皮膚科
ご挨拶
富田林病院皮膚科に私 中川浩一が赴任して、早10年が経過しました。当初は富田林市を中心に地域医療を行ってまいりました。その後、各方面の皆様方のご支援もあり、現在では羽曳野市、大阪狭山市、堺市、河内長野市、さらには橋本市の先生方からも多数の患者様をご紹介いただくようになりました。まことにありがとうございます。地域医療の一端を担わせていただけたことをありがたく思う一方で、責任の重大さも感じております。私も5年前には、大阪府では5人しかいない日本皮膚科学会認定皮膚悪性腫瘍指導専門医の資格を取得し、日夜皮膚がんと戦う日々を送っています。また、当科は同じく皮膚科学会認定主研修施設に指定され、大学病院とならぶ研修もできるようになりました。今後も、富田林市をはじめ、近隣地域の皆様に愛される皮膚科を目指して努力していく所存でありますので、なにとぞ、ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
さて、当皮膚科は、中川浩一部長、岡林 綾副医長、清水奈美副医長、東田理恵シニアレジデントの4人体制で診療にあたらせていただいています。先に述べましたように、当科は皮膚がんの専門病院ですが、"水虫からメラノーマまで"をモットーに、あらゆる皮膚疾患に対応できる病院、地域に密着した診療を目指しています。どんな些細な皮膚のトラブルでもご相談して頂けたらと考えています。
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皮膚疾患について
ひとことに皮膚疾患といっても、非常に多くの種類があります。病名の数だけで比較すると内科や外科、整形外科など、他の診療科よりもたいへん多く、それだけ守備範囲が広いともいえます。
以下に各種皮膚疾患の特徴と治療について説明させていただきます。
皮膚がん
当皮膚科が最も力を注いでいる病気で、住民の皆様も関心が高いと思います。一度、写真を見てもらいましょう。
左はほくろ、右は皮膚がんです(無色素性基底細胞癌)。違いがわかりますか? 見た目が同じようでもまったく別の疾患ということがしばしばあります。少しでもあやしい皮膚病変があったら富田林病院に限らず、皮膚科専門医を受診してください。皮膚科専門医がどこに居るかは、日本皮膚科学会のホームページを見ていただいたらわかります。
https://www.dermatol.or.jp/modules/spMap/
当科では毎月一回、無料の皮膚がん健診も行っていますのでこれを利用していただいてもいいかと思います。
皮膚がんの種類
一言に皮膚がんといってもいくつかの種類があります。一般の方は、皮膚がんと言われると、もう明日にも死んでしまうのではないかと心配されます。決してそんなことはなく、メラノーマのように命に関わるものもありますが、たとえば、塗り薬で治る日光角化症と呼ばれるものも皮膚がんに分類されています。要は、病気の性格を正しく理解し、専門医による的確な治療を受けることです。先に書いたように、日本皮膚科学会のホームページを参考にして皮膚科専門医を探してください。
https://www.dermatol.or.jp/modules/spMap/
- 悪性黒色腫:もっとも悪性度の高いもので、命にかかわることもあります。黒い塊という臨床像をとることが多いですが、あまり盛り上がらないこともあります。体中どこでもできますが、特に日本人の場合、足の裏に多いのが特徴です。病変を大きく切除することが重要で、進行例に対しては転移したリンパ節を摘出したり、抗がん剤を投与したりします
最近は、免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる従来とは全く異なる仕組みの抗がん剤も開発され、非常に高い治療成績をあげています。もちろん、富田林病院でも使っています。
かかとの悪性黒色腫
爪の悪性黒色腫
ほっぺたの小さな悪性黒色腫 - 有棘細胞癌(扁平上皮癌):悪性黒色腫に較べると、やや悪性度は低い癌ですが、時に命にかかわることもあります。皮膚色から紅色の、じゅくじゅくした結節を作ります。これも大きく切除してしまえば、たいていは治癒します。顔面では日光角化症と呼ばれる表皮内癌(前がん状態)から進展することもあり、日光角化症の段階で見つけて治療してしまえば安心です。
足の指の有棘細胞癌
耳介の有棘細胞癌
膝の有棘細胞癌
眼瞼の有棘細胞癌 - 基底細胞癌:顔面の小さな黒色結節です(まれに肌色から紅色のこともあります)。中央部が潰瘍化することもあります。転移はまれで、命にかかわることはほとんどありません。ただ、徐々に拡大し、また、奥へ奥へと侵入することもありますので、早くに治療したほうがいいと思います。特に顔面に多いので、手術後の整容的なことを考え合わせると病変が小さい間に取っておいたほうがいいでしょう。
耳の前の基底細胞癌
背部の基底細胞癌
鼻の基底細胞癌 - パジェット病:外陰部やわきの下、肛門の周囲にできる皮膚がんです。いわゆる皮膚炎に似たような臨床像をとりますので、皮膚科以外の科目の先生にかかられても皮膚がんと気付かれないことがあります。また、外陰部など他人に見せたくないような場所にできますので、病院に行かないうちに広がってしまうこともあります。長く放置しているとリンパ節に転移して、とりかえしのつかないこともありますので早期発見・早期治療が重要です。外陰部に湿疹ができてなかなか治らないような時には、皮膚科専門医を受診してください。
- 日光角化症:最近、急激に増えています。日光、その中でも紫外線によって誘発される皮膚癌です。オゾン層の破壊によって、地球表面にあくだま紫外線(紫外線C)大量に降り注ぐようになったためかもしれません。もともと、紫外線は"四害線"とも呼ばれ、光老化、光アレルギー、色素沈着、光発癌といった悪い作用を持っています。外出時には帽子や傘、紫外線防止のクリームを心がけましょう。顔面や手の甲に赤いざらざらした斑ができた時は要注意です。日光角化症のうちに治療すれば何の問題もありませんが、放置していると、先に述べた本当の癌"有棘細胞癌"に進展して大変なことになります。最近、ベセルナクリームという抗がん剤の軟膏が発売され、好成績をあげていますので、怖がらずに来院してください。
顔に多発した日光角化症
ベセルナクリーム: 週に3回、4週間外用することで治療することもあります。
ベセルナクリームの著効例: 左 外用前、 右 外用後
帯状疱疹
帯状疱疹は痛い皮膚病の代表です。もともとは水痘(みずぼうそう)と同じウイルスが原因です。子供の時に水痘にかかった方が、高齢化や過労やストレスなどによって免疫が低下すると、ひそんでいたウイルスが再び活動を始めて帯状疱疹の形で発症します。この疾患に対する特効薬がアシクロビルです。しかし、何よりも、体を休めて免疫力を高めることが重要です。当科では、多くの患者さんに入院していただいて、アシクロビルの点滴注射を行うようにしています。もともと、体力が落ちていてなった病気なのですから、やはり入院してからだを休めることが一番の良薬だと思っています。
当院では、帯状疱疹のひどい状態の時に、いつでも入院できるようにベッドを確保しています!
胸部の帯状疱疹:帯状の紅斑の上に多数の水疱が集簇しています。強い痛みを伴います。
顔面の帯状疱疹:角膜ヘルペスを合併することもあります。
糖尿病と足病変
糖尿病は生活習慣病の一つで、食の欧米化、現在社会の強いストレスから患者が急増しており、現在では日本人のうち300万人以上の方が糖尿病に罹患しているとも言われています。もちろん、初期には合併症の程度も軽いのですが、進行すると皮膚にもいろいろな合併症を生じます。中でも糖尿病足と言われる足病変は頻度の高いものです。最初は足の皮膚の乾燥や、水虫になったり、タコや魚の目が出来るくらいですが、進行すると潰瘍(皮膚に穴が開くこと)や壊疽(皮膚が腐ってくること)を生じることもあります。さらに進むと足の指や足そのものを切断しないといけなくなります。そんなことにならないように、当科ではフットケア外来も開設しています。専任の看護師が月に一回、足の観察をし、爪を切ったりタコを削ったりさせてもらっています。重症な皮膚病変(潰瘍や壊疽)になりそうな時はすばやく医師に相談し、大変なことにならないようにします。
フットケアをしているところ
フットケアをする前
フットケアをした後
その他、どのような皮膚の異常でも・・・
いつでもご相談させていただきますので、"こんなことで?"と思われる症状でも受診いただければと思います。
▲ ページTOPへ ▲皮膚がん健診
平成17年11月から毎月第3水曜日に皮膚がん健診(無料)を行ってきました。
皮膚科専門医による視診ならびにダーモスコピーを用いた観察で、心配な皮膚病変が皮膚ガンかどうかの判定を行いました。
2016年4月までに1,279名の方が受診され、30名の方が皮膚がんでした。その内訳は日光角化症が16名、基底細胞癌が13名、悪性黒色腫が1名でした。富田林市民に限らず、近隣の地域住民の方で心配なホクロなどある方は、是非、富田林病院地域連携室に申し込んでください。
富田林病院 0721-29-1121
皮膚がん検診で使うダーモスコピー:皮膚の中まで透視できます。
皮膚がん検診のポスター
皮膚がん検診で見つかった悪性黒色腫(足の裏)
受診していただいた方には、健診結果と皮膚病変の写真、ならびに『皮膚がんについて』というパンフレットをお配りさせていただいています。ご心配のある方は是非お申し込みください。
▲ ページTOPへ ▲スタッフの紹介
部長中川 浩一(なかがわ こういち)
- 専門領域
- 皮膚科/皮膚外科
- 専門医・認定医
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会認定皮膚悪性腫瘍指導専門医
- 所属学会・資格等
- 日本皮膚科学会(代議員)
- 日本皮膚外科学会(副理事長)
- 日本褥瘡学会(評議員)
- 日本皮膚悪性腫瘍学会
- 日本皮膚病理組織学会
- 日本臨床皮膚科医会
- 兼 皮膚がんセンター長
医長岡林 綾(おかばやし あや)
- 専門領域
- 皮膚科
- 専門医・認定医
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
- 所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本皮膚悪性腫瘍学会
- 日本皮膚病理組織学会
- 日本皮膚外科学会
- 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会
副医長清水 奈美(しみず なみ)
- 専門領域
- 皮膚科
- 所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本小児皮膚科学会
シニアレジデント東田 理恵(とうだ りえ)
- 専門領域
- 皮膚科
シニアレジデント荒井 桜子(あらい さくらこ)
- 専門領域
- 皮膚科