EMS、ラジオ波、イオン導出入機能を搭載した“1台4役”の美容器で、肌のたるみはアップする?

エステで話題のケアが家でまとめてできる「プラチナホワイト RF」を使ってみました!

テレビを見ながらでも手軽に美容ケアができる美顔器は、女性の強い味方。とはいえ、美顔器とひと口に言っても、顔の上を転がすローラー美顔器や、微細な振動で肌をマッサージする超音波美顔器など、さまざまなタイプがあります。

そのなかでも、筆者が気になるのは「イオン導出入美顔器」。これは、微弱な電流で肌の汚れを吸引したり、肌に浸透しにくい化粧水の成分を角質層に届けるという製品です。乾燥肌と脂性の混合肌である筆者にとって、クレンジングと保湿はかなり重要。そのような中で今回注目したのが、ヤーマン「プラチナホワイト RF HRF-1」(以下、HRF-1)。イオン導出入だけでなく、そのほかのエステで注目のケアも行えるらしいのです。

“1台4役”がウリのヤーマンHRF-1

この1台で、肌の保湿からたるみケアまで

数あるイオン導出入系美顔器のなかから筆者がHRF-1を選択した理由は、ズバリ「多機能だから」! イオン導出入美顔器といえば、前述した汚れを落とす「クレンジング」モードと、化粧水や美容液の成分を角質層まで届ける「イオン導入」モードを搭載したものが一般的です。さらに高級なものとなると、「ヒーターでの肌温め」や「微細振動でマッサージ」といった機能が追加されることもあります。

いっぽうHRF-1は、イオン導出入機能である「クレンジング」モードと化粧水などの成分を導入する「モイスチャー」機能、さらに、製品名にもあるRF(ラジオ波)による肌深部の温め機能、さらに表情筋を鍛えるという「EMS」機能、最後に肌を引き締める「クール」機能までも搭載しています。

多機能ながら、サイズは44(幅)×170(高さ)×52(奥行)mmとコンパクト。重さは約210g

背面のシルバーの枠は、デザインではなく手元電極。必ずここに触れた状態で使用します

充電式でコードを気にすることなく使用できるので手軽

「POWER/MODE」ボタンで電源とモードを設定し、「LEVEL」ボタンで強さを選択。イオン導出入やEMSの強さは5段階から選択できます。数ある美顔器のなかでも、液晶表示が非常に見やすくわかりやすいと思います

これらの機能のなかで、筆者が特に惹かれたのがRFとEMS機能。RF(ラジオ波)とは、前述したように「肌を温める」機能のこと。とはいえ、ただ「ヒーターで直接肌を温める」わけではありません。1MHzほどのラジオ波を肌に流すことで、肌の内部を振動させて熱を発生させる仕組みで、一般的なヒーター加熱よりも素早く肌の奥まで温められるそう。肌の角質層からじんわり温められられるため、さまざまなメリットがあるといいます。

ちなみに、HRF-1には「RF」単体で使用するモードはありません。クレンジングモードとモイスチャーモード、EMSモード使用中に、自動的にRFモードに切り替わり、顔を温めつつ各モードでのケアを行うようになっています。

本体の2重リングがラジオ波電極。リングの間にラジオ波を流すことで、効率よく肌の奥から温めることができるというわけです

ヤーマン公式サイトにある「一般的なヒーターとRFの温まり方との比較」を説明する画像。一般的なヒーターは表面一部しか温まりませんが、RFは内部から全体が温められているのがわかります

温めならがら行うイオン導出入の効果は?

最初に試したのはクレンジングモード。このモードは、通常の化粧を落とした洗顔後に行います。使用前の準備は、化粧水かジェルで濡らしたコットンを本体に挟むだけ。使用する化粧水(あるいはジェル)はトロミがあるほうがRFの温感を感じやすいそうですが、「水溶性」のものであれば基本的にはどの製品でもOKだそう。筆者は化粧品によっては肌がかゆくなる敏感肌のため、自分が普段使用している化粧水が使えるのはかなりうれしいポイントでした。

磁石で本体に固定されているコットンストッパーを外し、コットンを間に挟みます

コットンをセットしたら、あとはクレンジングモードにして顔の上を滑らせます。使用中は15秒ごとくらいに「ピッ」「ピピッ」というアラーム音が断続的に鳴ります。説明書によると、ピッという音の後はRF、ピピッという音の後はイオンクレンジングやEMSなどの機能に切り替わっているそうです。

コットンは比較的薄いほうがRFの効果が感じやすかったので、筆者はコットンを2枚にさいて使用していました

コットンにつける化粧水はトロミのあるものがよいとあったため、筆者は化粧水導入液にもなるマッサージジェルを使用

最初に使用して驚いたのは、RFで肌が温まる早さ。「ピッ」という音の後、一瞬にしてHRF-1をあてている肌がフワッと内部から暖かくなるのを感じます。体感としては、お風呂のような「あったか気持ちイイ~」といったところでしょうか。そして、クレンジング後にコットンをみてみると、うっすらと茶色の汚れが付いていました。洗顔後にもかかわらず、これだけの汚れが残っていたことに驚きです。肌を温めながらクレンジングをするためか、筆者が数年前に購入したイオンクレンジング美顔器よりもゴッソリと汚れが取れている気がしました。

RFとクレンジングが約15秒ごとに切り替わります。現在がどのモードかは「ピッ」という音のほか、液晶画面の「RF」アイコンの有無で視認可能

肌の上を滑らせるようにHRF-1を動かします。コットンが乾きそうなら化粧水を追加すればOK。顔の左側はHRF-1のクレンジングモード、右はHRF-1のスイッチを切った状態で使ってみました。クレンジングモード使用のコットン(写真左)だけ汚れが付いています

汚れを取ったキレイな肌に化粧水の成分を導入する「モイスチャー」モードを使用します。こちらも、肌を温めながら導入をするためかジワジワと化粧水が浸透するように感じました。

顔左側だけモイスチャーモードも実行(写真左)、コットンで化粧水をパッティングしただけの肌(写真右)より、毛穴が小さくなっているように見えます

本体を肌の上で滑らせるだけなので非常に手軽なHRF-1ですが、少々手こずった点もあります。イオン導出入機能とRF機能が次々と切り替わるため、15秒ごとに同じエリアを往復する必要があるのです。最初のRFモードで肌を温め、クレンジングモードに切り替わったら同じエリアをもう一度なぞる必要があるのですが、テレビを観ながらぼーっと作業をしていると「このエリアは温めたっけ?」などと感じることが何度かありました。

EMSモードでほうれい線は薄くなる?

筆者がもう1つ気になっていたのが「EMS」モード。これは、Electrical Muscle Stimulationの略称で、電気の刺激により筋肉を強制的に動かす機能のことです。数年前から「おなかに張り付けるだけで腹筋を鍛える」といったEMS製品が発売されていますが、HRF-1はこの機能を顔の表情筋に利用するというわけです。

説明書によると、顔の表情筋をトレーニングすることでハリや弾力はアップするそう。実際に使ってみると、レベル1ではHRF-1を当てた部分の顔の筋肉がピクピク動く不思議な感覚。最大レベルにすると、ビリビリとした痛みを感じるほどのパワーがありました。個人的には、このように使いながら効いている感覚があるのはうれしいですね。ちなみに、EMS使用後は、頬のラインが明らかにシャープになったほか、ほうれい線が少し薄くなった気がしますが、どうでしょうか。

顔左側のみEMSを使用。EMSを使用したほうが、左がやや上がっているのがわかります(左右頬のトップ位置に引いた赤線に注目)。また、ほうれい線も左のほうが目立たなくなっていると思います

大活躍したクールモード

仕上げには、クールモードを使用します。これはその名のとおり肌を「冷やす」機能です。この機能のみコットンを使用せず、HRF-1を肌にペタンペタンとスタンプのように押し付けます。そして、これが本当に冷たい! 冷蔵庫で冷やした金属を肌に押し付けているかのような冷たさです。このクールモードは「肌を引き締め、うるおいを持続させる」らしいのですが、たしかに毛穴がキュッと引き締まるような気がします。

実は筆者が一番使用したのが、このクールモード。筆者は寝不足などの不規則な生活になると、あごなどにムズがゆい吹き出物ができます。また花粉や温度差などの刺激で目や顔がかゆくなることも……。本来は触ってはいけないのでしょうが、症状がでるとかゆみに耐えられず爪で引っかいてしまい悪化させることもよくありました。ところが、HRF-1で患部を冷やすと、ほとんど刺激を与えずにかゆみを抑えることができたのです。美容ケアではないですが、蚊に刺された部位のかゆみを抑えるのにも効きそうな予感がします。

とはいえ、クールモードの稼動時間は約3分。クールモード使用後は1時間ほど休ませる必要があり連続使用はできないので、気を付けてください。

顔の左半分にクレンジング、モイスチャー、EMS、クールモードをひととおり行い、右半分は、左と同じ工程をスイッチオフの状態で行ったもの。簡易的に肌チェックをしてみたところ、5分後は両面とも保湿力、油分、肌の柔らかさすべてが+3以上と優秀な数値。しかし、15分後に再計測すると、HRF-1でケアした左はほぼ同じ数値だったのに対し、使用していないほうは全数値がマイナスに

まとめ

イオン導入器やクレンジングマシン、顔用のEMS美顔器など、単機能美顔器もありますが、これらを全部購入するとお金がかかるうえに、収納場所にも困ります。その点、HRF-1はクレンジングからたるみのケアまで1台でできるのが魅力。また、週に何度も使うものだけにコードレスで使える本体や、視認性の良い液晶表示といった使いやすさも重要です。さらにケア時は非常に静か。途中で鳴る「ピピッ」というアラーム以外はほとんど音がしないため、テレビを見ながら手軽に使える点も気に入りました。

ちなみに、HRF-1は数年前に発売された製品。その後「RF ボーテ フェイスEX HRF3」という新モデルも発売されています。機能の違いは、新モデルには目のぎりぎりまで保湿できる「アイケアモード」と、EMSに低周波と中周波をミックスした「ダブル波EMS」が搭載されていること。とはいえ、新モデルが発売されてもHRF-1の人気は落ちていません。それだけ、バランスのよい魅力的な商品ということなのではないでしょうか。

パソコン雑誌編集者からドッグカフェオーナーという、異色の経歴を経た家電ライター。家電を活用することで、いかに家事の手を抜くかに日々頭を悩ませている。