花粉症などのアレルギーは免疫システムの乱れから起こる
花粉症などのアレルギー症状は、生まれつきその人が持っているアレルギー体質(アレルギーを起こしやすい体質)に影響されますが、それに加えて、体を守る免疫システムのバランスが崩れたときに起こりやすくなるそうです。
アレルギーを起こす原因になる物質は、アレルゲンと呼ばれており、食物やハウスダストなど様々な種類があります。花粉症を起こす花粉もその中の1つで、アレルゲンは本来は体に害のない物質です。
アレルギーを持たない人にとっては害のないアレルゲンですが、そのアレルゲンにアレルギーを起こす体質を持っている人の体内に入ると、バランスが崩れて正常な働きができなくなっている免疫システムによって、危険な異物と認識されて、体から排除するための攻撃が始まります。
この攻撃によって、花粉症などのアレルギー症状が起こるそうです。アレルギー薬には様々な薬があります。今回はその中の1つ、花粉症治療薬ザイザルについてご紹介します。
花粉症薬ザイザルは、比較的眠くなりにくい強めの薬
花粉症薬ザイザルは、第二世代の抗ヒスタミン薬の中でも比較的強い効果を持っていて、眠気がそれほど強くは出ないと言われている、新しい薬です。小児向けのシロップ薬もあります。
■花粉症薬ザイザルは新しい抗ヒスタミン薬
ザイザルは2010年に販売が開始された比較的新しい薬です。ジルテックという第二世代の抗ヒスタミン薬(第一世代の抗ヒスタミン薬から眠気などの副作用を改良した薬)からさらに、眠気などの副作用を改良して作られた、同じく第二世代の抗ヒスタミン薬になります。
■ザイザルの主成分はレボセチリジン塩酸塩
ザイザルの主成分はレボセチリジン塩酸塩という薬品が使われています。レボセチリジン塩酸塩はアレルギー反応で免疫システムから放出されたヒスタミンが、ヒスタミン受容体と呼ばれる神経受容体と結合することをブロックして、アレルギー症状が誘発されるのを防いでくれる働きをするそうです。
さらに、ロイコトリエンなどの免疫システムから放出される、ヒスタミンとは別の化学物質の放出を抑える作用もあるそうです。
※ヒスタミン・ロイコトリエン:免疫システムがアレルゲンを体から追い出すために放出する攻撃的な化学物質。これらの刺激によってアレルギー症状が起こると言われています。
■ザイザルの効果・効能はアレルギー性鼻炎や、皮膚炎などの皮膚症状
ザイザルは花粉症などのアレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ)に効果がある薬だそうです。ただし、対症療法薬なのでアレルギー性鼻炎の原因になるアレルギーそのものを治すことはできません。
もとになっているジルテックも同じ効果を持っていますが、眠気などの副作用が少し強かったようで、その副作用を改善した薬がザイザルです。第二世代の抗ヒスタミン薬の中では中程度の効き目の強さの薬のため、即効性もあり(初めの服用から1時間ほどで効果が現れる)、大人の場合1日1回の服用で済みます。
アレルギー性鼻炎だけでなく、蕁麻疹(じんましん)、皮膚炎などの皮膚症状にも効能があるそうです。
■ザイザルの対象年齢:5㎎錠は7歳以上。シロップは生後6か月から
ザイザルの錠剤は5㎎の1種類のみで、7歳以上の患者が対象となっています。小児用にはザイザルシロップ0.05%があります。ザイザルシロップは生後6か月から服用することができます。
■ザイザル5㎎錠の飲み方紹介
成人の場合(15歳以上)は、1日1回、就寝前に1錠が通常です。症状や年齢によって薬の量が増減されることもあるようですが、1日の最高服用量は2錠(10mg)だそうです。効き目が弱いからと言って自己判断で量を増やすことはできません。医師に指示された服用方法に従わないと危険な副作用が起こることがあります。
就寝前に飲むのを忘れた場合には、夜中に起きて服用するのは大丈夫ですが、翌朝起きてから服用するのはその日の夜に飲む分の薬とダブってしまうためNGになります。
小児の場合(7歳以上~15歳未満)は、5㎎錠を半錠ずつ朝食後と就寝前に2回に分けて服用します。飲み忘れても後から服用することはお勧めできません。
※十分な時間を空けずに服用したり、2回分をまとめて飲むことは大変危険です。腎障害、肝障害、聴覚障害など、非常に重い副作用が起こる危険性があるそうです。
■ザイザルシロップの飲み方紹介
成人の場合(15歳以上)は、1日1回就寝前に、1回10ml(主成分として5mg)の服用が通常です。症状や年齢によって増減されることもあるようですが、1日の最高服用量は20ml(10mg)だそうです。効き目が弱いからと言って自己判断で量を増やすことはできません。医師に指示された服用方法に従わないと深刻な副作用が起こる危険性があります。
小児の場合(7歳以上~15歳未満)は、1回5ml(主成分として2.5mg)を1日2回、朝食後と就寝前に2回服用します。
1歳以上7歳未満の小児の場合は、1回2.5mL(1.25mg)を1日2回、朝食後および就寝前に服用します。
生後6ヵ月以上1歳未満の小児は、1回2.5mL(1.25mg)を1日1回服用します。
■腎臓、肝臓に障害がある方、てんかんや痙攣性疾患の既往歴がある方などは注意
腎臓、肝臓に障害がある方、てんかんや痙攣性疾患(けいれんせいしっかん)の既往歴がある方、妊娠中や授乳中の方、他に薬を使用している方は、診察時に担当医に申告することが必要になります。
また、以前にザイザルを服用してかゆみや湿疹など、アレルギー症状が現れたことのある方の服用はお勧めできません。
ザイザルの入手は耳鼻咽喉科などの病院で
ザイザルには、同じ花粉症薬であるアレグラのような市販薬はありません。そのため、基本的には耳鼻咽喉科(じびいんこうか)や耳鼻科など、花粉症を治療してくれる病院で診察を受けて処方してもらうことになります。
■ザイザルのジェネリックは日本でまだ認可されていない
ザイザルのジェネリックはありますが、残念ながらまだ日本の厚生労働省の認可を受けられていないそうです。そのため、どうしてもザイザルのジェネリックを入手したい場合は、海外からの個人輸入という形になります。
■ザイザルが効かない!?
ザイザルは第二世代の抗ヒスタミン薬の中では中程度の効き目の強さの薬だそうです。同じく第二世代の抗ヒスタミン薬アレグラよりも強い薬になりますが、すごく強いというわけではないので症状の重さや、体質よっては充分な効き目が感じられない人も出てきます。
ザイザルの副作用の眠気が強く出る人もいる
ザイザルはジルテックから眠気などの副作用を改善した薬です。しかし、一般的に薬は効き目が強い物ほど副作用も強くなってしまいます。ザイザルはアレグラよりも強い薬になるため、副作用を改善したとは言っても、アレグラよりも眠気は出やすくなってしまいます。ザイザルの薬の説明書きには「運転注意」のただし書きがされていますが、アレグラには記されていません。
運転前などの服用は体質によっては控える必要が出てきます。眠気が出やすい体質で日常生活に支障が出る場合や、高所での作業など、危険が伴う職業についている方には医師の判断で処方されないこともあるそうです。
■眠気の他の副作用9つ
ザイザルには眠気の他に次の9つのような副作用が出ることがあるそうです。気になる症状が現れた時にはすぐに、病院に電話連絡して医師の指示を受けることをお勧めします。
①頭痛
②口の渇き
③吐き気
④食欲不振
⑤めまい
⑥アナフィラキシー症状:呼吸困難、血圧低下、蕁麻疹
⑦痙攣(けいれん)
⑧肝機能障害:ひどくだるくなる、白目が黄色っぽく変色する
⑨血小板が減少:鼻血や歯ぐきからの出血
■ザイザルを服用したらアルコールは我慢
ザイザルを服用しているときにアルコールを飲んでしまうと、相互作用で副作用が起こりやすくなるそうです。ザイザルを服用しているときはアルコールは我慢することをお勧めします。
ザイザルが効かないときはかかりつけ医に相談
ご紹介してきたように、花粉症薬ザイザルは症状の重さや体質によっては効き目を感じられなかったり、逆に効きすぎて副作用が強く出てしまうことがあります。その場合には、早めに担当医に相談して別の薬を処方してもらうことをお勧めします。
ザイザルよりも効き目が強い花粉症薬には、ジルテックやアレロックという薬があります。ただし、効き目が強い分眠気の副作用も強く出てしまうので、その点をよく医師と相談してどの薬を使うかを決めてください。
ザイザルよりも眠くなりにくい薬には、アレグラがあります。アレグラについては下記のリンクで詳しく紹介しています。参考になさってください。