれまでは、メチルパラベンからプロピルパラベンまでつかっており資生堂さんは昔は結構なパラベン派だったことが分かります。
あと洗顔フォームは洗浄剤を結晶として析出させてクリーム状にするめに、多価アルコールが必要なのですが、そこは平凡にグリセリン主剤なのだな、ということと、3品に共通して、乳化能力のある固形油のステアリン酸グリセリルと、ノニオン活性剤のPEG/PPG-14/7ジメチルエーテルが配合されており、これで製剤全体をまとめている処方のだな、:ということが分かります。

 

 

では表の上から見ていきましょう。
まず洗浄剤のパート。
既に書きましたが、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸がメインとなっています。特にステアリン酸はコクがあるのですがあまり泡が経たないです。これ多くしている事が、この製品の特徴の重厚な泡の原因でしょう。しかしバランスをとるためか、泡立ちが良く刺激も結構あるラウリン酸を量は少ないですが配合してしまっています。これがこの製品を使うとやや肌に負担を感じる原因になっています。
ここはステアリン酸の量を下げてでも、ラウリンは無配合にしてほしかったところです。
ミルキームースフォームのように両性洗浄剤を少量加えると、泡立ちはやや早くなりますが、泡質はやや粗くなります。これはこれで、製品の企画次第ですね。

 

次はコンディショニング剤・オイル類のパートを見てみます。
基本的に、乳化能力のある固形油のステアリン酸グリセリル+α で構成しているKとが分かります。
例えば芳醇泡洗顔フォームとミルキームースフォームでは、+αの部分がポリクオタニウムです。これらはカチオンポリマーで吸着性が強いので、結構えげつなく、しっとりします。
ホワイトクリアフォームでは、+αの部分は水添レシチンやトコフェロールといった油になっているので、少し自然なしっとり感になり、粉体も色々配合されているので、比較的さっぱりとした使用感になっていることでしょう。

 

次は防腐剤のパート。
上の方でも書きましたが、芳醇洗顔フォームではパラベン類を多く使っているのに、3年後のホワイトクリアフォームではいきなりノンパラベンというのが面白いです(^_^;)
しかも、芳醇洗顔フォームは改良するでもなく、現在の販売継続中(^_^;)
資生堂さんも面倒なんでしょう・・・多分。

 

最後は保湿剤のパート。
ここは特に平凡ですね。洗顔フォームは結晶析出に多価アルコールが必要なんで上が、定番のグリセリンですし。
あとPEG-8とか配合されてますが、アクアレーベルローションの解析から、この製品はしっとり感向上の為に配合されていることが分かっています。
それ以外の添加剤も、ノバラエキス、ヒアルロン酸、オタネニンジンエキス、水溶性コラーゲンと定番的なエキス類ばかりです。
ヒドロキシプロリンがやや変わってますが、まあ大して面白くないのです。興味ある人は、後半の原料毎の解説を見てください。

 

これで終了です。


面白いのは、かたくなに「ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸」の並びをを守りところですかね。
ここを何とかしないと、新しい物は生まれないですね。
まあでも、芳醇泡洗顔フォームで10年放置なんだから期待はできなさそうです(^_^;)

 

 


この後は、例によって原料毎のコメントを書いていきます。(ッ芳醇洗顔フォームのみです)

 

洗浄剤

・ステアリン酸:ココナツオイルやパーム核油等から得られる脂肪酸の一種で、中和すると洗浄剤となるが、そのまま使うと固形の油としての効果になる脂肪酸。今回の製品では、保湿剤のパートに分類した水酸化Kで中和されていると思われる。洗浄剤としては泡立ちは悪いが、刺激はとても低い。エモリエント剤としては、昔はクリームの乳化にも使われたことがある。
・ミリスチン酸:ココナツオイルやパーム核油等から得られる脂肪酸の一種で、中和すると洗浄剤となる固形の脂肪酸。今回の製品では、保湿剤のパートに分類した水酸化Kで中和されていると思われる。泡立ちは良くは無いが、洗浄剤に使えいる程度には泡は立つ。刺激もかなり低く、低刺激な洗浄剤作りやすい。
・ラウリン酸:ココナツオイルやパーム核油等から得られる脂肪酸の一種で、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムで中和されることで、泡立ちが良いラウリン酸Naやラウリン酸Kとなる(ただし、やや刺激がある)。洗顔料やボディソープのほか、シャンプー二も用いられるKと尾がある。シャンプーで使われる場合は弱酸性になるため、完全には中和されず、ある程度「油」としての機能をもちエモリエント効果や泡立ちにコクを持たせる効果を発揮する事が多い。
・ココイルメチルタウリンNa:AMTと略されたりする、比較的起泡の早いアミノ酸系の洗浄剤です。安全性的にはまずまず良好で、資生堂のスーパーマイルドシャンプーの主剤だったことで有名。

 

 

コンディショニング剤、オイル類
・ステアリン酸グリセリル(SE):;乳化機能を持つ、植物由来の固形油。化粧品でよく使われる。本品のようにSEが付く物は自己乳化型と呼ばれるタイプで、少量のステアリン酸Na及びステアリン酸Kを含み、乳化し易くなっている。
・ポリクオタニウム-39:ヘアケアやボディソープ、洗顔などで使われているポリクオタニウム-7を改良した原料。ポリクオタニウム-7がのオニオン部分+カチオン部分からなるのに対し、そこにアクリル酸部分を加え、3成分からなるポリマーとしている。

 

 

 

・プロピルパラベン:メチルパラベンの疎水基を長くして油溶性を高め、防腐効果も高めた防腐剤。ただメチルパラベンが効きにくい菌には効きにくいし、抗菌力が飛躍的に高まったわけでは無いが、肌へに刺激性は増している。そのため、メチルパラベンに比べて使用されている量は少ない。
下記文献参照。
プロピルパラベンの安全性についての文献を紹介
 
保湿剤
・水:水です。多くの場合は、水道水では無くイオン交換水を使います。
・グリセリン:最も汎用的に使われている、安全性の高い保湿剤。
・水酸化K:pH調整剤。
・PEG-8:ポリオキシエチレンが重合した水溶性高分子で、水に若干の油性感を与え肌のすべり感を向上させます。
・PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル:酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体(これをプルロニックポリマーとも言う)の両末端を、ジメチルエーテルとしたものであり、それぞれの付加モル数は14及び7。特に、油の可溶化力に優れている。
・ノバラエキス:ノバラエキスは古い表示名称で、現在は力二ナバラ果実エキスと表示することになっている。ノバラ(ローズヒップ)より抽出されたエキスで、保湿性が高い。
・ヒアルロン酸Na:代表的な酸性ムコ多糖類で あり、コンドロイチン硫酸などと共に哺乳動物の結合組織に分布してます。水保持性能が高いため、化粧品分野では高分子量の保湿剤として利用されています。ニワトリのトサカなどから得られる動物lll来のものと 微生物を用いる発酵法により得られるものがあります。
・ヒドロキシプロリン:コラーゲンに含まれているアミノ酸の一種。ただし、コラーゲンに含まれていると言っても、最初はプロリンのかたちで含まれており、コラーゲンの中で、酵素で代謝されてヒドロキシ基がつき、ヒドロキシプロリンになるのです。つまり、最初からヒドロキシプロリンを組織に加えてもコラーゲンの材料にはならないです。
ヒドロキシプロリンのWiki ページにも書いてある有名なネタです。
・水溶性コラーゲン:動物や魚から得られる、、尾\水可溶性の天然タンパク。
・オタネニンジンエキス:薬用のオタネニンジンから得られたエキス。オタネニンジンは、別名を朝鮮人参、高麗人参とも言われ、古くから薬用として使われてきた植物です。代謝促進作用や血行促進作用があるので、化粧品では肌荒れ、小じわ、脱毛の改善の為に配合されることが多いです。
・EDTA-2Na:キレート剤と呼ばれる原料で、製剤の酸化安定性やpH安定性を向上させる。
・BG:汎用的な保湿剤。各種成分を溶かす能力も高い。DPGほどでは無いが、やや抗菌性がある。
・エタノール:エタノールです。過去には変性剤を加えた変性アルコールが使われていましたが(変性すると酒税が回避されて安くなった)、税制が変更されて変性アルコールが値上がりしたため、現在は変性アルコールは使われず、ただのエタノールを使うのが主流になっています。
・酸化鉄:赤色の天然の着色顔料
 
 
 
 
 
 
 
 
 
AD
いいね!した人 | コメント(0) | リブログ(0)

kesyouhinkenさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD