1. 【はじめに】
    一般的な水炊きは昆布でだしを取りますが、博多では鶏ガラを煮て白濁したスープを作ります。その鶏ガラスープで鶏肉を煮込みます。旨みなら昆布が勝りますが、鶏ガラは昆布よりはるかにコクが出ます。そしてそのコクが鶏肉をほろほろと軟らかくする効果があります。鶏のコクが出たスープは隠れた主役と言われ、博多では最初にスープだけを飲みます。それで、ためしてガッテンでは、昆布を使わず、家庭では短時間の煮込みでもコク、コラーゲンともに鶏ガラより多く出る手羽先を使うことを提案しました。

    だしを取る
    鶏もも肉は食べやすい大きさに切る。


  2. 手羽先ともも肉は熱湯に入れてサッとゆでて(霜降り)氷水にとり、水気を切る。霜降りをすると肉の臭みやぬめりが取れます。一度にたくさん入れると湯の温度が下がるので、何回かに分けて入れましょう。


  3. 土鍋に水1.5リットル程度を入れて沸騰させる。土鍋の大きさによって水の量は変わります。大きい鍋の場合、だしとなる手羽先の量も増やしてください。


  4. お湯が沸いたら、手羽先を入れて30分煮る。


  5. アクはできるだけ除き、ふたをします。ふたの穴からの水分の蒸発が激しくなりすぎないように火加減を調節してください。


  6. 煮ている間に水分が足りなくなったら、適宜足してください。


  7. 【もも肉を煮る】
    もも肉を入れて30分フタをして煮込みます。


  8. アクや黄色い脂肪が浮いてくるので、取り除きましょう。市販のアク取りシートを使えば、しっかりと脂肪を吸着してくれます。


  9. 手羽先を入れてから1時間が経った後、さらに火を消して30分程度置いておくと、余熱の効果で肉がよりやわらかくなります。ただし、加熱しながら煮込みすぎると、鶏の臭いが多く出ることがありますので注意してください。

  10. 肉団子を作る
    お肉に塩、胡椒を入れて、粘り気が出るまでよく練る。


  11. 卵、パン粉、酒、洋からし、玉ねぎを入れて再びよく練って出来上がり。


    具材の下ごしらえ
  12. キャベツの葉を1枚ずつはがし、流水で洗う。博多では白菜よりもキャベツを使います。水分が少ないのでだしが薄まらず、キャベツの甘味もスープに出るからです。


  13. 芯の固い部分を取り除き、葉を重ねて3~4cm角に切る。


  14. えのき茸としめじは石突きを取って、ほぐしておく。


  15. 太ねぎは薄く斜めに切る。


  16. 豆腐はやっこ(3cm角位の立方体)に切る。


  17. 戻しくずきりはザルに上げて水洗いし、水気を切る。お好みで、茹でて臭みを抜いたしらたきか、戻した春雨を入れてもいいです。


  18. ぽん酢醤油を作る
    グレープフルーツとかぼすを絞って、種などを濾す。カボスがなければ、他の柑橘類でも代用できます。その場合、グレープフルーツなど甘味のある柑橘類と加える量を調節してください。


  19. 材料をすべて混ぜ合わせできあがり。酸味が強いポン酢です。酸味が苦手な方は、煮切ったみりんを加えて甘味を加えたり、甘い醤油で調整して下さい。でき上がったものは、冷蔵庫で保存する。


  20. 食べ方
    スープをいただく
    最初にスープだけをいただきましょう。博多の水炊きの食べ方は、具を入れる前に、スープを味わって楽しみます。
    1、茶飲(湯呑み)に塩とねぎを入れる。


    2、温め直したスープを注ぎ、飲みます。ゼラチンがたっぷり出ているので、スープが冷めると固まってしまうほど濃厚です。これはもう飲むコラーゲンです。


  21. 肉をいただく
    ポン酢をつけて、もも肉と手羽先をいただきます。ご覧のように箸でつまむだけで、柔らかくなった肉がほろほろと骨からはずれます。


  22. 野菜と肉団子をいただく
    次に、野菜と鶏肉団子を煮ていただきます。野菜や豆腐を鍋に入れる。


  23. 鶏肉団子を入れる。スプーン2本を使って、丸く形を整えながら鍋に落とすと手が汚れません。


  24. 具に火が通ったらポン酢につけていただく。鶏肉団子は、5分程度煮て火が通ったのか確認するのが目安です。煮過ぎると肉が硬くなって美味しくないので、5分で火が通っていたら食べましょう。


  25. シメ・水炊きの残り汁で作る醤油ラーメン
    最後は雑炊やそうめんを入れて締める。今回は本格醤油ラーメンにしました。翌日にでも作ってみて下さい。有名ラーメン店にも劣らない感動のお味ですよ。


    【材料】 1人分(463kcal)
    中華生麺‥‥1玉
    水炊きの残り汁‥‥約400cc
    だし昆布‥‥8cm角
    チャーシュー‥‥2枚
    かにかまぼこ‥‥1本
    刻みネギ‥‥適量
    もやし‥‥50g

    ガーリック油
    ニンニク(スライス)‥‥1かけ
    胡麻油‥‥適量(目安大さじ1)

    調味料
    薄口醤油‥‥大さじ1
    濃口醤油‥‥大さじ1
    塩‥‥小さじ2/3
    胡椒‥‥少々

  26. 【作り方】
    鍋の残り汁をキッチンペーパーを敷いたザルで濾す。小骨があるのでこします。


  27. このままでは煮汁が煮詰まっていて味がくどいので、水を足す。逆に煮汁がいよいよ少なくて味が薄まりすぎるようだったら、鶏ガラ顆粒を少し入れる。


  28. だし昆布を入れて加熱し、昆布のアクを取る。


  29. ガーリック油を作る
    ニンニクのスライスとごま油をフライパンに入れる。


  30. 火にかけ、弱火でじっくり炒め、ニンニクの香りを油に移してガーリック油を作る。1~2度揚げ物に使った油を少し入れたらもっと美味しくなります。


  31. 丼に調味料を入れる
    ガーリック油を小さじ1杯、丼に入れる。


  32. 薄口醤油と濃口醤油を、各大さじ1杯入れる。


  33. 塩小さじ2/3杯と胡椒少々を入れる。胡椒は入れ過ぎると舌がヒリヒリするので控えめに。


  34. もやしは熱湯に入れてサッと茹で、ザルに上げる。


  35. 麺をゆでる
    鍋にたっぷりの湯を沸かし、中華麺をほぐしながら入れる。


  36. 麺がくっつかないように、箸でかき混ぜる。


  37. 丼にスープを、丼の7~8分目、約400cc入れる。レードル1杯が約100ccなので、まずはレードル4杯入れてみて下さい。


    おたまでスープをよそうのが便利です。各家庭でおたまの大きさが異なるので、おたまで400ccの水を何杯すくえるか計っておき、計量カップ代わりにしましょう。

  38. 麺の湯を切って丼鉢に入れる。


  39. 麺をほぐしてスープとからませる。


  40. 【味の調整】
    スプーンで味見をしてみる。


  41. 塩辛すぎたらスープを足す。味が薄かったら調味料を適宜足す。このようにスープと調味料は一緒に煮立てず、別々に入れるのがラーメン作りのコツです。味噌汁と一緒で、煮立てると風味が飛びます。


  42. ねぎ、もやし、チャーシュー、かまぼこをトッピングして絶品ラーメンの完成。


    水炊きを作るのが面倒、ラーメンだけ食べたい方は、短時間でもいいですから、手羽先など鶏肉を、ねぎと生姜とだし昆布を入れて煮て下さい。それに鶏がら顆粒を少し入れてスープにしてみて下さい。それでも十分美味しいラーメンが作れます。楽天 ラ-メンプロの技術

    ラーメンの作り方を動画で見る。
  43. 【ためしてガッテンの博多鶏の水炊き情報】

    【博多では白菜の代わりにキャベツ】
    博多では白菜の代わりにキャベツを使う店が多い。白菜よりも水分の出る量が少ないので、スープが薄まらずに美味しい状態で飲めるのがその理由だという。また、もともと甘いキャベツがスープを吸うことで、さらに甘さを増すとも言われる。

    【達人と素人の違い】
    達人の作る水炊きはホロホロ、ふわふわしている。
    素人の作る水炊きはかたくてパサパサしている。

    【達人の調理法】
    鶏肉を45分間も煮込み、その間ひたすらアクを取る。達人が火をとめた隙に試食してみると、少し硬くてパサパサしている。達人が火を止めた後、開店まではさらに2時間あり、その間達人は何も手を加えない。ところが、開店まぎわに食べてみるとホロッホロの柔らか肉に変身している。

    【鶏肉は煮込むと硬くなる】
    鶏肉の筋せんいは、加熱すると収縮するため、食べると硬く感じる。一度筋せんいが収縮すると、その状態から元に戻ることはない。では達人の肉がホロホロだったのは何故なのか?

    【コラーゲンが肉を軟らかくする】
    筋せんいを覆っている膜の主成分である「コラーゲン」が溶けたから。コラーゲンは、水中で長時間、高い温度で加熱されると、分子の一部が水に溶ける性質を持っている。このため、コラーゲン分子が分解し、筋せんいを覆っていた膜に穴が開きます。すると、膜は破れやすくなり、筋せんいが簡単にほぐれるようになる。その結果、肉がやわらかくなる。

    【コラーゲンを効率よく溶かす方法】
    コラーゲンは、加熱温度が高いほど、また、加熱時間が長いほど、溶ける効果が高くなる。特に80℃以上で溶ける量が多くなると考えられている。ただし水中でないとコラーゲンは溶けない。達人の鍋は、家庭で使う土鍋よりも保温効果が高い。そのため、火を止めた後も、鶏肉は煮こまれているのに近い状態となっていたと考えられる。

    【水炊きは昆布だしを使わない?】
    博多の水炊きは昆布だしではなく、鶏ガラでだしを取る。昆布だしのほうが、鶏肉のイノシン酸と昆布のグルタミン酸の相乗効果が発揮され、うま味が強くなる。ところが、鶏ガラだしの鶏肉が美味しいと感じるのは何故?

    【うま味の相乗効果】
    イノシン酸とグルタミン酸を同時に味わうと、足し算のようにうま味を感じるのではなく、掛け算のように飛躍的に強いうま味を感じるようになる。肉類にはイノシン酸が多く、昆布にはグルタミン酸が多く含まれるため、昆布だしで煮た鶏肉スープのうま味は、機械で測定しても数値が高い。

    【コクなら鶏がら】
    鶏ガラだしは、うま味だけでは昆布だしに負けてしまうが“コク”は、昆布だしよりはるかに多い。そのコクは、コラーゲンが溶けて分解され、ゼラチンやアミノ酸のかたまりとなったものなどから生み出される。(ペプチドと呼ばれる)

    【ゼラチンでホロホロ】
    鶏ガラで煮た鶏肉は、昆布だしで煮たものよりはるかにやわらかいだけでなく、しっとりホロホロ。その理由として考えられるのは、鶏ガラだしに含まれるゼラチン。ゼラチンがさらに分解されてアミノ酸のかたまり(ペプチド)になり、それが筋せんい同士のくっつきあうのを防ぐため、せんいがより細かく分かれやすい状態になるためだと考えられる。

    【ゼラチンとは?】
    ゼラチンは、コラーゲンの分子の一部が水に溶けたもののこと。

    【ゼラチン・コラーゲンなら手羽先】
    ゼラチンを短時間で多く引き出せる具材は手羽先。手羽先はコク成分、コラーゲンともに鶏ガラより多くなる。

    その他の情報
    このレシピの鶏の水炊きのカロリーは、1人分約629kcal。

本格博多の水炊きレシピ:ユーザーレポート

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