夏になると水虫薬のCMが多くなって、嫌だなあと感じたりします。
水虫といえば足と思いがちで、足のケアをしっかりしていれば大丈夫と思っている人も多いのではないでしょうか。
でも実は、水虫は足だけにできるものではないのです。
なんと、手にもできることがあります。
どうして手に水虫ができるのか?その原因と治療法、予防法についてみてみましょう。
水虫はどうしてできるのか?
水虫は白癬菌という真菌(カビ)が原因でおこる感染症です。
白癬菌は皮膚の角質の成分であるケラチンを好み、ケラチナーゼとい酵素でケラチンを溶かして栄養源にしています。
他のカビと同様、高温多湿の環境を好むので、ジメジメして蒸し暑い梅雨から夏場にかけて、活動が活発化します。
また、靴や靴下を長時間履き続けると、皮膚が汗ばんで蒸れた状態になり、白癬菌の格好の住みかになります。
実は白癬菌の感染力は、それほど強くありません。空気感染や直接接触による感染はほとんどありません。
ただ、水虫を持った人が落とした皮膚の垢などが他の人の皮膚に付着することで感染します。
複数の人が使うバスマットやトイレのスリッパなど、湿った暖かい場所は特に注意が必要です。
手にも水虫ができる!?原因とは?
では、手にできる水虫はどのようなものでしょうか?
手にできる水虫は、実は足と同じ菌によるものです。
手は、露出していることが多いので、蒸れることはなく、水虫が好む環境ではありません。
足に比べると日に何回も洗いますから、感染しにくいと言えます。
手に水虫ができる多くの場合、足の水虫からの感染です。
爪を切ったり、入浴など、水虫に罹っている足に直接触れることで、知らず知らずのうちの手にうつっているのです。
他に、トイレや浴室のマットには多く白癬菌が付着していて、湿った状態でおくと増殖します。
そのマットに触れると手にも白癬菌が感染して、水虫ができてしまうのです。
そのため、足の水虫が完治していないと、いくら手を治療しても何度も繰り返してしまうので、注意が必要です。
また、自分でなくても家族の中に足に水虫を持っている者がいれば、触れる機会は多々あります。
足だけ注意するのでなく、足に直接触れているもの全てのものに注意しましょう。
手にできる水虫の症状
・手水虫(手白癬)
手白癬は手のひらに出来ることが多く、だんだんと皮膚の角質が硬化して、足の水虫同様、ひび割れてボロボロと剥がれ落ちます。
痒みや痛みはあまり強くなく、かさかさしてくるので、手湿疹との区別が付きにくく、自分では手水虫と気付かなこともよくあるようです。
また、手水虫は片手だけにできるのが殆どです。
・爪水虫(爪白癬)
白癬菌の一種が爪に感染、寄生して発症するのが爪水虫です。
水虫を長時間放っておくと、皮膚から爪の中へと白癬菌が侵入して、爪水虫になりますが、一度発症するとなかなか治りにくいのが特徴です。
症状は爪が白色や褐色に濁って、ぶ厚くなります。
爪には神経がないので、痒みや痛みなどはありませんが、足爪などがぶ厚くなり過ぎると、靴を履いた時に痛みを感じる場合もあります。
・角質増殖型水虫
水虫の初期症状にありがちの、痒みやじゅくじゅくといった症状はありません。
カサカサして、白っぽくなり、表面がざらつき、冬場にはひび割れをおこすこともあります。
自覚症状があまりないので、殆どの人が乾燥による肌荒れや加齢による角化と勘違いして、特に治療をせず放置しているために、家族などにうつりやすいといえます。
通常の水虫は汗をかきやすい春から夏にかけて症状が出ますが、この角質増殖型は汗が出にくい冬場に症状がひどくなります。
・趾間型水虫
足の水虫で最も多いのがこの趾間型水虫です。
足の指がムズムズ、ふにゃふにゃ、じくじくなどの症状がでます。
足の指と指の間にでき、特に薬指と小指の間が多いようです。
最近では女性にもこのタイプは広がっています。
症状は2つあり、皮がむけてカサカサする乾燥型と、じゅくじゅくして赤く皮がふやける湿潤型です。痒みは湿潤型のほうが強いです。
かけばかくほど皮膚の傷が深く大きくなり、ひりひりした痛みも伴いますから、かくのは我慢しましょう。
・小水疱型水虫
ぽつぽつと小さい水疱ができる症状で、皮がむけてくることもあります。
指の付け根や足の側面、足の裏の土ふまずなどに比較的多く発症し、進行するにつれて痒くなります。
水疱が破れると、白や黄色の水がでることがあります。
でもそれは白癬菌ではないので、媒介して水虫がうつることはありません。
ただ、雑菌が入るなどで化膿することもあるので、むやみに潰さないようにしましょう。
また、同じような水疱ができて、水虫と間違われる皮膚病のひとつに汗庖があります。水虫との違いは、白癬菌の有無なので、皮膚科で診察してもらいましょう。
手にできた水虫の治療方法とは?
白癬菌は、いったん居つくと、自然治癒することは期待できません。
皮膚科で診察されるとき、患部の皮膚をこすってプレパラートに張り、顕微鏡で観察して白癬菌みつけることで判断します。
治療には、塗り薬と飲み薬があり、いずれもカビを殺す作用があります。
爪にも感染している場合には、新たに生え変わるまでの長い期間の治療が必要となります。爪の場合は塗り薬が染み込みにくいので、飲み薬が必要です。手の爪で半年、足の爪だとそれ以上かかります。
患部を清潔にして風通しをよくするなどのケアが大切です。
手の水虫は、指輪の下などにも居つくことがあるので、外して洗うよう心がけましょう。
手水虫と間違えやすい症状
手水虫は、比較的痒みや痛みが少なく、手の表面がカサカサになるので、他の症状と間違えやすいです。似た症状のものにはどのようなものがあるのかみてみましょう。
・手湿疹
洗剤や金属で刺激を受けて発症する湿疹です。
湿疹は両手にできるケースがほとんどですが、片方だけなら手水虫の可能性があります。
・掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)
手のひらに膿庖や水疱がでて、痛みや痒みを伴います。
湿疹やあせも、他の疾患との判断が難しいので、必ず皮膚科で判断してもらいましょう。
・汗庖
手のひらや足の裏、または指の間などに、小さい水疱ができる症状です。
一般的にはあせもと呼ばれ、足の裏に出来ると、足水虫に間違われることもあります。
・疥癬(かいせん)
ヒゼンダニという人間の皮膚のみでしか生存できないダニの一種が、皮膚の角質層に寄生して起こります。
激しい痒みを伴うことの多い皮膚感染症です。
・接触性皮膚炎(かぶれ)
あるものに触れたときに、触れた部分が赤くなったり、痒みを帯びる皮膚疾患です。
金属アレルギーや漆などがあてはまります。
・貨幣状湿疹
足・手・背中などに環状の丸い湿疹ができる皮膚疾患です。
形状が貨幣に似ていることからこう呼ばれています。
・多形滲出性赤斑(たけいしんしゅつせいこうはん)
手のひらや背中、肘、ひざ、足の甲、足の裏などに環状の盛り上がった水っぽい赤斑ができる皮膚疾患です。
・皮膚カンジタ症
カンジタ菌というカビの一種に感染して、皮膚に紅斑の湿疹がでる病気です。
爪に発症した場合、爪水虫と間違われやすいのが特徴です。
・環状紅斑
環状の赤い発疹や湿疹の皮膚疾患などの総称で、原因は多岐にわたっています。
・脂漏性湿疹
頭や首、顔、胸、背中、脇の下、陰部などの皮脂分泌の盛んな部位に赤くカサカサした湿疹や脂っぽいフケ、境目のはっきりした黄紅色の斑、鼻の周囲などが脂っぽく粉を吹いたような状態になり、痒みを伴うこともある病気です。
水虫を予防するための対策とは?
手水虫は、白癬菌が手について独自に発症するわけではありません。
高温多湿で密閉され、皮膚が汗ばんで蒸れた状態の中で、繁殖していきます。
足にできた水虫がうつる場合が多いので、足の水虫に十分注意しましょう。足に水虫が出来ない対策が大事です。
・靴の清潔を保つ
常に清潔を心がけましょう。
靴は連日履かないようにし、抗菌作用のあるインソールをいれておくといいでしょう。
靴下は汗をよく吸い、抗菌で速乾性のあるものを選びましょう。
靴を長い時間履かないようにし、仕事場など、長時間靴を履いている環境でも、サンダルなどに履きかえられればなるべくサンダルなど風通しの良いものにしましょう。
女性はパンプスやブーツが原因での水虫が多いようです。インソールや履き換えなど常に清潔を保つよう心がけましょう。
・足を綺麗に保つ
帰宅したら、すぐに足を洗うようにするのが効果的ですが、たっぷりの泡で指の間も優しく丁寧に洗うようにしましょう。
また、足はバスマットでなく、清潔なタオルできちんと拭きましょう。
・足の異変を感じたら、早めに病院へ
足の皮がむけていたり、爪の色がおかしかったり、ぶ厚くなっていたりなど、あれっと思ったら皮膚科に受診し、今の状況を把握しましょう。
もし、違っていても、その症状に対しても治療をしてもらえます。
ケアについても相談できるので、迷いながら市販薬を使い続けるより確実です。
・家族の水虫にも注意
家族に水虫をもっている人がいたら、まず根治してもらいましょう。
治療中の場合には、足が触れる物は分け、洗濯時にも直接洗濯物を持たないよう、ゴム手袋などで対処しましょう。
床も白線菌のついた垢が落ちている可能性があるので、こまめに掃除して足につかないようにしましょう。
まとめ
手の水虫の患者は、足の水虫に比べ数%しかいません。
手は足に比べてよく洗い、きちんと乾燥させているので、清潔だからだといわれています。
でも、手にも水虫ができてしまうととても厄介です。足の水虫を持っている人は十分注意するようにしましょう。
また、手の湿疹や間違えやすい症状の皮膚疾患も多いので、塗り薬を間違えると悪化する場合あるようです。
市販薬もいろいろ出ていますが、自己判断で続ける期間も曖昧になりがちです。
手荒れが長時間治らないとか、爪が変とか、治りにくいようであれば皮膚科へ行きましょう。
手はよく使うので、安静させて直すなどできない部位ので、専門医にきちんと診てもらってしっかり治すのか賢明です。
また、手水虫は予防で防げる部分も多いので、日頃から予防を心がけましょう。