基礎体温を測ってみたらガタガタしていて不安になった・・・という方へ。
原因と改善方法をご紹介します。自然妊娠を希望している方も、排卵していれば大丈夫。ストレスや病気が原因のこともあるので、生活習慣を改善して体と基礎体温を整えましょう。
| 基礎体温がガタガタな人のグラフの特徴 |
基礎体温がガタガタで不安定な人のグラフは、以下の三つの特徴のうちいずれかに当てはまります。
●高温期と低温期 の境目がない
本来、基礎体温は高温期と低温期の二層になっているはずが、その境目がなく常に体温が変動している。
●高温期のみガタガタ
グラフは二層になっているけれど、高温期の期間でも体温が一定になっていない。
●低温期のみガタガタ
高温期がほとんどみられず、低温期がガタガタになってしまっている。
基礎体温の記録によって、排卵や妊娠時に重要な役割を果たす黄体機能が正常かどうかなどを見定めることができます。よって、基礎体温のグラフがガタガタということは、妊娠するための流れのどこかに障害が起こってしまっていることを意味します。
| ガタガタする原因 |
体温は、様々な影響を受けやすく、容易に変動してしまいます。そのため、基礎体温がガタガタとなってしまっている原因も複数考えられます。今回は、主な理由について、一つずつ解説していきましょう。
●正しい測り方をしていない
基礎体温は、通常の体温測定とは測定方法が違います。
目が覚めて起き上がる前の「寝たままの姿勢」で、婦人体温計を「舌の裏に入れて」測定します。このとき、トイレに行ってから測定することはもちろんのこと、体温計を探すために一度起き上っても、正確な基礎体温を測ることはできません。
なお、「睡眠時間が短いと正確な値が測定できない」という説もありますが、医学的に「正確に測れない」というデータはありません。確かにホルモンバランスが乱れる、という点で正確な値、とは言い難いかもしれませんが、睡眠時間にこだわるよりも、「毎日同じ時間に測定する」ことが大切です。たとえ寝過ごしてまって測定を忘れた日があったとしても、次の生理まで中断するのではなく、次の日から再度測定することで、より正確なデータを取ることができます。
● 無排卵
基礎体温が低温期から高温期へ移行する際に起こるのが「排卵」です。
しかし、排卵が起こらないと、基礎体温表は高温期と低温期の区別がつきにくくなり、ガタガタとなります。また、排卵はしていても、妊娠につなげるための働きをしている身体の機能が十分に働いていないために、排卵が正常に行うことができず、結果としてガタガタするという場合もあります。
●妊娠初期
妊娠すると、着床状態を維持するために、本来低温期へ移行する期間であってもそのまま高温期が続きます。よって、高温期が17日以上続き、低温期に移行しない場合は、妊娠初期段階であると考えられます。生理予定日よりも1週間以上生理がなく、高温期も17日以上続いているのならば、検査薬にて一度確認してみるとよいでしょう。
●ストレス
現代人は常に、様々なストレスにさらされています。
仕事での関係、ご近所とのお付き合い、家族との距離感などなど、人によってストレスを感じる場面はそれぞれ違います。しかし、ストレスは体温、そしてホルモンバランスを崩す要因でもあります。基礎体温を正常に近づけるためにも、自分のストレスをうまくコントロールするということも、大切です。
●化学流産後
化学流産とは、「卵子が受精したものの、着床が十分にできず流産してしまった状態」を指します。
この場合、受精してから流産するまでの間は妊娠している状態となり、低温期とならずに高温期が継続するため、基礎体温グラフがガタガタとなっているようにみえます。残念ながら、化学流産については対応策がなく、気が付かない間に化学流産していた、というケースも多くあります。
●更年期
日本産科婦人科学会による定義では、更年期とは「生殖期(性成熟期)と非生殖期(老年期)の移行期をいい、卵巣機能が減退し始めてから、消失するまでの期間」とされています。
日本人の平均閉経年齢は50.5歳であるため、おおよそ45歳から55歳までが、更年期に相当します。更年期では、ホルモンバランスが著しく変化するため、それまではグラフにきれいな二層がみえていた方であっても、ガタガタとなることがあります。卵巣機能の低下が始まってから閉経に移行するまでは、約5年かかるとされています。
●病気
女性ホルモンに限らず、体内に存在しているホルモンのバランスが乱れる病気に罹った場合でも、基礎体温がガタガタとなることがあります。また、生殖器内の病気であっても女性ホルモンバランスが乱れ、基礎体温がガタガタとなることがあります。主な疾患としては、「下垂体腺腫」や「子宮内膜炎」などがあげられます。
●季節
基礎体温は、外の気温によっても多少の変動があります。
特に季節の変わり目で寒いのに薄着だった場合なども、体温は容易に下がりますし、反対に暑いのに厚着をしていれば、体温は上がります。
| ガタガタを改善する方法 |
基礎体温がガタガタになってしまっていても、生活習慣を改善することで、基礎体温も綺麗な二層式になることがあります。そこで、基礎体温を正常に戻すための方法について、ご紹介していきましょう。
●食事
20代や30代といった若い方の場合、ついつい食事をおろそかにしてしまいがちです。
また、ダイエットのために極端な食事制限をすることも、基礎体温を乱す原因となります。一日3食、おおよそ決まった時間に、栄養バランスを考えて食べることが理想ですが、難しいようならば、「主食」と「副食」を意識して食べるようにするだけでも、効果的です。
「お昼は簡単にパンだけ」という場合にも、副食としてサラダを付けるなど、「一品だけでは食事を終わらせない」など、自分でできる範囲から改善をしてみましょう。
●睡眠
睡眠は、一日の疲れをリセットするだけでなく、体内時計を元に戻すという役割もあります。そのため、最低でも一日4時間以上睡眠をとらないと、自律神経の乱れが起きやすくなるということがわかっています。夜更かしはお肌にもよくないので、一日最低でも4時間、できれば6~8時間は睡眠をとるようにしましょう。
●運動
仕事や家事などに追われている女性は、男性に比べて運動時間が少ないと言われています。
運動は気分転換だけでなく、血液の循環を良くすることで、身体全体の代謝を上げ、ホルモンバランスも正常に近づける効果もあります。いつもはバスで移動しているのを一駅前で降りて歩く、エスカレーターやエレベーターの利用を控え、階段の上り下りを積極的にするなど、日常生活の中に運動を取り入れるとよいでしょう。
●入浴
ホルモンバランスを乱す原因として、「冷え」があげられます。
よく冷え症という言葉を聞きますが、指先など身体の末端が冷えているだけでなく、身体の体温そのものが低い「低体温」の方も近年増加傾向にあります。こうした方にもぜひおすすめなのが、「入浴習慣をつける」ことです。忙しいと、ついシャワーだけで済ませてしまいがちですが、入浴で体をしっかり温めることで、冷えも改善し、身体の代謝も上げることができます。夏も意外と冷房などで体が冷えてしまっていることも多くありますので、身体のことを考えて、シャワーではなく入浴されることをお勧めします。
●漢方
現代西洋医学では「ケガや疾患を治す」ことがメインとなりますが、漢方では「体の調子を整える」ことがメインとなります。
人によって基礎体温がガタガタな理由は違いますが、漢方ではそれら一人ひとりに向き合い、それぞれにあった漢方薬を処方してもらえます。お値段は少々張りますが、一部保険適応となっているものもありますので、なかなか改善しないという場合には、漢方を試してみるのもよいでしょう。
●ストレスコントロール
現代社会において、「ストレスをまったく感じない」方はいません。問題は、「過度にストレスを感じてしまっている」ことです。そのため、ストレスを上手にコントロールするということも、基礎体温を改善するためには大切なことです。自分自身で「なぜこの事柄に対してストレスを感じているのか」と振り返ることも大切ですが、親しい第三者に「どういうときにストレスを感じているか」と客観的な意見をもらうと、今まで自分が気づいていなかったストレスの原因を明らかにすることができるので、お勧めです。
| ガタガタでも自然妊娠できた人っているの?|
基礎体温を計測している方の中には、「妊娠を希望している」方もいらっしゃるかと思います。
基礎体温は、ホルモンバランスに大きな影響を受けますが、「基礎体温がガタガタ=妊娠できない」というわけではありません。実際に、基礎体温はガタガタだったのに妊娠した、という方も多くいらっしゃいます。
その理由として、「正確に計測できていなかった」「低温期と高温期の差がわかりにくく、二層ができているかどうか判断がつきにくかった」ということがあげられます。妊娠は、様々な機能がすべて正常に働くことによって、初めて成立します。しかし、それらの機能は正常であっても「誤差」は存在します。
そして、誤差の範囲は人によって違うため、自分では「基礎体温がガタガタだ」と思っていても、実際にはきちんと二層ができている、とうこともあります。よって、「ガタガタでも自然妊娠できた」という人はいます。
基礎体温は、ホルモンバランスを知るうえで重要な手段の一つです。
しかし、外からの要因によって容易に数値は変動してしまうため、「私はガタガタだからダメだ」と落胆することはありません。大切なのは、「毎日継続して記録すること」です。そして、自己判断で「ガタガタ」と思うのではなく、一度婦人科を受診し、グラフを読み取ってもらうことが、重要です。
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山村真子
約10年の看護師生活を経て、現在は医療ライターとして活動中
モットーは「医学書に基づいた確実な医療情報を、誰にでもわかるように解説する」家では一児&二匹の母兼主婦
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