赤ちゃんのあざは心配…治療が必要なあざ・不要なあざの特徴
赤ちゃんが「あざ」を持って生まれてくる場合があります。
お母さんは、我が子にあざを見つけると「将来、人目を気にするようになるのではないか」「悪い病気が原因ではないか」と不安でいっぱいになってしまいます。
あざにはさまざまな種類があり、自然に目立たなくなるものや治療で治せるものも少なくありません。まずは、どんなあざがあるのか勉強しておくと心強いでしょう。
これから赤ちゃんが生まれる予定の方も是非、予備知識としてあざの種類や治療法をチェックしてみてくださいね。
赤ちゃんにあざが…すぐ治療したほうが良い?
あざとは、皮膚の一部にメラニン色素や血管が増えて色や形の異常が起こる状態のことです。あざの色は赤、茶色、青、黒などさまざまな種類があります。
我が子に生まれつきのあざがあり「産んだ自分に責任があるのではないか」と気にするお母さんが多くいらっしゃいます。しかし、あざのできるメカニズムとお母さんの体に因果関係はないので、気にし過ぎる必要はありません。
赤ちゃんのあざは、特に治療する必要のないものから早めに治療したほうがよいものまでさまざまで、急いで治療をしなくても体には影響のない良性のものも多いです。
赤ちゃんのあざはレーザー治療で良くなります!皮膚科に相談を
あざの治療は、外科的な施術によって切除したり色を薄くしたりするのが一般的で、主にレーザー治療が用いられます。
レーザー治療とは、レーザー光線を患部に照射することで患部の細胞を破壊する治療法です。レーザー光線は人体に安全で出血がなく痛みも少ないため、子どもの皮膚に照射することもできます。
しかし中には「小さな赤ちゃんにレーザーを照射して大丈夫?」と気になる人もいるのではないでしょうか。
赤ちゃんのレーザー治療については、「医療法人二葉会 シティクリニック」のウェブサイトに、次のような分かりやすい説明がありましたので紹介いたします。
赤ちゃんでも治療はできます。一部の赤アザや茶アザに対して行う弱い出力のレーザー治療の場合は、生後まもなくでも治療可能です。痛みもありません。
しかし、青アザや黒アザに対する強いレーザー治療は、生後3-4か月くらいまで待って、赤ちゃんの首が座ってから治療を始めたほうがよいでしょう。
アザなどの治療では、新陳代謝の盛んな赤ちゃんのうちに治療を始めると短期間に効果的な治療が行なえます。
いずれにしても、専門医には早めにご相談なさることをおすすめします。
あざが目立つ場合や少しでもあざをきれいに治してあげたい場合には、なるべく早めにレーザー治療を開始したほうが良い、ということですね。
また成長前なら、患部の面積が狭いので治療が短時間で済む、物心がついてないので治療の恐怖心がない、といったメリットもあります。
しかしあざの状態によっては、レーザー治療を繰り返しても効果が得られなかったり、通院や費用の負担が大きくなったりすることがあり、レーザー治療が万能というわけでもないのです。
治療の必要性やプランについては、専門医とよく相談し検討することをおすすめします。
次に「特に治療の必要がないあざ」「任意で治療するあざ」「早目の治療が必要なあざ」ごとに、あざの種類を説明していきます。
目立ちにくい・自然に消えやすい「特に治療しなくて良いあざ」
良性で、治療しなくても体に悪影響がないあざです。
大人になるまでには消える「異所性蒙古斑」
異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)とは、赤ちゃんのお尻にある蒙古斑がお尻以外の場所にも出るのが特徴のあざです。全体の4%程度の赤ちゃんにみられます。
蒙古斑は、ほとんどの有色人種にみられる平らで青黒いあざで、2歳頃までには自然に消えてなくなります。異所性蒙古斑はお尻以外の全身にみられ、ほとんどは成人になるまでには自然に消えていきます。
その後、あざが残ってどうしても気になる場合にはレーザー治療で薄くすることもできます。
治療しないことが多い「ウンナ母斑」
ウンナ母斑は、うなじにできる赤くて平らなあざです。周囲の皮膚との境目がはっきりしているのが特徴で、3歳までに消えることがほとんどです。全体の1割くらいの赤ちゃんにみられます。
あざが残ったとしても比較的目立たない場所であることから、治療をしないことがほとんどです。
顔に出るけど自然に消える「サーモンパッチ」
サーモンパッチは、顔に出る赤身を帯びた平らなあざです。額、眉間、まぶた、鼻の下など顔の中央に出るのが特徴で、泣くと一時的に赤みが強くなります。新生児の3割にみられるとされています。
残りやすい・目立ちやすい「任意で治療するあざ」
自然に消えることがないものや、美容上の問題があるものは、レーザー治療などで目立たなくします。
あざの中で最も多い「扁平母斑」
扁平母斑は、薄茶色をした平たいあざです。形や大きさはさまざまで、全身のどこにでもできます。比較的多くの人にみられるあざです。
ただし扁平母斑は再発することがほとんどで、残念ながら治療で完全に消すことは難しいのです。
普段はあざにカバー力の高いファンデーションを塗って見えなくするのも良いでしょう。
自然に消えるけど邪魔なものは治療したい「いちご状血管腫」
いちご状血管腫は、赤く盛り上がり表面がぼこぼこしているあざです。出生後まもない頃に点状の小さなあざが現れ、1歳頃をピークに大きくなり、その後は小さくなっていきます。全体の1割弱の赤ちゃんにみられます。
全身のどこにでもできます。大きさはさまざまで、大きいものは10㎝を超えることもあります。
また、膨らみの大きいあざは完全には消えにくいので、患部の皮膚を切除する場合もあります。
あざが小さいうちにレーザー治療を始めると、大きく膨らむのを防ぐこともできます。
大きいものが邪魔になったり、顔にできたものが目立ったりするのは厄介なので、早めに皮膚科を受診し、治療方針を選択すると良いでしょう。
自然には消えない「単純性血管腫」
単純性血管腫は、顔、首、腕や脚に現れる赤くて平らなあざです。赤ワインのような色をしているのでポートワイン母斑とも呼ばれます。
大きくなることはありませんが自然には消えないので、気になる場合は早いうちにレーザー治療を始めるのが効果的です。
あざの面積が広い場合は赤ちゃんの負担を考え、担当医と相談して治療時期を選びます。
消えない・悪性の可能性がある「治療が必要なあざ」
次に挙げる「太田母斑」「カフェオレ斑色素性母斑」は、自然に消えることがなく、早めの受診が必要なあざです。
顔に現れ色が濃くなっていく「太田母斑」
太田母斑は顔の片側にできる青紫色のあざです。全体の0.1%程度の赤ちゃんにみられます。
赤ちゃんの頃におでこ、目の周り、頬、白目や口の中に現れ、自然に消えることがなく成長と共に色が濃くなっていきます。悪性ではなく、大きくなることもありません。
赤ちゃんの顔に青いあざができていたら、色が薄くてもすぐに皮膚科を受診させましょう。
カフェオレ斑が6個以上ある場合はすぐ受診を
カフェオレのような薄茶色をした平らなあざは扁平母斑ですが、あざが直径1.5cm以上の大きさで全身に6個以上あるならば、「カフェオレ斑」になります。
カフェオレ斑がある赤ちゃんは、「レックリングハウゼン病(神経線維腫瘍)」という遺伝性の難病が疑われます。レックリングハウゼン病は、赤ちゃんの0.03%程度に起こる病気です。
レックリングハウゼン病の場合、成長と共に皮膚や臓器など全身症状が現れるようになるので、通院を続けながら経過を観察し、症状に合わせて治療を受けることになります。
皮膚がんの可能性もある「色素性母斑」
色素性母斑は、ほくろに似た黒いあざです。表面が凸凹したり硬い毛が生えたりすることもあります。小さいものは悪性ではありませんが、大きなものは悪性黒色腫(皮膚がん)に変わる可能性が高いです。
良性の色素性母斑はレーザー治療で、悪性の可能性がある場合は患部の切除やほかの部位から皮膚を移植するといった治療が用いられます。
「あざも個性のひとつ」子供の心をフォローしてあげましょう
あざが消えにくい場合、子どもが成長して通園・通学が始まると、自分で鏡を見て気にしたり、周りの友達が悪意なくあざのことを言ったりして、悩むことが出てくるかもしれません。
そんな子供の姿を目にすると心が痛みます。親も親身になって子供の悩みを共有していること、いつでも子供の味方だということを言葉や態度で示し、子供をしっかりフォローしてあげましょう。
全体の2~3割の人に何かしらのあざがあるといわれています。特別な病気ではないのです。あざも個性のひとつととらえ、前向きに考えるようにしていきたいものです。