つらい炎症を起こしてしまった乾燥肌はどうするべき?

始めはただの乾燥肌。そう思っていても、軽視しているとどんどん肌の状態は悪化していきます。それはさまざまな炎症という形で訪れることも少なくないのです。ニキビしかり、ひび割れしかり、湿疹しかり。このような症状が出てしまった後では、なかなか対処も難しく、治りも遅くなってしまいます。

私も手や顔が常に乾燥しているタイプで、過去に手の甲に湿疹ができたり顔が角質で粉を吹いてしまったりと、なかなかうまく改善ができませんでした。乾燥肌であることはわかっていたため、その対策をしっかり取ろうと入浴時にも洗顔時にも気を付けていたのですが、そのやり方自体があまりよくなかったようです。

私は最終的に皮膚科を受診するなどして回復に向いましたが、まずそのような炎症が起きる前に何とかならなかったのか、そして炎症が起きてしまったときにもっと自分でできる対処法はなかったのかと思い調べてみました。すると、やはり炎症が起きた後はなかなか大変なものでしたが、もともとの乾燥肌を解決する方法ないくつかあります。

冬の空気が乾いた時期だけではなく、乾燥肌は意外とオールシーズンつきまとっているものです。冬はこういう季節だからとあきらめたり、その他の季節には乾燥自体に気付いていなかったりといった理由で、誤ったスキンケア方法や生活習慣を続けている方も多いのではないでしょうか。

炎症で苦しんでいる乾燥肌の皆さんに向けて、まず乾燥肌に向き合うことと、起きてしまった炎症が軽度である場合の対処法を見ていきます。

乾燥肌とは、一朝一夕に何とかなる症状ではありません。普段の生活の積み重ねや食生活、スキンケアや洗顔方法などによって少しずつ状態が変化し、やがて慢性的な乾燥状態に陥ってしまうのです。

こうなってしまっては、後は乾燥から来る各種の炎症をいつ引き起こしてしまっても不思議はない状態になってしまいます。乾燥肌で起きる炎症は1つではなく、いくつかの形なって現れます。

乾燥が原因で皮脂の過剰分泌が促されてしまった結果できてしまうニキビ。皮脂の分泌が少ない箇所で乾燥から肌を守ろうと過剰反応した角質が固くなって起こるひび割れ。また、このひび割れや角質のめくれなどによって神経が敏感になってしまい、激しいかゆみを起こしてかきむしってしまう湿疹。いずれも直接の原因は多少違えど、元を辿れば同じ乾燥状態からくるつらい症状です。

これらの症状がもし起きてしまったときには、スキンケアや対処法などはそれぞれ違うものとなります。間違った対処法を選んでしまうと全く効果がなかったり、むしろ逆効果になってしまったりすることも珍しくないのです。

炎症になってしまったら、なるべく早く対処してひどくなる前に食い止めましょう。もし自分では対処できなくなるまでに進んでしまったら、皮膚科という強い味方がいますから安心してください。だからといってどんな対処法でも手当たり次第ではいただけません。

それぞれの症状に合った対処法を早めに行っておけば、病院に行かずとも改善できることがあります。

元は同じ乾燥肌なのに、さまざまな形で現れてしまう炎症。これら炎症に対する対処法はそれぞれに違い、適切な方法を選んで行う必要がありますが、いずれも同じ乾燥状態から発生しているもので、その乾燥肌が進行する方向によって症状が異なっているだけです。

その症状を改善するためには、それぞれが発生する要因を大まかに知っておく必要があるでしょう。ニキビ・ひび割れ・湿疹の3点それぞれから要因を見ていきましょう。

まずニキビ。この場合は、乾燥しているのに皮脂分泌が多いという混合肌の状態から起きる炎症です。普段角質層を覆う正常な皮脂バリアが乾燥によって崩れ、しかもそのバリアの隙間から角質組織の潤いを守るNMFや細胞間脂質のセラミドなど肌のバランスを保っている物質がどんどん逃げ出していってしまいます。その結果角質層はどんどんダメージを受けるわけですが、異常を察知した皮脂腺が、失った正常な皮脂バリアの代わりを務めるべく過剰に皮脂を分泌し始めるのです。これが混合肌の成り立ちです。その皮脂が多すぎて肌の汚れや雑菌などと混ざり合って毛穴をふさいでしまった結果がニキビです。

次にひび割れ。乾燥によって皮脂バリアと角質層がダメージを受けるところまでは同じです。ここからですが、ひび割れが起こる箇所は比較的皮脂腺の少ないところであることがほとんどです。皮脂の過剰分泌でフォローできないときに角質層をどう守るかというと、角質細胞をどんどん増やしていって、その部分の角質を分厚く装備するのです。それが鎧のような役目を果たし、コアな部分に影響が出ないようにというメカニズムが働きます。

しかし、厚くなってしまった角質にはなかなかうまく栄養分が行きわたらず、どんどんゾウの皮膚のようにゴワゴワと固くなってしまいます。そしてすっかり柔軟性を失ってしまった肌がちょっとした刺激で鏡餅のようにぱっくりと割れてしまう、これがひび割れの原因です。

次の湿疹に関しては、最終的に人の手による影響が大きい炎症です。これも皮脂バリアと角質層が壊れるまでは上記2つと同様ですが、壊れてしまってから代替のバリアを作る方法もないというときに、乱れてしまった角質層近くまで、かゆみや鈍痛を感じる末梢神経が伸びてきます。

C線維と呼ばれ、皮膚の末端のいたるところにある神経ですが、通常は表皮のさらに下、真皮の辺りにある神経です。それが、角質層がダメージを受けることによって表皮近くまで伸びてきて、皮膚感覚を非常に敏感にしてしまいます。結果、いつもにはないような強いかゆみやヒリヒリ症状といった感覚的な症状を引き起こしてしまい、それに耐えられず人の手でかいてしまった際にできる炎症が湿疹です。

これらの成り立ちはすべて肌のメカニズムを研究していた先人たちによって解明されたものです。このそれぞれの成り立ちに基づいて理にかなった対処をすれば、どの症状も回復の兆しを見せるはずです。

では、乾燥肌が原因で起きてしまうさまざまな炎症について、タイプ別に見ていきます。

ニキビの場合
ニキビは皮脂が過剰に出ている状態から発生する症状であるため、ある程度肌を清潔にしておく必要があります。しかし、もとは乾燥からくる現象ですから、やみくもに皮脂を落とし切ろうとしないことが大切です。

洗顔は優しく確実に
このときに皮脂を落とし切ってしまっては、乾燥状態からの皮脂分泌という悪循環しか辿らないため、適度な洗浄力のものを選んで洗顔しましょう。皮脂が気になってもゴシゴシせず、短時間で切り上げること。

保湿は油分を避けたものでしっかり
保湿の際に油分がたくさん含まれたものを使っても余計ニキビを増やすことにしかならないため、成分をきちんと選びましょう。肌の奥のインナードライを解決するために、角質層に本来ある成分であるNMFやセラミドを配合したものでフォローするとよいでしょう。

ひび割れの場合

ひび割れは、固くなってしまった角質が原因で起こってしまいます。この状態ではなかなか保湿成分が中に入っていかないため、まずは角質を柔らかくしてひびをふさぐことから考えましょう。

水を触るときには気をつける

ひび割れ症状が特に起きやすいのは手です。手には皮脂腺が比較的少ないだけではなく、水を扱う機会が非常に多い箇所であるため、潤い成分が逃げやすいだけではなくせっかく保湿の処置をしても長期間とどまってくれないため、治りが非常に悪いのです。
それでも水を触ることは避けられないため、水仕事をするときはゴム手袋を。苦手な人は綿製の手袋の上からはめてもOKです。手を洗ったときはとにかく素早く水気を取りましょう。水と一緒に潤いも飛んでしまいます。

保湿より保護を
この症状までになってしまった場合、保湿をいくらしてもあまり効果なく終わってしまうことが多くあります。保湿を考える前に、壊れてしまった皮脂バリアをワセリン剤やオイルなどで外的に作って荒れた角質層を保護することから始めましょう。保護している間に自然に肌の再生を促し、ある程度まで回復したら保湿に切り替えるのが得策です。

湿疹の場合
この場合は、強いかゆみを伴っているという時点で若干手ごわい炎症です。場合によっては、上記のひび割れが改善できなかった場合にかゆみが誘発され、さらに湿疹になってしまったというWパンチのパターンも非常に多くあります。
この場合は、かゆみに向き合うことが先決です。

とにかく湿疹を治す
かゆみを伴う湿疹の場合、いくら保湿をしてもかゆみが消えない限りは延々とかきこわしてしまうため、あまり効果がありません。そのため、かゆみを抑える方法を考えるべきですが、そのためにはまず湿疹を一気に治してしまって、かゆみを感じるきっかけとなる傷をなくしてしまうというのも1つの方法です。ステロイド剤に代表されるような抗炎症作用の強い軟膏を使用して短期的に治してしまうのも1つの方法です。

かゆみの発生要因を排除する
乾燥肌からくるかゆみは、敏感になっている肌の反応からくるものです。外的な刺激を少なくするために、ひび割れの対処でも用いたような保護膜を一時的に作って守るのも有効です。
また、食べ物や環境の条件でもかゆみを誘発させるものが多くあります。辛いもの、あくの強いもの、ほこりの多い場所など、なかなか完全に避けるのは難しいもののできるだけ遠ざければその分かゆみは軽減します。

このように、乾燥肌からくる各種炎症に対処法は違います。しかし、前述のとおり元は1つの乾燥状態からきているものなのです。それぞれの炎症が少し治まってきたなと思ったら、次に取る保湿の方法はだいたい共通しています。

角質層の潤いを保つNMFやセラミドを補いながら自然治癒のサポートを行ったり、食生活で肌の再生によいとされるビタミン群を適切に摂ったり、適度な運動で代謝を上げて肌の血行をよくしたり、睡眠をたっぷり取って肌のターンオーバーを促したり。根本の乾燥肌を解決に導く要素はたくさんあります。

それらを1つずつ実践していけば、いずれは乾燥肌自体からも解放されることが期待できるのです。