美肌のために頑張ってスキンケアをしているはずなのに、思ったように効果が出なかったり、トラブルに陥ったりするのはなぜ…? 間違いがちなスキンケア習慣を正すための1日1分でできる鉄則や、「しないこと」ルールを教えてもらいました。
様々な美容情報や化粧品があふれている今の時代。日々、時間をかけて丁寧にスキンケアをしているつもりでも、実際は肌のためによくないことを続けているケースも多いとか。
■スキンケアの誤解が肌の老化を促進させる
「お手入れに熱心になるあまり、過剰なケアや間違った俗説によるスキンケアで肌を傷め、クリニックに駆け込む人が少なくありません」と説明するのは、20年以上、日本の女性の肌を診察してきた皮膚科医の吉木伸子さん。正しい肌の仕組みを知らないまま、入ってくる情報をうのみにするのは危ないと話す。例えば、入念なクレンジングによる肌の乾燥や、コットンの拭き取りによる炎症、化粧水による保湿効果への過度な期待など、スキンケアに関する誤解は多く、かえって老化を促進していることすらあるという。
乾燥や肌荒れなど気になる悩みがある人は、下で紹介する1日1分からできる鉄則や「しないこと」ルールを守ることで、肌の調子は改善されていくはず。勘違いスキンケアを卒業して、美肌を手に入れよう。
【1日1分でできる! スキンケアの鉄則】
鉄則1 クレンジングは30秒でささっとすすぐ
過剰なクレンジングは肌を傷める原因に。「クレンジング料は洗浄力が強いため、長くつけていると肌の中の貴重な保湿成分であるセラミドが奪われ、乾燥や肌荒れの原因に。メイクを浮かせることが目的なので、肌にのせてから30秒程度ですすぐのが目安です」
鉄則2 固形石けんの泡で皮脂をしっかり取る
洗顔で皮脂を取りすぎると乾燥してシワになるという認識は逆。皮膚に残した皮脂は酸化し、それが毛穴を大きくしてシワの原因に。「界面活性剤を多く含む洗顔料は強すぎると肌を傷めるので、おすすめは固形石けん。泡のクッションを顔に転がすように洗いましょう」
鉄則3 保湿は化粧水よりも有効成分入りの美容液で
化粧水たっぷりで保湿できるという認識にも落とし穴が。「化粧水の大半は水で、つけても肌にそれを保つ保湿成分がなければ蒸発してしまいます。保湿を目的にするなら、セラミドなどの保湿成分が入った美容液を使いましょう。化粧水は省いても問題ありません」
~美肌をつくるためこれだけは守りたい 6つの「しないこと」~
1 化粧品をつけるときにコットンを使わない
コットンを使ったパッティングや拭き取りを続けていると、摩擦や刺激によって長年の間に肌が黒ずむ原因に。「手でつけると化粧成分を手が吸い取ってしまうというのは誤解。指先には毛穴がないので顔のほうに吸収されやすい構造になっています。化粧品はすべて手に取り、ケーキにクリームを塗るように優しく肌にのせましょう」
すべきことはこれ!
・化粧水や美容液は手で優しく肌にのせる
・拭き取り式のメイク落としや化粧水は毎日使わない
・肌を触りすぎず、朝晩のスキンケアは5分以内に
2 シートパックに頼りすぎない
「シートパックの成分の大半は水。時間がたてば肌から蒸発するので、保湿効果を期待しすぎないように」。美容成分入りのものは濃度が高いため、かぶれる場合もあるので注意を。「肌にのばすと固まるタイプのパックのほうが保湿効果は期待できる。まずは日々のケアで肌の状態を整え、パックに頼りすぎないことが大切です」
すべきことはこれ!
・「たまのパックよりも日々のケア」をモットーに
・乾燥が気になるなら、肌に伸ばして洗い流すタイプのパックに。
・パックでかぶれることもあるので、赤みが出たら使用をやめる
3 紫外線対策を日焼け止めだけに頼らない
SPFとは、1平方センチメートルあたり2mgの日焼け止めを皮膚につけた場合、日焼けするまでの時間を何倍にのばせるかという数値。「日焼け止めだけで基準を満たそうとすると、かなりの厚塗りに。一方、パウダーファンデーションの粉には紫外線を反射する効果があります。日焼け止めの上にファンデを重ね、何度か塗り直すのが○」
すべきことはこれ!
・SPFなどの数値にこだわるよりも、上にパウダーファンデを重ねることで日焼けを防ぐ
・焼けやすい頬骨の上には厚めに塗る
・日中に何度かファンデを塗り直して効果を持続させる
4 コンビニの野菜サラダで満足しない
肌を丈夫にし、潤いを保つビタミンAは、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれている。「外食やコンビニで買えるサラダは淡色野菜が中心。しかもカットずみの野菜は、時間がたつにつれビタミンが失われてしまうということは、意外に知らない人も多い。緑黄色野菜を温野菜で食べるようにしましょう」
すべきことはこれ!
・淡色野菜ではなく緑黄色野菜を1日100g(両手のひらいっぱい)は食べる
・体を冷やす生野菜よりも温野菜のほうがおすすめ
・市販の野菜ジュースよりも野菜そのものを取るように
5 午前0時過ぎまで起きていない
代謝を活発にし、健康や肌の若さを保つ成長ホルモンが最も分泌されるのが、夜の10時から深夜2時までの間。「起きてから10時間後くらいに分泌準備が始まります。これが分泌されている間に睡眠を取らないと肌荒れや老化が進むので、午前0時には就寝を。睡眠の質が低下するうたた寝はせず、6時間は寝ること」
すべきことはこれ!
・夜10時~深夜2時のゴールデンタイムの間に寝る
・眠くなったらうたた寝はせずベッドへ
・睡眠時間はできるだけ一定にし、6時間は確保する
6 エイジングケアを後回しにしない
「シミやシワが発生してから対策用の化粧品を使い始めても、完全になくすことはできません」。まだあまり気になっていない時期から、エイジングケアは予防的に始めたい。「エイジングケア化粧品には刺激の強いものもあるので、まず初めはビタミンC誘導体やナイアシンなど低刺激成分のものから試して。一部だけではなく、顔全体に塗りましょう」
すべきことはこれ!
・エイジングケア化粧品はシミやシワができる前から使う
・低刺激成分(ビタミンC誘導体、ナイアシンなど)のものから試す
・シミやシワが気になる部分だけでなく、顔全体に塗る
~吉木さんおすすめ! お悩み別・化粧品の選び方&使い方~
【悩み1】 肌が乾燥しやすい
advice セラミドやヒアルロン酸入りの美容液を選ぶ
水分保持力の非常に高いセラミドや、ヒアルロン酸など保湿成分の入った美容液を選んで。両手のひらに広げ、頬から始めて目元など細部にのせるようにつけて、擦り込まないこと。化粧水スプレーを吹きつけるのは、化粧水が蒸発する際、肌の水分も一緒に奪われてしまうため、かえって乾燥肌を進行させる
【悩み2】 毛穴が詰まっている
advice 酵素洗顔料やピーリングコスメを使う
皮脂や古い角質が毛穴に詰まると黒ずみの原因に。固形石けんの洗顔でも毛穴の詰まりが気になるなら、角栓を分解してくれる酵素洗顔料や、AHA(フルーツ酸)などを配合したミルクやジェルタイプのピーリングコスメを使って。古い角質を分解し、穏やかに詰まりを取り去ってくれる
【悩み3】 毛穴が開いている、たるんでいる
advice ビタミンC誘導体やレチノール入りの化粧品を使う
シワ対策化粧品によく配合されているレチノールは、たるみ毛穴にも有効。ただし刺激が強いので、ピリピリすることも。レチノールよりも刺激が低いのがビタミンC誘導体。コラーゲンを増やし、皮脂の分泌を抑制する働きがある
【悩み4】 夕方になると顔がテカる
advice あぶら取り紙でこまめに皮脂をオフ
日中に浮いた皮脂を放置していると、皮脂が酸化し、肌荒れや老化の原因に。浮いている液状の皮脂をあぶら取り紙で取ることが大切。あぶら取り紙で取っても固形の皮脂は肌に残るため、肌が乾燥することはないので安心して。ティッシュペーパーは繊維が肌を傷めるので使わないこと
この人に聞きました
吉木伸子さん
よしき皮膚科クリニック銀座院長。横浜市立大学医学部卒業。皮膚科医として慶應義塾大学病院などに勤務後、98年に開業。美容皮膚学と漢方を取り入れた治療で多くの女性に支持されている。最新刊は『毎日のスキンケア10の法則』(廣済堂出版)
(ライター 吉田明乎)
[日経ウーマン2013年7月号の記事を基に再構成]
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