《ニキビ発生のメカニズム&当院の治療法全般》
医療法人社団 精華会 ミルディス皮フ科 村上 義之
ニキビは決して一つの原因によってできているのではありません。
主には ①皮脂過剰 ②特に毛穴の出口での皮膚ターンオーバー(生まれ変わりのリズム)の乱れ ③毛穴の中の細菌(ニキビ菌など) 以上の3つがからみ合って出現しています。
さらに①の皮脂過剰はホルモンの影響やストレス、紫外線などが関与し、②のターンオーバーの乱れには各種の皮膚への刺激が関係し(化粧、汚れの落とし方が不充分、紫外線、乾燥、髪の毛などの接触、擦れや汗貯留、皮脂分解産物など)、③の細菌の増加にも皮脂、皮膚のpH、閉塞環境(毛穴のつまり)などが関係してきます。
先ずは痕を残さないでニキビを治し、次にできにくい皮膚を作ってゆくことを目標とします。ヒトそれぞれで肌質や環境は異なりますので、いい状態を維持するために必要な処置も様々です。スキンケアだけでよい方から、ピーリングやレチノイン酸、さらには抗生物質を続けなければコントロールできない方など様々です。しかも時期によって異なったりするのです。
そのため、ニキビについて理解して、いい時や悪い時などその都度自分で必要な最低限の処置がわかるようになれば理想的です。以下、図に沿って説明します。
1)Step.A → Step.B:面疱(白ニキビ、黒ニキビ)の発生
ニキビの発生は毛穴の出口が古い角質と皮脂、細菌などが固まった面疱(白ニキビ)によってつまり、中に皮脂が貯まることによって始まります。時に鼻などで黒く点々として見られるものを黒ニキビ(black head)と呼び、元来は白い皮脂が紫外線(にて発生した活性酸素)や空気によって酸化されて変色したものです。面疱の先端が皮膚表面に開いている鼻などでよく見られます。目で確認できる面疱があれば、その周囲にはもっと沢山の微少面疱(目では確認できないくらいの毛穴の詰まり)があると考えられます。
2)Step.B → Step.C:炎症性ニキビ(赤ニキビ)の発生
皮脂は過酸化脂質や遊離脂肪酸に分解され、それらが皮膚への刺激となったのがいわゆる「あから顔(脂漏性皮膚炎)」で、毛穴を刺激して、その中でニキビ菌などが繁殖し始めたのが「炎症性ニキビ(赤ニキビ)」の始まりです。
また皮膚への刺激はその後の皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)のリズムを狂わせ、面疱ができやすい皮膚へと変えていきます。ニキビ菌が増えると、毛穴周囲に好中球を引き寄せますので、それらによって毛穴の壁が刺激され赤みは強くなってゆきます。毛穴の壁を突き抜けて中に入り込むと「膿み」を持った「膿疱」となり、非常に破れやすい状態になります。
3)Step.C → Step.D:瘢痕、炎症後色素沈着などニキビ痕の発生
膿疱が皮膚の中で破れたりすると、いわゆる「ニキビ痕」を残します。ニキビ痕には形の異常(凸凹)としての瘢痕、色の異常(赤→茶色)としての炎症後色素沈着が含まれます。
4)治療法・治療順序
先ずは新たなニキビをできにくい様にコントロールし、その後にニキビ痕の積極的な治療(外科的治療)を考えます。炎症後色素沈着の治療(ビタミンC、レチノイン酸、ハイドロキノンなど)は同時に行えます。
A.赤ニキビ以降を少なくする。できた物を早く、軽く抑える。→ニキビ痕を残さないで治す。
治療:細菌の増殖抑制(抗生物質)、好中球遊走を抑える(ミノマイシンなど一部の抗生物質、レクチゾール)など
B.その前段階である面疱(白ニキビ、黒ニキビ)を処理する。→炎症性ニキビを出来にくくする。
治療:ケミカルピーリング、面疱圧出、ディフェリンやレチノイン酸の外用
C.さらに前段階として、面疱をできにくくする(皮脂抑制とターンオーバー調整)。→ニキビのできにくい肌を作る。
治療:スキンケア、ケミカルピーリング、ディフェリンやレチノイン酸外用、皮脂抑制剤(経口避妊薬や抗アンドロゲン薬としてのスピロノラクトンなど)
D.ニキビ痕(形の異常:凸凹)の治療:レチノイン酸、深いケミカルピーリング(TCAなど)、フラクショナルレーザー
5)当院での治療の基本
スキンケアの見直しとともに、A.B.の導入を行ないますが、保険適応になっているか否かにより、先ず基本となるのはディフェリン外用になります。ディフェリンが使用できない(副作用で使用不可、あるいは妊娠や授乳中のため使用不可)場合や効果不良時のさらなる治療選択枝としてレーザー治療や漢方薬、レクチゾール内服、皮脂抑制のためのホルモン治療(経口避妊薬、スピロノラクトンなど)を考慮します。
A.抗生物質の内服・外用:
内服はミノマイシン(ミノサイクリン)がニキビ菌への抗菌作用、リパーゼなどの酵素産生阻止作用、好中球遊走阻止作用が強い、脂溶性であることから油分が多い毛包への浸透性に優れる…などから多用されます。頻度は少ないですが、めまいやふらつきを生じることがあります。同じテトラサイクリン系であるビブラマイシン(ドキシサイクリン)もよく使用される抗生物質です。その他、マクロライド系(ルリッドなど)、ニューキノロン系(オゼックスなど)も使われます。
一般的には急性増悪の際にはテトラサイクリン系以外の抗生物質が使われることが多くなりますが、その後の維持には適しています。しかしながら、ミノマイシンでは小児(特に8才未満)には歯牙着色などが生じることがあるため使用できませんし、ビブラマイシンには光毒性が知られています。
さらにテトラサイクリン系抗生物質は鉄剤など金属との併用で吸収が低下し効果が減弱するため、両者の服用間隔を2~4時間空けることが推奨されていますし、ワルファリンKなどの抗凝固薬との併用で作用増強、さらには経口避妊薬との併用で効果減弱(腸内細菌減少に伴い、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収が阻害されるため)も知られています。稀にグラム陰性毛包炎が出現します。最初は1日2回で内服しますが、症状が落ち着くに従い1日1錠などへ減量し、その後しばらく維持療法をして中止してゆきます。
いずれにしても、抗生物質内服を継続することにより、耐性菌発生の可能性はありますので内服は控える方向に考えたいものです(初期の2~3ヶ月の投与と再増悪時の一時的投与などにとどめたい)。また抗生物質の外用は赤ニキビを中心に行ってください。BPOは抗生物質ではなく、耐性菌の出現はないとされており、その点でこの度の厚労省による認可は喜ばしい限りです。
B.ビタミン剤と皮脂調整剤内服:
ビタミンB2・B6などが頻用されますが、日本皮膚科学会のガイドラインでも「ビタミン薬を内服してもよいが、推奨はしない」とされており、当院では積極的には処方していません。食生活が不規則になりやすい方に対してサプリメントとしてお出ししています。プレグナンジオールは以前処方していましたが、発売中止となり後発医薬品もないため、現在処方することはありません。
皮脂分泌抑制を期待できる治療薬としては、保険適応外ではありますが、経口避妊薬と抗アンドロゲン薬(スピロノラクトン)に限定されてしまいます。特に女性のアダルト・ニキビと称される口囲、下顎や頚部のざ瘡はディフェリンなどで刺激症状が出やすく、外用治療が困難なこともあいまって、こうした皮脂抑制作用を有する薬剤が保険適応となって使用可能になれば望ましいと考えています。
C.ケミカルピーリング:
グリコール酸やサリチル酸マクロゴールなどを塗布することによって、表面の角質を薄く溶かします。こうすると埋もれてしまっている面疱が露出しやすい状態になります。あるいは目に見えないレベルでのつまり(微小面疱:microcomedo)が処理されます。あわせてターンオーバーの乱れを正常化する作用、色素沈着を薄くする作用があります。
D.ディフェリンやレチノイン酸、アゼライン酸の外用:
ターンオーバーを早めて、表面の角質を薄く保ち、毛穴がつまりにくくする作用とともに、美白作用があり、ハイドロキノンと併用することによってニキビ痕としての色素沈着の治療にも効果的です。アゼライン酸にも同様の作用が知られています。
E.ビタミンCの外用:
ピーリングやディフェリンやアゼライン酸の外用が困難な方は、刺激の少ない基礎化粧品として使用できます。
F.面疱圧出:
白ニキビを外に押し出します。炭酸ガスレーザーや針を使用して穴を空けて貯留した皮脂を押し出します。
G.皮脂抑制剤内服:
経口避妊薬や抗アンドロゲン薬であるスピロノラクトンなどによって皮脂分泌を抑制します。 ※嚢腫形成型では切開、ステロイド局注、液体窒素凍結療法などを併用します。
◆スキンケアについて
① クレンジング :特にオイルクレンジングは界面活性剤が多く含まれているので、刺激に注意を。
② 石鹸にて皮脂と皮膚表面の汚れを落とす。必要に応じてぬるま湯や二度洗いを行う。
※石鹸に含まれる脂肪酸塩は面疱形成物質なので、過度の石鹸洗顔は控えてください。それ以上に成分の残留がないように丁寧にすすいで下さい。 またスクラブなどは肌を傷めますので使用を控えましょう。
③ ピーリングやディフェリン外用で皮膚ターンオーバーを整える。
④ 保湿剤、日焼け止めを使用する。
⑤ メイク、髪の毛などによる刺激を最低限にする。シャンプーなどの成分が残留しないようによくすすぐ。
以上、もう一度ご自身のスキンケアを見直してください。
◆食事について
ニキビと特定の食物の因果関係は未だ証明されていません(EBMを検証した報告がない)。但し増悪因子として脂肪 、ナッツ類、チョコレート 、アルコールなどを自覚しているヒトも少なからずおられますので、ご自身で自覚されている食物のみ制限すればよいでしょう。
なお、最近では脱脂粉乳製品や牛乳のニキビとの関連、さらには高血糖食(多くはジャンクフード)が体内のインスリン産生を促進してニキビを悪化させるという報告も一部ではなされていますが、未だ充分なエビデンスがそろっている状況ではないため、繰り返しにはなりますが、現状ではニキビの増悪を自身で自覚している食物を控えるようにするのでよいと思われます。
《ニキビQ and A》
| Q1.ニキビ治療で、ダラシンTゲルを処方される時とダラシンローションが処方される場合がありますが、どのように使い分けるのですか? |
| ローションの方が患部への薬剤浸透性がよいのですが、逆に基剤のエタノールによって刺激を感じる方がおられます。 その場合にはゲルあるいはアクアチムクリームなどを使用します。 |
| Q2.ニキビ治療で、抗生剤(ミノマイシン、ルリッドなど)を内服する際に、赤ニキビが出なくなった後では自己調節をするように指導されますが、具体的にはどのように内服すればよいのでしょうか? |
| ニキビ自体が、コントロールする疾患です。時にニキビができるのは仕方がないことだと考えています。その際に症状を軽く済まし、ニキビ痕(瘢痕:凸凹、シミ:色素沈着など)を最小限に抑えることができればよいのではないでしょうか? 先ず当初は連続して内服していただきますが、ディフェリンなどの外用剤でコントロールされた状態になっていた場合でも時に傷みを伴うようなニキビが出現することがあります。痕を残すようなニキビはひどい炎症性ニキビです。そのようなニキビのでき始めには先ず皆さんが誰よりも最初に予兆(ひどくなる予感:痛み、張った感じなどの違和感)を感じますから、その予兆を感じた時に早めに抗生剤の内服を始めてもらい、痛みなどの自覚症状がなくなれば中止してもらっています。 アクネ菌は皮膚の常在菌ですから、抗生物質をどんなに続けて内服しても決していなくなることはありません。細菌の数を元の数くらいまで減らす、あるいは炎症を軽くするのが抗生剤投与の主目的です。 またブドウ球菌などの細菌もニキビの発生に関連しますし、むやみに連用すれば薬剤耐性菌を作ることになってしまいます。もちろんだいぶ軽快したからといって殺菌性の抗生物質を1日おきに1錠だけ内服するなどは不適切な内服方法です。ミノマイシンやビブラマイシンなど静菌性抗生物質を1日1回でしばらく継続する方法(維持療法)はよく行なわれる内服方法ですが、担当医師の指示に従ってください。 |
| Q3.ニキビ治療の一環として、時に経口避妊薬を内服することがありますが、どうしてですか? また、どのような飲み方をすればよいのでしょうか? |
| 女性ホルモンは脂質代謝にも多くの役割を担っていますので、女性の方で生理前にニキビが悪くなる方に皮脂分泌抑制を目的に投与されることがあります。但し保険適応外の治療となります。現在(2014年6月)は当院での取り扱いを中止しています。皮脂抑制を目的に抗アンドロゲン薬の処方再開を各種検査(採血や血圧測定など)や定期的な通院を条件に予定しています。あくまでもその他の主たるニキビ治療では不充分で、生理周期に伴って増悪する、いわゆる女性のアダルト・ニキビが対象となります。 |
| Q4.ニキビ予防で、洗顔方法など日常生活での注意点はどのようなことですか? |
| ストレスによっても男性ホルモンの分泌が高まり、結果として皮脂分泌増加につながりますし、紫外線を浴びることによって皮脂分泌が高まるばかりか皮膚のターンオーバーの乱れにもつながります。 汚れやメイクをしっかり落とすためにも、クレンジングと石鹸によるダブル洗顔を行いましょう。そしてその後には化粧水などにて充分な保湿を行います。但し洗い過ぎも肌にとってはマイナスになります。本来は軽めのお化粧にとどめていれば、そのような必要もなくなり肌への負担も軽減されます。洗顔時にはこすらないで泡洗顔を心がけましょう。 また、日焼け止めをきちんと使用しましょう。紫外線にて皮脂分泌量も増加します。食べ物に関してはナッツ類やチョコレート、高血糖食などがニキビの増悪因子として知られていますが、未だ医学的には証明されていないようです。但し、ご自身でニキビの増悪を実感されるようでしたら、控えましょう。 |
しかしながら徐々にドラッグ・ラグは解消されてゆく方向に世の中の流れはありますので、このニキビの分野でも少しずつ改善されてゆくことを期待しています。
日本で認可されている「ディフェリン」の濃度は0.1%です。実はこの濃度の薬剤は米国ではOTC薬(薬局で購入可能)で、医師から処方されるのは0.3%の製品です。日本人は刺激に対して敏感ですので、この濃度が選択されましたが、今後の問題点としてはやはり効果不良の方への高濃度製品の使用ができるようになってほしいなどの要望があります。
また、以前からニキビ菌など細菌の増加に対する抗生物質の使用が問題になっています。欧米のガイドラインと比較すると、まだこの点において日本では使用可能薬剤が制限されるために抗生物質を使用せざるをえない状況が日本のガイドラインからは見えてきます。この点においても少しずつ改善されてゆくはずですが(「BPO」などとの合剤も治験されています)、私たちもできるだけ抗生物質の使用を控えるようにしてゆきたいものです。そのために必要なこととしてスキンケアの見直し、さらには漢方薬の併用もよいかと思います。あとは混合診療の問題が解決されれば、光治療などいくつか候補が広がるのでしょうが、今後の経過を見守ってゆきたいと思います。
いずれにせよ、現状の日本では皮膚表面の角質をコントロールする保険診療で使用可能な薬剤は「ディフェリン」だけと言っても過言ではないのですから、私たちが工夫して先ずはこの「ディフェリン」を有効に使いこなしてゆきたいものです。
ブツブツできているところだけに塗るのではなく、あなたにとって、ニキビの出来やすい部位には、その時にニキビが有る無しに関係なく1日1回お風呂上がりに外用します。アチコチにポツポツとニキビある状態でも、全体に沢山ニキビがある場合でも、同じく全体に外用します。ここで言うニキビとは、赤ニキビだけではなく、毛穴が詰まったのが目で確認できる状態の白ニキビも含みます。
「内服抗生物質の意味と使用方法、ならびに耐性菌などの問題点」を認識して、「ディフェリンが治療の中心となる理由」を再確認しましょう。
↓
(その他、注意点)
↓
↓
↓
↓
↓
・問題なく使えましたか?
・処方後再来までの期間でどれくらいの「ディフェリン」を使用しています?
・部位によって刺激症状の出方(程度)が違いますか?
(すると)
→「そのとおり。その調子で継続を」
→先ずは反応を抑えましょう。中止あるいはステロイド外用を行ないます。
*刺激がなくて、治りが悪く使用量が少ないようなら→使用量を増やすことを提言
→「残念です」角質をコントロールする唯一の保険適応薬なのですから。
→数日おき、1日おきでも試してみては?
・外用中断で再燃して再来
(以上)
脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌量が多く、洗顔しても皮脂が残りやすく、頭部生え際や鼻周囲、耳介後面、耳孔部などに赤みとがさつきが生じる状態です。皮脂の分泌が多い方に生じるという点では尋常性ざ瘡(ニキビ)と同じですから、ニキビでお悩みの方は誰しも合併しうる状態とも言えます。いずれも湿疹症状が強い場合には湿疹・皮膚炎の治療を優先させましょう。
ディフェリンは1種類の濃度しか現時点では使用できませんので、1回の使用量を増やすことによって少しでも効果増強を図ります。一気に増やすと刺激症状も強くなって継続出来ないこともありますので、少しずつ負荷をかけてゆく筋トレをイメージしながら調節をして行きましょう。
また部位によっても反応性は異なりますから、治りが悪い部位には少しずつ外用量を増やす、強い刺激が生じた部位は以前の使用量に戻す、あるいは一次中止などで対処します。
しかしながら、認可されている0.1%の濃度の薬剤でも、その刺激症状のために前述のような工夫をこらしても継続使用が困難な方がおられるのも事実です。
《種々の治療を行なうが、紅色丘疹の新生が続く方へ》
~抗生物質内服で紅色丘疹の新生を抑制できるが、外陰部カンジダ症などの副作用にて使用出来ない方を含む
そうした方で、現在の抗生物質外用(アクアチムやダラシンTなど)でコントロールされている方は除き、期待できるのは近いうちに国内での認可が予定されているBPO製剤外用(抗菌剤)でしょう。もちろん面疱抑制作用のあるディフェリンやアゼライン酸、ケミカルピーリングなどの治療と併用すべきですが、こちらにもある程度の皮膚への刺激症状が出ることが知られていますので注意しながら導入しましょう。
BPOとディフェリンを併用して治療することによって紅色丘疹の減少が早くなることが期待されますし、抗生物質と異なり耐性菌発生の懸念がなくなります。
3~4週間に1回の頻度で照射してゆきます。かさぶたなどは生じません。
アレキサンドライトレーザーを照射することによってニキビ菌などの殺菌あるいは静菌(菌減少)作用を期待しています。
男性の場合にはヒゲ部位などは適応外あるいは出力を弱めての照射となります。3~5回で効果が出始める方が多く、6~12回を目安に継続します。
しかしながら5回照射しても効果が得られないようなら中止しましょう。残念ながら、やはり一定の割合で効果不良な方がおられますので、ご理解ください。
北千住院ではエコツー(炭酸ガスレーザー)、横浜院ではピクセル(2940/Er-YAGレーザー)を使用します。
一般的には表面麻酔を併用した方が痛みの点からは楽でしょう。3~4週間に1回の頻度で照射してゆきます。施術後数時間の表面的な痛み、さらには数日間の赤みが出現し、数日から1週間くらいをかけて点状の痂皮が出現して時間と共に剥がれて行きます。翌日以降はパウダーファンデーションを使用できますが、どうしても部分的に隠しきれない部位ができますので、施術日が必然的に限られてしまいます。レーザーフェイシャルでも効果が得られなかった方が選択する方法です。
レクチゾール(25mg)を1日50~100mgを2~3回に分けて服用します。貧血などの血液障害や肝機能障害の出現の有無を定期的に採血などで確認しながらの服用となります。当院では行なっていません。
現時点(2014年6月)で当院での取り扱いはございません。催奇形性あり。
(以上)
①アイスピック型
②ローリング型
③ボックス型(いわゆるクレーター)
針穴のような小さいけれど深いタイプであるアイスピック型は外科的にくりぬいて治療を行ないます。
③のボックス型でエッジが目立つ場合には、その部分をレーザーで削ることもありますが、陥凹した瘢痕部分全体にTCAという強い酸を作用させる場合もあります。
②のロ-リング型では瘢痕組織が深い部分にまで及びレーザー単独での治療が困難なタイプです。瘢痕組織を切開したり、PRP(多血小板血漿)注入療法など各種治療を組み合わせて治療されています。
当院では一般的に、目立つアイスピック型は「くりぬき切除」、目立つボックス型には個々に「TCA塗布」、さらに瘢痕が集簇したエリアに「フラクショナル炭酸ガスレーザー」などで全体を照射する方法で治療を行ないます。どうしても複数回の治療が前提にはなります。また、フラクショナルレーザー照射に伴う痛み、赤み、痂皮形成が避けられませんので、施術するに際しての日程調整を要します。
↓
(80mJ・75D・120T)
↓
(20mJ・75D・120T)
(以上)
《アゼライン酸によるニキビ治療》
~ディフェリンが刺激が強くて使えない方、妊婦さん、授乳中の方へ
1、妊婦さんも安心して使えるニキビ医薬品・アゼライン酸とは?
アゼライン酸は海外でニキビ治療薬として昔から使われている成分です。アゼライン酸はメラニンの生成を抑える効果から、海外で美白目的の治療薬として開発が始まりました。その臨床試験中に美白とともにニキビへの効果が認められました。
アゼライン酸には、古い角質が毛穴にフタをするのを防ぐとともに、ニキビ菌への抗菌活性があることが分かりました。アゼライン酸は、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界の80カ国でニキビ用医薬品として承認され約30年間皮膚科などで販売されています。欧米のニキビ治療標準書でも、面皰治療においてアゼライン酸はトレチノインやアダパレン(ディフェリン)などの医薬品に次いで推奨されています。
特にアゼライン酸はトレチノインなどの医薬品に比べ皮膚への刺激が少ないことから、刺激に耐えられない方や妊娠、妊娠の可能性のある女性の患者様向けに医療現場で選択されています。また、アゼライン酸は美白効果を有することから、ニキビが治った後の気になる黒ずみへの効果も期待出来ます。
アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀類や酵母に含まれている成分で、日常的に食事などで口にしている天然物由来の酸です。天然物由来の酸ということもあり、外用したときに部分的な「熱感」「かゆみ」などのごく短時間の刺激症状が見られることがあります。しかし、刺激が強い場合には、使用回数や使用量を減らすことで、その後も使用し続けることができます。
2、商品紹介
〈妊娠、授乳中の方も安心〉
DRX AZA クリア
(15g/¥1,800税別(ロート製薬・医療機関限定販売製品))
◎ニキビの原因となる毛穴のつまりに着目
◎ニキビ肌の方のホームスキンケア
◎べたつかずしっとりとした使用感
◎ノンコメドジェニックテスト済み
◎無香料・無着色・防腐剤フリー
◆主成分 全成分: 水、アゼライン酸、BG、トリエチルヘキサノイン、ミネラルオイル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ジグリセリン、ベンチレングリコール、ステアリン酸グリセリル、ホホバ種子油、PEG-60水添ヒマシ油、ナイロン-12、セタノール、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コ ポリマー、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、EDTA-2Na
3、以下はM3.comより引用です
〈妊婦の難治性にきびの治療方法について【AAD】〉
2014年4月4日
米国皮膚科学会(AAD)は3月21日、妊娠中の痤瘡治療に関する専門家の見解を紹介した。
妊娠中のアンドロゲンの増加により、一部の妊婦は難治性痤瘡を発症することがある。マイアミ大学のElizabeth Keri氏は、妊婦に対する一般的な痤瘡治療として、催奇形性の恐れのない局所治療薬を推奨する。痤瘡治療に使われる局所抗生薬のうち、アゼライン酸は肝斑や色素沈着にも効果がある。局所治療に反応しない痤瘡には、アジスロマイシン、セファレキシン、エリスロマイシンが安全で効果的。また、光治療は痤瘡に対するファーストライン治療ではないが、局所治療や処方箋を必要としない薬剤で効果がない時に用いる。
Keri氏によると、痤瘡治療中に妊娠して服薬を中止すると痤瘡が悪化する可能性があるため、妊娠前に痤瘡管理ができているのが望ましい。適正体重を保つことも大切。妊娠中は刺激の少ない洗顔料を使ってぬるま湯で洗顔し、広域スペクトルの日焼け止め(SPF30以上)を使用する。また、授乳期間の服薬は妊娠中に準じ、妊娠中に安全とされている薬剤は一般に授乳中も服用できる。
「産前産後の鬱を発症しやすい時期に、妊婦が気分良くいることは大切。(容貌を損なう)痤瘡の治療をないがしろにしてはいけない」とKeri氏は述べている。
【関連リンク】 Acne can put a damper on hopes of glowing skin during pregnancy
以上を要約すると、下記の3点になります。
①催奇形性のない局所治療薬として、アゼライン酸が有効
②局所治療薬に反応しない症例では、抗生剤の「ジスロマック」「ケフレックス」「エリスロシン」が有用 *日本ではいずれも尋常性ざ瘡での保険適応を有していません。ジスロマックは表在性皮膚感染症の保険適応もありません。
③上記で効果が得られない時の選択枝として、光治療(当院ではエコツー、ジェントルレーズ)
4、最後に
最後に、アゼライン酸以外での妊娠・授乳時ならびにディフェリンが刺激で使えない際に当院にて提供可能なニキビ治療についてまとめておきます。
1)ケミカルピーリング
①ホームケア:スキンピール・バー(ピーリング石鹸)、ピーリングローション・液(3~8%)
②通常のケミカルピーリング:来院頂いて2~4週間の間隔で繰り返します。
③ハイドラフェイシャル:1カ月に1回。
2)光治療:事前にカウンセリングが必要です。
①eCO2(エコツー):赤ニキビや膿を持った痛みを伴うような活動性の高いニキビに。施術後の赤みや痂皮が出現します。表面麻酔の外用後に行ないますので、妊娠・授乳時には避けましょう。
②ジェントルレーズによるレーザーフェイシャル:痂皮は作りません。麻酔も不要です。